セクシュアルマイノリティの総称であるLGBTという言葉は、レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの頭文字を取って作られました。しかし、実際には、レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー以外にも様々なセクシュアルマイノリティが存在しています。

そこで最近では、LGBTsや、LGBTQ、LGBTQ+といった、その他のセクシュアルマイノリティも含むといったニュアンスが強調されたセクシュアルマイノリティの総称が誕生し始めました。

本記事では、その中からlgbtqqiaappo2sといった表現について詳しく解説していきます。lgbtqqiaappo2sについて知りたい方、参考にしてみてください。

初めに
IRISでは、あらゆるマイノリティが暮らしやすくなることを目指すという意味から「LGBTs」と表記していますが、今回は一般的な「LGBT、LGBTQ、LGBTQ+」について解説するため、表記が混在しております。

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初めにLGBTとは何か

lgbtqqiaappo2sの解説に入る前に、基本となるLGBTについて解説します。LGBTとは、L(レズビアン)、G(ゲイ)、B(バイセクシュアル)、T(トランスジェンダー)の頭文字を取ってできた言葉であり、セクシュアルマイノリティの総称となります。

しかし、セクシュアルマイノリティには非常に多くのセクシュアリティがあり、LGBTには収まりきりません。そのため、最近では、LGBTsなど、LGBTにsを加えることでその他のセクシュアリティを表現したり、色々なセクシュアルマイノリティの表現方法が登場しています。

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セクシュアルマイノリティを理解するための5つの考え方

セクシュアルマイノリティに関係してくる5つの要素を解説していきます。この5つの要素の組み合わせや度合いの違いで、どのようなセクシュアリティになるのか変わってきます。

身体的性別 生まれ持った体の性別のこと
性自認 心の性別のこと
性的指向 性の対象となる性別や人、性質など(男性に性的欲求を感じる、頭の良い人に性的欲求を感じる、精神的な繋がりが強い人に性的欲求を感じるなど)
恋愛対象 恋愛感情の対象となる性別や人、性質など(男性を好きになる、頭の良い人に惹かれる、精神的なつながりが強くなると好きになるなど)
性表現 社会的にどのような性を表現するか。例えば、社会生活での服装や一人称をどう表現するのかなどを性表現と言います。

この5つの要素が分かっていれば、レズビアンというのは、心の性別は女性であり、女性として、女性に性的欲求を持ち、女性を愛するセクシュアリティだと理解できるようになります。

これから、詳しくセクシュアリティを見ていくので上記の表に当てはめながら見てみてください。必ずしも、上から順番に全ての項目を満たせるわけではないのでその点だけはご注意下さい。

例えば先程同様、レズビアンを例にあげると、レズビアンは、性自認、性的指向、恋愛対象に関するセクシュアリティなので、身体的性別と、性表現の項目は満たせません。

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「lgbtqqiaappo2s」とは

LGBTと同様にlgbtqqiaappo2sも、セクシュアルマイノリティの総称となります。色々なセクシュアルマイノリティの総称がある中、lgbtqqiaappo2sは、シンプルにセクシュアルマイノリティの頭文字を取って集めた言葉となります。

どのようなセクシュアリティの頭文字を取って、セクシュアルマイノリティの総称としているのか見ていきましょう。

レズビアン(Lesbian)

女性同性愛者のことを言います。性自認(心の性別)が女性であり、その上で、女性を好きになる方をレズビアンと言います。心の性別が男だったり、男になりたいから女性を好きになるわけではありません。

女性として女性を好きになるのがレズビアンです。

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ゲイ(Gay)

男性同性愛者のことを言います。ゲイは、性自認(心の性別)が男性であり、その上で、男性を好きになっています。間違っても、心の性別が女性だから、男性を好きになっているわけではありません。男として、男を好きになるのがゲイです。また、ゲイの性自認(心の性別)は男性なので、将来的に女性になりたいという願望もありません。

テレビなどのメディアの影響で、ゲイ=オネエと認識している方を度々見かけますが、ゲイとヘテロ男性(異性愛者の男性)との違いは、恋愛対象が男性か、女性かの違いだけであり、ゲイだからオネエというわけではありません。

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バイセクシュアル(Bisexual)

バイセクシュアルは、両性愛者のことを言います。具体的には男性も女性も恋愛対象の方が、バイセクシュアルです。

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トランスジェンダー(Transgender)

トランスジェンダーとは、生まれ持った体の性別と、性自認(心の性別)が一致していないというセクシュアリティです。例えば、生まれ持った体の性別が男性で、心の性別が女性の場合、トランスジェンダーとなります。

稀にゲイとトランスジェンダーの違いが分からないという方がいるのですが、ゲイはあくまで男性として、男性を好きになるというセクシュアリティです。対して、トランスジェンダーは、生まれ持った体の性別は男性でも、心は女性なので、女性として男性を好きになっているという違いがあります。

深く解説していくと、トランスジェンダーにもゲイやレズビアン、その他のセクシュアリティの方がいます。なぜなら、ゲイ男性が男性を好きになるように、性別と好きになる相手の性別は必ずしもセットではないからです。なので、生まれ持った体の性別は女性ですが、心の性別は男性で、男性として男性を好きになるという方も存在します。この場合、トランスジェンダーのゲイとなります。

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クイア(Queer)

「クイア」とは、性的指向や性自認の多様性を押し広げた概念の1つで、元々は差別用語であった「queer(キュア)」を再定義したものです。具体的には、従来のLGBTの枠組みに当てはまらない性的指向や性自認を含めた総称として用いられます。

LGBTにQを加えてLGBTQと表現したりすることで、限定的な印象を受けるLGBTという言葉に、より広い範囲を包括すると表現することができるようになります。

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クエスチョニング(Questioning)

自分の性別(性自認)や性的指向が定まっていない人、あえて定めていない人、時期などによって流動的に変わる人などのことをクエスチョニングといいます。

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インターセックス(Inter-sex)

インターセックスは、医学的な用語を使うと、性分化疾患といわれ、英語ではDSDと表記されます。

男性、女性などの性的特徴を両方兼ね備えていたり、その中間的な特徴を持っていたりする人のことで、染色体異常など客観的に判断しづらい部分については思春期などの成長の過程で気づくこともあります。

また、成長の過程で手術を必要としたり、治療を必要としたりすることからも、ひとつのセクシュアリティと捉えるよりは、現在はいち疾患として捉えることが多いです。

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アセクシュアル(Asexual)

自身の身体的性や性自認に限らず、恋愛感情や性愛の感情を抱かない人のことを言います。無性愛者ということもあり、誰に対しても恋愛や性愛の感情を抱かず、恋愛や、他者とのスキンシップなども必要としないと感じる人のことです。

理解が必要な点として、アセクシュアルの人は感情がなく、愛情がわからない人というわけではないということです。家族や友達からの愛情を感じたり、同じように愛情を返したいと考える人も多いです。

あくまで恋愛や性愛を必要としていないセクシュアリティであるということです。

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アライ(Ally)

アライは、仲間、同志などの意味があり、他者のセクシュアリティを尊重し、支持し、ときには共に活動したりする人のことを言います。

以前は、異性愛者(いわゆるセクシュアル・マジョリティとされる人)がこうした活動に参加したり、意思を表明したりする際にアライという言葉を使うことが多かったですが、現在では自身のセクシュアリティに関わらず、アライを自認する人も増えています。

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パンセクシュアル(Pansexual)

パンセクシュアルというのは、全性愛者のことを言います。全性愛って、男性も女性も好きになるってこと?それって、バイセクシュアルと何が違うの?と感じた方も多いでしょう。

バイセクシュアルは、仰る通り、男性も女性も恋愛対象になるセクシュアリティで、パンセクシュアルは、男性も女性もというより、人として相手を好きになる感じで、相手の性別はあまり関係ありません。つまり、男性も女性も、無性も、中性も、その他のセクシュアリティも全て含めて好きになれる可能性があります。これが、パンセクシュアルというセクシュアリティです。

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ポリアモラス(Polyamorous)

ポリアモリーともいわれ、複数の人と同時に恋愛関係を持つ人のことを言います。集団的に恋愛をし、そこに関係する人すべての同意が取れていることがこの関係性を保つうえで最低限必要なことになります。

浮気や不倫などとは違って、関係するすべてのパートナーを同等に愛し、そのことに同意が取れているということです。

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オムニセクシュアル(Omnisexual)

オムニセクシュアルも、バイセクシュアルやパンセクシュアルと似ていて、男性、女性に限らず恋愛・性愛の対象となるセクシュアリティを持つ人です。

ただ、パンセクシュアルの人は他者の性別やセクシュアリティに限らず恋愛の対象になるのに対して、オムニセクシュアルの人は相手のセクシュアリティなどを理解して知ったうえで恋愛感情を抱くことが多いです。

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トゥースピリット(Two Spirit)

スピリット=魂が示すように、自身のことを男性、女性両方の魂が宿っていると感じる人のことを言います。

北アメリカの先住民の間で”第三の性”として認知されているもので、身体的性が男性か、女性かなどに限らず、それとは別の性の魂を持っている人もトゥースピリットといわれます。

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lgbtqqiaappo2sに含まれていないセクシュアリティ

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lgbtqqiaappo2sにはまだまだ含まれていないセクシュアリティが存在するので、簡単に一部、解説していきます。

Xジェンダー

Xジェンダーは、日本限定のセクシュアリティです。その為、lgbtqqiaappo2sには含まれていません。Xジェンダーは、トランスジェンダーに包括されることのあるセクシュアリティで、性自認(心の性別)が無性、中性だったり、時と状況によって変わるといったセクシュアリティになります。

レズビアンや、ゲイ、バイセクシュアルに比べると、それほど認知度はないかもしれないですが、Xジェンダーを名乗る方は割と見かけるので、意外と多いセクシュアリティなのかもしれません。

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ノンセクシュアル

ノンセクシュアルは、アセクシュアルに包括されることのあるセクシュアリティです。他人に対して、性的欲求や恋愛感情を抱かないアセクシュアルに対して、ノンセクシュアルは、性的欲求はないですが、恋愛感情を抱くことはあるセクシュアリティになります。

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デミロマンティック

デミロマンティックも、アセクシュアルに包括されることのあるセクシュアリティです。信頼関係や絆など、強い精神的な繋がりがある相手にのみ、恋愛感情を抱くというセクシュアリティになります。

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デミセクシュアル

信頼関係や絆など、強い精神的な繋がりがある相手にのみ、恋愛感情を抱くデミロマンティックに対し、デミセクシュアルは、強い精神的な繋がりがある相手にのみ、性的欲求を持つというセクシュアリティになります。

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【まとめ】知ってる?暗号みたいな「lgbtqqiaappo2s」を読み解こう

本記事では、セクシュアルマイノリティの総称の1つ、lgbtqqiaappo2sについて解説させていただきました。lgbtqqiaappo2sは、LGBTと同様にセクシュアルマイノリティの頭文字を取って作った言葉で、セクシュアルマイノリティ全体を包括する言葉になります。

以上、最後まで読んでくださりありがとうございました。

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