近年、性の多様性が社会的に認識されるようになってきました。LGBTsの認識が広がる中、ノンセクシュアルも注目されるセクシュアリティの1つとして浮上してきています。この記事では、ノンセクシュアルとは何か、その特徴や背景、他のセクシュアリティとの違いについて詳しくお伝えいたします。

初めに
IRISでは、あらゆるマイノリティが暮らしやすくなることを目指すという意味から「LGBTs」と表記していますが、今回は一般的な「LGBT」について解説するため、表記が混在しております。

 

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ノンセクシュアルとは?

ノンセクシュアルとは、他者に対して性的欲求を抱かないセクシュアリティとして定義されています。しかし、これは性的欲求の部分に限られ、恋愛感情を抱くことも十分にあり得ます。日本語では「非性愛」とも呼ばれ、ノンセクシュアルを略してノンセクとも称されています。このセクシュアリティは、恋愛と性的欲求の間にある独特の位置づけにより、多くの誤解や偏見に直面しています。

セクシュアリティの背景

ノンセクシュアルは、セクシュアルマイノリティの一部として認識されています。今や日本でも、多くの人々がLGBTという言葉を知っていますが、セクシュアリティはLGBT(レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダー)の4つだけではありません。ノンセクシュアルを含むその他のセクシュアリティを理解するためには、以下の5つの要素を考慮する必要があります:

身体的性 生まれたときの身体的な性別で、これは外見や生物学的特徴に基づいています。
性自認 自分がどの性として自認しているかで、これは自分の内面的な感覚や認識に基づいています。
性的指向 どの性に対して性的な魅力を感じるかに基づいています。
恋愛対象 どの性に対して恋愛感情を感じるかに基づいています。
性表現 自分がどのように性を表現したいかで、これは服装や態度、言動などによって表れます。

ノンセクシュアルの場合は、恋愛感情はあるけれど、性的欲求は感じにくいというセクシュアリティなので、性的指向は無であり、恋愛対象は人によるということになります。異性愛者のノンセクシュアル、両性愛者のノンセクシュアル、同性愛者のノンセクシュアルなど、様々なパターンが存在しています。

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アセクシュアルとノンセクシュアルの違い

アセクシュアルとノンセクシュアルは、非常に似ているため、混同されやすいセクシュアリティです。

ノンセクシュアルの人々は、他者に対して恋愛感情を持つことができますが、性的な欲求は感じないことが多いです。これは、深い絆や愛情を中心とした恋愛を意味します。一方、アセクシュアルの人々は、他者に対して恋愛感情も性的欲求も抱かないことが一般的です。しかし、これはアセクシュアルの人々が他者に愛情を持たないわけではありません。家族や友人への愛情は十分に存在しています。

近年、アセクシュアルは多くのメディアや研究で取り上げられるようになってきましたが、ノンセクシュアルはまだ一般的にはあまり知られていないセクシュアリティのように思います。

ノンセクシュアルの恋愛と結婚

ノンセクシュアルの人々は、恋愛感情を持つことができます。その恋愛は多くの場合、性的な欲求を伴わないものとなります。これは、深い絆や愛情を中心とした恋愛を意味します。キスやハグなどの身体的な接触は存在するかもしれませんが、それが必ずしも性的なものとは限りません。

結婚に関しても、ノンセクシュアルの人々は結婚を望むことがあります。しかし、結婚生活においては性的な関係が一般的に期待されることが多いため、パートナーとの間でのコミュニケーションが非常に重要となります。ですが、結婚の目的は人それぞれ異なり、安定した生活を築くことや、深い絆を共有することなど個々によって様々です。

ノンセクシュアルの人々は、恋愛や結婚において、性的な欲求を持たないことからくる、悩みや課題を抱えることがあります。特に、パートナーとの関係性の中で、性的な欲求の有無に関する誤解や期待値のギャップを埋めるためのコミュニケーションが必要となることが多いです。ノンセクシュアルの人々をサポートするためには、そのセクシュアリティを理解し、受け入れることが重要です。そして、恋愛や結婚に関する悩みを共有する際には、偏見や先入観を持たずに耳を傾けることが求められます。

まとめ

ノンセクシュアルは、性的欲求の有無とは別に、深い絆や愛情を他者と共有することができるセクシュアリティです。このような多様性を持つセクシュアリティを理解し、尊重することが、より豊かな社会を築く鍵となるでしょう。私たち一人一人が、性の多様性を理解し尊重することで、より包括的で公平な社会を実現することができるのではないでしょうか。