どうもこんにちは。ゲイのしょうへいです。
本記事ではゲイとは何か知りたい方に向けて、当事者の視点からゲイがどういった存在なのかリアルなところを徹底的に解説していきます。
ゲイについて知りたい方、参考にしてみてください。
ゲイとは主に男性の同性愛者のこと
現代では、ゲイとは『同性愛者』のことです。ゲイは男性女性問わず、同性愛者を示す言葉なのですが、女性の同性愛者を指すレズビアンと区別して、特に男性の同性愛者を示す言葉として使われることが多い傾向にあります。(参考:Wikipedia)
元々は、男女問わず同性愛者を示す言葉である為、海外ドラマを見ていると女性の同性愛者に対して「彼女はゲイだから」といった発言が見られることもあります。
ゲイという言葉が使われるようになったのは19世紀後半から
ゲイという言葉が同性愛や性的指向として使われるようになったのは19世紀後半以降と言われています。そして20世紀に入って普及が拡大し、20世紀の終わり頃までには、ゲイという言葉は同性間の関係に関心を持った人々を表すための言葉として推奨されることになりました。
ただし、かつてはゲイという言葉が「不品行」「不道徳」といった意味を合わせ持っていた時代もあり、物語上の同性間の「不品行」「不道徳」な行為の表現として使われていたこともあります。(参考:Wikipedia)
ゲイとは昔、同性愛者を指す言葉ではなかった
現代では男性の同性愛者を指す言葉として広く認知されたゲイという言葉ですが、昔は同性愛者を指す言葉ではなかったようです。
ゲイという言葉の起源は、12世紀の古フランス語のgaiと考えられており、つきつめるとゲルマン語が元になっている可能性が高いそうです。(参考:Online Etymology Dictionary)
英語圏では、ゲイという言葉は「お気楽」「幸せ」「いい気分」「目立ちたい」という意味で使われており、会話や文章上でとてもポピュラーな言葉でした。その為、ワーナー・ブラザースの映画のタイトルにも「ゲイなパリっ子」というものがあります。
ゲイという言葉に性的な意味が含まれるようになるまで
察しの良い方はもうお気づきかもしれません。お気楽や、幸せといった意味で使われていたゲイという言葉は、17世紀の終わりごろには「享楽と放蕩に明け暮れる」という意味も持ち始めていました。
17世紀当時には、売春婦の方を「ゲイ女」と言い、女たらしの男性のことを「ゲイ男」と言い、少しずつ性的な意味で使われるようになってきます。
お気楽といった意味を持つゲイという言葉は次第に「重んずるべきとされていた伝統や、性的な性的な習律に囚われないという価値観を主張するもの」として、使われることにもなってきます。
そして1920年第には、主にホモセクシュアル同士の間で、自分たちの生き方を誇示する単語として使われるようになってきたといわれています。(参考:Online Etymology Dictionary)
ゲイとホモと、オカマとオネエの違い
分かりづらいのがゲイとホモとオカマの違いではないでしょうか。実はとても大きな違いがあります。
性に関しては
- 身体的性(生まれた時に割り当てられた性別)
- 性自認(自分が考える自分の性別)
- 性的指向(どういった性別に魅力を感じるのか)
- 性表現(服装や言葉遣いなどの表現)
の4つの項目から構成されていると言われ、この観点から考えるとわかりやすいです。
ゲイ
冒頭の方でも書いたとおり、ゲイというのは主に男性の同性愛者のことを言います。
性自認が男性で、性的指向が男性の同性愛者と言うことができます。
他にも男性の同性愛者を指す言葉はいくつかありますが、基本的にはあまり良い印象を与えるものではないので注意してください。
ホモ
ホモというのはゲイの男性の『差別的な表現』になります。当事者同士がゲイをホモというのは問題になることは少ないと思いますが、当事者以外がゲイをホモと表現する場合には注意が必要です。
当事者以外の方はなるべく、ホモという言葉を使うのではなくゲイという言葉を使うようにしましょう。
とは言っても、中にはゲイという言葉よりもホモという言葉を使われた方がフランクに感じて良いという方もいらっしゃるようです。
オカマ
オカマとは元々、肛門を意味する江戸時代の俗語で、お尻を使い性的な行為をすることもある女装男娼を指す言葉です。(参考:Wikipedia)
現代においては『女性的な男性同性愛者、オネエ言葉を使う方、女装趣味の方などに使われることが多い言葉』となっています。
『オカマという言葉は基本的には差別的な表現』なので、当事者同士が使うのであれば問題になることは少ないと思いますが、非当事者が使うと当事者に対してネガティブな印象を与えてしまうことがあります。
ホモというのはゲイ男性の差別的な表現に対して『オカマという言葉は同性愛者、非同性愛者に関わらず女性的な男性に対して使われることがある蔑称』かと思います。
オネエ
オネエというのは、オネエ言葉を使ったり『女性的な仕草をする女性的なゲイのこと』です。2006年に日本テレビ系「おネエMANS」が始まった頃から、オネエの解釈が拡大されて、メディアを中心にゲイと同じ意味で使われることが多くなってきました。(参考:Wikipedia)
メディアでも多く使われていることから、差別的な意味は含まないと思いますが、ゲイの中にはオネエと言われることがストレスに感じる方もいる為、基本的には使わない方が良いかと思います。
女装家・ドラァグクイーン
ゲイと間違えられやすい存在として女装家やドラァグクイーンの存在があります。
一般的な女性以上に派手な女性性を強調した化粧や衣装を身に纏う女装家やドラァグククイーンは、レインボープライドなどのイベントに登場するためゲイと混同されがちです。
しかし、女装やドラァグクイーンというのは、あくまで「性表現」に過ぎず、性的指向であるゲイとは無関係です。
女装をしているが性自認は男性で同性が好きなゲイ(同性愛者)、女装はするが性的指向は異性愛者、ドラァグクイーンとして活動する身体的性が女性の人などもいます。
ゲイの全てがオネエというわけではない
先ほども書いたとおり、メディアを中心としてゲイとオネエが同義語として使われることが増えてきています。その為、ゲイ=オネエだという認識の方も増えてきているように感じます。
しかし、オネエは性表現なのに対し、ゲイは性的指向に関する言葉です。
母親に僕がゲイであることを打ち明けたときにも「ゲイなの?」ではなく「オネエなの?」と言われ、なんとも言えないショックを受けました。またメディアのイメージでゲイは女性的な男性であるというイメージがあるようです。
しかし全てのゲイがオネエというわけではありません。確かに女性的な言葉を使い女性的な仕草をするゲイもいますが、多くのゲイはただ同性である男性が好きなだけで、その他に関してはストレートの男性と変わりありません。
全てのゲイがオネエというわけではないので、その点だけは誤解の無いようにしましょう。メディアではゲイをオネエとして一括りに扱っていますが、現実ではゲイとオネエは分けて考えた方が良いです。
例えば歌手で有名な美川憲一さんはオネエキャラで有名になっています。
しかし、オネエキャラはあくまでキャラであり、ご本人の性自認は男性で、性的指向は女性であり、過去には結婚を考えたこともあることを明らかにしています。(参考:YAHOO!ニュース)
LGBTsは人口の3.3%で同性愛者である確率は0.7%
HUFFPOSTというサイトに掲載されている情報によるとLGBTsは人口の3.3%ということでした。その中でゲイやレズビアンといった同性愛者の確率は0.7%とされています。
一見0.7%というとかなり少ないように感じますが、男性が100人いた場合、もしかしたら1人くらいはゲイかもしれないと考えるとそこそこ多いと言えるのではないでしょうか。
でも周りの男性の中でゲイの人なんて見たことがないという方も多いでしょう。もしかしたらそれは、ゲイは男性が好きなこと以外は、ストレートの方と変わらないので見分けがつかないからかもしれません。
ゲイは心が女性だから男性を好きになるわけではない
時々誤解されてしまうのが「ゲイは心が女性だから男性を好きになる」ということです。僕は結構この話を耳にすることがある気がします。
ゲイというのは基本的には心の性別は男性で、男性として男性を好きになっています。心が女性だから、男性を好きになっているわけではありません。また、ゲイは女性になりたいわけでもありません。
心の性別が女性で身体的性別が男性で、そして男性を好きになるのはまたゲイとは少し違った存在になってきます。
ゲイの人達は普段何をしているの?
ゲイの人とリアルで遭遇したことはないし、ゲイの人達が普段何をしているのか疑問に思っている方も多いでしょう。
基本的にゲイも、ストレートの方も好きになる性別が違うだけで日常生活はそう大きくは変わりません。ゲイの方もそれぞれが、自分の日常があり、その日常を生きています。
社会的なところで言えば、僕の周りではシステムエンジニアなどパソコン関係の仕事をしているゲイが圧倒的に多いです。その次がお医者さんや看護師などの医療系、その次が、飲食系になります。
ゲイを公表している有名人
ゲイを公表している有名人として、「マツコ・デラックス」さんや「ミッツ・マングローブ」さんのようにメディアでは女装をして女性的な性表現をする人しか知らない人もいらっしゃるかもしれません。
しかし、声優の「三ツ矢雄二」さんや日本文学者で東京大学名誉教授でもある「ロバート・キャンベル」さんなどは服装などの性表現は男性のゲイです。
ゲイにもいろいろな種類のゲイがいる
ゲイと一概にいっても深く見ていけば様々な種類のゲイがいます。例えば僕はゲイであると同時にXジェンダーでもありノンセクシュアルでもあります。
Xジェンダーというのは、心の性別が無性だったり、中性だったりする人のことを言います。僕は心の性別が『無』なのでちょっと変わり種のゲイなのかもしれません。
ノンセクシュアルというのは、恋愛感情はあるけれど性的欲求を抱かないというセクシュアリティとなります。なので、僕は男性に対して恋愛感情はありますが、性的欲求まではありません。
参考:Xジェンダー( Wikipedia )/ノンセクシュアル( JobRainbow )
また、ゲイだからみんなおしゃれで、歯に衣着せぬ物いいをするかというと決してそんなこともありません。
異性愛者がみんな同じ性格や職業ではないのと同様に、ゲイも人が持つごく一部である性的指向に過ぎません。
ゲイ(同性愛者)は病気ではない
ごく稀にゲイやビアンなどの同性愛者を精神的な病気や異常という方がいますが、同性愛者は病気ではありません。自然界でも同性愛は多く見られますし、同性愛者の発生は自然と言えます。
ただかつては同性愛は異常であり、病気であるとされていました。(参考:NPO法人 EMA日本)
しかし、現在ではWHOや米国精神医学会、日本精神神経学会などが同性愛を「異常」「倒錯」「精神疾患」とはみなさず、治療の対象から除外しています。文部省も1994年に指導書の「性非行」の項目から同性愛を除外しました。
ゲイに関する社会運動とは
世界と日本のゲイに関する社会運動をご紹介します。
ストーンウォール事件とプライドパレード
1969年ニューヨークで発生した事件で、「ストーンウォールの反乱」「ストーンウォール暴動」とも呼ばれ、映画化もされています。
ゲイバー「ストーンウォール・イン」に警察が弾圧的な踏み込み捜査をした際、LGBT当事者が立ち向かい、その後の抵抗運動にまで発展したきっかけとなった事件です。
事件の翌年、ストーンウォール事件の1周年を記念するデモ行進が行われ、このデモ行進がプライドパレードの起源とされています。
府中青年の家事件
1990年2月同性愛者団体「動くゲイとレズビアンの会」(現NPO法人アカー)が東京都府中市にある「府中青年の家」に同性愛者であることを告げた上で宿泊したところ、同時に宿泊していた他団体の利用者から侮辱されます。
府中青年の家は、同性愛者団体を擁護しないだけでなく今後の利用を禁止する措置をとったことで訴訟となり、最終的に同性愛者団体が勝訴します。
当時は性的少数者の存在は日本社会で可視化されにくく、行政である東京都も同性愛者団体の権利を認めない立場だったことは当時の日本社会を象徴しています。
【まとめ】ゲイとは?ホモやオカマ、オネエとの違いや誤解など徹底解説!
本記事では当事者の視点からゲイについて解説させていただきました。ゲイは男性100人いれば1人くらいはいる確率なので、実は男友達のだれかももしかしたらゲイかもしれません。
メディアではゲイ=オネエとして扱われることが多いですが、オネエなゲイはゲイの一部です。全てのゲイがオネエというわけではないので気をつけておきましょう。寧ろ外見的にはストレートの男性よりもゲイの方が男性的な傾向が強いかもしれません。
以上。ゲイとは?ゲイとは?ホモやオカマ、オネエとの違いや誤解など徹底解説でした。長い記事になりましたが最後まで読んでくださりありがとうございます。