ゲイはどんな生活を送っているのかを、当事者である筆者の主観と一部企業や団体が行っている調査結果も交えてお伝えします。 「ゲイ」とは自分自身を男性と認識し、同性である男性に恋愛的、性的魅力を感じる人のことを意味します。最初にお断りしたいのですが、ゲイというのは人間の一面でしかないため、「ゲイは必ず◯◯である」などと断言できることはほとんどありません。

たとえば「ゲイはゲイバーに必ず行ったことがある」というイメージがあるかもしれませんが、そんなことはありません。ゲイであろうと、そもそもお酒が飲めない人もいますし、ゲイバーの独特の雰囲気が苦手という人もいます。

初めに
IRISでは、あらゆるマイノリティが暮らしやすくなることを目指すという意味から「LGBTs」と表記していますが、今回は一般的な「LGBT・LGBTQ・LGB」について解説するため、表記が混在しております。

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ゲイであることはカミングアウトしているの?

ゲイの生活と聞いて、まず気になるのは普段「ゲイであること」をオープンにしているかではないでしょうか。

私の周囲では職場や家族、ストレートの人たちには全くオープンにしていない、もしくはごく親しい人にのみしているといった人が多く、両親や家族を含めた近親者にまでオープンにしている人は、少数派だと感じています。私も親族を含め、ほとんどカミングアウトしたことがありません。

職場でLGBTであることをカミングアウト(公表)しているかどうか、auじぶん銀行会社が調査しています。調査結果として、82%もの人がカミングアウトしていないと回答しています。

やはり多くの人が職場でLGBT当事者であることをカミングアウトせずに隠して生活しているようです。

また、同じ調査では「LGBTであることで、職場で困ったこと(トラブル)や悩みはありますか。」という質問に25.6%があると回答しています。

回答内容を確認してみると、異性愛者前提で話題を振られたり、LGBTであることを広められてしまったといった回答がありました。ゲイであることをカミングアウトしたとしても、デメリットしか感じられそうな環境では、隠しておこうとする人も多いのではないでしょうか。

別の調査では、職場でのLGBTQ施策の数が増えるほど職場での心理的安全性が高まり、カミングアウトする人の比率も上がることが報告されています。また、LGBTQの回答者の60%以上が、自分の職場にはLGBTQに関する施策がないと回答しています。

参考:LGBTの8割以上が職場でカミングアウトしていない?企業のLGBT支援制度の整備状況は?

認定NPO法人虹色ダイバーシティ|nijiVOICE2023報告書

職業は?

職種は本当にバラバラです。筆者の知り合いだけでも看護師、介護職員、放射線技師、薬剤師、柔道整復師、営業、法務、エンジニア、CADオペレーター、家具職人、アパレル店員、リサーチャー、マッサージ師、ダンサー、バーオーナー、デザイナー、教師、心理カウンセラー、キャバクラの黒服、リポーター、ジムインストラクター、市役所の公務員、消防士、楽曲制作者、ライター、企業経営者、パン職人など本当にさまざまです。

虹色ダイバーシティの調査結果では医療・福祉、情報通信業、教育・学習支援業、製造業の順に多いようです。

参考:認定NPO法人虹色ダイバーシティ|nijiVOICE2023報告書

経済力は?

ピンからキリまで千差万別です。大手企業で働くエリートや、起業した経営者など、一部のゲイはかなり経済力があります。

子供のいる異性愛者の家庭とは異なり、大半のゲイは子育てがないため養育費が不要となり、可処分所得が多い人が多い印象を受けます。

そうした人たちは都心部のタワマンや高級マンションに住み、頻繁に国内外の旅行に出かけたり、ブランド品や趣味に大金をつぎ込みきらびやかな生活を送っている人もいます。

その一方でメンタル不調や職場の心理的安全性の問題などで正規職員になれなかったり、正規職員から外れてしまって質素な生活を送っていたり、借金をしたりしてぎりぎりの生活をしている人も少なくありません。

フリーランスやアルバイトで自分のペースを最優先に働くライフスタイルの人ももちろんいます。

虹色ダイバーシティの調査結果では、年収200万円未満を低収入、200万円から600万円を中収入、600万円以上を高収入と分類しています。

異性愛の男性とゲイ男性を比較すると、異性愛男性で低収入は10%弱に対して、ゲイ男性は24%です。高収入な異性愛男性は48%に対して、ゲイ男性の高収入は33%と収入面ではゲイ男性の方が厳しい現実があるのかもしれません。

参考:認定NPO法人虹色ダイバーシティ|nijiVOICE2023報告書

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余暇の過ごし方は?

サークル活動

有名なのはゲイのサークルに加入して活動する人がいます。たとえばバドミントンやテニス、バレーボール、山登りなどのスポーツ系サークルに加入している人の話はよく聞きます。

球技系サークルは、他のサークルと交流戦を行う場合もあるそうです。

ゲイバー

ゲイバーにお酒を飲みに行くことを楽しみにしているゲイも一定数います。

土日祝日など休日に飲みに行くだけではなく、平日の仕事帰りに訪れる人も少なくなく、タイミングはさまざまです。

ゲイバーが主催者となって旅行やスキー、BBQ、お花見、紅葉狩り、海水浴などのイベントを行うことがあります。筆者は東北に住んでいた際に、ゲイバー主催の「芋煮会」イベントに参加させてもらったことがあります。

都内のゲイバーはさまざまなエリアに広がっており、新宿、上野、浅草といった昔ながらのエリア以外にも新橋、中野、渋谷、高田馬場、蒲田、八王子など広範囲に点在しています。東京や大阪といった大都市以外でも日本各地にゲイバーはあるので、そういった場所に飲みに行くのを楽しみにする人もいます。

ホームパーティー

ホームパーティーを開くゲイは一定数いると感じます。筆者も都内のタワーマンションやリノベーションしたマンション、一般的なマンションなどでのホームパーティーにお邪魔したことがあります。

インスタ映えするような見栄えの良いゴージャスでおしゃれな料理、飲み物で全体的にキラキラした雰囲気で行われる場合もありますし、好きな食べ物飲み物を参加者が持ち寄って、楽しく会話しながらお酒を楽しんだりします。

パーティーに招く対象もゲイだけの場合、同じセクシュアリティの仲間しかいない空間のため、普段外では話しにくいような話も遠慮なくできるため、大いに話が盛り上がることが多い印象です。

ジムで運動

ジムで運動する人が一定数います。ジムで運動をして魅力的な身体になりたいと考える人は多いと思いますが、ゲイの場合には筋トレをしていわゆる「ガチムチ」やマッチョ体系になりたいと考える人がかなりいます。

全てのゲイがそう考えているわけではないので、引き締まったスリム体系を目指す人やヨガやピラティス、スタジオプログラムに参加するのを楽しみにする人ももちろんいます。

ゲイナイト

大都市圏では週末の夜から翌朝にかけてゲイナイトと呼ばれるクラブイベントが行われることがあります。男性しか入れないイベントもあれば、ミックスと呼ばれる女性も入場できるイベントもあります。ゲイナイトごとに、テーマに沿った音楽が大音量で流れ、ショータイムではgo go boyと呼ばれる魅力的なモデルさんたちがセクシーなダンスを披露するのが定番の流れです。

そこでお酒を飲みながら音楽に合わせて踊って楽しんだり、好きなgo go boyのショーを楽しんだり、新たな出会いにつながる場合もあります。

どのように暮らしている?

誰と住む?

筆者のまわりでは1人暮らしが多数で、実家暮らし、同性パートナーと同棲、結婚して家族と生活といったゲイもいます。結婚して家族と生活している人は、日本では異性間でしか結婚できませんので、ゲイでありながら女性と結婚している「既婚ゲイ」と呼ばれる人を指します。

虹色ダイバーシティの調査結果でも、シスジェンダー(生まれた性と自分で認識する性が一致している人)のLGBは1人暮らしが最も多く、次にパートナーとの同居、僅差で親との同居という回答になっています。

5%のシスジェンダーLGBと4%のトランスジェンダーが子どもと暮らしていると回答していることから、子育てをしているセクシュアルマイノリティが一定数いることがわかります。

参考:認定NPO法人虹色ダイバーシティ|nijiVOICE2023報告書

どこに住む?

ゲイが住みやすいのは大都市部という印象があります。人が少ない地方では、ただでさえ人が少ないためゲイに出会える確率が下がります。地方都市に住んでいる友人は、ゲイアプリでマッチングした人と出会うために車を1時間以上走らせるのがざらだと話していました。よって、多数派である異性愛者よりも、ゲイの人々は都市部に住む傾向があるのではないかと推測します。

実家は首都圏以外で、上京して1人暮らししているというゲイも多くいます。家族にゲイであることをカミングアウトしていない場合、実家で結婚のプレッシャーをかけられるよりは、都心でゲイ仲間と遊びながら暮らす方が快適だという人も少なくありません。

ゲイの出会い方は?

ゲイの出会う方法は多い順にゲイのマッチングアプリ、InstagramやXといったSNS、知人の紹介、ゲイサークル、ゲイバー、ゲイナイト、という印象があります。ゲイのホームパーティーで知り合った人と恋愛に発展する、というケースもあります。

ゲイのモテ筋ってどんなタイプ?

典型的なゲイのモテ筋と言われるのは、髪型がかりあげた短髪、あごヒゲを生やしていて、筋肉を鍛えているガチムチ体系でしょう。ぽっちゃり、デブ体系もかなり人気かと思います。しかしゲイには「捨てるところがない」という通説があり、ロン毛が好きな人、ほっそりした体系が好きな人、中年や高齢者が好きな人などあらゆるタイプに対して需要があるようです。

まとめ

ゲイの生活について、カミングアウトや職業、余暇の過ごし方、生活様式、出会い方などさまざまな角度から解説させていただきました。「ゲイ以外の人たちとたいして変わらない」「ゲイだけど全く同意できない」などさまざまなご意見があるかもしれません。あくまで1人のゲイの意見として気軽に読んでいただけたら幸いです。