こんにちは。LGBTs当事者によるLGBTsフレンドリーな不動産会社IRISのケンゴです。
性的少数者と言われるLGBTですが、社会生活をしている上でLGBTの方と遭遇することってあまりないですよね。
「本当にLGBTなんているの?」「自分もLGBTだけど、どのくらいLGBTっているんだろう」と、疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。
本記事ではLGBTの割合についてデータを引用しながら解説していきます。当事者の視点から見た体感的なLGBTの割合についても解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
初めに |
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IRISではLGBTにも、その他のマイノリティにも親切な企業でありたいという気持ちからLGBTsフレンドリーを掲げていますが、本記事はLGBTに関する内容の為、LGBTsではなくLGBTという言葉を使用していきます。 |
日本におけるLGBTの割合は10%前後
いくつかのデータを見ていくと日本のLGBTの割合は人口の10%前後というのが分かります。つまり10人に1人くらいがLGBTです。10人に1人という割合は、佐藤さんや鈴木さんの名字の方と同じくらいの割合。そのように考えるとLGBTはそこそこ多いように感じますね。
データ元 | LGBTの確率 | LGBTの割合 | データの年 |
---|---|---|---|
電通ダイバーシティ・ラボ | 8.9% | 11人に1人 | 2020年 |
株式会社LGBT総合研究所 | 10% | 10人に1人 | 2019年 |
日本労働組合総連合会 | 8.0% | 13人に1人 | 2016年 |
名古屋市総務局総合調整部男女平等参画推進室 | 1.6% | 100人に1人 | 2018年 |
「働き方と暮らしの多様性と共生」研究チーム(協力:大阪市) | 3.3% | 33人に1人 | 2019年 |
8.2% | 13人に1人 | ||
電通グループ | 9.7% | 10人に1人 | 2023年 |
働き方と暮らしの多様性と共生の3.3%は、「ゲイ」「レズビアン」「バイセクシュアル」「トランスジェンダー」「アセクシュアル」の合計割合です。8.2%はセクシュアリティなどを「決めたくない」「決めていない」の回答を合わせた数値となります。
セクシュアリティの割合
トランスジェンダー | 1.15% |
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ノンバイナリー / Xジェンダー | 1.38% |
クエスチョニング | 0.26% |
ゲイ | 1.59% |
レズビアン | 1.01% |
バイ / パンセクシュアル | 3.20% |
アロマンティック | 1.43% |
アセクシュアル | 1.56% |
クエスチョニング | 0.58% |
電通データの2023年版に各セクシュアリティの割合が出ているので引用させていただいております。以前、ゲイは3%と聞いたことがあったのですが、約1.6%と非常に少ないのが分かりました。都内にいると結構な頻度ですれ違うので、もっといる印象でしたが実際にはかなり少ないんですね。
Xジェンダーやノンバイナリーの数値にも驚いています。僕はXジェンダーを自認しているのですが、周りでXジェンダーやノンバイナリーを自認している人は全然いないため、約1.4%よりも非常に少ない数字だと思っていました。
欧米でのLGBTの割合
欧米でのLGBTの割合は下記のようになっています。
国・地域 | LGBTの確率 | LGBTの割合 | データの年 |
---|---|---|---|
アメリカ(Gallup社調査) | 7.1% | 14人に1人 | 2021年 |
ヨーロッパ(Dalia社調査) | 5.9% | 16人に1人 | 2016年 |
10% | |||
スペイン | 6.9% | 15人に1人 | 2016年 |
イギリス | 6.5% | 15人に1人 | 2016年 |
ドイツ | 7.4% | 13人に1人 | 2016年 |
ヨーロッパのDalia社調査の5.9%は、「レズビアン」「ゲイ」「バイセクシュアル」「トランスジェンダー」だと自認するかに「はい」と答えた人の割合です。
10%は「完全に異性愛」「ほとんど異性愛、ときどき同性愛」「おなじくらいに異性愛と同性愛」「ほとんど同性愛、ときどき異性愛」「完全に同性愛」「無性愛」「言いたくない」のうち、完全に異性愛意外の答えを書いた人の割合となります。
アメリカを調査したGallup社の報告によると、アメリカのLGBTの割合は増えており、Z世代(1997年〜2003年生まれ)では、21%にもなっているそうです。
LGBTの割合が増えている理由
日本で限定して見ても世界的な視点で見てもLGBTは増えている傾向にあるようです。例えば電通ダイバーシティ・ラボさんのデータによると『2012年のデータ』では5.2%。そして『2020年のデータ』では8.9%までLGBTが増えました。
世界的にみても若い世代ほどLGBTである割合が高い傾向にあります。例えばイギリスのLGBTの割合は6.5%ですが、若い世代では12%。ドイツのLGBTの割合は7.4%ですが、若い世代では11%となっています。(参考:JobRainbow)
なぜLGBTが若い世代で増えているのでしょうか。考えられる理由は2つあります。
LGBTへの理解が進んでいる
まず1つ考えられるのはLGBTへの理解が進んでいることです。
僕がまだ小学生〜高校生くらいの頃(2022年から20年くらい前)はまだ、LGBTに当たる人々に対しての差別的な視線が強かったように思います。
しかし最近はどうでしょうか。依然としてまだ課題は多く残っていると思いますが、昔と比べたら差別的な言動が見られることはかなり減ってきたように思います。
その事から自分がLGBTであることに悩んだりする人も減り、自分自身のセクシュアリティが受け入れやすい時代に入ってきたのかと思います。
LGBTを自覚しやすくなった
LGBTという言葉の認知が広がり、早い段階で自分がLGBTであることに気づきやすくなったというのも、LGBT増加の要因の1つかと思います。
またLGBTという言葉の認知拡大に伴い、LGBT以外のセクシュアルマイノリティの存在が色濃くなったのも大きな影響と言えるでしょう。
SNSの普及などもあり、年を重ねるごとに自分のセクシュアリティに気づきやすくなっているように思います。
割合のわりにLGBTと遭遇することってあまりないような・・・?
日本のLGBTの割合はだいたい10人に1人。名字が佐藤さんや鈴木さんと同じくらいの割合と聞くと、結構LGBTはいることが分かると思います。でも中々LGBTの人には出会わないですよね。なぜでしょうか。
多くのLGBTの人は、自分がLGBTであることをオープンにはしません。秘密にしているとか隠しているというよりは、わざわざ言うことでもないという感覚が近いでしょう。
以前よりもLGBTの認知が広がり、LGBTを差別するようなことは減ってきましたが、やはりまだまだ生きづらいのが現状。自らオープンにすることは中々できないと思われます。
田舎と都会部でもまたLGBTの割合は違うかもしれない
LGBT当事者の視点から見た場合、もしかしたら田舎と都会では都会の方がLGBTの割合は高いかもしれません。
僕は茨城県の田舎住まいのゲイですが、ゲイ向けのGPS出会い系アプリを開いてみた場合、ほとんど近くにはゲイが表示されません。対して、東京はとても多く表示されます。
単純に人口の違いの可能性もあるかもしれないですが、僕の場合、親戚同士で集まった場合に結婚の話をされたりして、ゲイ的な視点でみて居心地の悪さを感じてしまうことが田舎では多いのではないかと思います。
また田舎で比較的人が集まるような場所(デパート)で、ゲイと思われる人とすれ違うことはほとんど滅多にないですが、都内だと頻繁にすれ違う気がします。
体感的な話で申し訳ないのですが、多分、田舎よりも都会部の方がLGBTの割合は高いような感じがします。
10人に1人!?LGBTの割合徹底解説のまとめ
LGBTの割合は国や世代でも変わってきますが、大まかに見た場合は人口の10%前後となっています。
国・地域 | LGBTの確率 | LGBTの割合 | データの年 |
---|---|---|---|
日本 | 8〜10% | 10人〜13人に1人 | 2016年〜2023年 |
アメリカ | 7.1% | 14人に1人 | 2021年 |
アメリカ(1997年〜2003年産まれ) | 21% | 4人に1人 | 2021年 |
ヨーロッパ | 5.9% | 16人に1人 | 2016年 |
スペイン | 6.9% | 15人に1人 | 2016年 |
イギリス | 6.5% | 15人に1人 | 2016年 |
ドイツ | 7.4% | 13人に1人 | 2016年 |
LGBTであることをオープンにすることが難しい為、周りにはいないように感じてしまうかもしれませんが、割合的には10人程度人が集まれば1人くらいはLGBTとなります。
もしかしたら本記事を読んでくださっているあなたの周りにもLGBTがいるかもしれません。