どうもこんにちは!LGBTs当事者によるLGBTsフレンドリーな不動産会社IRISのしょうへいです。

最近、LGBTという言葉を目にする機会も増えて、自分のセクシュアリティに悩む方も多くなったのではないでしょうか。

本記事では、自分のセクシュアリティが分からないという方に向けて、セクシュアリティを構成する5つの考え方について解説していきます。この5つの考え方が分かれば、自分のセクシュアリティがどのような状況なのか簡単に理解できるようになります。ぜひ、参考にしてみてください。

初めに
IRISでは、あらゆるマイノリティが暮らしやすくなることを目指すという意味から「LGBTs」と表記していますが、今回は一般的な「LGBT」について解説するため、表記が混在しております。

 

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まず初めにセクシュアリティとは何か

セクシュアリティとは、体の性別や、戸籍や役割など社会的な性別、性的指向を示す総称となります。セクシュアルマイノリティ(LGBT)というのは、セクシュアリティの面においての少数派のことを言います。今現在、多くは異性愛者が占めています。対して、同性愛者の割合は僅か人口の1%程度しかありません。(参考:大阪市民アンケート

このように大多数(マジョリティ)に対して、少数派のセクシュアリティをセクシュアルマイノリティと言います。

セクシュアリティを決める5つの要素

以前はセクシュアリティを決める要素は4つと言われていましたが、それでは説明が難しいセクシュアリティがあるので最近は5つになりました。Xジェンダーで、デミロマンティックのデミセクシュアルな僕も5つの方が分かりやすいと思っています。

身体的性別 生まれ持った身体的性別
性自認 心の性別(自分のことをどのような性別と認識するか)
性的指向 どのような相手に対して性的欲求があるか
恋愛対象 どのような相手に対して恋愛感情が生まれるか
社会的性別 社会的に振る舞いたい性別

以前は、性的指向と恋愛対象がセットになっていました。しかし、性的指向と恋愛感情が必ずしもセットかというと、必ずしもセットというわけではありません。例えばノンセクシュアルは、恋愛感情は持っていますが、性的欲求までは伴わないというセクシュアリティです。このように恋愛感情と性的欲求が異なるセクシュアリティもある為、5つの項目の方が理解しやすくなっています。

セクシュアリティを決める5つの要素の使い方

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実際にセクシュアリティを決める5つの要素を使って自分のセクシュアリティを分解していってみましょう。具体例を挙げる為に、僕のセクシュアリティを分解してみます。

身体的性別 男性
性自認
性的指向 男性(信頼関係がある人のみ)
恋愛対象 男性(信頼関係がある人のみ)
社会的性別 男性

性自認が無なんてあるの?と思うかもしれませんが、あります。Xジェンダーというセクシュアリティで、身体的性別が男性で、Xジェンダーの人をMtXと言います。身体的性別と性自認にギャップがあるセクシュアリティは基本的にトランスジェンダーに包括されるので、Xジェンダーもトランスジェンダーの一部となります。

信頼関係がある人にのみ、恋愛感情があるのがデミロマンティックというセクシュアリティ。信頼関係がある人にのみ、性的欲求が生まれるのがデミセクシュアルとなります。これで、Xジェンダーのデミロマンティック、デミセクシュアルであることが分かります。

もし気になる方は、表に自分自身を当てはめて考えてみてください。

よく聞くセクシュアリティを5つの要素に当てはめて考えてみる

次によく聞くセクシュアリティ(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー)を5つの要素に当てはめてみます。自分自身のことも5つの要素に当てはめてみた方は、同じセクシュアリティがないか参考にしてみてください。空欄の部分は、セクシュアリティを決めるにあたって大きく関係することはない要素です。

ヘテロセクシュアル(異性愛者)

身体的性別  
性自認 男性または女性
性的指向 男性なら女性、女性なら男性
恋愛対象 男性なら女性、女性なら男性
社会的性別  

多くの方が当てはまるセクシュアリティだと思います。『LGBTは大体人口の10%』なので、9割は異性愛者となります。意外かもしれませんが、身体的性別と社会的性別はあまり関係ありません。

というのも、これから説明していきますが、トランスジェンダー(生まれ持った身体的性別に対して性自認にギャップがあるセクシュアリティ)にもヘテロセクシュアルや、同性愛の概念があるからです。

例えば、生まれ持った身体的性別が男性で性自認が女性の方が、男性を好きになった場合、女性として男性を好きになっているので、異性愛者となります。

レズビアン(女性同性愛者)

身体的性別  
性自認 女性
性的指向 女性
恋愛対象 女性
社会的性別  

女性として、女性を好きになるセクシュアリティが、レズビアン(女性同性愛者)となます。心が男性だから女性を好きになっているというわけではありません。

トランスジェンダーで身体的性別が男性で、性自認が女性の方が女性として女性を好きになる場合もレズビアンと言われます。

ゲイ(男性同性愛者)

身体的性別  
性自認 男性
性的指向 男性
恋愛対象 男性
社会的性別  

男性として、男性を好きになるセクシュアリティがゲイ(男性同性愛者)となります。心が女性だから男性を好きになっているというわけではありません。また性自認も男性ですので、将来的に女性になりたいわけでもありません。身体的性別が男性で、心の性別が女性の方はトランスジェンダーと言い、ゲイとはまた別のセクシュアリティとなります。

トランスジェンダーで身体的性別が女性で、性自認が男性の方が男性を好きになる場合もゲイと言います。

バイセクシュアル(両性愛者)

身体的性別  
性自認  
性的指向 男性も女性も
恋愛対象 男性も女性も
社会的性別  

バイセクシュアルは、性的指向や恋愛対象に関するセクシュアリティなので、身体的性別や、性自認、社会的性別は関係ありません。男性も女性も好きになるセクシュアリティがバイセクシュアルになります。

トランスジェンダー

身体的性別  
性自認 生まれ持った身体的性別と自己認識の性別が異なる
性的指向  
恋愛対象  
社会的性別  

トランスジェンダーは、生まれ持った身体的性別と性自認にギャップがあるというセクシュアリティになります。意外と範囲は広く、生まれ持った身体的性別が男性で、性自認が女性の方や、その逆のパターン、または身体的性別に対して、性自認が無性、中性、不定性もトランスジェンダーに含まれます。ただし、無性や、中性、不定性はXジェンダーと言われることが多いです。

先ほどレズビアンの項目でも軽く触れましたが、性的指向などはトランスジェンダーとはまた別の話になります。性自認が女性だから、必ず男性を好きになるかというとそういうわけではなく、生まれ持った身体的性別は男性で、性自認は女性で、女性として女性を好きになるトランスジェンダー女性のレズビアンなども存在します。

僕自身、トランスジェンダー女性のレズビアンはあまり聞いたことはないですが、トランスジェンダー男性のゲイは割とみたことがあります。

性同一性障害(現:性別違和)との違いは、治療を望むか、望まないかの違いになります。性自認と身体的性別のギャップを無くすためにホルモン治療や外科的手術などをのぞむ場合には、診断名として性同一性障害(現:性別異和)となります。

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その他のセクシュアリティを5つの要素に当てはめてみる

LGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー)以外の度々見かけるセクシュアリティも見ていきます。

ノンセクシュアル

身体的性別  
性自認  
性的指向 なし
恋愛対象 あり
社会的性別  

ノンセクシュアルというのは、恋愛感情はあるけれど、他人に対して性的欲求がないというセクシュアリティになります。ゲイや、レズビアン、バイセクシュアル、トランスジェンダー、そして異性愛者でも、ノンセクシュアルは存在します。例えば、身体的性別は男性で、恋愛対象は女性だけど、性的欲求は誰にも無いという場合には、ノンセクシュアルとなります。同性に対して恋愛感情はあるけれど、性的欲求まではない場合には、ゲイのノンセクシュアル、レズビアンのノンセクシュアルとなります。

アセクシュアル

身体的性別  
性自認  
性的指向 なし
恋愛対象 なし
社会的性別  

アセクシュアルというのは、他人に対して、恋愛感情も性的欲求も無いというセクシュアリティです。そんな人いるの?と思うかもしれませんが、SNSなどで自分以外のセクシュアルマイノリティと関わるようになって、意外と多いんだなと思いました。アセクシュアルは、ノンセクシュアルと同一視されることもあります。

パンセクシュアル

身体的性別  
性自認  
性的指向 全て
恋愛対象 全て
社会的性別  

パンセクシュアルというのは、全性愛と言われるセクシュアリティで、全性愛と書く様に全てのセクシュアリティが対象となるセクシュアリティです。つまり男性も女性も、その他のセクシュアリティも全て恋愛対象なのがこのパンセクシュアルというセクシュアリティです。

稀にバイセクシュアルと混同されてしまうのですが、バイセクシュアルは男性と女性の両方が対象のセクシュアリティで、パンセクシュアルは男性も女性も、その他も対象のセクシュアリティです。パンセクシュアルの方に話を聞いてみたところ「男性とか女性とか関係なく、その人が好き」という感覚らしいです。

デミロマンティック

身体的性別  
性自認  
性的指向  
恋愛対象 精神的な繋がりが強い相手を好きになることがある
社会的性別  

〜ロマンティックというのは恋愛感情に関係するセクシュアリティです。デミロマンティックの場合は、精神的な繋がりが強い相手に恋愛感情を抱くことがあるセクシュアリティとなります。

この精神的な繋がりというのは具体的には、信頼関係や強い絆などが挙げられます。僕もデミロマンティックなのですが、基本的に一目惚れはなく、3年など長いこと友好関係が続いて、信頼関係や安心感が感じられると恋愛感情に発展することがあります。でも、数年かけて好きになっても、その頃には、相手からしたら友達になっていることが多く、中々恋人にはなれないという経験を僕はしました。

デミセクシュアル

身体的性別  
性自認  
性的指向 精神的なつながりが強い相手に対して性的欲求を抱くことがある
恋愛対象  
社会的性別  

精神的な繋がりが強い相手に対して、性的欲求を抱くことがあるというのがデミセクシュアルです。僕もデミセクシュアルですが、人に対して可愛いとかカッコいいと思う気持ちはあるのですが、その人と体の関係を持てるのかと言われると、無理に感じます。自分の好みのタイプなども分かりません。

でも、精神的な繋がりが強くなって一回、体の関係を持った相手に対しては、性的欲求を強く感じるようになります。デミロマンティック同様に年単位で時間をかけて精神的な繋がりを強くしていく必要があるので、すれ違いの関係になることもあります。

Xジェンダー

身体的性別  
性自認 中性・無性・両性・不定性
性的指向  
恋愛対象  
社会的性別  

Xジェンダーというのは生まれ持った身体的性別にギャップのあるトランスジェンダーの一部で、性自認が中性、無性、両性、不定性のセクシュアリティです。日本発祥の日本限定のセクシュアリティなので、基本的には海外では通用しません。また、治療を受けたくてもガイドラインが存在しない為、Xジェンダーでホルモン治療などを受けるのは難しいです。

僕はXジェンダーの無性なのですが、幼い頃から「男に生まれたかったわけじゃないのに」「何でみんな自分が男であることに疑問を抱かずにそんなに自然に受け入れられているの?」と言った感覚で生きてきました。でも、女性になりたいという気持ちもありませんでした。

男性に対しても女性に対しても、どちらに対しても自分とは違う性別と感じ、自分を見つめ直しても自分に性別を感じないので、僕はXジェンダーの無性が当てはまっていると思っています。今は身体的にも外見的にも完全に男性なので、男子トイレなどを使うのですが、入る度に女性が男子トイレを利用するような感覚に陥って、非常に辛い思いをしています。

自分のセクシュアリティが分からないなら『anone,』を使うのも手!

anone,

『anone,』というセクシュアリティ診断ツールがあります。anone,では2,000通りのセクシュアリティの組み合わせから最も近いパターンを分析して表示してくれるので、セクシュアリティに詳しくない方でも、自分のセクシュアリティがどのような傾向にあるのか分かりやすく知ることができます。

利用は無料でできて、実際に僕も試してみたのですが、Xジェンダーであることや、デミロマンティックであること、デミセクシュアルであること、身体的にゲイであることなどしっかり表示されました。複雑なセクシュアリティの組み合わせの僕でさえ、かなり的を得た結果がくるので、精度はかなり良いと思います。

【まとめ】自分のセクシュアリティが分からない!そんな方に5つの考え方を教えます。

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本記事では、セクシュアリティを構成する5つの考え方について解説させていただきました。自分のセクシュアリティが分からないという方は、この5つの考え方に当てはめて考えてみると、自分がどんなセクシュアリティを持っているのか分かりやすいと思います。

ぜひ試してみてください。最後まで読んでくださりありがとうございます。