どうもこんにちは。ゲイでノンセクシュアルでXジェンダーのしょうへいです。LGBTという言葉が広がるにつれて、「LGBTs」や「クィア」、「LGBTQ+」など、さまざまな単語を耳にするようになりました。
とはいえ、中には「LGBT」と「LGBTQ+」の違いについて、いまいちわからない人もいるでしょう。そこで、本記事ではLGBTQ+の「Q+」とは何を表すかを解説します。
初めに |
---|
IRISではLGBTにも、その他のマイノリティにも親切な企業でありたいという気持ちからLGBTsフレンドリーを掲げていますが、本記事はLGBTに関する内容の為、LGBTsではなくLGBTという言葉を使用していきます。 |
まず初めにLGBTとは?
まず初めに、LGBTについて解説します。LGBTとは、レズビアン(Lesbian)、ゲイ(Gay)、バイセクシュアル(Bisexual)、トランスジェンダー(Trance Gender)の頭文字からできた、セクシュアルマイノリティを総称した言葉です。
過去に実施されたいくつかの調査によると、日本の人口の10%(10人に1人)※くらいがLGBTであることがわかりました。
そのため、血液型がAB型の人や左利きの人の割合に近いと言われています。
そう考えると身近にどれだけいてもおかしくないと感じやすくなりませんか?
(参考:【2022年最新】10人に1人!?LGBTの割合徹底解説【日本と世界】)
レズビアン
レズビアン(Lesbian)は「女性同性愛者」と直訳されます。女性として女性に恋愛・性的な感情を抱くセクシュアリティのことです。ゲイ
ゲイ(Gay)は「男性同性愛者」と直訳されます。男性として男性に恋愛・性的な感情を抱くセクシュアリティのことです。
チェック→【当事者解説】ゲイとは?ホモやオカマ、オネエとの違いや誤解など徹底解説!
バイセクシュアル
バイセクシュアル(Bisexual)は「両性愛者」と直訳されます。一般的には男女どちらにも恋愛・性的な感情を抱くセクシュアリティとされていますが、人によって定義は異なります。「自分の性別とそれ以外の性に惹かれる」「過去に男女の2性に惹かれたことがある」など、当事者の中でも捉え方はさまざまです。
トランスジェンダー
トランスジェンダー(Transgender)とは、生まれた時に割り当てられた性別とは異なる性別を生きている人のことを言います。また、トランスジェンダーには、以下のような表現が用いられます。
-
MtF(Male to Female):出生時に割り当てられた性別が男性で、現在女性として過ごしている人
-
FtM(Female to Male):出生時に割り当てられた性別が女性で、現在男性として過ごしている人
-
MtX(Male to Xgender):出生時に割り当てられた性別が男性で、現在の性別に関わる生き方が、男女どちらかに当てはまらない人
-
FtX(Female to Xgender):出生時に割り当てられた性別が女性で、現在の性別に関わる生き方が、男女どちらかに当てはまらない人
チェック→トランスジェンダーとは?簡単にわかりやすく解説します!
LGBTQ+とは
これまでLGBTについて説明しましたが、セクシュアルマイノリティは、このLGBTだけではありません。最近では、LGBT以外のセクシュアルマイノリテも含む「Q+」が加わった「LGBTQ+」のような表現をすることが増えてきています。「えるじーびーてぃーきゅーぷらす」と読みます。
では、「Q」そして「+」とは何を表すのでしょうか。
「Q」とは
LGBTQ+の「Q」には、「クィア」そして「クエスチョニング」の2つの意味があります。
クィア(Queer)クィアという言葉は、性的マイノリティ全般を総称する言葉として使われています。現在では、LGBTと並んで知られている言葉ですが、クィアという言葉はもともと、英語圏では「風変わりな」「変態」といった侮蔑的な意味として使われていました。
このネガティブな意味合いをポジティブに変換する契機となったのが、当時の性的マイノリティの人たちです。当事者が抵抗運動(クィア・ムーブメント)などの場で、あえてクィアという言葉を積極的に使い、開き直った態度を見せることで、徐々に現在のような意味合いとして確立するようになりました。
チェック → クィアとは?言葉が浸透するなかでクィアベイディングと呼ばれる問題も・・・
クエスチョニング(Questioning)「クエスチョニング(Questioning)」とは、「性自認や性的指向が定まっていない」または「意図的に定めていないセクシュアリティ」のことを言います。
クエスチョニングを自認する人の中には、「自分の性自認や性的指向を定めないほうが生きやすい」「まだ自分が何者かわからない」「いずれのセクシュアリティにも自分が当てはまらないと感じている」など、さまざまです。また、昔は男性を自認していたけれど、最近はわからない状態の人をクエスチョニングと呼ぶことがあります。
チェック → 「クエスチョニング」とは? 【決めないことが自然】なセクシュアリティーについて徹底解説
「+」とは
LGBTQ+の「+」も、そのほかのセクシュアリティを表す記号になります。また、「+」には枠を限定せず、常に新しい多様性に開放的でいようという前向きな意味も込められているという説※もあります。
(参考:分かって安心!いばらきいアマエビちゃん)
LGBTQ+の「Q+」には、どんなセクシュアリティが含まれるの?
ここからは、LGBTQ+の「Q+」に含まれるセクシュアリティについてご紹介します。LGBTQ+には、言葉によって定義されないセクシュアリティも含まれているため、ここで紹介するセクシュアリティ以外のあり方も存在することを頭に入れておきましょう。
Xジェンダー
Xジェンダーとは、出生時に割り当てられた性別とは異なり、現在の性別に関わる生き方が男女どちらかに当てはまらない人を指します。日本で誕生した言葉であるため、海外でXジェンダーという言葉を使っても伝わらないことがあります。
Xジェンダーと一言で表しても、当事者によって状態はさまざまで、例えば以下のような言葉も存在します。
-
中性:現在の性別に関わる生き方が、男性と女性の2つの性の中間地点にある状態
-
両性:現在の性別に関わる生き方が、女性でもあり、男性でもある状態
-
無性:現在の性別に関わる生き方が、女性でも男性でもない、もしくはどちらにも当てはまらない状態
-
不定性:現在の性別に関わる生き方が、その時々によって性自認が変わる流動的な状態
チェック → Xジェンダー当事者によるXジェンダーがもっと分かる12記事のまとめ
パンセクシュアル
パンセクシュアル(Pansexual)は「全性愛者」と直訳されます。相手のセクシュアリティや性別に関係なく、性的欲求・恋愛感情を抱くセクシュアリティのことです。「人」として好きになるため、セクシュアリティや性別の優先順位は低いことが特徴として挙げられます。
チェック→【当事者監修】全性愛パンセクシュアルとは?バイセクシュアルとの違いは何?
ノンセクシュアル
ノンセクシュアル(Nonsexual)は「非性愛者」と直訳されます。名前の通り、性的欲求が全くないセクシュアリティのことです。恋愛感情と性的欲求は必ずしも一緒に伴うものではないため、非性愛者の中には、「恋愛はするが性的欲求は抱かない」「恋人はいるが、身体的なコミュニケーションはしたくない」といった人もいます。
チェック → 【15選】ノンセクシュアルのゲイの僕がよく聞かれる質問とその答え
デミセクシュアル
デミセクシュアル(Demisexual )とは、絆が強い相手にのみ性的欲求を抱く可能性のあるセクシュアリティのこと。他者に対して基本的に性的欲求を抱くことはないものの、強い信頼関係が生まれた親友と恋愛関係に発展したり、何かの出来事がきっかけとなり恋愛感情が生まれたりすることがあります。
チェック→「デミロマンティック」と「デミセクシュアル」の違いとは?他のセクシャリティもご紹介
アセクシュアル
アセクシュアル/エイセクシュアル/Aセクシュアル(Asexual)とは、他者に対して性的欲求・恋愛感情を(ほとんど)抱かないセクシュアリティのことを言います。
厳密には、他者に対して性的欲求を抱かないのが「アセクシュアル」、他者に対して恋愛感情を抱かないのが「アロマンティック」、他者に対して性的欲求・恋愛感情ともに抱かないのが「アロマンティック・アセクシュアル」と言います。しかし、日本では性的欲求だけでなく、恋愛感情にも関わるセクシュアリティとして、アセクシュアルという言葉を使う当事者も多くいます。
チェック→パートナーと同棲していたアセクシュアル当事者にインタビュー。アセクシュアルの同棲生活はどんな感じ?
インターセックス(性分化疾患)
インターセックスとは、「性別の判断は、染色体(XX,XY)、性腺(卵巣、精巣)、性器(子宮・膣、陰茎)がどちらに統一されているかで決められているが、それらが先天的に統一されていないかあいまいな状態」を指します。
英語ではDSD(Disorders of Sex Development)と呼ばれます。
引用元:日本女性学習財団
性のあり方を決める4要素とSOGI(SOGIE)
LGBT、LGBTQ+といった用語はセクシュアルマイノリティの総称です。
こうした用語は世間にセクシュアルマイノリティの人々が多く存在していることを可視化する上でとても大きな役割を果たしてきました。
しかし、マジョリティ(多数派)の人にとって、セクシュアルマイノリティは自分とは関係のないもの、もしくは興味関心のないものと考えられてしまいかねません。
そこで現在ではSOGIという用語も使われるようになってきています。
性のあり方の4つの要素とは?
性のありかたを考える上で4つの要素に分けられるとする考え方があります。
- 性自認(自分が自分自身の性別をどう認識しているか)
- 性的指向(恋愛・性的な関心がどの性別に向くか、向かないか)
- 性表現(服装・髪型・しぐさ・言葉づかいなどで自分の性別の表現方法)
- 法律上の性(生まれた時の性別、戸籍に記載された性別)
SOGIとは性自認・性的指向の頭文字
この考え方に従うと、マジョリティ(多数派)とマイノリティ(少数派)に分けられず、全員が必ず持っている要素のためより考えやすくなるかと思います。
4つの要素のうち、最初の性自認を英語でGender Identity、2番目の性的指向をSexual Orientationと呼ぶためそれぞれの頭文字をとってSOGI(ソジ)もしくはSOGIE(ソジー)と呼ばれます。
【まとめ】LGBTQプラスとは何のこと?
本記事では、LGBTQ+とはセクシュアルマイノリティの総称で、+にはいくつもの多様なセクシュアルマイノリティが含まれていることを解説しました。日本で暮らしていると見た目も言語も同じ人が多く暮らしていますが、一人一人個人のあり方は違うことを認識することが大切です。
また、中にはクエスチョニングと呼ばれる、自分のセクシュアリティがわからないセクシュアリティも存在します。セクシュアリティは、必ずしも言葉として存在するものだけではありません。そのため、言葉によって定義されないような状態でも決しておかしなことではないことを覚えておきましょう。
逆に、自分のセクシュアリティを知ることで「こういうセクシュアリティは自分だけじゃないんだ」と安心感を覚えられる人もいると思います。
様々なサイトでセクシュアリティ診断サービス実施されているため、気になる方は以下の記事をご覧ください。