こんにちは。LGBTs当事者によるLGBTsフレンドリーな不動産会社IRISのケンゴです。
LGBT(セクシュアルマイノリティ)は、身体的性別、性自認、性的指向、恋愛対象、社会的性別の5つの要素の組み合わせで決まります。それとは別に、セクシュアル、ジェンダー、ロマンティックという概念があり、多くのセクシュアルマイノリティは、この3つのどれかに分類することができます。
本記事では、セクシュアル、ジェンダー、ロマンティックの3つの概念について解説していきます。
初めに |
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IRISでは、あらゆるマイノリティが暮らしやすくなることを目指すという意味から「LGBTs」と表記していますが、今回は一般的な「LGBT、LGBT+、LGBTQ」について解説するため、表記が混在しております。 |
初めにLGBTとは?
LGBTとは、レズビアン(Lesbian)、ゲイ(Gay)、バイセクシュアル(Bisexsual)、トランスジェンダー(Transgender)の頭文字からできた言葉でセクシュアルマイノリティの総称です。しかし、セクシュアルマイノリティは、レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーだけではなく、非常に多くのセクシュアリティが存在しています。
そのため、最近はLGBTにsを加えてLGBTsと表現したり、LGBT+、LGBTQと表現したり、より包括性のある表現が使われるようになってきています。
基本的にセクシュアルマイノリティは、身体的性別、性自認、性的指向、恋愛対象、社会的性別の5つの組み合わせで決まっています。
例えば、男性同性愛者(ゲイ)の場合は、男性として男性を好きになるセクシュアリティなので、性自認は男性であり、恋愛対象、または性的指向、もしくはその両方が男性の場合ゲイとなります。
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セクシュアルマイノリティの多くは、セクシュアル、ジェンダー、ロマンティックのどれかに分類される
レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの頭文字をとってLGBTと4文字で表現されることが多いセクシュアルマイノリティですが、実際には非常に多くのセクシュアリティが存在しています。
国によって、その国独自の概念があり、その国だけのセクシュアルマイノリティがある場合があるので、実際にどれくらいのセクシュアリティがあるのかは把握できないですが、日本だと少なくとも30種類以上のセクシュアリティは存在している印象を受けます。
レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー、Xジェンダー、アセクシュアル、デミロマンティック、デミセクシュアル、リスロマンティック、パンセクシュアル、アロマンティックなど……
そして、このように見ていくと、多くのセクシュアリティに「セクシュアル」「ジェンダー」「ロマンティック」の文字が含まれているのが分かると思います。そうなんです。セクシュアリティの多くはこの3つに分類することができるんです。
そして、セクシュアル、ジェンダー、ロマンティックがどのような概念なのか理解できれば、セクシュアリティの把握が非常に簡単になります。
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セクシュアルは性的指向に関して
バイセクシュアル、デミセクシュアル、パンセクシュアルなど、セクシュアルが入るものは性的指向に関するセクシュアリティです。バイセクシュアルは、男性、女性の両方に惹かれるセクシュアリティと言いますが、厳密には、男性と女性の両方に性的に惹かれるのがバイセクシュアルです。
その他、デミセクシュアルは精神的な繋がりが強い相手などに対して性的欲求を抱くことがあるセクシュアリティ、パンセクシュアルは、男性や女性、セクシュアリティといった概念を超えて、その人自身の魅力に性的魅力を感じるセクシュアリティとなり、セクシュアルと入るセクシュアリティは性的指向について話しています。
レズビアンや、ゲイといったセクシュアリティには、セクシュアルという言葉は基本的につかないですが、レズビアンも、ゲイも、性的指向に関するセクシュアリティなので、セクシュアルと付くセクシュアリティの仲間となります。
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ジェンダーは性自認に関して
ジェンダーは性自認(心の性別)に関するセクシュアリティに使われていることが多いです。例えば、トランスジェンダーやXジェンダーや、ジェンダーフルイドです。
トランスジェンダーは、身体的性別と心の性別にギャップがある方、Xジェンダーは、心の性別が無性だったり、中性だったり、両性だったりする方、ジェンダーフルイドは、自身の性別を男性、女性などとはっきりと定義せずに、その時々によって行き来するというものです。このように、ジェンダーと付くものは、性自認に関するセクシュアリティとなっています。
ちなみに、トランスジェンダーは、生まれ持った身体的性別と心の性別にギャップがあるという非常に範囲の広い概念となっているので、Xジェンダーもトランスジェンダーに含まれることがあります。
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ロマンティックは恋愛感情に関して
ロマンティックという文字が含まれるものは、恋愛感情に関するセクシュアリティであることが多いです。例えば、アロマンティックや、デミロマンティック、リスロマンティックがこれにあたります。
アロマンティックとは、他人に恋愛感情を持たないというセクシュアリティになります。恋愛感情に関するセクシュアリティなので、性的な意味までは含まれていないため、アロマンティックの人は、恋愛感情は抱かないが他人に対して性的に惹かれる可能性はあります。
デミロマンティックというのは、精神的な繋がりが強い人に対して恋愛感情を抱くというセクシュアリティとなります。精神的な繋がりが強い人に対して性的欲求を抱くことがあるという場合には、デミセクシュアルとなります。
リスロマンティックは、他人に対して恋愛感情を抱くことはあるが、その相手に答えて欲しいとは思わないというセクシュアリティとなります。このように、ロマンティックとつくものは、恋愛感情に関するセクシュアリティとなっています。
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同性に対して恋愛感情はあるが性的には惹かれない場合はどう表現するの?
レズビアンやゲイといった、同性愛者を表現するセクシュアリティは基本的に性的指向に関するセクシュアリティとなります。つまり、性的指向(性的に惹かれる対象)についてなので、恋愛感情までは考慮されていません。つまり、同性に対して恋愛感情があるが、性的に惹かれない場合、ゲイやレズビアンと言って良いのかという問題が出てきます。
自分は、同性と体の関係は持たないけど、恋愛感情的には好きといった場合に「自分はゲイで」というと、男性が好きで、男性と恋愛をして、体の関係も持つ人と認識されて誤解を招いてしまう可能性もあるので、表現が難しいです。
今ほどセクシュアリティが多様化していない頃は、このようなケースでは「ゲイのノンセクシュアル」と言っていました。ノンセクシュアルというと、他人に対して性的欲求を抱くことがない、または殆どないというセクシュアリティなので、ゲイと組み合わせることで、恋愛感情は男性に向くけど、体の関係に対する欲求はないという説明ができます。今もこの方法は分かりやすいですし、有効かと思います。
別の言い方でも表現することができます。それは、ホモロマンティックと言うことです。ホモロマンティックは、同じ性別やジェンダーの人物に対して恋愛感情は抱くが、性的欲求までは感じないというセクシュアリティなので、男性女性問わず、同性に恋愛感情はあるが、性的欲求まではないという場合に使うことができます。
女性として女性に対して恋愛感情は抱くが、性的欲求までは抱かない、男性として男性に対して恋愛感情は抱くが、性的欲求までは抱かないといった場合に、それぞれ一言でまとめられるセクシュアリティがありそうなのですが、現状は見つけることができませんでした。
これまでのセクシュアリティの法則的からすると、レズビアンロマンティックや、ゲイロマンティックになると思うのですが、現状はまだそういった言葉は存在していないようです。なので、レズビアンのノンセクシュアルや、ゲイのノンセクシュアル、ホモロマンティックなどと表現するのが近いと思われます。
【まとめ】セクシュアルとジェンダーとロマンティックの違いとは?
セクシュアルは、性的指向に関して、ジェンダーは、性自認に関して、ロマンティックは恋愛感情に関するセクシュアリティを表現しています。
この3つを理解していれば、セクシュアリティを見たときに、何について解説しているのか一瞬で判断することができるようになりますし、より深く理解することができるようになります。
ぜひご活用ください。最後まで読んでくださりありがとうございました。