LGBTs

空衣

パンセク当事者が教える、パンセクシュアルってこんな感じ

パンセク当事者が教える、パンセクシュアルってこんな感じ
どうも、空衣です。FtMで、パンセクシュアルです。
申し遅れましたが、パンセクシュアルというセクシュアリティについて、今回は個人的なエピソードを交えて語らせていただきます。(あくまで個人の経験や体感です!)

パンセクシュアルってこんな感じ

パンセクシュアル(全性愛)とは、「相手のセクシュアリティに関わらず人を好きになる」というセクシュアリティを指します。(ちなみに、その「好き」に性愛感情が伴わず恋愛感情のみの場合はパンロマンティックといいます。)

皆さんは人と関わるとき、相手の出身地を重視するでしょうか?あるいは、誕生日や血液型などに置き換えていただいても構いません。相手を構成する要素の一つであり、もしかしたらそれが人の大部分を形作っているかもしれませんが、それが全てではありませんよね。
自分にとっては、性にまつわる要素が同様なのです。「特徴として目につくことはあるけれど、気にしない」という感じです。

パンセクシュアルだと受け止めるまで時間がかかった

しかし知識として「パンセクシュアル」と聞いても自身がそうであるかどうか、自覚するまでには時間がかかりました。本当にセクシュアリティ関わらず、身体や性自認やジェンダー表現を問わずに、誰でも恋愛や性愛の対象になるだろうか?と自問自答する期間があったからです。

パンセクシュアルに辿り着くまで

話がややこしくなってしまいますが、自分は学生時代おおむね「女子」として過ごしてきました。その時は男子が異性、女子が同性という認識だったため、「自分は男子を好きにならなければならないのだろう」という空気がありました。
実際、男子は恋愛対象だったので、そうした異性愛前提の話題に溶け込みながら生活していたと思います(何となく「単純な異性愛ではない」と察している人もなかにはいた可能性があるのですが、自分はきっとセクシュアリティ的にマジョリティだと信じていたわけです)。
むしろ、女子も恋愛・性愛対象だったにも関わらず、そちらには目を瞑っていました。“同性”を好きになっている、そういうことがある、という知識が当時なかったので、存在しないものとして自己完結していたわけです。

ところが「LGBT」、なかでも「バイセクシュアル」という言葉に出会ってから、自分はバイセクシュアルだったのだと気づきました。さらに用語を知っていき、バイセクシュアル(両性愛)というよりは、もっと範囲にこだわらずパンセクシュアル(全性愛)だと自認するに至りました。

やがて自分は「トランスジェンダー」でもあると気づきました。自分自身が性別にまつわる身体的特徴を変えていくことになり、もはや相手の身体的特徴や性自認に関しても気にしなくなりました。もしかしたら自分を許容する過程で、相手に対しても恋愛・性愛にまつわる制限がなくなっていったのかもしれません。

今では男性が同性、女性が異性の範疇ですので、自分自身が変わっていなくても相手の対応が以前とは異なる、などということもあります。当初はLGBTコミュニティの中でもレズビアンコミュニティにいることが多かったのですが、外見が変わってからはゲイの方と関わる機会が増えました。そのように一人でLGBT全コミュニティ制覇(!)という事例もあり得るのです。

相手によって状況が変わる

社会的背景が大きいのですが、関わる相手によって状況が変わることはよくあります。あなたがシスジェンダーであっても相手が男性である場合、女性である場合、Xジェンダーである場合、不明だという場合、それぞれで境遇は変わるはずです。自分の場合はトランスジェンダーであるという境遇も相まって、さらに相手との関係性は多様化しました。

例えば、同性婚についてはどうでしょうか。人を愛するという点で同じような関係性であるにも関わらず、「男性とは結婚できるが、女性とは結婚できない」といった差は非常に奇妙です。
「だったら結婚できる性別の相手(戸籍上の異性)とだけ恋愛すればいいじゃないか」といった返しは、バイセクシュアルやパンセクシュアルの方なら身近に受けたことがあるかもしれません。そんなことをいわれても、都合よくコントロールできるわけではないのです。「ある属性の相手となら叶うが、別の属性の人とは叶わない」といった不均衡や差別を如実に感じることになります。相手や自分がトランスジェンダー(MtF,FtM)である場合は、手術して戸籍変更するか否かも問われるのです。

私的なエピソードになりますが、男性との施設利用を断られたことがあります(自分が男性だと周囲に認識されていた時期でした)。「男性同士だと場所を汚すだろう」という偏見があったためです。女性と一緒にいて断られたことはないので、これも関わる相手が変わって初めて知った境遇でした。

色々な相手との関係性があり得るからこそ、セクシュアリティによって起きている差別は早くなくなってほしいです。

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◎この記事を書いた人・・・空衣
1996年、神奈川県生まれ。性別も住処も旅しています。

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