どうも、空衣です。FtMで、パンセクシュアルです。
本記事ではパンセクシュアルというセクシュアリティについて当事者の視点から個人的なエピソードを交えて解説させていただきます。
パンセクシュアルについて知りたい方、参考にしてみてください。
パンセクシュアルとは
パンセクシュアル(全性愛)とは「相手のセクシュアリティに関わらず、すべての人を好きになる」というセクシュアリティです。
すべての人を好きになるセクシュアリティなので、男女関係なく好きになることがあり、Xジェンダーなどのセクシュアリティに対しても恋愛感情が向くことがあります。
パンセクシュアルのパンとは、ギリシャ語で全てを意味する言葉で、文字通り全ての人を好きになるセクシュアリティです。
好きになる気持ちに性的感情が伴わない場合は、パンロマンティックと言われています。
パンセクシュアルのフラッグ
一般的に認知されているパンセクシュアルのプライドフラッグは、2010年にJasper Vが作成したものです。
Jasper Vはソーシャルメディアで「ピンクとブルーは伝統的に性別を表す。黄色は一般的にジェンダーのない色で、ノンバイナリーの人々などを表す。」と、説明しています。ただし、これらの色が具体的に何を意味するのかについては、意見が分かれています。
例えば、ピンクは女性に対する欲求を、黄色はノンバイナリーまたはジェンダー・ノンコンフォーミングな人々に対する欲求を、青は男性に対する欲求を象徴するとも言われていたりします。(参考:LGBTQ+ Wiki)
パンセクシュアルってこんな感じ
皆さんは人と関わるとき、相手の“出身地”を重視するでしょうか?あるいは、“誕生日”や“血液型”などに置き換えていただいても構いません。
それらは相手を構成する要素の一つであり、もしかしたらそれが人の大部分を形作っているかもしれませんが、それが全てではありません。
パンセクシュアルである私にとっては、性にまつわる要素が同様なのです。「特徴として目につくことはあるけれど、好きになる際に性別は気にしない」という感じです。
私がパンセクシュアルだと自覚するまで
パンセクシュアルだと受け止めるまで時間がかかった
しかし知識として「パンセクシュアル」と聞いても自身がそうであるかどうか、自覚するまでには時間がかかりました。
本当にセクシュアリティ関わらず、身体や性自認やジェンダー表現を問わずに、誰でも恋愛や性愛の対象になるだろうか?と自問自答する期間があったからです。
トランスジェンダーの私がパンセクシュアルに辿り着くまで
話がややこしくなってしまいますが、私はFtM(トランスジェンダー男性)です。
学生時代おおむね「女子」として過ごしてきました。その時は男子が異性、女子が同性という認識だったため、異性愛規範に則って「自分は男子を好きにならなければならないのだろう」という空気がありました。
実際、男子は恋愛対象だったので、そうした異性愛前提の話題に溶け込みながら生活していたと思います。
むしろ、女子も恋愛・性愛対象だったにも関わらず、そちらには目を瞑っていました。“同性”を好きになっている、そういうことがある、という知識が当時なかったので、存在しないものとして自己完結していたわけです。
ところが「LGBTs」という概念に出会ってから、私はバイセクシュアルだったのだと気づきました。男子も女子も恋愛・性愛対象だったことに思い当たったからです。
さらに用語を知っていき、バイセクシュアル(両性愛)というよりは、もっと範囲にこだわらずパンセクシュアル(全性愛)だと自認するに至りました。その頃性別が男女の二つに限らないと知ったことが影響しています。
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やがて私は自らが「トランスジェンダー」でもあると気づきました。私自身が性別にまつわる身体的特徴を変えていくことになり、もはや相手の身体的特徴や性自認に関しても気にしなくなりました。
もしかしたら自分を許容する過程で、相手に対しても恋愛・性愛にまつわる制限がなくなっていったのかもしれません。
パンセクシュアルとバイセクシュアルの違い
混合されがちなバイセクシュアルの場合は、男性と女性という二つの性別に惹きつけられるセクシュアリティを指します。
パンセクシュアルの場合はもっと広く、Xジェンダーや、男女二つの性別に限らない人をも対象に含みます。
誰かに惹かれる際に性別は問わない、というスタンスのパンセクシュアルの人も多いようです。
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パンセクシュアルとポリセクシュアルの違い
パンセクシュアルはポリセクシュアルというセクシュアリティとも混合されてしまうことがあります。
ポリセクシュアルは複数性愛とも言われ、トランスジェンダーやXジェンダーなど、複数のセクシュアリティを好きになることがあるセクシュアリティです。
好きになるのにセクシュアリティは関係無いといったパンセクシュアルに対し、ポリセクシュアルは好きになるセクシュアリティや好きにならないセクシュアリティがあるといった点で違いがあります。
誰かを好きになる場合に相手のセクシュアリティを考えてしまう場合にはポリセクシュアルの可能性もあるでしょう。
パンセクシュアルの診断方法
悪魔で参考程度に・・・ですが、自分のセクシュアリティはネット上の診断ツールなどを使って調べることができます。
セクシュアリティ診断ツールの『anone,』は2,000通りのセクシュアリティの組み合わせから、最も近いパターンの自分のセクシュアリティを調べることができます。
無料で使うことができるツールなので、自分のセクシュアリティにお悩みの方は使ってみると答えにたどり着けるかもしれません。ちなみに結構、精度は高いと感じます。
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パンセクシュアルに関する参考動画
パンセクに関する動画を紹介していきます。
#えるちゅぶ:パンセクって???【セクマイ】
こちらの動画は、パンセク当事者に対する質問形式の動画になります。分かりやすい言葉でシンプルにまとまっているので、パンセクの感覚について知りたい方に参考になる動画だと思います。
にじいろチャンネル:【パンセクシュアルとして生きたい!】〜思い切って自身の過去を語ります〜
こちらの動画は、パンセクシュアル当事者の体験談になります。パンセクシュアルを自覚したきっかけなど話しており、自分がパンセクシュアルなのか気になる方にとってとても参考になる動画だと思います。
LGBTQ+チャンネル「なないろワールド」:バイセクシュアルだった私がパンセクシュアルだと気づいた話
こちらも体験談形式の動画になります。アニメーションを使ってまとめられているのでとても分かりやすい動画となっています。
ただ、パンセクシュアルまで気づくまで時間がかかるので、途中は少し飛ばした方が全体像を掴みやすいかもしれません。
【まとめ】パンセクシュアル(全性愛)とは?バイセクシュアルとの違いは?
私はこれまで男性、女性(シス女性もトランス女性も)、Xジェンダーの人を好きになることがありました。
けれども未だに同性婚が認められなかったり、トランスジェンダーへの偏見があったりすると、好きになる相手次第ではかなり直球の差別にあうことがあります。
色々な相手との関係性があり得るからこそ、セクシュアリティによって起きている差別は早くなくなってほしいです。