日本全国でLGBTQの権利を保護・強化するための「パートナーシップ宣誓制度」の導入が進行中です。山梨県や香川県、東京都板橋区、山口市など、多くの自治体がこの新しい制度の導入を発表しています。
一方、学生たちもこの問題に取り組み、啓発活動を行っています。
初めに |
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当社IRISでは、多様な性の形を受け入れ、様々な社会的マイノリティを記すためにLGBTsという表現を用いていますが、参考元がLGBTQを使用している為、本記事でもLGBTQと表記しています。 |
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山梨県、LGBTQコミュニティをサポートする新制度を発表
山梨県は、LGBTQコミュニティの権利をさらに強化するための新しい取り組みとして、「パートナーシップ宣誓制度」を11月より開始することを公表しました。この新制度は、性的マイノリティのカップルが公的に関係を認知するためのもので、多くの都道府県で導入が進められています。
制度の導入に伴い、宣誓を行ったカップルは、公営住宅への入居や、医療施設での病状説明をパートナーと共に受けることが可能となる予定です。さらに、この制度を活用した県職員が家族手当を申請する場合、支給される方針も示されました。
長崎知事は、この新しい取り組みについて「この制度の開始をきっかけに、性的マイノリティの方々への理解を深め、より良いサービスの提供や安定した生活基盤の確立を目指す」との意気込みを示しました。
現在、日本国内では14の都道府県が同様の制度を導入しており、山梨県もその流れに続く形となります。特に、同性のパートナーを持つ職員に対する家族手当の支給は、東京都や岩手県、鳥取県など11の都道府県で認められています。
この制度の導入背景には、先日の北海道での裁判判決も影響していると見られます。北海道の公務員が同性パートナーとの関係を公的に認知するための家族手当の支給を求めた訴訟で、札幌地裁は原告の主張を退ける形の判決を下しました。このような状況を踏まえ、山梨県は性的マイノリティの権利をさらに保護・強化する方針を明確にしています。
香川県、LGBTQコミュニティ向けの新施策を発表
香川県は、10月1日から「パートナーシップ宣誓制度」を正式に導入することを宣言しました。この発表は、池田知事による最近の記者会見で行われ、県の新たな取り組みとしての詳細が明らかにされました。
新制度のもとで、宣誓書受領証(パートナーシップ証明書)を取得したカップルは、県営住宅に入居する権利を得ることができます。さらに、移転時の手続きが簡素化されるよう、市町との連携が強化される予定です。民間企業に対しても、性的マイノリティに対する職場環境の配慮を促進する啓発活動が行われることが決定しました。
また、県職員がこの制度を利用する場合、県職員や教職員専用の住宅への入居が許可されるとのこと。しかし、証明書の発行業務自体は県が行わない方針で、これに関しては引き続き市町が担当します。県は、市や町からの証明書を基に、各種サポートを提供する予定です。
この新しい取り組みに関する疑問や不明点については、近日中に県の公式サイトで詳細が公開されるとのこと。香川県のこの前向きな取り組みは、性的マイノリティの権利をさらに保護・強化するものとして、多くの市民から期待の声が上がっています。
北海道、地域単位での「パートナーシップ宣誓制度」の一斉導入へ
北海道では、旭川市を中心とした周辺の8町が、一斉に「パートナーシップ宣誓制度」の導入を目指しています。この取り組みは、旭川市が来年1月の導入を計画していたことを受け、周辺の町も同時期の導入を検討することとなったものです。地域全体での一斉導入は全国的にも珍しく、地域の連携と理解を深めるための取り組みとして注目されています。
しかし、上川町だけは導入が少し遅れる見込みです。佐藤町長は、町議会での発言の中で「職員や住民の理解をさらに深めるため、来年4月の導入を目指す」と述べました。一方、旭川市と他の7町は、来年1月の導入を目指して進めています。
さらに、北海道根室市では、LGBTQに関する専門部署の設置を計画しています。この部署は市民生活部内に新設され、道との連携を強化することを目的としています。根室市では現在、同性パートナーシップ証明制度はまだ導入されていないものの、この新部署の設置を契機に、導入に向けた動きが加速することが期待されています。
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板橋区でも先駆けて「パートナーシップ宣誓制度」を開始
東京都の板橋区でも、「パートナーシップ宣誓制度」の導入を発表しました。この新しい制度は、来年2月から正式にスタートする予定で、多様な家族形態や愛の形を認知・支援するための取り組みとして位置づけられています。
板橋区では、制度の導入に伴い、区内の公共施設やサービスの利用に関する優遇措置を検討中です。具体的には、区立図書館の利用や区営プールの割引サービスなど、宣誓を行ったカップルに対する特典が提供される予定です。
坂本区長は、記者会見の中で「板橋区は、多様性を尊重する地域として、この制度の導入を決定した。私たちは、すべての住民が平等にサービスを受けられるよう努力していく」とのコメントを述べました。
また、区は制度の導入に先立ち、LGBTQに関する啓発セミナーやワークショップを開催する予定です。これにより、区民の理解を深めるとともに、制度の利用を促進することを目指しています。
山口市、西日本での先進的取り組みとして「パートナーシップ宣誓制度」を計画
山口市は、西日本の都市としては数少ない「パートナーシップ宣誓制度」の導入を計画していることを明らかにしました。この新しい制度は、市内のLGBTQコミュニティの権利を保護・強化するためのもので、来年春の導入を目指して進められています。
市の新制度では、宣誓を行ったカップルに対して、市営の施設やサービスの利用に関する特典やサポートが提供される予定です。具体的には、市立図書館やスポーツ施設の利用料金の割引、市内のイベントへの優先参加などが考えられています。
伊藤市長は、この計画についての発表の中で、「山口市は、多様性を尊重し、すべての市民が安心して生活できる街を目指している。この新しい制度は、その一環としての取り組みであり、市民の理解と協力を求めている」とのコメントを述べました。
また、市は制度の導入に先駆けて、市民向けの情報提供や啓発活動を強化する予定です。特に、学校や地域の団体と連携し、LGBTQに関する理解を深めるワークショップやセミナーの開催が計画されています。
まとめ
山梨県、香川県、東京都板橋区、および山口市は「パートナーシップ宣誓制度」の導入を予定または発表しています。この制度は、LGBTQのカップルの権利を保護・強化する目的で設けられています。各自治体は、カップルが公的に関係を認知することを可能にするとともに、公営住宅への入居や医療施設での病状説明をパートナーと共に受けるなどの特典を提供する予定です。
これらの取り組みは、性的マイノリティの権利をさらに前進させるものとして、多くの市民から期待の声が上がっています。各自治体の取り組みは、日本全国でのLGBTQの権利向上の動きを象徴するものとして、今後の展開が注目されています。
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