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レズビアンを公表している有名人【日本・海外】

レズビアン

ここ数年、LGBTQという言葉を聞く機会が増えました。企業ではダイバーシティの取り組みが導入されたり、学校ではLGBTQの内容が教科書に盛り込まれたり、以前と比べて浸透していると実感する人はいるのではないでしょうか。また、テレビやネット上で見る有名人・芸能人も、政治や社会に対しての意見を発言するようになり、徐々に情報発信できる人や場面が増えたことを感じています。

そんななか、より多くの人が自分らしく生きられる社会を願い、自らがLGBTQ当事者であることをカミングアウトしている有名人も増えてきました。そこで、本記事ではLGBTQの「L」であるレズビアンに焦点を当て、レズビアンをカミングアウトしている日本・海外の有名人を紹介していきます。

レズビアンについて

LGBTQの「L」にあたるレズビアン(Lesbian)は、日本語で「女性同性愛者」と直訳されます。一言で示すと、女性に対して恋愛感情・性的欲求を抱くセクシュアリティのことです。とはいえ、レズビアンと一言で表しても、以下のようにさまざまなセクシュアリティのあり方が存在します。

  • 過去に男性と交際したことがあるが、今は女性に惹かれている
  • 男性っぽい女性が好き
  • 女性にしか性的な感情を抱いたことがない
  • 精神的に満たされるのは女性の方が多い
  • 幼少期から女性に惹かれる傾向があった
  • 男性と付き合ったことがあるが、あまりしっくりこなかった

レズビアンの呼び方

レズビアンを表す際に「レズ」という言葉をよく聞きます。ですが、差別的な意味合いで使われていた歴史があるため「レズ」と呼ぶことには注意が必要です。とはいえ、レズビアンを自認している筆者は、自分のことを「レズ」と自称したり、周りのレズビアン当事者に対しても同様に呼ぶことがあります。「それならみんなレズと呼んでもいいのではないか?」という疑問を抱く人もいるかもしれません。たしかに「差別的な意味を含んで呼ぶわけでもなく、ただレズビアンを省略した言葉として使うのならむしろ便利だ」との意見もあるでしょう。

ですが、ここで大事なのは、相手との距離感、テンション、話の文脈、ニュアンスです。例えば「私バカだから〜」と自称する人に対して、誰もが同じように「バカ」と呼んでいいとは限りません。つまり、自称することと他称されることは、言葉のもつニュアンスや意味が異なるのです。重要なのは、相手がどう呼ばれたいかを汲み取り、傷つけない言葉を選ぶことです。

フェム、ボイとは

女性のタイプについて話すとき「フェム」「ボイ」というワードが出てくることもあります。なんとなく聞いたことはあるものの、イマイチ言葉の意味がわからない人もいるでしょう。そこで、それぞれの意味を解説します。

フェム・ボイは、主に性表現における男らしさや女らしさを表す言葉として使われます。性表現とは、しぐさ、言葉遣い、服装など、見た目や言動のことをいいます。例えば、女性を自認している筆者は自分のことを「わたし」と呼び、レディース服のパンツスタイルを好みます。ですが、ほかには一人称を「あたし」「俺」「僕」と呼ぶ人がいたり、男性でメイクやスカートを楽しむ人がいたり、自分がどのように表現したいかはさまざまです。

また、一概にもフェムが女役、ボイが男役とカップル内での役割が決まるわけではありません。性表現と性役割は異なるため、分けて考えるようにしましょう。

ネコ、タチ、リバとは

「ネコ」「タチ」「リバ」は、恋愛関係や性的行為において、自分はどういう立ち位置でいたいかを表す言葉として使われます。「ネコ」は受動的、「タチ」は能動的であることを指し、受動的にも能動的にもなる人は「リバ」といわれます。

リバとは、必ずしもネコとタチの真ん中に位置しているわけではありません。「ネコ寄りのリバ(ネコとタチどちらにもなり得るが、受け身になることの方が多い)」「タチ寄りのリバ(ネコとタチどちらにもなり得るが、能動的になることの方が多い)」のように、人のよってネコとタチの比率が異なります。また、そのときによって、ネコ10割、タチ0割となる場合も考えられます。

多くのレズビアン当事者が「どっちが女役、男役なの?」と聞かれることもありますが、当事者自身が「男役」「女役」といった言葉を使うことは少ない印象です。世間では「女役=ネコ」「男役=タチ」と認識されることもありますが、必ずしも女性が受け身で、男性が能動的であるとはかぎりません。規範的な男女の役割ではなく、“個“として認識することが求められつのではないでしょうか。

レズビアンにまつわる誤解

「レズビアンって男性が嫌いなの?」「男になりたい人が多いの?」など、レズビアンに関する誤解や偏見が存在します。悪意があって言っていなくても、知らぬ間に当事者を傷つけてしまったり、差別の助長につながることも考えられます。レズビアンというセクシュアリティを正しく理解するために、よくある誤解を一部紹介します。

男性が嫌い

よくある誤解として挙げられるのが、レズビアンは男性が嫌いということです。ですが、レズビアンは男性に恋愛感情や性的欲求を抱くことはないものの、男性を嫌っているわけではありません。友情と恋愛、性的な関係はまったく違うものであり、レズビアンを自認している多くの人たちが、職場や学校など、さまざまな場面で男性と関わっています。

男性になりたい人が多い

「女性に惹かれる=男性になりたい」という認識は正しくないといえます。先述したように、レズビアンのなかには「ボイ」と呼ばれる人や、男性的な服装を好む人もいます。それと同じように、女性らしく振る舞う人や、中性的なスタイルを実践する人もいます。なので、男性になりたいと認識するのではなく、その人が自身をどのように表現したいか、心地いいあり方を尊重することが一番大切となります。

すべての女性を性的な目で見ている

女性に惹かれるレズビアンですが、だからといってすべての女性に対して恋愛感情や性的欲求を抱くわけではありません。レズビアンのなかには「温泉や更衣室で気を悪くする人がいるかもしれない」と共有スペースの利用を躊躇する人もいます。ですが、友達とカフェに行くような感覚で銭湯に行ったり、ただ楽しい時間を共有したいと思っている当事者がほとんどです。

すべてのレズビアンはフェムかボイである

多くの人は、レズビアンをフェムもしくはボイでカテゴライズされると認識していますが、それだけではありません。むしろ、最近ではフェムとボイの境界線は曖昧になりつつあるように感じます。いわゆる男らしい側面をもつ人が長髪にしたり、逆にかわいらしい人が短髪にしたり、世間の性別によるらしさは徐々に薄まっている印象です。

レズビアンカップルは男役と女役で成り立っている

先述したように「どっちが男役で女役なの?」という質問を向けられたことのあるレズビアンは少なくありません。これは一つ前に紹介した「すべてのレズビアんはフェムかボイである」の誤解にもつながりますが、すべての関係性において男女が前提となる認識は、規範的なジェンダーロールに縛られている今の社会の特徴ともいえます。フェムがネコ(受け身)でボイがタチ(能動的)とは限りませんし、フェムとフェム、ネコとネコ同士で付き合っているカップルもいます。自分にとっての当たり前が、必ずしも他の人に当てはまるわけではないことを前提とすることが重要です。

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レズビアンの困りごと

まだまだ社会ではレズビアンが正しく認識されていないことから、上のような誤解が浸透しています。また、当事者ならではのこんな困難も存在します。

彼氏いるの?という質問

「彼氏いるの?」と異性愛者であることを前提に会話が進んでいくことはよくあります。カミングアウトしていないレズビアンの人は、彼女がいることをなかなか伝えられず、彼女を彼氏と置き換えて話したり、恋愛の話題に入りづらくなったりと、話に困ってしまう場面も多くみられるのです。友達や彼女を騙しているような罪悪感、友達に彼女を紹介できない悲しさなど、複雑な感情を抱いているといった話も耳にします。

お部屋探し

同性同士がカップルとしてみなされない現状があります。物件を探している段階でカップルであることを伝えると、同棲ではなくルームシェア扱いとなったり、大家さんや不動産会社に断られてしまったり……。パートナーシップを宣誓しているカップルは審査の対象となる物件もありますが、全自治体にパートナーシップ制度が導入されていない現状があるため、住まい探しの幅は狭まってしまいます。

仕事探し

私生活の大半を過ごす職場で、自分のセクシュアリティをオープンにして働きたいと願う当事者は多いはず。面接の段階でカミングアウトした当事者によると、面接官からプライベートな質問をされ、会社について何も知ることができなかったそうです。また、その面接官が受け入れてくれたとしても、入社後、ほかの社員から差別や偏見の目を向けられる可能性はあるため、勇気を出してカミングアウトしても、結果的に生きづらさを感じることも考えられます。

関連記事「【2022年4月最新!】レズビアン向けおすすめマッチングアプリ12選!コツやアプリ以外も紹介♪

レズビアンを公表した有名人【日本編】

レズビアンを公表した有名人【日本編】

ここからは、レズビアンを公言している日本の有名人を紹介します。

滝沢ななえ

滝沢ななえは、日本の元バレーボール選手。現在は、タレント、バレーボールコーチとして活動しています。現役時代は「美人すぎる」と話題になっていましたが「世間の見る自分」と「本当の自分」は一緒ではないと感じ、カミングアウトすることを悩んでいたと話しています。しかし、現役引退後、自分しかできないことを突き進めていくうちに、自身の経験からスポーツ界におけるLGBTQの生きづらさをなくしたいとの想いが強くなり、テレビ番組でレズビアンを公言しました。現在は、同性のパートナーと犬と暮らし、新しい家族のあり方をSNSで積極的に発信しています。

牧村朝子

通称「まきむぅ」として知られる、文筆家、タレントの牧村朝子は、レズビアンであることを公表しています。2013年に同性婚が法制化されたフランスで、フランス人女性と結婚。自身の同性パートナーとの結婚についてや、LGBTQの情報を積極的に発信しています。『百合のリアル』『ゲイカップルに萌えたら迷惑ですか?——聞きたい! けど聞けない! LGBTsのこと——』『同性愛は「病気」なの? 僕たちを振り分けた世界の「同性愛診断法」クロニクル』など、主にLGBTQに関する本を出版しています。

AyaBambi

Auabambiは、ダンサーのAyaとBambi Nakaによるダンスユニットです。2人はかつてはレズビアンカップルとして知られ、事実上の結婚を果たしていました。現在はユニットを解散し、個々での活動に専念していますが、それでも波は止まらず、実力派ダンサーとしての腕を魅せ続けています。

一ノ瀬文香

グラビアアイドルの一ノ瀬文香は、2009年にレズビアンであることをカミングアウトし、2013年に元パートナーである女優でダンサーの杉森茜と結婚しました。このカミングアウトがきっかけに、グラビアの仕事を断られた経験を語り、テレビ出演や講演を通じて、LGBTQ当事者の平等な権利を訴えています。

尾辻かな子

政治家、社会福祉士、介護福祉士として活動する尾辻かな子。200年に出版された『カミングアウト〜自分らしさを見つける旅』で、自身がレズビアンであることを公表しました。オープンリーレズビアンの議員として、2006年には関西レインボーパレードを実現。2007年、民主党公認候補として(LGBTQの候補が公認を受けるのは初)二丁目に事務所を設立し、LGBTQコミュニティにおける活動を広めていきました。講演やテレビ出演を通し、積極的にLGBTQの発信を行なっている人物です。

王谷晶

王谷晶は、オープンリーレズビアンの小説家として活動しています。インタビューでは「自分の書く小説は、レズビアンという当事者性にこだわるのではなく、女の人を幸せにする物語」と述べ、社会に潜むさまざまな固定概念からの脱却を目指しているといいます。女2人が主人公の『ババヤガの夜』、女性の体にかけられた社会呪いを扱う『どうせカラダが目当てでしょ』、すべて女性2人が主人公の短編小説集『完璧じゃない、あたしたち』などを出版。そのほか、自身のSNSではフェミニストとして、社会に対する疑問や意見を積極的に発信しています。

関連記事「レズビアンの本当の愛って?人によって違うさまざまな「普通」を問う

レズビアンを公表した有名人【海外編】

レズビアンを公表した有名人【海外編】
次に、レズビアンを公言している海外の有名人を紹介します。

ヘイリー・キヨコ

LGBTQの恋愛をテーマにした曲で、当事者からの共感を呼んでいる、シンガーソングライターのヘイリー・キヨコ(Hayley Kiyoko)。日系アメリカ人でレズビアンである自身のルーツそのものを歌詞に投影。自身の曲について「アイデアやコンセプトではなく、自分の人生の一部」と語っています。

多くのレズビアン当事者から「レズビアンの神」と称えられる理由は、やはりレズビアンならではの感情や女性同士の恋愛を歌い上げることで、レズビアンのリアルな側面が繊細に表現されているからでしょう。他人からの目を気にして自身のセクシュアリティを隠していたり、孤独に感じていたい時期もあったそう。そんな苦労を乗り越えた今、世界中のレズビアンに勇気と希望を与えている歌手の一人として知られています。

エレン・デジェネレス

エレン・デジェネレス(Ellen DeGeneres)は、自身のトーク番組『エレンの部屋』でも知られている、アメリカのコメディアン、女優です。1997年に番組内でレズビアンであることを告白。当時は、カミングアウトによりキャリアが終わると思っていたそうです。今と比べるとLGBTQに対しての理解が少ない状況下でのカミングアウトとなったため、世間から誹謗中傷を浴びせられ、担当していた番組『Ellen』は打ち切りとなりました。そして2003年に『エレンの部屋』で復帰を果たし、今ではLGBTQのアイコン的存在として世界中で慕われています。

ローレン・モレリ

女性刑務所での生活が取り上げられたドラマ『オレンジ・イズ・ニュ・ブラック』の主要脚本家を努めるローレン・モレリ(Lauren Morelli)。ドラマの脚本に携わったことがきっかけとなり、自身がレズビアンであることに気づいたそうです。そして、同ドラマ出演者のサミラ・ワイリー(Samira Wiley)に一目惚れしたといいます。ローレンは2014年に元夫と離婚し、サミラと交際をスタート。そして2016年に2人は結婚を果たしました。

キング・プリンセス

2018年にデビューしたばかりのキング・プリンセス(King Princess)。中性的な雰囲気が魅力的な彼女は、デビューするやいなや、世界中で話題の的となりました。デビュー曲『1950』では「男子に追いかけられるのは嫌だけど、あなたが私を守ろうとしてくれるのは好き。だって私は一人の女性だから」という歌詞で始まります。かつてよりはオープンに語られるようになったLGBTQではあるものの、いまだに隠すべきものとして認識されたり、LGBTQの恋愛がないものとして認識されている現状から脱却したいとのメッセージを、自身の音楽活動を通じて美しく語っています。

ポーシャ・デ・ロッシ

ポーシャ・デ・ロッシ(Portia De Rossi)は、女優でありエレン・デジェネレスのパートナーです。2004年にエレンと交際を始め、カリフォルニア州が同性婚を禁止する法律を覆した2008年に結婚。今年で結婚14年目となる世界的に有名なレズビアンカップルです。ポーシャは、結婚について「籍を入れられたことには、大きな意味があります。2人とつなぎ止めるものがあるし、安心感が得られます。死ぬまで彼女と一緒にいるつもりです」と語りました。

関連記事「レズビアンの出会いはどこから始まる?【恋愛したいレズビアン向け】

レズビアンを公表している有名人まとめ

レズビアンは、ほかの人たちと同じように日常生活を送り、当たり前に存在しています。夢、服装、アイデア、感覚、趣味など、人それぞれに異なるものがあるように、その多種多様な個性のなかに、セクシュアリティが存在するのです。

数えきれないほどのアイデンティティがあるなか、誰もが社会が期待する性別やセクシュアリティのあり方に一致することはなく、同時に思い悩んでいます。だからこそ、影響力のある芸能人や有名人がカミングアウトすることで、少しずつLGBTQへの理解が深まるのではないでしょうか。IRISでもLGBTQが浸透する社会を願って、引き続き情報発信に努めていきます。

 

この記事を書いたのは

Honoka Yamasaki

ライター、ダンサー、purple millennium運営。 Instagram:@honoka_yamasaki

IRIS(アイリス)は主にレズビアンやゲイ、トランスジェンダー、バイなどLGBTs(LGBT)当事者を対象として、お部屋探し、物件購入などの不動産仲介を行うLGBTs(LGBT)フレンドリーな不動産会社です。
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