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昨今、LGBTについて語られる機会が増えてきました。LGBTはレズビアン(女性同性愛者)のL、ゲイ(男性同性愛)のG、バイセクシュアル(両性愛者)のB、トランスジェンダー(性違和)のTを組み合わせた言葉です。
セクシュアルマイノリティの総称としてもしばしば用いられる言葉で、LGBTQ+(Qはクエスチョニング、+はその他のセクシュアリティ)や、LGBTsなどとも言います。
今回はその中でもトランスジェンダーという性やそんなトランスジェンダーを公表している有名人の方々を紹介します。
初めに |
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IRISでは、あらゆるマイノリティが暮らしやすくなることを目指すという意味から「LGBTs」と表記していますが、今回は一般的な「LGBT」について解説するため、表記が混在しております。 |
トランスジェンダーとは?
まずトランスジェンダーとはどういった性なのでしょうか。
トランスジェンダーとは「心と体の性別が一致していない」人を指します。日本語の医学名に「性同一性障害」というものがあり、同じく「心と体の性別が一致していない」人に対して使われる言葉ではありますが、厳密には違うものとされています。
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性同一性障害
「性同一性障害」は正確には「心と体の性別が一致しておらず性別を一致させるための手術を望んでいる状態」の人のことを指します。つまり広い意味で「性同一性障害」は「トランスジェンダー」に含まれているということです。
「性同一性障害」はその名の通り、障害と位置付けられたものです。つまり、病気のひとつというわけです。
しかし手放しにその考え方をしてもよいのでしょうか。「心と体の性別が一致していないので一致させたい」というだけで、病気として定義づけられてしまうというのはいささか理不尽ではないでしょうか。
トランスジェンダーという言葉は、当事者の方々が自分たちは病気ではないと主張してきた活動によって布教されてきた言葉です。そのため一概に「トランスジェンダー」=「性同一性障害」と位置付けてしまうのは失礼にあたってしまうのです。
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トランスジェンダーのモデルや俳優、有名人
昨今ではトランスジェンダーを題材としたテレビドラマや映画、ドキュメンタリーなども増えてきて、少しずつトランスジェンダーという性への理解も深まってきています。
では、そんな世の中で自身をトランスジェンダーだと公表している有名人にはどのような方がいるのでしょうか。
KABA.ちゃん
小室哲哉プロデュースの音楽グループ「dos.」の元メンバーで、現在は振付師などをしているKABA.ちゃんさん。SMAPの「世界に一つだけの花」の振り付け担当としても有名ですよね。いわゆる「オネエ」キャラの先駆けとしてイメージされる方も多いのではないでしょうか。
KABA.ちゃんさんはdos.時代しゃべると「オネエ」である、また「同性愛者」であることがバレてしまうという理由からしゃべらないようにと厳命されていたといいます。しかしその後出演した番組にて自身が「オネエ」であることを公表しています。
現在は手術を終え「一華」という名前で戸籍上の性別や名前の変更を認められていると話しています。
はるな愛
松浦亜弥さんのものまねネタ「エアあやや」で一世を風靡しブレイクしたはるな愛さんは、幼いころからニューハーフになろうと考えていたそうです。
1995年には性別適合手術を受け女性の身体となりましたが、「男性と結婚するまで大西賢示でいることが親孝行」であるとの考えのもと戸籍上の名前はそのまま「大西賢示」さんのままです。
2009年にはミス・インターナショナル・クイーンで優勝するなどトランスジェンダー、特にニューハーフの方々からすると非常に勇気を与えてくれる存在ですよね。
椿彩奈
モデルや俳優として活躍されていた椿彩奈さん。最近ではプロの雀士となったことでも有名です。
そんな椿彩奈さんもトランスジェンダーの一人。「わたし、男子校出身です。」という自叙伝でを出版しておりその本の中で、トランスジェンダーであることで身に起こった生活や苦悩、心情を描いています。
GENKING
インスタグラムを火付けとし、タレントとして活躍されているGENKINGさん。GENKINGさんは幼少期からピンクやフリルがといったものが好きで、性別に違和感を覚えていたそう。当時はそれが原因でいじめられたり、担任教師から「男らしくしろ」と叱られてしまうなど、壮絶な過去を持っています。
インスタグラムをきっかけに「ユニセックス」キャラとしてメディアからの出演依頼が殺到しましたが、「ユニセックス」は偽りの自分であると心が悲鳴を上げてしまったそう。
2018年に自叙伝「僕は私を生みました。」で性別適合手術を受けて戸籍上も女性となったことを告白しました。
カルーセル麻紀
歌手、俳優として活躍されているカルーセル麻紀さん。トランスジェンダーのパイオニアともいうべき存在で、「日本人として初めて性別適合手術を受けた人」、「戸籍を男性から女性にしたパイオニア」とも称されています。
そんなカルーセル麻紀さんが手術を受けたのは1970年代。そのころは今よりもトランスジェンダーという存在は受け入れられておらず、性別適合手術は悪魔に魂を売ったようなものだと揶揄されたこともあるのだとか。
しかしそんな中で、歌手に美輪明宏さんから「これからは“魔女”として生きていきなさい。今まで女を泣かせてきた男たちを、今度は片っ端から泣かせておやり」と言われ、今でもそれが信条となっているそうです。
IVAN
日本人とスペイン人のハーフであるのお父さんとメキシコ人であるお母さんを両親に持つモデルのIVANさん。
2013年にテレビ番組にて自らが「オネエ」であることを告白。それからはトランスジェンダータレントとして活躍しており、2014年度ブレイクタレントランキングでは2位になるなど非常に人気になりました。
能町みね子
エッセイストや漫画家として活動されている作家の能町みね子さん。男性であることを隠してOLとして働いていたこともあるそうで、そんな生活を綴ったエッセイ「オカマだけどOLやってます。」は代表作です。
能町みね子さんは性同一性障害、ひいてはトランスジェンダーを「病気」とすべきでないというスタンスをとっており、自身の性別に関しても「昔は男だった」と話します。
また、一番嫌いな言葉として「オカマ」を上げており、性別適合手術を受けた後は「オカマじゃなくなりました。」というタイトルのブログを公開しています。
イシヅカユウ
静岡県浜松市出身のファッションモデル、俳優であり、CM、MVに出演しています。映画「片袖の魚」ではトランスジェンダー女性の役で映画初主演を果たしました。
トランスジェンダー女性として、ファッション業界での活動や自身の経験について積極的に語っています。
中山咲月
2021年に公式ブログやインタビューでトランスジェンダーであることを公表。
自身のフォトエッセイ「無性愛」では、アセクシャル(無性愛)であることを告白し、ジェンダーレス女子から「男性として生きていくと決めた」と述べています。
りんごちゃん
「ミュージック、スターティン」の掛け声とともに、可愛らしい容貌とは裏腹の武田鉄矢さんや大友康平さん、吉幾三さんとなどといった野太い声でものまねを披露するギャップで一世を風靡したりんごちゃんさん。
年齢、性別共に不詳という設定で活動していらっしゃいますが、過去に銀座のニューハーフパブで働いていたことなどを明かしています。
佐藤かよ
モデルとして活躍している佐藤かよさん。佐藤かよさんは小学校の入学時にランドセルや席順などから、自身の性別に違和感を抱いていたと明かしています。男女別での着替えが始まるとそれは一層顕著になり、15歳からホルモン注射を始めたそうです。
性別適合手術を受けたかどうかは明言していないものの、週刊誌の取材にて「戸籍以外はほぼ女性になった」と語っています。またその後バラエティ番組にて改めて手術を受けたのかを聞かれた際には、受けたと認めています。
上川あや
世田谷区議会議員である上川あやさんは、幼少期から女の子と遊ぶのが好きであったり、女児向けアニメや着せ替え人形などを好んでいたそう。中学生で男の子への初恋を体験、第二次性徴で身体が男性へと変わっていくことに激しい違和感や嫌悪感を感じていたそうです。
現在は議員としては無所属。会派は「レインボー世田谷」。性的マイノリティに配慮した政治活動に力を入れており、渋谷区と世田谷区で同時に始まった同性パートナーシップ制度の創設にも貢献された方です。
朱崇花
ムーンサルトプレスを得意技とするプロレスラーの朱崇花さん。日本人では初めて性同一性障害、トランスジェンダーであることを公表したプロレスラーです。
朱崇花さんは小学三年生のときに性別への違和感を始めて感じつつも男性として生きてきましたが、16歳で限界を迎え病院で検査を受けたそうです。
SECRET GUYZ
SECRET GUYZは日本初のトランスジェンダー男性(出生時が女性とされていた、男性)のみで構成された音楽グループです。LGBTへの理解を世間にもっと広めるために2018年まで活動されていました。
現在では公式サイトやブログは閉鎖されていますが、スターダスト公式YouTubeチャンネルにてシングル曲「SKY MARCH」のミュージックビデオが公開されています。
当動画の概要欄には「FtM(元女性)をもっと世間に広めるべく活動中の、女性・男性の両面の魅力を持つトランスジェンダーグループ」と表記されており、当楽曲も「LGBTの象徴であるレインボーを強く意識した、個性と多様性を尊重したダイバーシティ社会へのパイロット的楽曲」とのことで非常に勇気をもらえる楽曲となっています。
𠮷原シュート
SECRET GUYZの元メンバーでイメージカラーはローズレッド。幼いころから女の子として扱われることに違和感を感じており、高校生までは女性として過ごしていたそうです。
現在は俳優として活動されており、実質上の俳優デビュー作である舞台『金色のコルダ ステラ・ミュージカル』には女性であることを伏せて、男性としてオーディションに臨んだそうです。
諭吉
SECRET GUYZの元メンバーでイメージカラーはレモンシフォン。諭吉さんは自身の心が男性であることをお父さんに打ち明けた際、手を叩いて「この道で行け!」と言われたと明かしています。
現在はよしもとクリエイティブ・エージェンシーに所属しており、よしもとでは初のオニイ系(トランスジェンダー男性)タレントとのことです。LGBTの理解をもっと世間に広めるべく活動中であり、あの吉本坂46のファイナリストでもあったそうですよ。
水間百合子
元女子サッカー選手でフォワードを担当していた水間百合子さん。
漫画「キャプテン翼」の影響で幼いころから男の子と一緒にサッカーをしていたそうです。ママさんサッカーチームを発足して実績を積み上げ、のちにサッカー女子日本代表に選ばれ、第1回FIFA女子ワールドカップにも出場しました。
水間百合子さんは、2006年に刊行した自叙伝「女に生まれて男で生きて」で性同一性障害、トランスジェンダーであることを明かしました。
ヒル・ライアン
元女子バスケットボール選手で現在は指導者として活動しているヒル・ライアンさん。
10歳ごろから性別に違和感を抱いており、選手当時はヒル・理奈さんという名前でプレーされていました。
引退後である2020年に自身の性別と向き合い、乳腺摘出手術を行い、心の性別が男性であることを手術前の写真とともにSNSにて明かしました。
また、その後にヒル・理奈さんからヒル・ライアンさんへと改名しました。
渕上綾子
北海道議会議員の渕上綾子さんは、男性として出生し小学生のころから好意を持つ性別は男性で、ショークラブのダンサーとして働いていた経験を持ちます。
日本では初めての都道府県議会のLGBT議員であり、性的少数者が暮らしやすい社会作りを目的に政界入りを果たしたそうです。
またその背景にはショークラブの元同僚の自殺もあったそうで、札幌市で取り入れられている「パートナーシップ宣誓制度」を全道に広めることを目指しているとのことです。
関連記事「【同棲経験者にインタビュー】トランスジェンダーの住まい探しの現状とは」
トランスジェンダーのモデルや俳優、有名人のまとめ
いかがでしたでしょうか。トランスジェンダーと一口に言っても様々なタイプの方がいらっしゃいます。また、まだまだ世間に大きく世間に理解されているとも言い難いトランスジェンダーという性別。そんな性別だからこそ、こういった影響力を持つ有名な方々が主張してくれるというのは、当事者にとって非常に心強いことです。
この記事で紹介した以外にもトランスジェンダーを公表している有名人の方は多くいます。ぜひ、調べてみてください。この記事をきっかけにトランスジェンダーという性に興味を持ち理解を広げてくれる方が増えれば幸いです。