どうもこんにちは!Xジェンダーでゲイでノンセクシュアルのしょうへいです。

僕はXジェンダー(性自認が無性)を自認しており、主に10代前半頃から20代前半頃まで自分自身の体の性に悩み苦しんでいました。

そこで自分自身の男性化を抑えるために行ったのが女性ホルモンの投与です。本記事では男の体に女性ホルモンを投与すると起きる変化と、後悔はなかったのかの2点について実体験の上、解説していきます。

身体的に男性の方で、女性ホルモンの投与を考えている方、参考にしてみてください。

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そもそも女性ホルモンって何?

そもそも女性ホルモンって何?

女性ホルモンとは女性の卵巣で作られている2種類のホルモンのことを言います。

エストロゲン プロゲステロン
子宮内膜を厚くして妊娠に備える エストロゲンによって厚くなった子宮内膜を柔らかく維持して妊娠しやすい状態にする
女性的な体を作る 水分や栄養素をため込み妊娠が成立したら、妊娠を維持する
自律神経の働きを安定させる 体温を上げる働き
肌、血管、骨、脳などを健康に保つ 食欲を増やす働き

女性の体が思春期頃からより女性的な体に変化していく理由はこの2種類のホルモンの働きが大きいです。

女性ホルモンを男性の体に投与するってどうやるの?

女性ホルモンを男性の体に投与するってどうやるの?

女性ホルモンの投与には主に3つの方法があります。1つは女性ホルモンの薬を飲んで血中の女性ホルモン量を増やしていく方法。

2つ目が注射による血中への女性ホルモンの投与。3つ目がクリームやシールで血中の女性ホルモン量を増やしていく方法です。

性別違和で病院によって治療をしてもらう場合には、基本的には女性ホルモンの服用または注射のどちらかになると思います。

僕はXジェンダーなので病院に行ってもホルモン治療は受けられず…自己責任の上で薬を自分で輸入して服用していました。

女性ホルモンの薬を服用

何の女性ホルモンの薬を服用するのかにもよりますが、僕が飲んでいた女性ホルモン薬は大体1日2回くらい服用をしていました。

女性ホルモンの薬を飲むだけなので敷居はとても低いです。その代わり肝臓で代謝されるので長期的に見ると、肝臓へのダメージが大きいかもしれません。

お酒を飲む人は女性ホルモン薬を服用するのはやめた方が良さそうです。またホルモンは血中濃度を一定に保つことが大切なので、飲み忘れのないようにしなくてはなりません。

注射による投与

基本的には筋肉注射で行います。僕は注射がダメなのでこの方法は使いませんでした。

女性ホルモンを服用するのに比べて肝臓などへのダメージが少なく一度注射を行えば1週間〜2週間は効果が得られやすいというメリットがあります。

また注射によって女性ホルモンを流し込むので薬やクリームよりも吸収が安定しやすいというメリットもあります。

お医者さんで女性ホルモンの投与をお願いする場合には、基本的には注射をお勧めされることが多いでしょう。

クリームやシールによる女性ホルモンの投与

女性ホルモンの服用と注射の中間的なやり方なような気がします。注射ほどの安定した吸収はないですが、服用ではないので肝臓への負担も軽めです。

また基本的には1日1回塗るだけなのでお手軽です。でも夏場など汗ばむ季節にはちょっと心配になってしまいます。

僕は最初は女性ホルモンを服用してきましたが、後半はクリームで投与を行っていました。服用するよりも安かったような気もします。ただし、効果が出てるのかは分かりませんでした…。

男の体に女性ホルモンを投与して起きる変化

男の体に女性ホルモンを投与して起きる変化

僕は18歳から21歳頃まで女性ホルモンの投与をしましたが、正直それほど大きな変化はありませんでした。

女性の体に男性ホルモンを投与した場合に比べると、変化はそれほど大きくないように思います。

肌が綺麗になる

凄く分かりやすい変化です。

『女性ホルモンの投与を始めてから3日くらいで肌の質感が変わってきた』ように感じました。

元々それほど男性的な肌はしていませんでしたが、女性ホルモンの投与を始めてからはオイリーな肌質では無くなり、色が白くなったように感じられました。

胸が少し膨らむ(僕の場合は膨らまなかった)

個人差が大きい上に、生まれ持った身体的な性別が女性の方と比べると、そこまで発達はしないように思います。

大体『女性ホルモンの投与を始めて、一週間目くらいに胸にシコリができていることに気付き、1カ月くらいは階段の上り下りなど振動するたびに痛かった』です。

僕の場合、ただ痛むだけで特に胸が膨らむなどはありませんでした。

僕の性自認は無性で、女性的な体になりたいというわけではなかったので、胸が膨らまなかったことは良かったと思っています。

一時的にニキビが増える

女性ホルモンに限らず性ホルモンの投与を行うと、一時的に体内の性ホルモンのバランスが崩れるため、ニキビができやすくなります。

特に僕の場合は、背中にたくさんのニキビができました。

筋肉が落ちる(らしい)

僕は当時は凄く痩せていた上に、元々男性的なゴツゴツした感じがなかったので実感できなかったのですが、女性ホルモンの投与を始めると筋肉が凄い勢いで落ちていくらしいです。

皮下脂肪がついてくる

女性ホルモンには脂肪を蓄える性質があるので、女性ホルモンの投与を始めると皮下脂肪が少しずつついてきます。

その結果、顔や体に丸み(柔らかさ)が出てきて中性的、女性的な雰囲気に近づいていきます。

子供が作れなくなる(らしい)

女性ホルモンの投与を長く行うと、子供が作れなくなると言われています。

検査を受けたことがあるわけではないので分からないですが『もしかしたら僕も子供を作れないような状態になっているかも』しれません。

将来的に子供が欲しいという方は、女性ホルモンの投与を今は控えた方が良いのではないかと思います。

女性に間違われるようになってくる

大体、女性ホルモンの投与を始めて2年くらい経過したころ、パンク系のブランドのモデル(僕はメンズ)をやることになったのですが、他のモデルさんと顔合わせしたとき1ヶ月くらいはずっと女性だと思われていました。

また19歳頃には友達に連れられて新宿2丁目に行くことも増えたのですが、その頃はどちらかと言えば、元々は女性の体で生まれて男性になった方(FtM)と間違われることが多かったです。

女性の方がなることが多い病気にかかりやすくなる

女性ホルモンの投与している間に鬱病やパニック障害など、自律神経失調症などが起きやすくなりました。

これらの病気は男性よりも女性に多いと言われている病気で、男性がかかりやすいと言われる病気よりも女性がなりやすい病気の方が、かかる確率が上がったように感じました。

男の体に女性ホルモンを投与しても変化しないこと

男の体に女性ホルモンを投与しても変化しないこと

次に女性ホルモンの投与を始めると変化しそうで変化しないことについて解説していきます。

骨格や声は変わらない

女性ホルモンの投与を始めると、声が女性的になると期待している方がいるかと思いますが、1度成長してしまった骨格は女性ホルモンを投与しても変わりません。

また声帯も、声変わりして成長してしまった状態だと、女性ホルモンを投与しても声変わり前の声に戻ることはありません。

女性的な声にしたいのであれば発声練習をしたり外科的な治療が必要となってきます。

ヒゲ(体毛)も変わらない

ヒゲを含む体毛は基本的には女性ホルモンの投与を始めても、僕自身体毛が薄くなったりすることはありませんでした。

ただ女性ホルモンの投与をやめてからはヒゲが急激に濃くなりました。

性欲などは何も変化がなかった

僕は元々性欲が限りなく弱い部類だと思うのですが、女性ホルモンの投与を始めても自分で分かる範囲では生殖機能に変化はありませんでした。

また中には『ED(勃起不全)になる方も多くいるみたいですが、それも含めて変化はなかった』です。

ただ僕がそうであっただけで、性欲がほとんど無くなってしまうという話はよく聞くので、女性ホルモンの投与を考えている方はよく考えた方がよいと思います。

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女性ホルモンの投与を止めてから変化があったこと

女性ホルモンの投与を止めてから変化があったこと

次に女性ホルモンの投与を止めてから起きた変化についてお話ししていきます。

すぐに投与を止めて変化が起きるわけではなく、徐々に変化が起きていくという感じでした。

ヒゲ(体毛)が濃くなる

元々ヒゲはそれなりに濃かったですが、女性ホルモンの投与を止めてから急激にヒゲが濃くなりました。

はじめはもみ上げと顎のヒゲが繋がってはいなかったのですが、徐々に濃くなり次第に顎のヒゲともみ上げが繋がるようになりました。

ヒゲだけでなく、お腹周りや手足の体毛も濃くなったような気がします。

肌が少しずつ男性的になっていく

女性ホルモンを投与している間は、男性的なオイリーな肌になることはほとんどありませんでした。

しかし脂っこいものを食べたり体を動かすと、女性ホルモンの投与を止めてからは肌がオイリーになったなと実感しました。

髪質が若干変わる

女性ホルモンを投与している間は髪質がサラサラしていて、尚且つ潤っているいような感じがしましたが、止めてからは少しだけ変わったような気がしました。

具体的には傷んで乾いているような髪質へと変化しました。

声が低くなる…?

僕はあまり声変わりが起こらなかったタイプで、女性ホルモン投与前でも投与中でも電話越しで男性と思われることはかなり稀でした。

しかし女性ホルモンの投与をやめてから、電話越しで「奥様ですか?」と言われたりすることが無くなったのです。

声が低くなったのか声質が変わったのかは分かりませんが、声質が男性的に寄ったのは間違いなさそうです。

女性ホルモンの投与を止めてもそのままだったこと

女性ホルモンの投与を止めてもそのままだったこと

女性ホルモンの投与を止めてもそのままだったことは、それほど多くありません。ホルモンの投与を止めてしまえばまた男性ホルモンが優位な状態に戻るので男性的な体つきに戻っていきます。

顔の丸み(若干童顔になる?)

人によるのかもしれませんが、女性ホルモンを使用していたときについた女性的な皮下脂肪は、その後も変わらないように感じました。今はもう女性ホルモンの投与を止めて10年近くが経ちますが、女性ホルモンの影響で付いた皮下脂肪は今でも残っているような感じがします。

ダイエットしたら分からないですが、ダイエットしない限りはそのまま女性的な肉付きは残り続けるのではないでしょうか。

女性的な病気によくかかる

病気には女性の体の方がなりやすいものがあります。女性ホルモンを投与している間は、自律神経失調症やパニック障害など、女性の方がなる確率が高い病気にかかることが多い状態でした。そしてそれらの病気は今もそうで、女性ホルモンを止めてからもどちらかといえば女性がなることが多い病気の方がかかりやすいような感じがしています。

女性ホルモンを止めてから解離性障害という病気と、臍ヘルニアという病気になったのですが、解離性障害は男性よりも5倍くらい女性の方がなりやすいそうです。また臍ヘルニアに関してもやはり女性の方がなる確率が高いそうです。

逆に男性がなりやすいと言われる病気にはかかったことがないので、女性ホルモンを止めた今でも女性がなりやすい病気にかかりやすいような感覚はあります。

女性ホルモンを投与して後悔はないのか?

女性ホルモンを投与して後悔はないのか?

僕は女性ホルモンを投与して後悔はしていません。

元々Xジェンダーの無性ということで、思春期頃から自分の体が男性的になっていくことが辛いし嫌だと思っていました。

『女性ホルモンを投与することで、男としての体ができあがる前に成長を止めることができ、僕は安心感を覚えた』のです。

今はもう女性ホルモンの投与は止めてしまいましたが、女性ホルモンを投与していたことで今も完全な男性の体ではないと思い、安心した気持ちでいます。

男性の女性ホルモン投与はよく考えて!

男性の女性ホルモン投与はよく考えて!

僕は女性ホルモンの投与に関して後悔することはありませんでしたが、後悔しているという話は多々聞きます。

ホルモン投与自体がそう簡単にできることではありませんが、よく考えた上で医師にも相談してください。女性ホルモンの投与で胸が膨らんできたら、外科的な手術を行わなければ男性的な胸には戻せません。

また乳がんなどの発生リスクもとても高くなりますし、ホルモン投与を行った影響は一生残ります。安易な気持ちで女性ホルモンを投与することは絶対にダメです。身体的男性で、性自認もしっかりと男性であるという自覚がある方は、手をつけない方が良いかと思います。

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