あまり出会いがないとお悩みのレズビアン女性の方は珍しくありません。実際にヘテロセクシュアル(異性愛者)と比べると、レズビアンの人口は少ないため、普段出会うことは難しいかもしれません。そして自分のセクシュアリティを隠して過ごす方もいるため、なかなか公の場で出会うことはないかもしれません。

ですが、最近ではオンライン上から知り合って恋愛に発展したという話もよく聞きます。今までは知り合いの紹介や新宿二丁目などに足を運び、リアルな場で出会うことが多かったのに対し、今はコロナ禍で対面を選ばないことが当たり前な時代に突入しました。だからこそ、出会い方の幅も広がるのです。

オンラインでの出会いといえば、マッチングアプリ。マッチングアプリといえば、Tinder(ティンダー)を思い出す人も多いはずです。そこで、みんなの知るTinderでレズビアン女性とマッチできるのか、筆者の実際の経験からお話します。

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Tinderの特徴

Tinderは、2012年にアメリカのロサンゼルスで誕生したマッチングアプリです。世界最大級のソーシャル系マッチングアプリといわれているほど、日本だけでなく数多くの国で使われています。そんな世界中で愛されているTinderの特徴とはなんでしょうか。

さまざまな目的をもった人が集まる

マッチングアプリと聞くと、恋愛目的だったり”出会い系“という印象が強いかもしれませんが、それだけでなく、交友関係やコミュニティを広めたい、同性の友達がほしい人などさまざまであり、「人と人を繋げる」という意味ではかなり幅広く使われているようです。筆者もTinderから友人ができたり、デートしたりなど、特に目的を定めることなく使っていました。

気軽に始められる

もう1つの特徴は、ユーザーの年齢層が低いことです。30代以降の男女がターゲットのマッチングアプリの多くは、異性間での結婚を前提とした出会いを求めているユーザーが多いのが事実。登録する際に男女のプロフィールや属性を詳しく記載する必要があったりと、そもそも異性愛が前提となっていることから、同性同士の出会いは実現されにくいともいえます。

利用している人の半分以上が18〜24歳であるTinderは、アプリ利用の目的が結婚だけでなくさまざまで、目的の有無にかかわらず始められるのがポイント。さらにTinderでは、マッチしたい人の性別や、自分の自認するセクシュアリティ、ジェンダーを選ぶことができます。私自身、Tinderにより多くのLGBTs当事者と出会い、コミュニティを広げることができました。多くのLGBTs当事者がハードル高く感じていた従来のマッチングアプリとは違い、異性愛が前提として作られていないことから、比較的利用しやすいアプリともいえるのではないでしょうか。

LGBTs当事者が安心して使えるアプリ

先ほど述べたように、Tinderは利用の目的、ユーザーの属性などの縛りがなく、気軽に使えるマッチングアプリです。なのでレズビアンはもちろん、クィアやゲイなど、多くのLGBTs当事者がアプリを利用しています。とはいえ、今でも70カ国余りでLGBTsであることが法律に反するとされています。

そういった現状と向き合い、Tinderでは「トラベラーアラート」という機能を追加しています。LGBTsを自認するユーザーが、それらの国でTinderを使う際に警告が出るというもの。筆者も海外でTinderを開いた際、ある国では警告画面が表示され、自分のプロフィールをその国で表示するかを選べるようになっていました。悲しい現実を知ると同時に、LGBTs当事者の人権が守られる環境づくりが少しずつでもなされているのだと実感しました。

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Tinderのメリット・デメリット

多くのLGBTs当事者がTinderを利用していることがわかったところで、レズビアン女性がTinderを利用するメリット、デメリットについて話します。

レズビアン女性と出会える

Tinderではプロフィール設定でマッチしたい人の性別を選べます。「女性」「男性」「みんな」と3つの選択肢があり、レズビアンだけでなく、バイセクシュアル、パンセクシュアル、クィアなど、さまざまなセクシュアリティのユーザーを想定してつくられています。さらに、プロフィール編集では自分の興味を表示させることができるのもポイント。例えば、読書、Netflix、インドア派などのジャンルがあり、その中の一つに「LGBTQ+」という選択肢があります。このカテゴリをプロフィールに表示させているLGBTs当事者が多くみられ、わざわざ言葉で説明しなくてもわかるようになってるのです。

ですが、必ずしも「LGBTQ+」というカテゴリが当事者を意味するかは不明確なので、その場合にはプロフィール欄のセクシュアリティを参考にすることをおすすめします。こちらも編集画面で、任意で当てはまるセクシュアリティを3つまで選択できるようになっています。「ストレート」「ゲイ」「レズビアン」のほかに、セクシュアリティが明確ではない「クエスチョニング」や性的欲求が(ほとんど)ない「Aセクシュアル」など、計9つの性的指向、恋愛スタイルなどがあり、他のマッチングアプリではないような選択肢がある点、嬉しく思う当事者の声も聞きました。さらにセクシュアリティを設定した後も、それをプロフィールに表示するかしないかは本人が判断できるという点もポイントです。

よって、Tinderではあらかじめレズビアンであること表示しているユーザーも多くいることから、他のマッチングアプリと比べると出会いたい相手とマッチする確率はぐんとアップすることでしょう。

なりすましに注意

さまざまなユーザーがいるからこそ、注意しなければならない点もあります。筆者が実際に目にしたのは、レズビアン女性のなりすましです。その中には異性カップルの女性側がレズビアンと名乗り、アプリに登録するなんてことも……。女性が恋愛対象であるレズビアン当事者に近づき、最終的にそのカップルの体の関係に誘われることも多いのです。レズビアン女性だけでなく、バイセクシュアル女性に対しても行われる悪質な行為であり、「ユニコーンハンティング」と呼ばれています。

「彼氏と旅行に来たから案内してほしい」と言われたり、目的を聞いても「楽しいことをしたい」と濁す人は要注意。なかには、プロフィールにカップルの写真を掲載し「私たちと一緒に探検したい人募集中」「スパイスを加えてくれる人と会いたい」など、3人での体の関係を希望するような内容を暗示させる言葉を選ぶ人もいます。暗号のように全てを言わなくてもわかると認識して書いている人が多いようですが、知らない人は善意で関わってしまうこともあるのです。「ユニコーンハンティング」は、オンライン上だけでなく新宿二丁目の女性向けバー、クラブでも起こっており、特に女性のセクシュアルマイノリティを傷つける行為にもなり得ます。

まとめ

今回は、「Tinderでレズビアン女性と出会えるのか」について説明しました。TinderはLGBTsコミュニティに配慮したマッチングアプリであり、レズビアン女性が多く登録しています。と同時に、セクシュアリティを偽った悪質なユーザーが潜んでる可能性があることも、頭の中に入れておいてほしいです。