どうも、空衣です。FtMでパンセクシュアルです。

皆さんはどのような子ども時代を過ごしてきましたか?

私は女の子として生まれ育ち、現在は男性として生活しています。
本記事では、そんな私の幼稚園から小学生時代までを振り返ってみたいと思います。

ちなみに「自分史」という言葉があります。ジェンダークリニックでトランスジェンダーの人が医学的な診断を受ける際に提出を求められることが多いのですが、どんな性別違和を抱えてきたのか、自分の人生を振り返ってみるといった内容です。

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お遊戯会で男の子しかなれない役を演じたかった

私が覚えている中でですが、人生で過去2番目くらい前の記憶です。幼稚園生のときにお遊戯会というイベントがありました。私のクラスは「赤ずきんちゃん」を演じることが決まり、全体で役決めをする前に、仲のいい男友達といっしょに「2人でオオカミ役になろう」と約束しました。

しかし、勇気を出して挙手をすると、「男の子しかオオカミ役にはなれないから」と先生に言われ、約束を交わした男友達は無事にオオカミ役になれたのに、なぜか私だけ希望が通りませんでした。結果、立候補していない他の男の子が役に選ばれ、私は女の子しか割り当てられていない別の役をやるハメになりました。しかも衣装はフリフリしたスカートでした。高価な衣装ではありましたが、お遊戯会が終わると一刻も早く脱いで捨ててしまいたかったです。

このときの私は「なぜ私は男の子じゃないのか」と思うより先に、「なりたい役にさせてくれない、性別って何?」という感じで、何が起こったのか理解できていなかったです。

初恋はたぶん女の子

「自分は女子なので、男子しか好きになるはずがない」と思い込んでいたときは、きっと初恋は小学5年生の頃に気になっていた男子なのだろう、と捉えていました。小学校高学年というとちょうど恋愛の話が増えてくる頃でしたから、その男子が初恋だったとすると理にかなった状態に思えたのです。私は男性も恋愛対象なので、これも嘘ではありません。

けれども、セクシュアリティの知識を得た今思い返すと、初めて気になった人は、幼稚園時代の同い年の女の子だったのだろう、と納得しています。結果これも幼稚園時代のことでした。

遊び相手は父親だった

幼少期の遊びは、ラジカセ、戦闘ゲーム、虫取りなど。あるいは仮面ライダーのフュギュアを集めて、ひとりで戦わせて遊んでいました。
そんな感じなので、親と遊ぶときは決まって父親で、母親と交流した記憶があまりありません。

七五三の格好が嫌でしかたなかった

七五三の時、男の子だったら1回で済んだであろうことを、なぜ私が2回も、装飾の多い不自由な格好をさせられるのか意味がわかりませんでした。
3歳のときは化粧をされそうになったときに泣き喚いたそうで、ノーメイクのままだったそうです。
7歳のときはどうにか口紅だけは塗ったらしいです。そんなことよりも、妹の身支度に時間がかかっている間に控室で読んだボクシング漫画『あしたのジョー』が面白かった記憶があります。

カードゲームで男友達と仲良く

人見知りな子どもでしたが、当時流行っていたカードゲームを通して男友達が増えました。というより、男友達しかできませんでした。

ほかにも外で鬼ごっこや戦いごっこや鉄棒をするのが好きで、私と運動神経の近い人というと、あいかわらず女子よりは男子の方が多かったので、やはり男友達と遊ぶ機会が多かったです。ひどい時には全身にアザを30箇所もつくるほどヤンチャでした。

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急に男友達から告白され、関係性は狂っていった

ところが、小学校高学年頃から調子がズレていってしまいました。

修学旅行で男女にわかれて宿に泊まった際、男子フロアでは「クラスの中で好きな女子はだれ?」という話題で盛り上がったそうです。そこで数名から私の名前が出たのだといいます。

私はまさか、女子として、恋愛対象として、男子たちから見られているとは思っていなかったので、この急展開に驚いてしまいました。
それ以後も親しい男友達から、異性とみなされたうえで告白されることがあり、こんなはずではなかったのにどうしてしまったのだろう?と戸惑うことになりました。

以上、FtM自分史の一部紹介でした!
さらに状況が変わってしまう中学生編は、次回に続きます。

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◎この記事を書いた人・・・空衣
1996年、神奈川県生まれ。性別も住処も旅してきました。

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