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空衣

【FtM実録】どれくらいかかる?性同一性障害の診断を得るまで

どうも、空衣です。FtMでパンセクシュアルです。
今回は筆者が性同一性障害(FtM-GID)の診断をされるまでの実話をお話しします。といっても、これは個人的な情報ですので当時とは情報も変わりつつあります。
もし自分もそうなのでは?と感じたら、ぜひ最新情報をチェックしてみてください。

性同一性障害の名称は使われなくなりますが……

まず初めに大事なことなのですが「生まれた時に与えられた性別に違和感がある人で、医学的に診断された際の名称」は、今まで「性同一性障害(Gender Identity Disorder,略してGID)と呼ばれてきました。筆者が診断された2019年初め頃も、性同一性障害の名称でそのクリニックでは取り扱われていました。
しかし、2013 年に米国精神医学会が発行した DSM (Diagnostic and Statistical Manual Disorders 精神疾患の診断 ・ 統計 マニュアル) -5では、 「性同一性障害」 の病名は 「性別違和Gender Dysphoria」 に変更になりました。
さらに 2019 年に、世界保健機構 WHO が作成する ICD (International Statistical Classification of Disease 国際疾病分類)-11 では 「性別不合 (日本語訳は未確定です) Gender Incongruence」 に変更され、 2022年1月1日より実行される予定です。そのため今後「性同一性障害」の名称は使われなくなります。従来の精神障害という扱いから、性の健康に関する状態として語られることになるのです。

性別違和と性別不合の2つの違いについては、別記事をご参照ください!
関連記事【解説】性同一性障害から性別違和に呼び方が変わることについて

関連記事【解説】性同一性障害から性別不合へ-概念の変化について

今回の記事では、私が性同一性障害と診断された当時の話をしますが、性別違和・性別不合と重なる部分があるので参考にしていただけると幸いです。

私は性同一性障害だろうか?

正直な話、私は「自身が性同一性障害である」という認識に至ることがありませんでした。というのも、テレビや本などメディアに登場する性同一性障害の人たちはとても苦しそうというイメージがあったからです。
私も幼少期から性別というものが何なのかわからず、少なくとも女性という与えられた性別を持てあましていましたし、薄気味悪いもののようにも感じていました。では「性同一性障害なのか?」と言われると、きっとそうではない、と別物として捉えていました。
それに、常々「男になりたい」とは思っていても、「男である」と思えていなかった自分は、やはり性同一性障害の診断基準(持続的に男性だと自認している状態)に合致しないのかもしれません。そのため当事者感がありませんでした

ジェンダークリニックへ電話する

いよいよ行動に移したのは、もはやこのままでは生きていけない、と全てに煮詰まってしまっていたからです。当時好きだった人に「そんなに女でいるのが嫌なら男になればいいのに」と言われ、その翌日に「本当にそうかもしれない」と思い至りました。
そして友人にトランスジェンダーの知り合いを紹介してもらい、その人の教えてくれた有名なジェンダークリニックに電話しました。月初めに電話して、初診の予約が取れたのはその月の後半になってからでした。覚悟を決めたら一刻も早く治療したかったので、ジェンダークリニックに通うまでに3週間、そして性同一性障害の診断と念願のホルモン注射まで半年かかったのはとてもじれったかったです。

性同一性障害の診断を得るまで

精神科医に何を話すのか

ジェンダークリニックでは自分の生活、自分の性別をどう捉えているのか、治療をどこまで希望するのか、などを精神科医に聞かれました。筆者の目的はホルモン投与を開始することだったので、性同一性障害診断書に関してはとくにこわだりがありませんでした。しかし診断書があることで、自身の不安定な心情が少しは良くなるのでは?という思いや、他の地域へ引っ越したときに治療の話を進めやすいという利点があると考え、ガイドラインの手順を踏み進めていきました。

性同一性障害に関する診断と治療のガイドライン

自分史とは

初診の際にあらかじめ用意していた「自分史」も持参しました。「自分史」とは、トランスジェンダーの人が小さい頃から今までどのような性別違和を抱いていたのかを記した紙です。A4用紙の両面くらいの分量を書きました。「私は1996年神奈川県で生まれました。幼稚園の頃、こういうことがあり〜。小学校では〜。」と時系列で性別違和ベースで記述しました。
例えばFtMの場合、「男の子と遊んでばかりいた」「周囲に男性だと思われる方が嬉しかった」「胸が膨らむのが気持ち悪かった」というようなエピソードがあるかと思います。自身の恋愛や性生活にまつわる内容まで掘り下げざるを得ない場面もあるでしょうから、人によってはこの時点で精神的苦痛が伴う場合もあります

どんなペースで進むのか

2週間〜1ヶ月に1回ジェンダークリニックに出向いて、「自分史」に沿って詳細なインタビューがされました。そうはいってもジェンダークリニックの数は少なく、待っている人もいるので、1回10分程度の短い時間が多かったと思います。
最終的に性同一性障害の診断が出そうになった段階で、婦人科で下半身の検査を受けることになりました。これも身体的な嫌悪感の強いトランスジェンダーの人にとっては、かなり嫌な過程かもしれません。治療前の身体は女性のそれと同様である、と判定されたうえで、男性化の治療が可能になるのです。
(性別不合の概念に移った場合、こうした男女を2つに分けるやり方はおそらくされなくなるのでは、と私は予想します。)

性同一性障害の診断後どうする?

私は治療過程でホルモン投与と胸オペを始めから希望していたので、胸オペの国内治療許可も性同一性障害の診断と同時にいただきました。通院11回目でようやくホルモン投与を開始することができました。8月に通院開始し、翌年2月までの半年間かかりました。診断が成されてからは、2週間に1度ホルモン注射に通っていました。保険適用外の”エナルモンデポー筋注125ml”が890円と診察代1210円の、合計2100円を支払うことが多かったです。ちなみに別の病院では診察代がほとんどかからなくなり、実質安くなりました。

正直「自分がもっと思い切りがよければ、こんなに丁寧に時間をかけずに進められたのに…」と悔やむ思いもあります。もちろん治療に進むか迷っている人はその限りではありませんし、ゆっくり考えた方がいいと思います。
ですが筆者の場合、絶対に治療するという意思は固まっていて、性同一性障害といった名目は気にしていなかったので、時間をかけすぎてしまった気がします。

しっかりと自分を見つめ、皆様が最高の選択ができることを願っております。

以上、性同一性障害の診断を得るまでを振り返ってみました。
IRISではトランスジェンダーの方も心地よくお部屋探しできるようお手伝いさせていただきます。お気軽にご相談ください。

チェック → FtM(トランスジェンダー男性)の「リアル」を伝える、16記事まとめ

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◎この記事を書いた人・・・空衣
1996年、神奈川県生まれ。性別も住処も旅してきました。

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