どうも、空衣です。FtMでパンセクシュアルです。

LGBTの“B”はバイセクシュアル、ということは聞いたことあるかもしれません。現在私はパンセクシュアルと自認していますが、元はといえば自身のことをバイセクシュアルだと思っていました。バイセクシュアルとは何なのか、解説していきます。

バイセクシュアルとは?

バイセクシュアルとは、男性にも女性にも性愛感情が向く人のことを指します。男性も女性も両方、ということで「両性愛者」と表記される場合もあります。

バイセクシュアル(Bisexual)の接頭辞“bi”は、ラテン語で「2つ」を意味します。例えば自転車(bicycle)は二輪車ですし、バイリンガル(bilingual)は二言語を使いこなす人のことを指します。バイセクシュアルの場合は、(基本的には男性と女性を想定したうえで)2つの性別に惹かれる人のことです。

なお、LGBTとはレズビアン(Lesbian)、ゲイ(Gay)、バイセクシュアル(Bisexual)、トランスジェンダー(Transgender)の頭文字をとった総称で、主に性的少数者を示す言葉として使われています。
くわしくはこちらの記事で解説しています。
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バイセクシュアルだと自覚したきっかけ

最初にLGBTという言葉に出会ったとき、自分はこの中のバイセクシュアルに当てはまる!とすぐに気付きました。大学付近の飲食店でバイトをしていた際、お店に大学のサークルがつくった冊子が置いてあり、『LGBTって知ってますか?』という特集が組まれていたのです。その日は初めて知ったバイセクシュアルという単語で胸がソワソワして、帰ったらもっと調べなければとひそかに動転していました。

私が認知した2015年頃というと、ちょうどメディアにもLGBTという言葉が登場し始めた時期です。LGBTのイベントである東京レインボープライドの参加者は前年の5倍となる約6万人が関わった年で、飛躍的に認知度が高まっていました。
これまでのTRP | 東京レインボープライド2021

レズビアンではなくバイセクシュアルだと思った

当時の私は、女性として学生生活を送っており、女性に恋愛感情を抱いていました。しかし同性愛のことをよく知らなかったため、同性である女性に対して恋をしている、とはっきり自覚できないまま、もやもやしたわだかまりがありました。

「LGBTの中のバイセクシュアルかもしれない、きっとそうだ」とわかってからは、あっという間にその悩みに言葉が与えられたような感覚になり、世界が開けたようでした。

LGBTの中でも「Lのレズビアン」「Gのゲイ」は聞いたことがありました。けれども、男性にも恋愛感情を持ったことのある私は、別に女性だけが恋愛対象であるレズビアンではないし…と「同性愛者」の話は他人事として素通りしていたのです。男性も女性も好きになるかもしれない、という状況は想定外でした。

しかも、今こそ生活実態は女性から男性に変わりましたが、当時は「トランスジェンダー(LGBTのT)の男性」だとすぐには結びつかなかったので、自分は「バイセクシュアル(LGBTのB)の女性」に該当する、とだけ認識してしました。それだけでも思考を整理するのは大変なことでした。ひとまず「女性に惹かれることもある」という事実を受け止めました。

バイセクシュアルだとカミングアウト

何かと恋愛の話題がつきない世の中で、自分だけその話題を避けるということは困難でした。女性だと思われていた私は「彼氏はいるの?」「どんな男性がタイプ?」と聞かれましたが、「欲しいのは彼女なのに」と、事実を言えないまま無為な時間を過ごしていました。

バイセクシュアルだからといって常日頃、男女ともに惹かれるという前提ではありません。興味を抱く性別が決まっている時期もあります。これは、ヘテロセクシュアル(異性愛者)の人が常に恋愛モードで人類の半数を狙っている、というわけでないのと同じです。

やがて、仲のいい友人にだけバイセクシュアルだとカミングアウトしました。自分も相手もその緊迫した空気感に慣れていないため、ものすごく緊張していたのを覚えています。露骨に否定されることは幸運にもありませんでしたが、肝心の好きな人には、同性愛的な関係性に拒否反応を示されました。結局のところ同性に惹かれるという話は公にしづらかったため、新宿2丁目のレズビアンバーで話を聞いてもらうことが多かったです。

私はのちにトランスジェンダー男性だと判明したのですが、当時はバイセクシュアルだと認識していて、完全にレズビアンのコミュニティに馴染めたとは思えませんでした。それでも、同性(のつもりでいた女性)に惹かれることを受け入れる過程で、他に居場所がなかったのも事実でした。バイセクシュアルに限ったコミュニティは今でも少ないと感じます。

知られざるバイセクシュアルの悩み

バイセクシュアルのことはLGBTといってもあまり知られていなかったり、よく誤解されたりしているのではないでしょうか。なので、バイセクシュアル特有の悩みもあります。

  • 認知度が低く、バイセクシュアルって何?と思われがち
  • 恋愛に奔放なだけと誤解される
  • バイセクシュアルのコミュニティは少ない
  • バイセクシュアルの登場するメディア関連の作品が少ない

関連記事あまり知られていない?バイセクシュアルで困ること

影に隠れがちなバイセクシュアルのことが、正しく伝わると嬉しいです。
私は現在のところバイセクシュアルではなく、パンセクシュアルと自認するに至りました。その違いは、次回の記事でお話しできればと思います。

お読みいただきありがとうございました。

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◎この記事を書いた人・・・空衣
1996年、神奈川県生まれ。性別も住処も旅してきました。

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