どうも、空衣です。FtMパンセクシュアルです。

「レズビアンのトランスジェンダー女性(MtFレズビアン)」「ゲイのトランスジェンダー男性(FtMゲイ)」というセクシュアリティを知っていますか?これらはトランスジェンダーとレズビアン・ゲイ、そして女性・男性という3つの性が合わさった言葉であり、混合されやすいセクシュアリティでもあります。日本では馴染みのない言葉ですが、実は海外では少しずつ広がっているようです。映像&演劇クリエイターで役者のドリュー・グレゴリーさんや、米ペンシルベニア大学の水泳選手リア・トーマスさんなど、表で活動している人がカミングアウトしています。しかし、水泳選手のリアさんは、自身のセクシュアリティを公表したうえで女性大会へ出場したところ、さまざまな批判の声が上がってきたといいます。

まだまだ当たり前とされていないのが現状ですが、みなさんの周りにももしかしたらいるかもしれません。この記事を読んで、MtFレズビアンやFtMゲイの存在を知りましょう。

トランスジェンダーの同性愛者とは?

トランスジェンダーで同性愛者であるとは?

「トランスジェンダーの同性愛者」とは、トランスジェンダーで同性愛者を自認している人のことをいいます。

トランスジェンダーとは、生まれた時に割り当てられた性別が自認する性と異なることを表します。男性として生まれ女性を自認する「Mtf(Male to Female)」、女性として生まれ男性を自認する「FtM(Female to Male)」の2つが主に挙げられますが、toの後にくる性別は男女のみではありません。

他には「MtX(Male to Xgender)」や「FtX(Female to Xgender)」のような、男女どちらかに当てはまらないXジェンダーを自認しているトランスジェンダーの人もいます。そして同性愛者とは、自認する性別と同じ性別の人を好きになるセクシュアリティのことです。恋愛感情や性的欲求が男性に向く男性「ゲイ男性」と女性に向く「レズビアン女性」などが当てはまります。

関連記事:「気分で性別が変わる?Xジェンダーについて」

トランスジェンダーのゲイとは

トランスジェンダーのゲイとは

トランスジェンダーのゲイ(FtMゲイ)とは、性的指向が男性のトランスジェンダー男性(FtM)のことです。生まれた時に割り当てられた性別は女性なので「異性愛なのでは?」思う人もいるかもしれません。しかし、トランスジェンダー男性の性自認は男性です。男性として男性を好きになっているので、トランスジェンダーのゲイとなります。

関連記事:「【FtM解説】FtMのゲイっているの?実は珍しくないFtMゲイについて解説します!」

トランスジェンダーのレズビアンとは

トランスジェンダーのレズビアンとは
トランスジェンダーのレズビアン(MtFレズビアン)とは、性的指向が女性のトランスジェンダー女性(MtF)のことです。

トランスジェンダーのゲイと同様、性自認は女性であるため、女性として女性を好きになるセクシュアリティを指します。

トランスジェンダーの同性愛者で注意すること

異性愛者ではない

先述したように、女性として生まれて男性を自認しているFtMの人は男性を自認し、男性として生まれて女性を自認しているMtFの人は女性を自認しています。そのことを前提に、FtMゲイやMtFレズビアンに対して「異性愛者」と認識することは誤っています。もし、自分の性別が間違えられたまま話が進んでいくのは違和感を抱きますよね。同じように、当事者も感じてしまいます。なので、重要なのは“今”自認している性別を尊重することです。

関連記事:「MtFとは違う!男性のレズビアン『メイレズビアン』とは?」

自認するタイミングは人それぞれ

実際に異なった性別で扱われたまま恋愛や結婚をしているトランスジェンダーの人はいます。自分自身で気づかなかった場合や、違和感があってもカミングアウトできずにいた場合など、状況はさまざまです。よく「結婚や出産ができているなら、元の性別のままでいいんじゃないか」と批判する人もいるようですがあらゆる状況が考えられる中で、第三者が口を出すことは適切とはいえないでしょう。

作者のジェシカ・ウォルトンが描いた『くまのトーマスはおんなのこ』は、実は女性であった父を持つ作家が自身のストーリーを息子に伝えるために作った絵本として有名です。このように、あとから自身の性別に気づくということは決しておかしなことではありません。

トランスジェンダーの同性愛者における法律的な婚姻は?

トランスジェンダーで同性愛者の場合、法律的に性別を変更していなければ戸籍上は元の性別となります。そのため、同性のパートナーがいた場合でも「異性カップル」としての扱いを受けます。同性婚が認められていない現状でも、法的に結婚は可能であり、現状のシステムを利用している当事者の人もいます。「性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律」では子どもがいるとその子が成人するまで戸籍変更できない決まりがあるため、なかなか法的に性別を変更できないという現状があります。

このように不自由な制度のなか、現状を受け入れて結婚している当事者は多く存在しますし、同性婚の実現を求めているトランスジェンダー当事者がいることも忘れないでください。

まとめ

「トランスジェンダー・同性愛者だから〜」と決めつけるのではなく、その人が見つけた生き方を支えていける制度が増えることを願っています。まだまだFtMゲイやMtFレズビアンといった人たちについて表で語られる機会が少ないですが、どこかで悩んでいる当事者は必ずいます。このような存在があることを知るだけでも、よりよい社会へ進む第一歩となるのです。