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【LGBTs】同性パートナー向け住宅ローンを徹底解説!LGBTsが使えるローンと条件をまとめてみました

同性パートナー向け住宅ローンを徹底解説!
マンションや戸建てなど、住まいを現金一括で購入する人はまず居ないでしょう。
ほとんどの方は銀行などから住宅ローンを借りて、毎月の返済計画を立て、ライフプランを加味しながら買うものです。

私自身ゲイとして住宅ローンでマンションを買った一人ですが、かつては同性パートナーが二人の名義でローンを組むことなど、考えすら及ばなかったことです。

しかし、時代は変わり、いまや複数の銀行で同性カップルが住宅ローンを組めるようになっています。
家を買うことを検討しているLGBTsの方には明るい時代になってきました。

今回は、同性カップルでも利用可能な住宅ローンについて徹底解説します。
また、よりリアルな情報をお伝えするために、銀行で実際に伺ってきた内容も掲載しています!

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1.同性パートナーが住宅ローンを借りるということ
2.同性パートナーが住宅ローンを借りられる銀行
3.住宅ローンを借りるための条件
 3-1.提出書類についての補足
 3-2.同居しなければ借りられないという問題
 3-3.フラット35はいずれの銀行でも使えない
4.実際に銀行に聞いてきました
 4-1.みずほ銀行
 4-2.住信SBIネット銀行
5.忘れてはいけないLGBTsの相続対策
5.住宅購入を検討中のLGBTsの方は是非IRISにご相談ください
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同性パートナーが住宅ローンを借りるということ

LGBTsが住宅ローンを借りるといっても、単純に一人で借りるのと、パートナーと二人で借りるのではまったく事情が異なります。
一人で借りる場合は、個人の年収や借り入れ状態のみが問題となり、ストレートの方が借りるのと何も違いがありません。

一方、二人で購入しようとしたとき、もしパートナーが戸籍上異性であれば、婚姻関係になることができるので、二人で住宅ローンを受けることができます。
しかし、パートナーが戸籍上同性であれば、現行法上、婚姻関係になれないので、結果的に「二人で」住宅ローンを組むことができませんでした。

ただし、これはもう過去の話。
今は複数の銀行が同性パートナー向けの住宅ローンを提供しており、一定の条件を満たせば二人で住宅ローンを組むことが可能になりました。

同性パートナーが住宅ローンを借りられる銀行

一部のメガバンク・信託銀行、ネット銀行、地方銀行などが、現在同性パートナー向けの住宅ローンを提供しています。
具体的には、現在(2019年6月)以下の銀行がサービスを提供しています。

【メガバンク・信託銀行】
・みずほ銀行    :収入合算・家族ペア返済
・三井住友信託銀行 :収入合算・ペアローン

【ネット銀行】
・住信SBIネット銀行 :収入合算・ペアローン
・ソニー銀行     :収入合算・ペアローン
・楽天銀行      :収入合算(スーモカウンター経由で新築マンションを購入する場合に限る)

【地方銀行】
・滋賀銀行     :“同性パートナー”を連帯保証人の対象とする住宅ローン
・琉球銀行     :収入合算・ペアローン
・沖縄銀行     :連帯した住宅ローン
・大垣共立銀行   :収入合算

各銀行ごとに、同性パートナー向け住宅ローンを利用するために必要な提出書類が異なるため、まずはその解説を行っていきます。

同性パートナーが住宅ローンを借りるための条件

”同性パートナー向け”住宅ローンと言っても、LGBTsだから金利が安くなる!といったサービスが提供されているわけではありません。
今まで夫婦向けに展開されていたローンを同性パートナーにも適用していくといった意味合いで使われています。

そのような住宅ローンを受ける条件として、銀行の方針は大きく二つに分かれています。

1.合意契約と任意後見契約を結び、その公正証書と登記事項証明書を提出するパターン(渋谷区ルール準拠パターン)
2.地方自治体が制定するパートナーシップに関する制度の証明書を提出するパターン(地銀パターン)

全国展開をしているメガバンク・信託・ネット銀行等は、渋谷区が制定した「渋谷区パートナーシップ証明」ルールに準拠する形で提出書類を定めています。

これは渋谷区のパートナーシップ制度が、同性パートナーの間で、婚姻に近い契約をあらかじめ結ぶよう求めているため、準用しやすかったのがその理由と思われます。
また、その他の自治体のパートナーシップ制度は、非常に手軽であったり、そもそもパートナーシップを証明するような制度でなかったりと多様であるため、渋谷区を基準に考える方が銀行としてもシンプルという側面もあるのではないでしょうか。

一方、地銀では地元自治体を尊重するという意味合いがあるのか、自治体の発行する書類のみでOKとしているケースもあるようです。

例外として、楽天銀行はリクルート住まいカンパニーとの企画商品としての意味合いが強く、専用の書類の提出を求めています。
沖縄銀行に至っては、提出書類が同居していることを証明する住民票だけと、非常にお手軽になっています。

銀行名 必要書類
みずほ銀行(※1)
  • 東京都渋谷区が発行するパートナーシップ証明書の写し
  • 任意後見契約および合意契約に係る公正証書の正本または謄本、および任意後見契約に係る登記事項証明書
三井住友信託銀行(※2)
  • 東京都渋谷区が発行するパートナーシップ証明書の写し
  • 一定の事項(下記)が明記された合意契約に係る公正証書、および任意後見契約の正本または謄本、ならびに任意後見契約に係る登記事項証明書
  • 一定の事項とは「二人が愛情と信頼に基づく真摯な関係であること。二人が同居し、共同生活において互いに責任を持って協力し、およびその共同生活に必要な費用を分担する義務を負うこと。」を条件としています。
住信SBIネット銀行(※3)
  • 一定の事項(下記)が明記された合意契約に係る公正証書、任意後見契約の謄本ならびに任意後見契約に係る登記事項証明書
  • 一定の事項とは「二人が愛情と信頼に基づく真摯な関係であること。二人が同居し、共同生活において互いに責任を持って協力し、およびその共同生活に必要な費用を分担する義務を負うこと。」を条件としています。
ソニー銀行(※4)
  • 東京都渋谷区が発行するパートナーシップ証明書のコピー
  • 任意後見契約および合意契約に係る公正証書の正本または謄本および任意後見契約に係る登記事項証明書のコピー
楽天銀行(※5)
  • リクルート住まいカンパニーが運営する全国の「スーモカウンター新築マンション」を通して、新築マンションの購入を予定されるかた
  • スーモカウンターで受け取れる専用の申込キットを用いた場合のみ利用可能
滋賀銀行(※6)
  • 同性婚契約にかかる公正証書の謄本
  • 任意後見契約の公正証書の謄本
  • 任意後見契約にかかる登記事項証明書
琉球銀行(※7)
  • 市町村が交付する「パートナーシップ登録証明書」
沖縄銀行(※8)
  • 同居が確認できる「本人確認書類」および「住民票」
大垣共立銀行(※9)
  • 同性パートナーに関する公的証明書のご提示(写しのご提出)
  • 自治体発行の「パートナーシップ宣誓書受領証」など

提出書類についての補足

多くの銀行が求めている「合意契約に係る公正証書」と「任意後見契約に係る登記事項証明書」とはなんなのでしょうか。

とても簡単に言うと「私たちはとても真剣に付き合っている同性パートナーであり、既に一緒に暮らしていて、お互いに支え合って生きています。」とお互いに認めたことを証明する契約書と、「将来認知症などで自分の判断能力が低下した場合は、パートナーに日常的な手続きや財産管理を行ってもらいます。」と行政に届け出ていることを証明する書類です。
また、「私たちは真剣な関係です」と言って交わした合意契約が強い法的な意味を持つように、「公証役場」という機関がお墨付きを与えた書類が「合意契約にかかる公正証書」というわけです。

これらの書類を用意するためには、最低でも6万円程度の費用が必要となり、専門家などに相談するとさらに追加の費用が必要となります。
そうは言っても、書類の要件や手続きも複雑なので、書類の不備を指摘されて手戻りが発生する事態を回避するためにも、専門家に相談しながら進める方がスムーズでしょう。

この記事では詳細な解説を割愛しますが、不動産ご購入を検討されている場合は、IRISでもご相談を承ることができます。

同居しなければ借りられないという問題

上記の通り、提出書類については理解できましたが、少々引っかかる部分があります。
多くの銀行が「同居」を条件に求めていることです。

IRISはLGBTsフレンドリーな不動産仲介業者として、いままでお客様の痛みに寄り添ってきたと自負しておりますが、同性パートナーが同居することは、賃貸であっても一苦労あるのが現状です。
ごく個人的な見解にはなりますが、これから家を買おうとする同性パートナーに対して、既に「同居」していることを求めるのは、果たして当事者のリアルを理解しているのかと疑問を呈する部分ではあります。

脱線しましたが、提出書類に「同居」が求められている以上、形はどうであれ「同居」する必要があります。
現在、別々に住んでいる方には、少々頭の痛い問題となりそうです。

フラット35はいずれの銀行でも使えない

また、もう一点注意が必要なのは、同性パートナー向け住宅ローンを提供している銀行でも、フラット35に限っては一切適用外となると言うことです。

フラット35とは、公的な機関である「住宅金融支援機構」が事実上の貸付主体となり、民間の金融機関が提供する住宅ローンです。
35年間固定の金利が魅力的な商品ではありますが、「住宅金融支援機構」が同性パートナー向けにサービスを提供していないため、いかなる銀行でも対象外となります。

金融機関によって「フラット35」の名称は異なりますので、どのローンが同性パートナー向け商品なのかは各銀行に確認する必要があります。

実際に銀行に聞いてきました

ここまでの情報はインターネットで調べれば分かる範囲のお話になりますが、しかし、より詳しい内容はあまり解説されていないというのが現状です。
そこで私自らが一部の銀行の支店にお伺いし、同性パートナー向けの住宅ローンについて説明を受けて参りました。

みずほ銀行

みずほ銀行
みずほ銀行は、みずほフィナンシャルグループ傘下の三大メガバンクの一角です。
みずほFGの総資産は200兆円(※10)を超え、預金額も120兆円を上回る、まさに業界の巨人です。

※10 httpss://www.mizuho-fg.co.jp/investors/financial/highlight/bs.html

メガバンクの中で唯一、同性パートナー向けの住宅ローンを展開しており、日本全国の支店で借り入れの相談が可能です。

●プラン

同性パートナー向けローンとしては「家族ペア返済」「収入合算」が利用できます。
夫婦と同等の扱いで貸し付けてくれるため、(当然ですが)同性パートナーだからと言って金利や手数料が変わることはないそうです。

「家族ペア返済」とは、同性パートナーの二人がそれぞれ住宅ローンの主契約者として借り入れをし、それぞれが相手方の連帯保証人となります。
メリットとしては、物件によっては二人ともが住宅ローン減税の適用を受けることができ、それぞれが団体信用生命保険(契約者が亡くなると保険金で住宅ローンが返済される保険)に加入できる点です。
一方デメリットとして、2本の住宅ローン契約が走ることになるため、手数料が2倍かかってしまうことがあげられます。具体的には数万円程度増加するようです。

「収入合算」とは、同性パートナーの一方を主契約者とし、もう一方を連帯保証人とする借り入れプランです。
メリットとしては、契約が1本だけなので手数料が安くなります。
デメリットとして、住宅ローン減税が受けられるのが一人だけになってしまう点と、連帯保証人は団信に加入できないので、自分で万が一の備えをする必要があるという点です。

●金利

借り入れの実質的な金利は毎月変わるのでここでは具体的な利率を書きませんが、ネット銀行等よりはどうしても高くなってしまうようです。

●審査スピード

事前審査は3日程度~、本審査から融資実行までは2週間程度~可能とのことでしたが、状況により審査期間は変化するようです。

●手数料

35年返済で借り入れる場合、手数料として数万円の費用と、保証料として借入金額の2~7%の金額がかかってきます。

●その他

基本的には、どの支店であっても同様のサービス品質で案内可能とのことでしたが、やはり地域的に同性パートナー向けローンについて「よく相談を受ける支店とそうでない支店」があるようでした。

住信SBIネット銀行

同性パートナー向け住宅ローンを展開しているメガ信託「三井住友信託銀行」の子会社であり、SBIホールディングスと共同出資のネット銀行です。
「ネット専用ローン」と「ミスター住宅ローンREAL」の2つがあり、それぞれローンの提供主体が異なります。

ややこしいので詳細に説明すると「ネット専用ローン」は三井住友信託銀行の商品であり、住信SBIネット銀行は代理店という立場になっています。
一方、「ミスター住宅ローンREAL」は住信SBIネット銀行が提供主体となっていて、実店舗をもつ代理店が売っています。

そのため、ネット銀行と言っているものの、「ミスター住宅ローンREAL」を使う場合は、実質的に実店舗で住宅ローンの相談や借り入れが可能となっています。

若干金利が異なるようですが、「ミスター住宅ローンREAL」ではネット銀行の低金利と、実店舗の安心感がハイブリッドに受けられるという大きなメリットがあることが特徴です。
今回は、「ミスター住宅ローンREAL」の説明を受けてきました。

●プラン

みずほ銀行と同様に「ペアローン」と「収入合算」を選択可能でした。
こちらも当然、同性パートナーだからと言って金利や手数料が変わることはありません。

「ペアローン」は、同性パートナーがそれぞれ住宅ローンを契約し、相手方の連帯保証人となります。
メリットとしては、二人ともが住宅ローン減税の適用を受けることができ、二人ともが団体信用生命保険に加入できる点です。
デメリットとして、手数料が2倍かかってしまうことがあげられます。

「収入合算」とは、同性パートナーの一方を主契約者とし、もう一方を連帯保証人とする借り入れプランです。
メリットとしては、契約が1本だけなので手数料が安くなります。
デメリットとして、住宅ローン減税が受けられるのが一人だけになってしまう点と、連帯保証人は団信に加入できないので、自分で万が一の備えをする必要があるという点です。

これらはみずほ銀行と全く同様ですね。
しかし、「ミスター住宅ローンREAL」の大きな特徴として最大2億円の借り入れが可能となっている点があります。
そのため非常に高額な物件を購入することもできます。

●金利

「ネット専用ローン」と「ミスター住宅ローンREAL」で若干金利が異なるようですが、店舗型の銀行よりは非常に低金利です。

●審査スピード

事前審査は最短2営業日程度~、本審査から融資実行までは20営業日~と、店舗型銀行よりかなり時間がかかってしまうようです。
計画的な購入が必要ですね。

●手数料

保証料は無料ですが、手数料として一律融資額の2.16%が必要となります。

●その他

ご対応頂いた方も同性パートナー向けの住宅ローンを契約したことがあるなど、経験豊富な印象を受けました。
ただ、「ネット専用ローン」については一切店舗で説明できないということでしたので、別窓口で説明を聞く必要があります。

忘れてはいけないLGBTsの相続対策

同性パートナーが住宅を取得するときに絶対に忘れてはいけないのが相続対策です。

パートナーに万が一のことがあったときも、現行法上、同性パートナーは法定相続人とはなりません。
そのため、住宅ローンを借りて住み始めただけで満足してしまうと、もしもの時に家を失ったり、一切相続できない問題が生じます。

また、法定相続人でない同性パートナーは、相続における基礎控除を受けることもできません。
あらゆる角度から対策が必要となりますが、別の記事で細かく説明しようと思います。

住宅購入を検討中のLGBTsの方は是非IRISにご相談ください

このように同性パートナーの方が住宅ローンを借りようとすると非常に多くのことを考え、実行しなければなりません。
住宅購入という大きなイベントに際して、ただでさえ大変な中、全て自己管理するのは相当難しいのではないでしょうか。

IRISでは経験豊富な営業スタッフとパートナーの専門家により、充実したサポートを受ける事ができます。
住宅購入をご検討中の方は是非ご相談ください。

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◎この記事を書いた人・・・石野大地
IRISの創業メンバーの一人、よく「何者なの?」「生態が謎」と言われるが、本人が一番分かっていない。
実年齢よりだいぶ老けて見える。

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