どうもこんにちは。ゲイでノンセクシュアルでXジェンダーのしょうへいです。
本記事では、自分がXジェンダーだと気づいた理由、きっかけを解説していきます。自分ってもしかしてXジェンダーなのかなと悩んでいる方、参考にしてみてください。
僕は多分生まれつきXジェンダー無性だった
トランスジェンダーの方が物心ついた頃から、生まれ持った性別とは逆の性自認があったと言うことがあるように僕自身、物心ついたときから自分の性別がよく分かりませんでした。
男性である目印はしっかりとついていたので、自分が身体的には男性であることは分かっていたのですが、男性として扱われることへの違和感が凄く、受け入れることができなかったのです。
僕の家族は「男の子なんだから」という言い方を頻繁に使ってくる家族でした。「男の子なんだから泣かない」「男の子なんだから強くなりなさい」「男の子なんだから女の子には優しくしなきゃ」
そうやって言われる度に、「僕は別に男の子に生まれたかったわけじゃないのに…」と思って、子供ながらに苦しんでいました。
幼稚園に入学して自分は他の子と違うことに気づく
僕が他の同世代の子と一緒に過ごすようになったのは4歳〜5歳くらいの頃からでした。幼稚園に入学をきっかけに初めて同世代の子と関わりを持つようになったのです。
その時に感じたのが「僕は他の男子とは違う」という感覚でした。他の男の子達は、幼い頃からすでに男子の気質を持っていて、でも僕にはその気質が無いことが分かってしまったのです。
そして多分、周りの子達も僕の中に「男性」を感じなかったのでしょう。僕は幼い集団の中でも、男子にも女子にもなれない異質な存在でした。
男性の体になっていくのが怖い
中学生頃になると始まるのが、第二次性徴期。男子は声変わりをしたり、ヒゲが生えてきたり、男の子という存在から男性へと変わっていきます。周りの男の子達は、男の子の体から男性の体へ成長していくことが嬉しそうでしたが、僕は1人恐怖に怯えていました。
僕にとっては第二次性徴期前の男性にも、女性にもなりきれていない中途半端な体が居心地が良かったのです。だからムダ毛は全て処理をして、なるべく高い声で話せるようにして、少しでも男性にならないようにしていました。
男子として扱われるのが嫌だった
中学生になると私服で登校することができなくなり、男子は学ラン、そして青色のジャージ。授業も男子と女子で分かれることが多くなり、男子は力仕事など任せられることが多くなりました。
先生の「男子はこっちー」「女子はあっちでー」という掛け声で自然と分かれていく同級生達。その狭間で「僕はどっち…」という気持ちの中、毎回納得のできない気持ちを抱えて男子の中に入っていくのです。
幼い頃から「男の子に生まれたかったわけじゃない」という気持ちが根本にあった為、男子と女子で分けられることがとても嫌になりました。
自分は女の子になりたいんだと思った
学校という場所は、男女の区別がハッキリとしているため息苦しく感じる。そう思った僕は、高校進学までは望みませんでした。でも両親が高校までは行ってほしいというので、共学になったばかりの元男子校へ入学しました。
中学生の後半は居心地の悪さやイジメでほとんど学校に行っていませんでしたし、高校進学までは考えてなかったので偏差値的にも学校を選ぶことができず…そこくらいしか選択肢がありませんでした。
進学した学校は元男子校ということもあり、男子と女子で扱いの差が全く違います。また私立なので髪型の決まりも厳しく、あまりの辛さに登校をすることもやめてしまいました。
そして僕は女の子になりたいんだと思いました。
勝手に女性ホルモンの投与を始める
男性として扱われることに嫌気がさした僕は、自己責任の元、女性ホルモンの投与を行うことにしました。なぜ自分で女性ホルモンの投与を始めたのかというと、未成年者が病院でホルモン治療を受けるのはとても難しかったからです。
また男性→女性にトランスする場合、なるべく早い方が※パス度が上がりやすい為、一刻も早く…という思いがあり、自分で女性ホルモンの投与を始めました。
(※パス度とは:自らが認識している性自認が、外見上第三者から認識されているかどうかを表す度数のこと)
そして色々な考え方が変わってきます。
僕は女性になりたいわけではない…?
女性ホルモンの投与を始めると2日〜3日くらいで体に変化がありました。まず最初に気がついたのが肌の質感の変化です。鏡で自分の顔を見たときにすぐに分かりました。何となくきめ細かく柔らかそうな肌へと変化してきていたのです。
そして4日〜5日後くらいには乳首の裏側にシコリのようなものができていることに気が付きました。そして触ると痛いですし、階段の上り下りですら痛くてしんどい思いをしました。これは一週間くらいで落ち着きました。
胸が膨らみ始めた僕が感じたのは…、「胸までは膨らんでほしくない」という気持ちでした。このときに何となく、僕は女性にまではなりたくないと思ったのです。そしてこの中途半端な体が居心地が良いと感じました。
僕のセクシュアリティはXジェンダーであると気づく
生まれ持った男性の体に女性ホルモンを投与し、男性の体とも女性の体とも言えない中途半端な状態になった僕の体。僕はその体で3年(18歳→21歳)まで過ごしました。
この頃から少しずつLGBTという言葉を聞くようになり、初めてXジェンダーという言葉を耳にしました。そして雷に打たれたように「これだ!」と思ったのです。
幼い頃から自分自身が男性だと自認ができない僕。女性ホルモンの投与を初めて、女性的な体になっていくことにも抵抗を感じる僕。
Xジェンダーの無性という存在を知って、男性でも女性でもない性自認に凄くしっくりとした感覚がしました。
Xジェンダーは思い込みという意見もあるけれど
ネットでXジェンダーについて調べるとXジェンダーは思い込みという意見も目にします。でも僕はXジェンダーはあるんじゃないかなと思います。
僕の感覚になりますが、Xジェンダーの無性の僕からすると、本来同性である男性に対しても自分とは違う存在(性)といった感覚がありますし、女性に対しても同じような感覚があります。
生まれつき自分の性別に違和感を感じて、そして男性も女性も自分とは違う存在に感じてしまうので、思い込みとはまた別の話のような気がします。
自分が男性、女性と自認できている方は、なぜそう思うことができるのでしょうか。僕は32年生きてきても未だに性別を自認できている感覚が分かりません。
【まとめ】何がきっかけだったの?自分がXジェンダーだと気づいた理由
僕は物心ついたときから、自分自身の性自認がよく分かりませんでした。一時期は女性になりたいのかなと思い女性ホルモンの投与を行っていましたが、女性になりたいわけでもありませんでした。
僕が20歳くらいの頃(2010年)くらいになるとLGBTという言葉を聞くようになり初めてXジェンダーというセクシュアリティを耳にすることができました。そしてXジェンダーの無性という性別に答えを見つけることができたのです。
Xジェンダーは思い込みという話しもたまに聞きますが、僕が男性に対しても、女性に対しても自分とは違う性と感じるあたり、Xジェンダーはちゃんと存在するセクシュアリティに感じています。