どうもこんにちは。LGBTs当事者によるLGBTsフレンドリーな不動産会社IRISのしょうへいです。

本記事では、Xジェンダー当事者の私が、Xジェンダーとクエスチョニング、ノンバイナリーの違いを詳しく解説していきます。

セクシュアリティについて勉強を始めたばかりの方でも理解しやすいように、セクシュアリティを決める考え方から詳しく解説していきますので、参考にしてみてください。

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セクシュアリティを決める5つの要素

まずはセクシュアリティを5つの要素に分解していきます。

身体的性別 生まれ持った身体的な性別
性自認 自身を認識する性別(心の性別)
恋愛対象 好きになる対象
性的対象 性的魅力を感じる対象
社会的性別 社会的にどのような性別に見られたいか

レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー、そして、Xジェンダー、クエスチョニング、ノンバイナリーなど様々なセクシュアルマイノリティがありますが、基本的にはこの5つの要素の組み合わせで、どの様なセクシュアリティなのか分かってきます。

例えば、ゲイの場合、男性として、男性を好きになるというセクシュアリティなので、性自認が男性であり、恋愛対象、または性的対象、もしくはその両方が男性であれば、ゲイになるわけです。

ちょっと複雑ですが、生まれ持った身体的性別が男性で、恋愛対象は女性だけど、性的対象が男性という方もいます。この場合は、精神的異性愛者で、身体的同性愛者という言われ方をします。

5つの各要素はそれぞれ独立している

5つの各要素はそれぞれ独立しています。セットではありません。例えば、男性同性愛者を例に出すと、心が女性だから、男性を好きになると考える方がいます。しかし、男性同性愛者(ゲイ)は、男性として男性を好きになるというセクシュアリティなので、心が女性だから男性を好きになっているわけではないのです。

つまり、心が女性だから、男性を好きになる、と言ったようにセットで考えると、セクシュアリティの理解は非常に難しくなってしまうのです。5つの要素はそれぞれ独立した別物であり、その別物同士が組み合わさることで、1つのセクシュアリティになると考えた方が分かりやすいです。

このルールを理解しないと、トランスジェンダーの同性愛者なども理解が難しくなってしまいます。生まれ持った身体的性別が女性であり、性自認が男性と言うと、何割かの方は、考えることもなく無意識に女性が好きなんだと思い込んでしまいます。

しかし、性自認と好きになる対象はセットではないので、生まれ持った身体的性別が女性で、性自認が男性の方が、女性を好きになるかというと、必ずしもそういうわけではないのです。実際、生まれ持った身体的性別が女性で、性自認が男性のトランスジェンダーが男性として男性を好きになることはあります。

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5つの要素から見たXジェンダーとクエスチョニングとノンバイナリーの違い

では、実際に5つの要素に当てはめてXジェンダー、クエスチョニング、ノンバイナリーの違いを見ていきましょう。

Xジェンダー

Xジェンダーというのは性自認に関するセクシュアリティです。XジェンダーのXは、未知や謎と言った意味を表しており、その名の通り、性自認がX(未知や謎)というセクシュアリティです。

具体的には、性自認が無性、中性、両性、入れ替わる性と言った場合にXジェンダーとなります。筆者もXジェンダーで、無性を自認にしています。身体的には男性として生まれたのですが、幼い頃から自分が男性という感覚が無く、両親から「男らしくしなさい」と言われても「何で…?」という感覚しかありませんでした。

少し成長して幼稚園に入学しても、周囲の男子を同性に感じることができず、かといって女の子達に対しても同性の感覚が無かったので、自分の存在がずっと分からず……大人になってXジェンダーの存在を知って、非常に腑におちたことからXジェンダーの無性を自認しました。

外見的には男性ですが、生まれてからずっと男性を自認できないでいるので、男の子が生まれてから大人の男性に至るまでに身につける男性としての生き方や立ち振る舞いのようなものが一切身に付かず、社会的に非常に生きづらい状態となっています。周囲は男性として接してくれるのですが、私が男性として立ち振る舞うことができないので、扱いが難しいようです。外見的にはかなり男性的なはずですが、周囲の人は内面は中性的に感じるようです。

関連記事:Xジェンダーあるある9つ紹介!Xジェンダーってこんな感じ!

クエスチョニング

Xジェンダーは、性自認が無性、中性、両性、入れ替わる性と言った、自身を認識する性自認のことでしたが、クエスチョニングはさらに、好きになる対象にまで範囲が広がります。また、Xジェンダーとは性自認が違います。

自身が、無性や、中性、両性など、しっかりとした性自認があるXジェンダーに対して、クエスチョニングは、性自認が定まっていません。まだ、定まっていない状態なのか、あえて定めずにいるのかは、人によって違います。また、好きになる対象も、定まっていません。この定まっていない状態も、まだ定まっていないのか、あえて定めずにいるのかも人によって違います。

性自認や、好きになる対象が定まっていない、または定めずにいるというのがクエスチョニングというセクシュアリティになります。自身の性自認が無性や中性など、自認しているXジェンダーとは全く別のセクシュアリティになります。

ノンバイナリー

少々難しいのが、ノンバイナリーです。ノンバイナリーとXジェンダーは非常に似ています。どちらも、男女以外の性自認(無性、中性、両性、入れ替わる性)など、第三の性的要素を持っていることまでは同じです。しかし、ノンバイナリーの場合には、ここから社会的な性別までもが含まれてきます。

Xジェンダーは、自身の性自認がX(無性、中性、両性、入れ替わる性)で、社会的にどのように振舞っていくのかまでは関係ありませんでした。しかし、ノンバイナリーの場合には、社会的な性別も含めて男女の枠組みに捉われないセクシュアリティとなっています。Xジェンダーか、ノンバイナリーかの違いは社会的な性別による差が大きいです。

具体的には、私は、性自認はX(無性)ですが、社会的には男性を自覚して、男性として生きているのでXジェンダーとなります。社会的には、男女の枠組みの中なのでXジェンダーとなるわけです。仮に、社会的性別も無で、社会生活上でも無性として生きている場合には、性自認も社会的性別も男女外なので、ノンバイナリーが自分に合ったセクシュアリティとなります。

【まとめ】Xジェンダーが教えるXジェンダーとクエスチョニングとノンバイナリーの違い

本記事では、Xジェンダーとクエスチョニング、ノンバイナリーの違いを解説しました。

Xジェンダー 性自認が無性、中性、両性、入れ替わる性など第三の性的要素を持つセクシュアリティ
クエスチョニング 性自認や好きになる対象がまだ定まっていない、あえて定めていない状態を示すセクシュアリティ
ノンバイナリー Xジェンダーのように性自認が男女外であり、社会的性別も男女外であるセクシュアリティ

となります。3つとも、性自認が男女外であることは共通していますが、深く見ていくとちょっとずつ違ったセクシュアリティとなっています。

ちなみに、Xジェンダーは日本限定のセクシュアリティなので海外ではXジェンダーは通用しません。そういった背景もあって、ノンバイナリーというXジェンダーと似た第三の性自認を表すセクシュアリティが生まれたのかもしれません。