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本記事ではXジェンダーの4つの性(無性・中性・両性・不定性)の中、不定性について詳しく解説していきます。本記事を執筆している僕自信も、以前はXジェンダーの不定性でしたので、他の記事よりも詳しく書けると思います。
Xジェンダーの不定性について調べている方、参考にしてみてください。
そもそもXジェンダーとは?
Xジェンダーとは、性自認(心の性別)が、無性、中性、両性、不定性というセクシュアリティです。生まれ持った身体的性別と性自認にギャップのあるトランスジェンダーの一部として考えられることもあります。
このXジェンダーというセクシュアリティは、日本発祥のセクシュアリティであり、基本的には海外では通じません。海外では、ノンバイナリーと言われたり、また別の言い方をする場合もあります。
本記事を執筆している僕自身もXジェンダーであり、幼い頃から自分自身の中に性別という概念がありませんでした。身体的性別が男なので「男らしくしなさい」「男の子なんだから泣かない」と言われて育ったのですが「体が男に生まれてきちゃっただけなのに何で…」「別に男に生まれてきたかったわけじゃない…」と思いながら幼少期を過ごしてきました。
幼い頃から一切、自分自身に対して男性である認識がないので、大人になる過程で男性としての立ち振る舞い方が身に付かず、社会生活においても男性としての立ち振る舞い方が分からなくて、男性としての役割が果たせなかったり迷惑をかけてしまうことがあります。
身体的にも外見的にも男性なので、お手洗いは男子トイレを使うし、銭湯なども男湯を使うのですが、何というか、女性が女性とバレないようにヒヤヒヤしながら男子トイレや、男風呂を使うような感覚みたいなのがあって、僕の心はやっぱり男性ではないんだなーと思っています。でも、女性になりたいというわけではないんですよね。
男性も女性も、どちらも自分とは違う性別に感じるけど、自分自身には性別の概念がないので僕はXジェンダーの無性だと自認しています。前は、不定性でした。
Xジェンダーの不定性とはどんな性別か
Xジェンダーの不定性とは、流動性とも言われ性自認が変化したり入れ替わることがあるという状態になります。例えば、今日は男性の気分だったと思ったら、明日は女性の気分になったりといったように性自認が変化します。
僕自身も10代後半から20代ちょっとまでは不定性でした。当時は髪も長かったし、線も細かったので女性的な格好をすれば女性に見られましたし、髪を縛って、髭を生やしたりすれば男性的に見られて、その日のメンタルのブレに合わせて外見を変えていました。
そんな性自認ありえるの?と思う方も多いかもしれませんが、個人的には結構多いんじゃないかなと思います。Xジェンダーというと、僕の周りでは殆どがこの不定性で、残りが中性と今の僕の無性になります。無性は僕以外は見たことがありません。
Xジェンダーの不定性はどのようなことで性自認にブレが発生するの?
何が原因となって性自認にブレが発生するのかは、多分、個人差が大きいと思います。僕の場合は、第三者への憧れでした。僕は性自認が無だった上に、顔も中性的で身体的にも骨格が細くて中性的な感じだったので、男性に寄せることもできれば、女性に寄せることもできる状態でした。
なのでテレビやネットなどでカッコ良い男性を見かけると、自分もそうなりたいと思ってカッコ良い男性を目指したり、逆に綺麗な女性を見かけると、そんな女性みたいになりたいと思って性自認が女性に寄ることがありました。
男性的な自分も、女性的な自分にも飽きが存在して、大体は2週間くらい毎に入れ替わっていた気がします。
性自認の入れ替わりが起きると、途端に自分が嫌になる
僕は性別の入れ替わりは結構精神的にキツいと感じていました。というのも例えば、性自認が男性に寄っていて髭を生やして男性的な格好をしていた時に、女性にスイッチすると一気に外見と内面の性にギャップが生じるので、男性的な自分が一気に受け入れられなくなるんですよね。
例えば髭や、全身のムダ毛など、スイッチした瞬間に一気に生理的に無理という感覚に襲われてしまいます。そして鏡を見て、なんて醜い顔なんだと思いました。本当にキツかったです。
不定性から無性に至るまで
不定性から無性に至ったきっかけは外見的性別の固定でした。定期的に男性寄りから女性寄りになったりする状態から、完全に男性寄りにしました。髭を生やして、体を鍛えて、髪も短くして、とにかく外見を男性に寄せました。性自認のスイッチがキツかったですし、最終的に男として生きるか、女として生きるか決めないといけないと思っていたので、思いっきり男性に寄せました。
その間にもスイッチは起きて、男性的な自分に対してキツいと感じることがあったのですが、限界突破というのでしょうか。自分の男性性に耐えられる限界値が70だとして、80くらいに到達した頃には、自分の中にある女性性が諦めたのか、あまりスイッチが起きなくなりました。それからは、外見上は男性的な自分をキープし続けています。たまに女性的になりたいなとか、女性的な自分を歩んでいたらどうなってたんだろうかと考えたりしますが……。
男性に寄せたので性自認も男性になったのかというとそういうわけではなく、やはり本質的に自分は男性ではないと感じていて、結果無性に落ち着いています。男性だから男性の格好しているというよりは、女性が男性的な格好が好きで男性的な格好をしているみたいな感覚だと思います。男性的な格好が好きだから、男性の格好をしているって感覚ですね。
Xジェンダーの不定性以外の性別とは
ここからは、Xジェンダーの不定性以外の性別についてお伝えします。主に中性・無性・両性が存在しています。
中性
中性とは、女性と男性の真ん中に自分が存在していると認識している性自認のことです。女性でも男性でもない間の性別ということです。
無性
無性はその名の通り、性という認識がない性自認です。男性・女性という性別ではないというわけではなく、そもそも自分自身に性別という感覚が存在しません。
Xジェンダー無性の僕の感覚では、男性に対しても女性に対しても自分とは違う性別と感じて、自分自身の性別に関して考えても何も感じられないので、無性だと自認しました。
両性
両性は、自分自身が男性・女性のどちらでもあると考えている性自認のことです。割合は人によって変わっており、女性が〇割で男性が〇割など、自分の中で認識が変わる場合もあります。
Xジェンダーの悩み
続いて、Xジェンダーの方が思う悩みの一例についてご紹介します。
- 着る服が分からない
- 心が不安定になってしまう
- 日常生活で違和感を抱えることが多い
もちろんこれらがすべての悩みではありませんが、一例として参考にしてください。
1.着る服が分からない
残念ながら今の世の中では、「女性向け」「男性向け」である服が大半を占めています。そのためどちらの性自認でもないXジェンダーは、服装に迷ってしまうこともあります。主に男にも女にも見られたくない気持ちが強い方や、中性の方が当てはまることが多いのではないでしょうか。
Xジェンダー中性の友人も以前はどんな服装をすれば良いのか分からなかったそうで、でも最終的には中性だから中性的な格好をするんじゃなくて、着たい服を着るというところに落ち着いたそうです。その結果、勝手に中性的な感じになったそうです。
2.心が不安定になってしまう
人によりますが、Xジェンダーであることが原因で心が不安定になってしまうことがあります。というのも、Xジェンダーの認知度はまだまだ高いとは言えません。むしろほとんどの方が知らないセクシュアリティと言っても過言ではないでしょう。その為、カミングアウト自体が非常に難しいです。また中性や無性、入れ替わるという感覚が中々持ち得ない感覚なので、理解してもらうことも非常に難しいです。
僕も母親に無性であることをカミングアウトしていますが、全然分かってもらえません。何度も何度も無性だと言っているのに「男の仕事だから」とか「男のやることだ」と言って、あくまで男として役割を押し付けてきます。ハッキリ言って非常に嫌です。そしてメンタル的に不安定になってしまいます。
また社会的にも、基本的に多くの方が男性か、女性かのどちらかに属さなければなりません。それに対し、Xジェンダーは、男性として扱われることも、女性として扱われることも気持ち悪く感じてしまうことがあるので、精神的なダメージを受けやすくなります。
③日常生活で違和感を抱えることが多い
Xジェンダーの方は、男性と女性しか区分がされていない生活の中で違和感を抱えることも多いです。例えば、学生になると、基本的に男女で服装が変わったりします。ランドセルの色や制服など、それらの違いで、僕は男性として生きることを強要されているみたいで、凄く違和感がありました。男性や女性というより、まず自分の意志を尊重して欲しいと思っていました。
大人になって自分で書類など書く際にも、多くの重要書類には性別欄がありますよね。身体的にも戸籍的にも男性なので、男と書いたり、丸をつけたりするのですが、納得できないところが結構大きくて、男と女の間に「・」がある時は、そこに丸つけたいなと思ったりしてしまいます。
トイレの使用などでも、身体的に外見的にも男なので、男子トイレを使うのですが、やっぱり違和感が凄く、緊張も感じるのでストレスがありますし、Xジェンダーは日常的に違和感を感じることは多いと思います。