日本では同性婚が認められておらず、現在は日本各地で、性別にかかわらず結婚の自由を求める裁判が行われています。では、世界に目を向けた場合、同性愛はどのように扱われているのでしょう。一部の国では同性愛が刑罰の対象とされている国もあり、国によって扱いが全く異なります。

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同性婚とは

同性婚とは戸籍上の同性(男性と男性、女性と女性)が法的に結婚(婚姻)することを指します。現在日本では同性婚が認められておらず、地方自治体によってパートナー状態であることを認める「パートナーシップ制度」しか存在していません。

例えば、日本で法的に結婚できると以下の権利が付与されます。

  • 配偶者が亡くなった際の法定相続権
  • 子供(養子・実子)の共同親権を配偶者と持てる
  • 配偶者が外国人の場合の在留資格
  • 離婚時の財産分与・年金分割・慰謝料請求
  • 相続税の税額軽減
  • 病院での病状説明、手術同意、面会

「日本では同性でも結婚式を挙げられるし、付き合うこともできる。パートナーシップ制度もあるから同性婚は不要」といった主張をする人がいます。しかし、現実には、これだけの個人では超えられない壁が存在しているのです。

同性婚を認めている国

同性婚を認めている国を、地域別に認められた順に記載します。

アジアの同性婚を認めている国

  • 台湾
  • ネパール

タイでは、2024年6月議会で圧倒的多数で同性婚が可決されました。そのため、2024年中に法制化される見込みとなっています。

アジア全体では同性愛に寛容な国が多いものの、法制化しているのは台湾とネパールの2カ国のみとなっています。

イギリスの植民地時代に制定された法律により、同性間の性交渉が違法とされていたインドでは、2018年に最高裁が違憲判決を下しています。

ヨーロッパの同性婚を認めている国

  • オランダ
  • ベルギー
  • スペイン
  • ノルウェー
  • スウェーデン
  • ポルトガル
  • アイスランド
  • デンマーク
  • フランス
  • イギリス
  • ルクセンブルグ
  • アイルランド
  • フィンランド
  • マルタ
  • ドイツ
  • オーストリア
  • スイス
  • スロヴェニア
  • アンドラ
  • エストニア
  • ギリシャ

ヨーロッパは同性婚のパイオニアとも言える地域で、オランダでは20年以上前の2001年に同性婚が合法化されています。ナチス時代には同性愛者を処刑していたことで有名なドイツでも2017年には合法化されていますし、2024年にはエストニアとギリシャで同性婚が認められました。

アフリカの同性婚を認めている国

  • 南アフリカ

アフリカでは唯一南アフリカが2006年に同性婚を認められています。

しかしアフリカの多くの国ではイスラム教が主流となっており、同性愛を違法としています。例えばモーリタニア、ソマリア、スーダンなどでは死刑が適用されるおそれがありますし、死刑以外でも罰金や禁錮刑などが課せられる国が多くあります。

オセアニアの同性婚を認めている国

  • ニュージーランド
  • オーストラリア

オセアニアは同性愛への対応が非常にまばらです。ニュージーランド、オーストラリア以外では同性間の性交渉を違法とする国が多くありますが、シンガポールでは2022年、男性の同性愛行為への刑法が廃止され、合法化されました。

アメリカの同性婚を認めている国

  • カナダ
  • アルゼンチン
  • ブラジル
  • ウルグアイ
  • メキシコ
  • アメリカ合衆国
  • コロンビア
  • エクアドル
  • コスタリカ
  • チリ
  • キューバ

アメリカ大陸ではカナダが最も早い2005年に同性婚や同性カップルの養子縁組を認ました。同性愛を禁じているのはガイアナで、同性愛だけでなく異性装も長年違法とされてきました。2013年異性装は違法ではないとする判決がでましたが、異性愛に関してはまだ合法化されておらず、同性間の性交の刑期上限は終身刑です。

中東の同性婚を認めている国

同性婚を認めている国はありません。

しかし、イスラエルでは同性婚できる外国で結婚して、イスラエルに帰国すれば法的権利が認められるという特別対応を行っています。

イスラム教、ユダヤ教は同性愛をタブーとしているため、同性愛にたいして不寛容な国が多数を占めています。国によっては同性愛は犯罪行為とされており、イランは実際にLGBTs活動家やゲイカップルにたいして死刑判決がくだされています。

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まとめ

イスラム教、ユダヤ教では同性愛はタブーとされています。そのため、これらの宗教が主流となっている中東、アフリカなどの地域は同性愛に非常に抑圧的で、死刑を含む刑事罰にされてしまう国もあります。

ヨーロッパは同性婚のパイオニアとも言える地域で、同性婚や同性パートナーに法的権利を認めている国が非常に多い地域です。

アジアは同性愛に対して寛容な国が多い反面、同性婚ができない状態が続いていました。2019年の台湾がアジアで初めて同性婚のできる国となり、その後ネパールと同性婚ができる国が増えつつあります。この流れに日本も加われるのか注目しましょう。

参照:https://www.marriageforall.jp/marriage-equality/

https://spaceshipearth.jp/same-sex_marriage/

https://www.afpbb.com/articles/-/3188858

http://emajapan.org/promssm/world

https://www.u-tokai.ac.jp/uploads/2021/03/22.pdf

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240618/k10014485131000.html

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGS187TU0Y4A610C2000000/

https://www.bbc.com/japanese/62628658

https://www.cnn.co.jp/world/35192905.html

https://gigazine.net/news/20211108-iran-sentences-gay-couple-death/