最近、ゲイ向けのマッチングアプリやSNSなどで「オープンな関係」や「オープンリレーションシップ」と書かれていることが多くなってきました。
本記事ではゲイの中で広まりつつあるオープンな関係こと、オープンリレーションシップについて解説していきます。
オープンリレーションシップとは
オープンリレーションシップとは、文字通り「開放的な関係」を指します。オープンリレーションシップでは、パートナー同士が相互の合意の下で、他の人とのデートやセックスを許容する関係を意味します。
1970年代から認識されるようになり、米国の研究によれば、特定の社会階層や背景を持つ人々の間でオープンリレーションシップが受け入れられている傾向があります。特に、教育を受けた中産階級の若い白人女性の間で受け入れられているとされています。
サンフランシスコに拠点を置くゲイセラピーセンターの調査では、約30%のゲイ男性がオープンな関係にあるとしています。海外の一部地域ではオープンリレーションシップがかなり浸透しているのが分かります。(参考:30% of Gay Men Are in Open Relationships, According to New Study)
ゲイカップルのオープンリレーションシップの体験談
AさんとBさんは、長い間一緒に過ごしてきたゲイカップルでした。しかし、長い期間を経て体の関係はなくなり、ある時期から少しずつAさんが他の人と体の関係を持ちたいと考えるようになりました。この話をパートナーであるBさんにしたところ、Bさんも同じように考えていたことでオープンリレーションシップが始まりました。
初めは戸惑いもありましたが、体の関係は外で持つようになって関係性はより良くなり、新しいステージに入ることができるようになりました。また、体の関係を外で持つようになったことで、AさんとBさんの体の関係も復活したそうです。
オープンリレーションシップを始めるにはルールの設定が大切
オープンリレーションシップを始める際の鍵となるのは「ルール」の設定です。このルールは関係の安定やトラブルを避けるためのガイドラインとして機能します。具体的には、
- 他の人との関係についてどれだけの情報を共有するか
- 月や週に何回まで他の人とのの関係を持つことが許容されるか
- 共通の知り合いとの体の関係は良いのか、それとも完全に知らない人に限定するか
といった点が考慮されます。
オープンリレーションシップを営む際のルール作りには、いくつかのヒントがあります。まず、お互いの価値観や感じる不安を尊重し合うことが大切です。また、固定的なルールに縛られるのではなく、状況や気持ちに応じてルールを見直す柔軟性を持つことが推奨されます。
知り合いのカップルでは、以下のようなルールも決めていました。
- 体の関係を募集する場合には、彼氏がいてオープンリレーションシップな関係であることプロフ等に書いてしっかりと立場を明らかにする
- 相手に期待を持たせるような言動は行わない(行為中に相手に好きと呟いたり、可愛いと呟いたりすることはしない)
- 性病予防は徹底し、性病に罹ってしまったら隠さず共有する
オープンリレーションシップを始めると浮気との境界線が曖昧になりやすいということから、浮気にはならないようにルールを作ったそうです。また、期待を持たせることで相手を傷つけてしまう可能性があるので、お互い体の関係と割り切ることができるルール作りをしたそうです。
オープンリレーションシップとポリアモリーの違い
オープンリレーションシップとよく比較される「ポリアモリー」ですが、「ポリアモリー」はギリシャ語の「poly」(多い)とラテン語の「amor」(愛)を組み合わせた言葉で、複数の人に対して恋愛感情を持ちながら、それぞれと親密な関係を築いていく恋愛を指します。ポリアモリーの最大の特徴は、関係者全員がその関係についての合意を持っている点です。これは、秘密の関係や浮気とは異なり、全ての関係が透明性を持って成り立っているということを意味します。
一方、オープンリレーションシップは、パートナーはあくまで1人です。その上で、体の関係だけを外部に許すのがオープンリレーションシップです。基本は、パートナーが関係の中心であり、外部の関係はそれを補完するものとして存在しています。
要するに、ポリアモリーは「複数の愛」を中心とした関係性を追求するものであり、オープンリレーションシップは「1対1の関係」を基盤としつつ外部に体の関係を許すものです。複数愛のポリアモリーに対して、オープンリレーションシップは、あくまで1対1の関係であり、モノガミーということになります。
オープンリレーションシップに対してはゲイの中でも賛否両論?
最近、日本のゲイの中でも増えつつあるオープンリレーションシップですが、オープンリレーションシップについてはゲイの中でも賛否両論の様です。
実際に周りのゲイにオープンリレーションシップについて聞いてみたところ、
- 他の人に体の関係を許したら付き合っている意味が分からなくなる
- オープンリレーションシップなのは良いけど、自分のことは巻き込まないでほしい
- 本当にオープンリレーションシップなのか分からないし、不信感があるので関わりたくない(後で彼氏にうちはオープンリレーションシップじゃないと怒られた)
といった意見が見られました。対して、肯定的な意見としては
- 体の関係で付き合っているわけではないから、自己管理できならパートナーが他の人と体の関係を持っても気にならない
- 体の関係が無くなっても性欲が無くなるわけではないから、お互い我慢して付き合い続けるくらいならオープンリレーションシップにした方が関係が良くなるのではないか
といった意見が見られました。ただし、2023年9月時点では、オープンリレーションシップに対しては否定的な考えの方が多かったです。
ちなみに筆者はオープンリレーションシップに関しては肯定的に思っています。というのも、自分は相手の内面に惹かれて好きになることが多いので、体にはそれほど執着や独占欲はなく、別にパートナーが他で体の関係を持っていても、気持ちがこっちにあるのであれば問題はないかなと思っています。
しかし、体の関係がお盛んになるほど、確率論的に病気を貰ってしまったり、面倒な色恋沙汰が起こる可能性が高くなるので、その辺りの管理はしっかりして欲しいと思います。また、相手に対してもフェアでいられるならオープンリレーションシップでも問題ないと思っています。
【まとめ】ゲイアプリなどで度々見るオープンリレーションシップとは?ゲイの中でも賛否両論!?
本記事では、ゲイアプリなどで度々見かけるオープンな関係こと、オープンリレーションシップについて解説しました。オープンリレーションシップとは、親密な関係のパートナーを持ちながら、パートナーと合意の上で、外部に体の関係を持ったりすることを言います。
ポリアモリーとの違いは、ポリアモリーは複数人と合意の上で付き合うことであり、オープンリレーションシップはあくまで1人との付き合いです。その上で、体の関係などを外部に持ちます。海外では、30%のゲイがオープンな関係にあることが分かっていますが、日本ではまだまだ賛否両論な状態です。
以上、オープンリレーションシップについてでした。