Xジェンダーという言葉を聞いたことがあるでしょうか。セクシュアリティのひとつで、日本で生まれた言葉だと言われています。
Xジェンダーは、男女のどちらでもないと感じている人や、どちらの要素も持っていると感じている人、性別を定めていない無性の人などさまざまです。男女といったふたつの性にとらわれず、そうした枠組みに属さないと感じている人のことをXジェンダーといいます。
今回は、このXジェンダーに対しての理解を深めるために重要なセクシュアリティに関する概念と、Xジェンダーに似たセクシュアリティについてもその違いを説明したいと思います。
セクシュアリティを理解するうえで重要な4つの概念
LGBTsについて理解や知識を深めようとしたときに、まず知っておきたい4つの概念があります。
1つ目は身体的性です。これは、表面的に身体の特徴から判断される性別のことです。客観的に判断できる性ともいうことができます。日本において戸籍上の性はこの身体的性にもとづいているものです。
さらに2つ目は、性自認についてです。これは、自分自身が、自分の性をどのように捉えているかという考え方です。性自認は、身体的性とは別の観点から考えるべきもので、このふたつが一致していない場合(トランスジェンダーなど)もあります。
今回説明するXジェンダーもこの性自認が大きく関わってくるセクシュアリティになります。
そして3つ目、性的指向はどんな性の人を好きになり、性愛の対象とするかという考え方になります。これも、自分の身体的性や性自認がどうであるかに関わらず、どんな相手を好きになるかということを示すものです。同性を好きになる場合には、レズビアンやゲイといったセクシュアリティになります。
ほかにも、男性、女性どちらも好きになるバイセクシュアルや、相手の性別に限らず性愛の対象とする場合など、これも人によってさまざまです。
最後に4つ目、性表現は自分がどの性を表現したいかという考え方です。服装やしぐさ、言葉遣いなどに現れやすいです。
これらの4つの概念は、それぞれを独立して捉え、4つを並べたときにその人がどんなセクシュアリティを持っているかということがわかります。
LGBTsのなかのXジェンダー
それでは、4つの概念のなかでも、Xジェンダーについては性自認と関わるセクシュアリティであるとお伝えしました。
Xジェンダーとは、自分自身を男女のいずれかに定義することに違和感を感じている人のことで、自分の性を男女の枠に留めることなく捉えている人のことです。ここでは、身体的性が男性、女性どちらであるかは問題ではありません。
また、Xジェンダーは日本で生まれた言葉で、海外でXジェンダーというセクシュアリティは伝わりません。同等の意味として存在しているのが、ジェンダークィアや第3の性と呼ばれる言葉です。
さらにXジェンダーには、細かく4つに分ける事ができると言われています。
1つ目は、男性、女性の間に位置するように自分自身を認識している中性です。中間地点にいるという意識を持っているようです。
2つ目は、男性女性どちらの要素も持っていて、どちらでもあると認識している両性で、日や時期によって変化する流動的な性自認を持っている人がいたり、自分の中で男性と女性の割合が明確な人がいたりと感じ方は人それぞれです。
3つ目は、男性、女性どちらの要素も持たない無性。
さらに4つ目は、自分の性自認それ自体が流動的な不定性をもつ人もいます。
Xジェンダーの日々の悩みは?
Xジェンダーとして生きている人のなかには、日々悩みの消えないなかにいる人もいます。身体的性に合わせた服装をすることに違和感を覚えていたり、あらゆる場面で性別を選ぶ必要があるときに、まだまだ男性か女性の二択しかない場合が多かったりと、どちらでもある、あるいはどちらでもないという性自認が生活のしづらさにつながることもあるようです。
4つの概念のなかに性表現を紹介しましたが、Xジェンダーのなかには不定性で自分の性が定まらず、自分を受け入れることが難しかったり、自分らしさ、自分が持つ性らしく表現することが難しかったりする人もいるようです。定まらないということが、社会や他者との関係を希薄にすることに繋がる場合もあります。
クエスチョニングとの違いは?
LGBTsのことをLGBTQなどと表現することがありますが、このときのQはクエスチョニングを表しています(場合によってはクィアを表すこともあります)。
クエスチョニングとは、自分自身の性を決めていなかったり、わかっていないという人のことです。Xジェンダーは、男女のどちらでもある、あるいはどちらでもないという認識がある人についてのセクシュアリティですので、少し違っています。
またクエスチョニングについては、性自認についてのセクシュアリティであるほか、性的指向についても示すことができるセクシュアリティですので、その点でも違いがあります。
男性女性の枠を作らないほうが、居心地場良い場合もある
Xジェンダーというセクシュアリティについて少しでも知っていただけたでしょうか。なかには、自分自身を男性、女性のいずれかで認識している人もいると思いますが、男女の枠にとらわれず、2つの性のいずれかに分類しないほうが居心地が良いと感じている人もいることを知っていただけると幸いです。
Xジェンダーのなかにも自分の性についてさまだまな捉え方をしている人がいることを知ったり、また、セクシュアリティを理解するうえで重要な4つの考え方についても覚える機会になればと思います。
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◎この記事を書いた人・・・藤枝あおい
ほそぼそとライターとして活動中です。休日は1日中家で寝ていたい派。引っ越しの予定はないものの、ぐっすり眠れそうな物件情報と間取りは頻繁にチェックしています!
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