日本において、LGBTや障害者、海外にルーツを持つ人など、生きづらさをかかえる人々に配慮する機運が少しずつ高まってきていると思います。それでも、まだLGBT当事者が抱える生きづらさは簡単に無くなることはないでしょう。今回の記事では、東京にあるLGBTコミュニティをご紹介します。LGBT向けのコミュニティは数多くあるため、ここでご紹介できるのはごく一部です。

初めに
IRISでは、あらゆるマイノリティが暮らしやすくなることを目指すという意味から「LGBTs」と表記していますが、今回は一般的な「LGBT」「LGBTQ+」について解説するため、表記が混在しております。

LGBTお部屋探し

プライドハウス東京レガシー

どんなコミュニティ?

個人・団体・企業・大使館などセクターを超えた協働プロジェクトで、多様性に関するイベントやコンテンツ提供を目的とした日本初の常設総合LGBTQ+センターです。新宿御苑のすぐ近くに位置し、誰でもトイレ、充電サービス、wi-fiなど基本的にほぼ全て無料で利用することができます。

LGBT関連の書籍や漫画が非常に充実していて、調べ物や漫画を読む目的で訪れるだけでも満足できるかと思います。筆者もセクシュアリティに関する調べ物や漫画を何度も読ませていただいています。

 

どんなことを行っている?

プライドハウスでは定期的にイベントが開催されていて、みんなでプライドハウス東京レガシーの近所をお散歩したり、プライドハウス内でゲームをして遊んだり、みんなでごはんを持ち寄って晩御飯を一緒に食べるといった内容があります。ろうスタッフ、中国語対応スタッフがいたり、若者やトランスジェンダーの人に特化した日を作るなど多様な人に配慮した運営が行われています。

筆者も何度かイベントに参加させていただきましたが、呼ばれたい名前で参加でき、個人情報を話す必要がないので安心して参加できました。仲良くなった初対面の人たちとイベント後にそのまま近所へ食事に行ったこともあります。

 

他にもプライドハウスでは相談業務を行っていて、2024年5月現在では、24歳以下の子ども・ユース向けの「ラップアラウンド・サポート」、「LGBTQ+いのちの相談窓口」の2つの相談窓口を設けています。悩んでしまって相談したいことがある際はぜひご利用ください。

 

参考:プライドハウス東京レガシー

一般社団法人にじーず

『10代から23歳までのLGBT(かもしれない人を含む)が集まれるオープンデーを定期開催している一般社団法人です。2016年8月に任意団体として東京で発足し、現在では全国各地に拠点を増やしています。にじーずのミッションは「LGBTの子ども・若者が安心して思春期をサバイバルできるつながりを作ること」です。』

 

引用元:一般社団法人にじーず|にじーずとは

東京だけではなく、仙台、埼玉、新潟、松本、長野、京都、大阪、岡山、オンラインとさまざまな場所で行われているため参加しやすくなっています。23歳までの若年層LGBT(かもしれない人を含む)が遊んだり、友達になったりできるふれあいの居場所を提供しているため、若年層でLGBT関連のコミュニティが気になっている人はぜひ参加してみてはいかがでしょうか。筆者も10代のころセクシュアリティの悩みがとてもつらかったので、当時こうしたコミュニティが身近にあったらよかったなと強く感じます。

 

特定非営利活動法人アカー

1986年当時の「同性愛者」の支援を行うグループとして設立された歴史の長い団体です。HIV・エイズやSOGI(性的指向・性自認)問題を改善するため、以下の12分野で事業を行っています。

  1.  検査・診療・カウンセリング事業

  2.  教育・啓発・研修事業

  3.  資料・情報の収集、情報発信、出版事業

  4.  アドボカシー(人権擁護)事業

  5.  法令・政策の立案および提言事業

  6.  国内外の団体・個人との交流・協力・連携事業

  7.  調査研究事業

  8.  相談支援事業

  9.  法律支援事業

  10.  医療・福祉連携等、健康管理事業

  11.  ピア・サポート事業

  12.  コミュニティ・エンパワメント事業

個人単位で関わりやすいのは「ピア・サポート事業」。

性感染症情報やLGBTのための電話相談、LGBT法律相談、HIV法律相談などの相談を受けていただけるため、困った時に相談してみてはいかがでしょうか。

 

参考:NPO法人アカー

LGBTお部屋探し

特定非営利活動法人パープル・ハンズ

「性的マイノリティの老後を考え、つながりあうNPO、老後や同性パートナーシップの確かな<情報センター>です。」

 

老後についてなんとなく真剣に考えることを避けたり、漠然と不安に思っているけど特になにも対策ができていない人もいらっしゃるのではないでしょうか。パープル・ハンズは老後や死に対処するために2級FP技能士スタッフによる勉強会や相談事業を実施しています。

他にも40代以上の集いの場や年齢を問わず暮らしの情報を学び合うライフプランニング研究会、一品を持ち寄る食事会、同性パートナーと死別した方のケアの場などを開催しています。

どんな性別・セクシュアリティでも参加できるそうです。仲間作りがしたい方など興味をお持ちの方はぜひ下記リンクから詳細をご確認ください。

参考:特定非営利活動法人パープル・ハンズ

カラフル@はーと

精神疾患・発達障害・依存症(アルコール・薬物・性行動他)などの問題を抱えるLGBT当事者の自助グループで、東京都中野区で交流会「カラフルミーティング」を開いています。

こうしたシリアスな問題を抱えているものの、身近に相談できる人がいない人も多いと思うので、こうした同じセクシュアリティの自助グループで悩みを共有できるのはとても心強いのではないでしょうか。

セクシュアリティや障害内容によってミーティング日程が分かれているため、参加を希望される方は事前に日程を確認の上、参加申し込みをされることをおすすめします。

 

参考:カラフル@はーとについて

コミュニティセンターakta

HIV/エイズやセクシャルヘルスの情報センターでもあり、オープンスペースもかねそなえています。新宿2丁目内にあるため、ふらっと立ち寄りやすいのが特徴です。

セクシャルヘルス以外にもLGBTに関するさまざまな情報発信をおこなっていて、2丁目にあるバーなどにコンドームやパンフレットを配布する「デリバリーボーイズ」を行っていることでも知られています。

オープンスペースは無料でお借りすることができるため、展覧会やミーティング、イベントなどで使いたい場合にもとても便利です。

オープンスペースでは参加できるイベントが開催されることもあるため、興味のあるイベントがないか随時チェックしてみてはいかがでしょうか。

 

参考:コミュニティセンターakta



レインボーコミュニティ西東京

西東京市を拠点に活動するLGBTと支援者(アライ)の地域団体。交流会、勉強会、研修や地域行事への参加、協力、行政へのはたらきかけなどを行っています。

メンバー募集を確認すると、西東京市外に住んでいてもメンバーやイベントスタッフになれるようです。

 

参考:レインボーコミュニティ西東京

 

特定非営利活動法人LGBTの家族と友人をつなぐ会

LGBTの家族と友人などによる会で、LGBTへの偏見や差別をなくし、多様性を認め合える社会を作るために活動しています。東京だけではなく全国のさまざまな場所でミーティングや交流会などが行われています。

当事者だけでなくその友人や家族まで広い範囲をテーマにしたコミュニティで、公式サイトの体験談のページには当事者だけでなく家族や友人の体験談が掲載されていてとても貴重な声を聞くことができます。

会のロゴに四葉のクローバーが用いられているのですが、そのエピソードを読むだけでも感動してしまいました。

 

参考:特定非営利活動法人LGBTの家族と友人をつなぐ会

 

まとめ

東京にあるLGBTに関連するコミュニティをご紹介しました。「孤独を感じて誰にも相談できない」「LGBTを相談できる人がいない」「まずは同じ悩みを気軽に話せるコミュニティに入ってみたい」「LGBTを支えるコミュニティを支援したい」など、コミュニティに興味や関心を持つ理由はさまざまだと思います。多種多様なコミュニティがあるため、お気軽に連絡を取ってみてはいかがでしょうか。