LGBTsへの理解が十分ではない現状、LGBTsカップルが異性愛カップルのように、関係性を育むのは難しいことがあります。パートナーと一緒に過ごしたいだけなのに、同性カップルであることが理由にオーナーに断られてしまったり、お部屋探しのタイミングでアウティング被害に逢ってしまったり。私たちIRISに来るお客様の中でも、そのような経験をした人が多くいます。
今回、LGBTs当事者の「住」環境をサポートするIRISの代表 須藤さんと一緒に、睡眠を軸に日常の暮らしを快適にするコアラスリープジャパンのショールームを訪問。我々と同じく衣食住の「住」に特化したコアラスリープジャパンの取り組みを通し、あまり語られることのない「暮らしと睡眠」について考えていきたいと思います。
はじめに、日本における睡眠の現状からみていきましょう。厚生労働省の調査によると、日本では一般成人の30〜40%が何らかの不眠症状を持ち、特に女性に多くみられるとされています。慢性不眠症は成人の約10%に見られ、その原因はストレス、精神疾患、神経疾患、アルコールなどさまざまです。これにより、成人の5%が睡眠薬を服用しているという結果も報告されました。
また、日本は睡眠不足の割合が高いとされ、OECDの調査では先進国の中で睡眠時間が最も少ない国であることがわかりました。厚生労働省の調査によると、1日の平均睡眠時間が6時間未満の割合は、男性が37.5%、女性が40.6%に上ると報告されています。さらに、睡眠による休養の充足度が「やや不足」「まったく不足」と回答した人に関しては、男性は「仕事・勉強・通勤・通学などで睡眠時間がとれないから」が40.2%で最も多く、女性の25〜34歳では「育児のため」が30.5%となります。
日本人の睡眠不足の実態は「国民病」ともいえる身近なものです。このような睡眠の問題を解決する1つの方法として、睡眠環境を整えることが挙げられます。例えば、枕やマットレスを変えることは、睡眠の質向上につながる重要な要素の1つとされています。ただし個人によって異なるため、実際に見て探すことで自分に合った枕やマットレスと出会えるでしょう。
今回は、睡眠の問題に向き合ったコアラスリープジャパンのショールームにお邪魔しました。表参道にあるショールームの入り口を潜ると、受付にはLGBTsフラッグを持ったコアラがお出迎え。同棲に向けてベッドを買いに行く同性カップルは多いものの、スタッフさんに関係性を隠して話をしたり、人目を気にしてパートナーのどちらかが買いに行ったり、さまざまな理由でストレスフリーな買い物ができない場合があります。
なので、このように入り口にLGBTsフラッグがあるだけでも、当事者はだいぶ安心するはずです。当日、ショールームに案内してくださったコアラスリープジャパンのB2B ビジネスディベロップメントマネージャーの金澤由紀子さんは、「コアラではダイバーシティを大事にしているため、性別や国籍、セクシュアリティなどは関係なくお客様ご自身を尊重しています。」と話しました。実際に、店舗にはLGBTsカップルの方もパートナーと一緒に見に来るそうです。
公式HPを見てみると、社員さんは女性の方が割合が多く、国籍はアジア系からヒスパニックまでさまざま。働き方もリモートを推奨するなど、本社のオーストラリアのカルチャーを受け継いでいるのか、とてもフレキシブルな印象を持ちました。過去に日本最大級のLGBTsの祭典「東京レインボープライド」に協賛するなど、性の多様性にもオープンであるスタンスを示しています。
さらに、コアラは動物・環境保護にも積極的に参加しているそうです。自然環境保護の重要性を提唱する企業同盟「1% for the planet」に参加し、売り上げの少なくとも1%以上を「1% for the planet」に登録された環境保護団体に寄付しています。
また、2017 年からの世界自然保護基金(WWF)とのパートナーシップによって、1350万豪ドル以上をコアラマットレスなどの売上の中から寄付しており、コアラをはじめとする動物保護をサポートしています。
オーストラリア政府は2022年2月12日、国内版レッドリストでコアラを「絶滅危惧種」と認定。IUCN(国際自然保護連合)も世界的に「絶滅の恐れが高い種」としている中、このような保護活動はコアラを絶滅の危機から救うためのアクションとなります。
製品にも可能な限り再生可能な材料を使用するようにしているそうです。たくさんの製品がある中で、特に「コアラソファー CHILLAX」に興味津々な様子でした。座るのも良し、横になるのも良し。さらに、肘置きになるクッションは裏返すだけでテーブルに変身する2WAYを採用。肘の高さに合わせてクッションを重ねて使うことも可能です。リモートワーク時にはPCを置くなどして活用できます。
人気No.1商品の「NEW コアラマットレス」は、好みに合わせて硬さを変えられます。マットレス上層部(トッパーレイヤー)のファスナーを開き、「ふつう」、「かため」のどちらか好きな方にをひっくり返すだけで変えることができます。
パートナーと同じベッドで寝ている人は、相手の寝相や振動で目が覚めてしまうといった悩みを抱える人もいるかもしれません。ですが、実際に寝てみると、コアラマットレスの特徴でもある振動をしっかり吸収する独自開発のゼロ ディスターバンス®技術*のおかげで全く気になりませんでした。ショールーム内にはマットレスの上にワインを注いだグラスを置き、その周りを複数人が飛び跳ねるといった動画が流れていましたが、ワイングラスは倒れることがなく驚きました。
*密度が高いウレタンフォームを使用して、身体を各部位で支える構造にすることで、振動範囲を狭めます。
また、体格の良い2人でも十分なスペースが確保できるよう、ソファやベッドは大きめのサイズも用意されているようです。今回の訪問を経て、コアラスリープジャパンはLGBTsやSDGsの取り組みを積極的に行っていることがわかりました。次回以降は、さらにLGBTs当事者が抱える暮らしと睡眠にまつわる問題にアプローチし、話を伺おうと思います。