どうもこんにちは!LGBTsフレンドリーな不動産会社IRISのしょうへいです。
世界各国では、どのくらい同性愛が受け入れられているのでしょうか。本記事では、Pew Research Centerの調査結果を翻訳、参考にして世界各国の同性愛受容度を見ていきます。
各国、どのくらい同性愛が受け入れられているのか気になる方は参考にしてみてください。
調査方法
この調査では、世界中の人々が同性愛は社会に受け入れられるべきだと考えているのか、それとも受け入れられるべきではないと考えているのかに焦点を当てています。この調査は長期的に行われており、1994年にPew Research Centerが初めて行い、2002年には世界中で行われました。
そして今回は、10月2日にかけて34カ国で実施され、合計38,426人の回答者のデータが集まりました。調査はアフリカ、ラテンアメリカ、中東全域で対面式で行われ、米国とカナダでは電話で行われました。アジア太平洋地域では、インド、インドネシア、フィリピンで対面調査が実施され、オーストラリア、日本、韓国では電話調査が実施されました。
ヨーロッパ全体では、フランス、ドイツ、オランダ、スペイン、スウェーデン、英国では電話による調査が行われ、ブルガリア、チェコ共和国、ギリシャ、ハンガリー、イタリア、リトアニア、ポーランド、ロシア、スロバキア、ウクライナでは対面調査が行われました。
調査では「あなたの意見はどちらに近いですか?」「同性愛は社会に受け入れられるべきである」「同性愛は社会に受け入れられるべきではない」といった質問で行われています。
結果を簡単にまとめると、世界中で同性婚やLGBTsの権利をめぐる法律や規範が大きく変化しているにもかかわらず、社会における同性愛の容認に関する世論は、国や地域、経済発展によって大きく分かれたままであることが分かっています。
世界の同性愛の受容度
同性愛の受容度は、人々が住んでいる国によって違います。西ヨーロッパとアメリカ大陸の人々は、東ヨーロッパ、ロシア、ウクライナ、中東、サハラ以南のアフリカの人々よりも同性愛を受け入れる傾向にあります。対して、アジア太平洋地域では、同性愛の受け入れに大きな差があります。これは、国家の経済発展だけでなく、宗教的および政治的な影響があると考えられます。
これらに大きな差があっても受容度は変化しており、多くの国では受容度が増えています。
世界の同性愛の受容度の変化
2002年と2019年に調査された国の多くは、同性愛の受け入れが増加しています。また、過去17年間で、メキシコと日本の2つの異なる場所で、同性愛の受け入れに大きな変化がありました。2002年時点では、どちらの国も半数程度が受け入れたいという割合でしたが、今では10人中7人程度が受け入れたいと言っています。
調査対象となった多くの国では、年齢、教育、収入、場合によっては性別による同性愛の受け入れに違いがあり、場合によっては相当な違いが見受けられました。先進国の人々は、非先進国の人々よりも同性愛を受け入れる傾向にあります。
例えば、スウェーデン、オランダ、ドイツでは、1人あたりの国内総生産が50,000ドルを超えており、同性愛の受け入れは調査対象の34カ国で最も高く測定されています。
対照的に、1人あたりの国内総生産が10,000ドル未満のナイジェリア、ケニア、ウクライナでは、同性愛は社会に受け入れられるべきだと言う人は10人に2人未満です。
世界の同性愛に対する受容度の格差
2019年の調査によると、調査対象となった34カ国のうち16カ国の大多数が同性愛は社会に受け入れられるべきだとしていますが、世界的な格差は残っています。スウェーデンでは調査対象の94%が同性愛を受け入れるべきだと答えているのに対し、ナイジェリアでは7%程度しか支持がありません。
地域ベースでは、同性愛の受け入れは西ヨーロッパと北米で最も高い傾向があります。しかし、中央および東ヨーロッパの人々は、この問題についてより意見が分かれており、中央値は46%が同性愛を受け入れるべきだと言い、44%が受け入れられるべきではないと言っています。
アフリカ、中東、ロシア、ウクライナでは、同性愛を受け入れるべきだと言う人はほとんどいません。その中で、南アフリカ(54%)とイスラエル(47%)だけが4分の1以上が同性愛に肯定的です。
アジア太平洋地域の人々は、同性愛にあまり肯定的ではありません。オーストラリアで調査された人の4分の3以上(81%)は、フィリピン人の73%と同様に、同性愛を受け入れるべきだと答えている一方、インドネシアでは9%しか支持がありません。
調査対象のラテンアメリカ3カ国では、大多数が社会で同性愛を受け入れていると言います。
2000年以来、同性愛は社会に受け入れられるべきだと言う人の割合は比較的着実に増加しています。しかし、2000年から2015年6月の連邦による同性婚合法化の直前まで、受け入れが13ポイント上昇するのに15年近くかかりましたが、合法化からわずか4年間で受け入れがほぼ同等に増加しています。
世界の同性愛の受容度の違い(年齢による違い)
調査対象の34カ国のうち22カ国で、若い世代は年配よりも同性愛が社会に受け入れられるべきだと言う可能性が高いことがわかりました。この違いは韓国で最も顕著で、18歳から29歳の79%が同性愛は社会に受け入れられるべきだと答えていますが、50歳以上の人はわずか23%しか同性愛を支持していません。
日本も世代による差が大きく、10代〜40代の多くは同性愛に対して肯定的ですが、50代以上は、半数程度しか支持がありません。
世界の同性愛の受容度の違い(性別による違い)
調査対象のほとんどの国では、男性と女性の間に大きな違いはありません。しかし、大きな違いがあった12カ国すべてで、女性は男性よりも同性愛に肯定的でした。韓国では男女間で大きな差があり、女性の51%、男性の37%が同性愛は社会に受け入れられるべきだと言っています。
世界の同性愛の受容度の違い(教育格差による違い)
教育水準が高い人は、教育水準が低いよりも、同性愛が受け入れられるべきだと言う可能性が高いことがわかりました。
例えば、ギリシャでは、中等教育以上の人の72%が同性愛が受け入れられると言いますが、中等教育程度の人では42%と低い数値となっています。この性質の大きな違いは、同性愛の受け入れレベルの高いイタリアと、低いレベルのウクライナでも強くデータに表れています。
世界の同性愛の受容度の違い(宗教観による違い)
調査対象となった34カ国中25カ国で、宗教の重要度が「やや」「あまり」「まったく」と答えた人は、宗教が「非常に重要」であると答えた人よりも、同性愛を受け入れるべきだと答える傾向が強いことが分かりました。イスラエル人では、「宗教はあまり重要でない」と答えた人は、「宗教は非常に重要である」と答えた人の約3倍も、「社会は同性愛を受け入れるべきだ」と答えました。
宗教に無関心な人々の意見は大きく異っていますが、無宗教の回答者が十分な数いるほぼすべての調査対象国で、無宗教者は、有宗教者よりも同性愛を受け入れているのが分かります。ほとんどの場合、無宗教者の比較対象はキリスト教徒です。しかしキリスト教徒であっても、分析に十分な数の信者がいる多くの国では、プロテスタントや福音派よりもカトリックの方が同性愛を受け入れる傾向が強いことが分かります。
このパターンの一例は韓国でも見られます。宗教に無関心な韓国人は、キリスト教(24%)や仏教(31%)信者の約2倍(60%)も同性愛を受け入れるべきだと答えています。同様にハンガリーでは、「無宗教者」の62%が「社会は同性愛を受け入れるべきだ」と答えているのに対し、カトリック教徒は48%程度となっています。
分析に十分な数のイスラム教徒がいる数少ない調査対象国では、イスラム教の信者の間で同性愛の容認が特に低い傾向にあります。しかし、ナイジェリアでは、キリスト教徒もイスラム教徒も同性愛の容認率は低く(それぞれ6%と8%)、イスラエルのユダヤ人は、イスラエルのイスラム教徒よりも同性愛を容認すると回答する割合がはるかに高い(それぞれ53%と17%)傾向にあります。
まとめ
世界的な同性愛に対する意見は依然として分かれています。調査結果によると、多くの西洋諸国では同性愛を受け入れる傾向が強まっており、特に北欧や西ヨーロッパの国々でその受け入れ率が高くなっています。しかし、中東やアフリカ、ロシアやインドネシアなどの国々では、同性愛に対する受け入れは低く、社会的な受け入れが進んでいません。
このような地域差は、宗教や文化、経済発展の度合いなど、さまざまな要因に影響されていると考えられます。
世界的に見ても、アジアの中で見ても、日本の同性愛の受容度は割と高めの数値となっています。過去のデータと比較して、日本の同性愛受容度は伸びている為、少しずつですが同性愛に対する理解が進んでいることが分かります。