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本記事では、ゲイの世界と深い関係を持つエイズについて解説していきます。なぜ、ゲイに多いのか、HIVとエイズの違いが知りたい、エイズになるとどのようなことが起きるのか知りたい方、よろしければ参考にしてみてください。
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HIVウイルスによって引き起こされるのがエイズ
エイズ(AIDS)は「後天性免疫不全症候群」の略称で、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)によって引き起こされます。HIVウイルスは、人の免疫システムを攻撃し、特にCD4+ T細胞と呼ばれる白血球を破壊することで知られています。これにより、体は様々な感染症や、がんに対して脆弱になります。
HIVウイルスの感染には、性行為、血液接触(例えば共有針)、母子感染(妊娠、出産、授乳中)などがあります。初期段階では、インフルエンザ様の症状が見られることがありますが、多くの場合、初期症状は軽微または無症状です。時間が経つにつれて、免疫システムが弱まると、感染症やがんなど、より深刻な症状が現れ始めます。
HIV感染は血液検査によって診断され、エイズの診断は特定の感染症やがんの発症、または血液検査でCD4+ T細胞の数が極端に低下している場合に行われます。
HIVとエイズの違い
HIVとエイズは密接に関係していますが、それぞれ異なる概念です。HIVは「ヒト免疫不全ウイルス」の略で、特定のウイルスを指します。このウイルスは人の免疫システムを攻撃し、特に重要な役割を果たすCD4+ T細胞という白血球を破壊し免疫システムを弱めていきます。
一方、エイズは「後天性免疫不全症候群」の略で、HIV感染が進行し、免疫システムが著しく弱まった状態を指します。エイズの段階になると、通常であれば容易に対処できるはずの感染症や特定のがんに対しても非常に脆弱になります。HIV感染が確認され、少しずつ免疫システムが弱くなり、『特定の病気』が発症したとき、エイズと診断されるようになります。
つまり、HIVというのはHIVウイルスのことで、エイズというのは、HIVウイルスによって免疫が下げられて、免疫システムが著しく弱まった体の状態のことを言います。
どのようにHIVに感染するの?
HIVに感染する主な方法は、感染した人の体液が他の人の血流に入ることです。性行為では、HIVを含む体液がパートナーの粘膜や血流に接触することで感染が発生します。また、注射針の共有も感染の一般的な原因です。HIVに感染した人が使用した針が他の人に使われると、感染者の血液が直接次の使用者の血流に入るためHIVに感染することがあります。
母子感染もあり得ます。これは、妊娠中、出産時、または授乳中にHIVが母親から子供に伝わることを意味します。感染のリスクは、適切な医療介入によって大幅に減少します。血液輸血や臓器移植による感染の可能性もありますが、現在では血液や臓器の厳格なスクリーニングにより、このリスクは非常に低くなっています。
男同士での性行為でHIV感染する可能性が高い理由
HIV感染者の7割が男性同士での性行為と言われています。男同士の性行為においてHIV感染のリスクが高い理由は、主に肛門性交で生物学的に関連しています。肛門の粘膜は非常に薄く、性行為中に微小な裂傷が生じやすいです。これらの裂傷から、HIVを含む感染者の体液がパートナーの血流に直接入り込む可能性があります。また、肛門粘膜は炎症を起こしやすく、HIVが体内に侵入しやすい環境を作り出してしまうことがあります。
さらに、男性間の性行為においては、HIVの感染源となる体液(精液や前立腺液)が直接粘膜に接触する機会が多いため、感染リスクが高くなります。これは、異性間の性行為や女性同士の性行為と比較して、特に肛門性交において顕著です。
肛門性交(ウケ側) | 1.38% |
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肛門性交(タチ側) | 0.11% |
膣に挿入される | 0.08% |
膣に挿入する | 0.04% |
オーラルセックス | データ無し(とても低い) |
上記の表は、アメリカ疾病予防管理センター(CDC)が発表した理論上の推定値です。あくまで推定値なので、参考程度ですが、肛門性交のウケ側は他よりも高い感染確率があるのが分かります。
オーラルセックスの場合、データ無し(とても低い)となっていますが、僕の周りではオーラルセックスしかしていなかったのにHIVに感染したという人がいます。とても低い確率ですが、オーラルセックスでもHIVに感染するときには感染します。
HIVに感染するとどうなるの?
HIV(ヒト免疫不全ウイルス)に感染すると、ウイルスが体の免疫システム、特にCD4+ T細胞という種類の白血球を攻撃し始めます。これらの細胞は体を感染症や病気から守るのに重要な役割を果たしています。感染初期には、多くの人がインフルエンザのような症状を経験することがありますが、この段階ではしばしば見過ごされがちです。その後、しばらくの間(数週間から数年にわたることもあります)は、特に目立った症状が現れないことが一般的です。
しかし、HIVが体内で活動し続けると、徐々に免疫システムが弱まります。その結果、通常は問題にならないような感染症やがんに対しても、体が抵抗する力が弱くなります。これが進行すると、最終的にはエイズ(後天性免疫不全症候群)と診断される段階に至ります。エイズになると、体はさまざまな感染症や特定のがんに非常に脆弱になり、生命を脅かす原因となることがあります。
HIVの治療
HIVの治療には、主に抗レトロウイルス療法(ART)が用いられます。この治療法は、HIVの複製を抑制し、ウイルス量を減少させることを目的としています。治療を開始すると、HIVは体内で増殖するのを阻止され、これにより免疫システムが回復し始め、HIVに関連する病気や感染のリスクが減少します。ARTは完全な治癒をもたらすものではありませんが、適切に治療を続けることで、HIV感染者は長く健康的な生活を送ることが可能になります。
治療は通常、複数の異なる種類の抗HIV薬の組み合わせで行われます。これは、ウイルスが1つの薬に対して耐性を持つのを防ぐためです。治療は一生続ける必要があり、定期的な医療チェックとウイルス量のモニタリングが重要です。ウイルス量が検出限界以下になると、HIVの感染リスクは大幅に減少します。
また、HIV治療は感染初期に開始することが推奨されます。早期治療は免疫システムの損傷を最小限に抑え、長期的な健康を維持するのに役立ちます。治療には副作用が伴うこともありますが、医師は患者の状態に合わせて最適な薬剤を選択し、副作用を管理します。
HIV治療は、感染者だけでなく、感染拡大の防止にも重要な役割を果たします。治療を受けているHIV感染者は、ウイルス量が抑制されるため、他人への感染リスクが大幅に減少します。これにより、HIVの感染拡大を防ぐことができるのです。
HIV感染を予防するには
まず、安全な性行為の実践が最も重要です。これには、コンドームの使用が含まれます。コンドームは正しく使用することで、HIVや他の性感染症から保護する効果があります。また、潤滑剤の使用も重要で、特に水ベースやシリコンベースの潤滑剤が推奨されます。これは、性行為中の摩擦を減らし、コンドームが破れるリスクを低減します。
次に、定期的な性感染症の検査を受けることも大切です。定期的に検査することで、自分自身やパートナーの健康状態を知ることができ、必要に応じて早期治療を受けることができます。HIVに加えて、他の性感染症も検査することができます。
予防薬の使用も1つの方法です。事前暴露予防(PrEP)は、HIV陰性の人がHIVに感染するリスクを減らすために日常的に薬を服用することです。PrEPは非常に効果的で、適切に使用することでHIV感染を大幅に減らすことができます。その期待値は100%に近いと言われています。
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HIVに感染したらセックスは楽しめなくなるのか
適切な治療を受けていれば、HIVに感染してもセックスを楽しむことができます。HIV感染者が抗レトロウイルス療法(ART)を適切に受けている場合、ウイルス量は検出限界以下に抑えられ、他人への感染リスクは大幅に減少します。これを、U=U(Undetectable = Untransmittable)と言います。
U=Uの原則によれば、HIV陽性の人がARTを継続的に服用し、定期的な医療チェックでウイルス量が検出限界以下であることが確認されている場合、HIVに感染していても、性行為によってHIVを伝播させることはないとされています。
そのため、適切な治療を受けていれば、これまで通りのライフスタイルを送ることができますし、セックスライフも変わらずに続けることができます。
パートナーにHIVに感染したことを伝えられたらどうしたら良いのか
僕は、以前付き合っていた人にHIVに感染したと言われたことがありました。当時は、もう別れて数ヶ月後の話だったので、彼氏ではありませんでしたが非常に長く付き合ってたので、今でも家族同然の相手となります。
お腹が痛くて熱もあって、酷い頭痛が続き、近所の病院で検査してもらっても原因が分からないと。髄膜炎の可能性があるということで、大きな病院で検査してもらったのですが、その結果がHIV感染ということでした。そして、しばらく入院となり、彼のお母さんと一緒にお見舞いに行きました。
そんな彼ですが、退院後、少しずつ元のライフスタイルを取り戻し、1年経つ頃には、完全に元のライフスタイルに戻りました。現在、HIVに感染しても、適切な治療を受けていれば他人にうつすことはないですし、周りが影響を受けることはありません。HIVに感染しても、適切な治療を受けていれば、平均余命は非HIV感染者と殆ど変わらないとされています。(参考:HIV life expectancy 'near normal' thanks to new drugs)
適切な治療を受けていれば、パートナーとはこれまでと変わらずに付き合い続けることができますし、変に気を遣ったりせずに、今まで通りに一緒に歩んでいけば良いのではないかなと思います。
まとめ
本記事ではゲイとHIVとエイズについて解説しました。HIVというのは、ウイルスのことで、そのウイルスに感染し、免疫システムが著しく弱まった状態をエイズと言います。現在HIV感染すると完全に治すことはできないですが、検出ができないレベルまで抑えることが可能で、HIV感染していても平均寿命くらいまでは生きられるとされています。また、適切な治療を受けていれば他人にHIVをうつす確率も下がります。
HIV感染率は、ウケ側で1%程度と数値上はかなり低いですが、なるべく安全性を高めるに越したことはありません。コンドームの使用や、PrEP、定期的な検査などを受けてなるべく安全に、そして周りへの安全性も高めていきましょう。
以上、本記事を読んでくださりありがとうございました。
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