パートナーと同棲を考えているけれど、ゲイカップルでペット可の物件探しは難しいのではないかと不安を感じている方も多いのではないでしょうか。実際に不動産会社を回ってはいるけれど、良い物件になかなか巡り会えない。そんな悩みを持つ方も少なくないはずです。

確かにゲイカップルの物件探しは、ペットの条件が加わるとさらにハードルが高くなります。しかし、諦める必要はありません。東京都内では実際にゲイカップルとペットの暮らしを受け入れる物件が増えつつあり、渋谷区や世田谷区を中心に変化の兆しが見えています。

本記事では、ペットと暮らすゲイカップルのための物件探しについて、具体的な解決策をお伝えしていきます。

初めに
IRISでは、あらゆるマイノリティが暮らしやすくなることを目指すという意味から「LGBTs」と表記していますが、今回は一般的な「LGBT」について解説するため、表記が混在しております。

LGBT お部屋探し

ペット可物件を探す前の準備

ゲイカップルがペット可物件を探す場合、通常の物件探しよりも準備に時間がかかります。特に東京都内の人気エリアでは、物件の候補が限られるため、事前の準備が重要になります。

資金面での準備はもちろん、引越し時期の検討や必要書類の確認まで、計画的に進めていく必要があります。

予算設定のポイント(敷金・礼金・保証金)

東京都内でゲイカップルがペットと暮らす場合、中野区の1LDKで家賃は20万円近くを見込む必要があります。ペット可物件の場合、1頭につき敷金が1~2ヶ月分追加で必要になるため、初期費用は100万円を超えることも珍しくありません。

家賃以外にも礼金や仲介手数料、保証会社への加入費用も考慮が必要です。賃貸借契約時の保証人については、保証会社の利用で対応できる場合が増えてきました。

引越し費用や家具の購入費用も計算に入れておく必要があります。特にペット用品は意外と高額になるため、余裕を持った予算設定が大切です。

ペット可物件の相場把握

東京23区内のペット可物件は、通常の物件と比べて家賃が1~2万円高くなります。特に中野区、渋谷区、世田谷区など人気エリアでは、家賃の相場が上がる傾向にあります。間取りは1LDKが中心で、築年数は10年以内の物件が多くなっています。

駅から徒歩10分以内の物件は特に人気が高く、募集から成約までが早いため、見つけたらすぐに内見の予約を入れることをお勧めします。

物件情報サイトで相場を確認する際は、ペット可物件でも大型犬や猫は不可の場合があるため、細かい条件まで確認が必要です。

引越し時期の検討

引越し時期は物件の選択肢に大きく影響します。3月から4月は引越しのピークシーズンで、物件の競争率が高くなります。反対に10月から12月は比較的物件を探しやすい時期です。

ただし、年末年始は不動産会社や引越し会社が休みに入るため、余裕を持った計画が必要です。物件探しから契約、引越しまでは3ヶ月から半年かかることも一般的です。

希望の物件が見つからない場合も焦る必要はありません。長く住む場所だからこそ、納得できる物件選びが大切です。

必要書類の確認と準備

賃貸契約に必要な書類は事前に用意しておくと、物件が見つかった時にスムーズに契約できます。身分証明書、収入証明書は基本です。ペットについては、ワクチン接種証明書や健康診断書が必要になることがあります。

緊急連絡先は実家の家族に依頼するケースが多いですが、会社の上司や親しい友人でも可能な場合があります。保証会社を利用する場合は、審査に必要な書類も確認が必要です。

また、物件によっては勤続年数や年収に条件がある場合もあるため、事前に確認しておくことをお勧めします。

物件探しの具体的な方法

ゲイカップルでペット可物件を探す場合、最初から物件数が限られています。しかし、賢い探し方をすることで、理想の物件に出会える可能性は確実に高まります。

不動産会社選びから物件の内見まで、効率的に進めることが大切です。

ペットフレンドリーな不動産会社の選び方

ゲイカップル向けの物件紹介実績がある不動産会社は、渋谷区や世田谷区を中心に増えてきています。不動産会社のウェブサイトやSNSで「LGBT」「ペット可」などのキーワードを掲載している会社は、対応に慣れていることが多いです。

ゲイカップルの入居を前向きに検討してくれる不動産会社は、最初の問い合わせの際の対応でも分かります。電話で物件を問い合わせた時、同性でのお部屋探しについて自然な対応をしてくれる不動産会社を選びましょう。

担当者の経験値も重要です。ペット可物件の取り扱いが多い不動産会社なら、物件オーナーとの交渉も手慣れているはずです。

オンライン検索のコツ

大手不動産ポータルサイトでは、「ペット可」の条件で検索できますが、実際には掲載されている物件の半数以上が既に契約済みというケースも珍しくありません。

新着物件の更新は朝9時と夕方17時に集中することが多いため、確認するタイミングを決めておくと効率的です。気になる物件を見つけたら、すぐに電話で問い合わせることをお勧めします。

物件情報サイトの「ペット相談可」表示は、必ずしも確実ではありません。電話で具体的な条件を確認し、ペットの種類や大きさまで細かく聞いておく必要があります。

内見時のチェックポイント

内見では、ペットと暮らす上での具体的なポイントを確認します。フローリングの傷つきやすさ、窓の開閉のしやすさ、通風の具合は重要です。また、ベランダの広さや日当たりも確認しましょう。

周辺環境も大切です。近くに動物病院があるか、深夜でも散歩できる明るい道があるか、ドッグランや公園の場所なども確認します。

騒音対策も忘れずにチェックしましょう。上下階や隣室からの生活音が気になる場合は、ペットの鳴き声も問題になる可能性があります。

物件紹介時の自己紹介の仕方

物件を紹介してもらう際は、誠実な自己紹介が重要です。年収や勤務先などの基本情報に加え、飼育しているペットの種類、大きさ、年齢、しつけの状況なども伝えましょう。

パートナーとの関係性については、「同性パートナー」という表現で伝えることが一般的です。ただし、最初は友達として紹介し、不動産会社の反応を見ながら、徐々に詳しい状況を説明するのも1つの方法です。

保証人や緊急連絡先についても、事前に相談できる人を確保しているかどうか伝えておくと、話が進みやすくなります。

物件選びの重要ポイント

ペットと暮らすゲイカップルの物件選びでは、2人の生活スタイルに加えて、ペットの快適さにも配慮が必要です。人気エリアでは物件の選択肢が限られますが、重要なポイントを押さえることで、後悔のない物件選びができます。

間取りと必要な広さ

ゲイカップルの2人暮らしでは、1LDK以上の間取りが基本となります。寝室とリビングが分かれていると、生活リズムの違いにも対応しやすくなります。

ペットのケージやトイレスペース、食事スペースを考慮すると、1LDKでも45平米以上が望ましいです。廊下幅も重要で、ペットとすれ違える広さがあるかチェックしましょう。

収納スペースも重要です。ペットフードや消耗品、掃除用具なども置く場所が必要になるため、収納が少ない物件は避けた方が賢明です。

フローリングの素材

ペット可物件では、傷がつきにくく掃除がしやすいフローリング素材が重要です。特に犬を飼う場合は、爪による傷を考慮する必要があります。

最近の物件では、フローリング材にクッションフロアやペット対応フロアを採用している物件も増えています。光沢のある床材は滑りやすいため、マットな仕上げの方が安全です。

床暖房付きの物件は、冬場のペットの体調管理に役立ちます。ただし、床暖房があると家賃が上がる傾向にあるため、予算との兼ね合いも考えましょう。

換気設備

ペットの臭いや湿気対策には、24時間換気システムが効果的です。特に築年数が浅い物件では標準装備になっていることが多いです。

窓の位置も重要で、2方向以上に窓があると風通しが良くなります。サッシの開閉方式も確認し、網戸付きの物件が望ましいでしょう。

浴室乾燥機付きの物件なら、雨の日のペット用品の洗濯物も気にせず干すことができます。

防音性能

ペットの鳴き声対策として、防音性能は特に重要です。鉄筋コンクリート造りの物件は、木造と比べて防音性能が高い傾向にあります。

二重サッシや防音ガラスが採用されている物件なら、外部への音漏れも軽減できます。上下階や隣室との界壁の防音性能も確認しておきましょう。

物件の内装材も防音性能に影響します。カーペットや防音フローリングが採用されている物件は、生活音が伝わりにくくなります。

ペット用設備(足洗い場など)

ペット用の足洗い場があると、散歩後の手入れが格段に楽になります。最近のペット可物件では、玄関や外部に足洗い場を設置している物件も増えています。

玄関の広さも重要です。ペットの手入れスペースや、リードやタオルを掛けるフックなどが必要になるため、余裕のある広さが必要です。

共用部にドッグシャワーが設置されている物件もあります。大型犬の場合、室内でのシャンプーが難しいため、設備の充実度もチェックポイントになります。

近隣環境(ドッグラン、動物病院など)

24時間営業の動物病院が徒歩圏内にあるかどうかは、ペットの緊急時に大きな安心感となります。特に夜間の急病に備えて、複数の動物病院の場所を確認しておくと良いでしょう。

散歩コースの選択肢も重要です。大通りから少し入った住宅街なら、深夜でも安心して散歩ができます。街灯が多く明るい道なら、夜間の散歩も安全です。

ドッグランは運動不足の解消に役立ちます。有料・無料のドッグランの場所、利用条件、営業時間なども確認しておきましょう。公園内のドッグランなら、定期的な利用も考えられます。

マンション周辺の商業施設も大切です。ペットショップやトリミングサロンが徒歩圏内にあると、日常的なケアが楽になります。雨の日の散歩に備えて、アーケードのある商店街や屋根付きの歩道があるかも確認すると良いでしょう。

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契約時の注意点

ゲイカップルがペット可物件を契約する際は、通常の賃貸契約以上に確認すべき事項があります。契約内容を丁寧に確認し、不明な点は必ず質問しましょう。後々のトラブルを防ぐため、契約前の細かな確認が重要です。

契約書の確認ポイント

賃貸借契約書には入居者の記載方法が重要です。多くの場合、お互いをルームシェアとして契約することになりますが、2人とも契約書に名前が記載されているか確認が必要です。

契約期間や更新条件も細かくチェックします。特に更新料の金額や、解約時の条件については必ず確認しましょう。原状回復の範囲も契約書に明記されているはずです。

賃貸借契約書の連帯保証人欄や緊急連絡先欄の記載方法についても、事前に確認しておくことをお勧めします。

ペット飼育に関する特約事項

ペット飼育に関する取り決めは必ず書面で残します。飼育可能なペットの種類、大きさ、頭数の制限を確認しましょう。将来的にペットを増やす可能性がある場合は、事前に相談しておくと良いでしょう。

共用部分の利用規約も重要です。エレベーターでのペットの抱き上げルールや、ドッグシャワーの使用規則なども確認が必要です。

ペットによる損傷や騒音についての取り決めも明確にしておきましょう。退去時の原状回復費用の範囲も具体的に確認します。

保証人について

保証人は実家の家族に依頼することが一般的ですが、会社の上司や親しい友人でも可能な場合があります。保証会社の利用も選択肢の1つです。

保証会社を利用する場合、初回保証料や更新料など具体的な費用を確認しましょう。保証会社の審査基準や必要書類も事前に確認が必要です。

緊急連絡先は保証人とは別に設定できる場合もあります。どちらも確実に連絡が取れる方を選びましょう。

契約時の交渉のコツ

契約交渉では、安定した収入があることや、ペットのしつけが行き届いていることをアピールします。過去の賃貸契約での滞納がないことや、現在の勤務先での勤続年数なども重要なポイントです。

ペット飼育に関する経験や知識をアピールすることで、オーナーの不安を和らげることができます。ペットの健康診断書やワクチン接種証明書なども用意しておくと良いでしょう。

契約条件の交渉は、不動産会社の担当者と相談しながら進めましょう。無理な要求は避け、お互いが納得できる条件を見つけることが大切です。

追加費用の確認

ペット可物件では通常の敷金に加えて、ペット飼育のための追加敷金が必要です。1頭につき1~2ヶ月分の追加敷金が一般的です。

退去時のハウスクリーニング費用も通常より高額になります。脱臭や消毒、フローリングの補修なども考慮に入れる必要があります。

火災保険料も重要です。ペットに起因する事故も補償範囲に含まれる保険を選びましょう。更新料や契約更新時の保証料なども忘れずに確認します。

引越し後の対策

ゲイカップルでペットと暮らす場合、近隣との良好な関係作りが特に重要です。事前の対策と日々の配慮で、快適な生活環境を作ることができます。引越し直後から実践できる具体的な対策をご紹介します。

防音対策

ペットの足音や鳴き声への対策は、入居直後から必要です。フローリングには防音マットを敷き詰め、特に寝室や廊下など頻繁に通る場所は重点的に対策します。

壁際に家具を配置すると、音の反響を抑えることができます。大型の本棚や収納家具は、壁との防音クッションの役割も果たします。

カーテンやラグなどのファブリック類も、部屋の反響を抑える効果があります。二重サッシの物件でも、厚手のカーテンがあると外部への音漏れを軽減できます。

臭い対策

換気は朝と夜の2回以上、15分程度行うと効果的です。24時間換気システムは常時稼働させ、フィルターの清掃も定期的に行いましょう。

トイレの位置も重要です。来客時の配慮として、玄関から見えない場所に設置すると良いでしょう。トイレの周りは消臭マットを敷き、こまめな清掃を心がけます。

部屋の角や家具の隙間には消臭剤を設置しますが、ペットに直接触れない場所を選びましょう。観葉植物も自然な空気清浄効果があります。

傷防止対策

フローリングには専用のマットを敷くことで、爪による傷を防ぐことができます。特にペットの走り回る場所や、お気に入りの場所には必ず設置しましょう。

壁紙の保護には、専用のシートやプロテクターが便利です。ドアの下部や柱の角など、傷つきやすい場所は優先的に保護します。

家具の角にはコーナーガードを取り付け、ペットが衝突した際の怪我も防止できます。カーテンやブラインドの紐は巻き取り式のものを選びましょう。

近隣挨拶の方法

入居後の挨拶は、直近の上下階と両隣りの部屋が基本です。ペットを飼っていることは正直に伝え、何か問題があれば連絡してほしいと伝えましょう。

挨拶の際は、ペットの種類や大きさ、普段の生活時間帯についても簡単に説明すると良いでしょう。連絡先を書いたメモを渡しておくと、安心感を与えられます。

日頃からエレベーターや廊下で会った際には、明るく挨拶を交わすことで、良好な関係を築くことができます。

トラブル防止のポイント

散歩のマナーは特に重要です。リードは短めに持ち、必ずマナー袋を携帯しましょう。早朝や深夜の散歩は、静かに行動することを心がけます。

エレベーターでは、他の入居者と同乗する際にペットを抱き上げるなど、配慮ある行動を心がけましょう。共用部分は必ず清潔に使用します。

万が一、近隣からクレームがあった場合は、誠実に対応することが重要です。問題の改善策を具体的に説明し、必要に応じて防音や臭い対策を強化しましょう。

まとめ

ゲイカップルでペット可物件を探す場合、通常よりも条件が限られ、時間がかかることは事実です。しかし、準備を整え、適切な不動産会社選びをすることで、必ず理想の物件に出会えるはずです。

物件探しでは予算設定から始まり、不動産会社選び、内見時の確認ポイント、契約時の注意点まで、様々な準備が必要です。特に契約前の確認事項は、後々のトラブルを防ぐためにも重要です。引越し後も、近隣への配慮や防音対策、臭い対策など、継続的な取り組みが大切になります。

私たちIRISは、LGBTs当事者によるLGBTsフレンドリーな不動産会社として、多くのゲイカップルの物件探しをサポートしてきました。長年の経験から、ゲイカップルに理解のある管理会社やオーナー様を熟知しており、スムーズな物件探しが可能です。ゲイカップルのお部屋探しでお悩みの方は、ぜひIRISに『お問い合わせ』ください。