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同性カップルの別れは、異性カップルと同様に慎重に進める必要があります。特に同性カップルの場合、周囲に相談できる人が限られていたり、法的な保護が十分でなかったりと、独特の課題に直面することがあります。しかし、お互いを思いやる気持ちを持ち、適切に進めることで、円満な別れを実現することができます。

本記事では、同性カップルの同棲解消における具体的な進め方をご紹介します。別れを決意する前の考慮すべきポイントから、実際の手続きまで、一つ一つ丁寧に解説していきます。円満に同性を解消したい方、参考にしてみてください。

初めに
IRISでは、あらゆるマイノリティが暮らしやすくなることを目指すという意味から「LGBTs」と表記していますが、今回は一般的な「LGBT」について解説するため、表記が混在しております。

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別れを決意する前に考えるべきこと

パートナーとの別れを考え始めた時期は、誰もが不安で心が揺れ動きます。特に同性カップルの場合、周囲に相談できる人が限られていることも多く、1人で悩みを抱えがちです。しかし、決断を急ぐ必要はありません。時間をかけて状況を見つめ直すことで、より良い判断につながります。

関係修復の可能性を探る

パートナーとの関係に違和感や不満を感じ始めた時、まず2人の関係の現状を振り返ってみましょう。多くの場合、コミュニケーション不足が原因で問題が大きくなっていることがあります。例えば、忙しい仕事で帰宅時間が遅くなり会話が減った、休日の過ごし方の価値観が合わなくなった、共同生活における家事の分担で不満が募っているなど、日常生活での小さな行き違いが積み重なって大きな溝になることがあります。

まずは落ち着いた環境で、パートナーと向き合って話し合う時間を作りましょう。話し合いの際は、「最近寂しく感じている」「もっと一緒の時間を作りたい」など、具体的な感情を伝えることが大切です。批判や非難ではなく、建設的な対話を心がけることで、新たな解決策が見つかるかもしれません。

感情を整理する時間を持つ

別れを決意する前に、十分な時間をかけて自分の気持ちと向き合うことが重要です。例えば、パートナーと出会ってからの思い出、一緒に乗り越えてきた困難、お互いの成長を支え合った日々など、2人の関係の歴史を振り返ってみましょう。

また、将来の生活についてもじっくり考える必要があります。経済面での生活設計、新しい住まい、共通の友人関係、仕事への影響など、具体的なイメージを持つことで、より現実的な判断ができます。

感情が高ぶってしまう時は、1人で海や公園を散歩したり、趣味の時間を作ったりして心を落ち着かせましょう。信頼できる友人や家族に話を聞いてもらうことも、気持ちの整理に役立ちます。

同棲解消の準備段階

パートナーとの別れを決意したら、計画的に準備を進めることが円満な同棲解消への近道です。感情的になりすぎず、物事を整理しながら1つずつ進めていきましょう。

話し合いのタイミングを見極める

パートナーに別れの意思を伝える際は、タイミングが非常に重要です。給料日直前や仕事の繁忙期、体調不良時など、生活に大きなストレスがかかっている時期は避けましょう。また、誕生日や記念日の前後も避けるべき時期です。

休日の午前中など、お互いの心身が落ち着いている時間帯を選びましょう。パートナーが心の準備をする時間も必要なので、話し合いの1週間前には「大切な話がある」と伝えておくと良いでしょう。深夜や飲酒後の話し合いは、感情的になりやすく建設的な対話が難しくなります。

話し合いの環境を整える

話し合いの場所選びも慎重に行う必要があります。自宅で話し合う場合は、スマートフォンの通知をオフにし、テレビも消すなど、集中できる環境を整えましょう。外で話し合う場合は、個室のあるカフェやファミリーレストランがお勧めです。人気のない公園も選択肢の1つですが、天候に左右されることを考慮する必要があります。

話し合いの際は、メモ帳やスケジュール帳を用意し、決めるべき事項を書き出しておきましょう。感情的になった時は一時中断し、お互いに冷静になってから再開することを事前に約束しておくと良いでしょう。

財産分与の準備を進める

同棲期間中に購入した家具や電化製品、生活用品などの分け方を検討します。まずは家具や電化製品のレシートを集め、購入時期や金額を明確にしましょう。高額な商品については、現在の中古市場での価格も調べておくと話し合いがスムーズになります。

日用品や消耗品は、新品・未使用品を中心に分けることをお勧めします。食器や調理器具など思い入れのある物については、お互いの気持ちを尊重しながら話し合いましょう。購入時の支払い比率が不明確な場合は、同棲期間中の家計負担の割合を参考にすると良いでしょう。

共同名義の解約手続きを確認する

賃貸契約や公共料金、インターネット回線など、共同名義になっている契約の確認と解約準備を進めます。賃貸契約の解約は通常2ヶ月前までに通知が必要なため、早めに不動産会社に相談しましょう。敷金や礼金の返還についても確認が必要です。

公共料金の名義変更や解約については、電気・ガス・水道会社に直接問い合わせて手続き方法を確認します。インターネットや携帯電話の契約は解約金が発生する可能性があるため、契約内容を確認し、費用の分担方法を話し合いましょう。

共同で利用しているクレジットカードがある場合は、利用停止の手続きを行い、支払いが完了するまでの分担方法を決めておく必要があります。銀行の共同口座は、残高を確認し、解約時期を決めましょう。公共料金の引き落としがある場合は、新しい引き落とし口座の設定が完了してから解約するようにします。

パートナーとの話し合いのポイント

別れの話し合いは、どちらにとっても心に強く残る大切な機会です。言葉の選び方1つで後の関係性が大きく変わることもあります。穏やかで建設的な対話を心がけましょう。

伝え方と言葉選びを意識する

別れを切り出す際は、パートナーを責めるような表現は避け、自分の気持ちを「私」を主語にして伝えることが大切です。例えば「あなたは仕事ばかりで私のことを考えてくれない」ではなく「私は2人で過ごす時間をもっと大切にしたいと感じている」といった表現を心がけましょう。

否定的な言葉は最小限に抑え、これまでの感謝の気持ちも忘れずに伝えます。「一緒に暮らした時間は私にとってかけがえのない思い出です」「支えてくれてありがとう」など、パートナーへの敬意を込めた言葉を選びましょう。

お互いの気持ちに寄り添う

パートナーの反応に十分な時間を取り、最後まで話を聞くことが重要です。突然の別れ話に動揺するのは自然なことです。泣いたり、怒ったり、黙り込んだりするパートナーの感情表現を受け止めましょう。

話し合いの途中で意見が対立した時は、「今はパートナーがどう感じているのかを知りたい」と伝え、相手の気持ちを理解しようとする姿勢を見せることが大切です。パートナーの発言を遮らず、相槌を打ちながら最後まで聞くようにしましょう。

合意形成を段階的に進める

1度の話し合いですべてを決めようとせず、複数回に分けて話し合うことをお勧めします。初回は別れの意思と大まかな理由を伝え、パートナーの気持ちを聞くことに重点を置きましょう。

次回以降の話し合いでは、引越しの時期や荷物の分け方など、具体的な項目を1つずつ決めていきます。話し合いの内容は必ずメモを取り、次回までにお互いが考えておく事項を明確にしましょう。決まった事項は書面にまとめ、両者で確認することで認識のずれを防ぎます。

感情的な対立を避ける

話し合いが感情的になりそうな時は、「少し休憩を取りませんか」と提案し、クールダウンの時間を設けましょう。10分程度の休憩で、水を飲んだり深呼吸をしたりすることで、冷静さを取り戻すことができます。

過去の出来事を蒸し返したり、相手の性格を批判したりする話題は避けましょう。話し合いが平行線をたどる場合は、「今日はここまでにして、また改めて話し合いましょう」と提案し、一旦終了することも大切です。

建設的な話し合いのために、以下の点を意識することが大切です。

  • 発言の前に深呼吸をする
  • 相手の言葉を復唱して理解を確認する
  • 話し合いの時間は2時間程度を目安にする
  • 疲れを感じたら率直に休憩を提案する
  • 決定を急がず、お互いが納得できる結論を目指す

感情的にならずに話し合いを進めることは簡単ではありませんが、未来に禍根を残さないために必要です。お互いを思いやる気持ちを忘れずに、1つずつ丁寧に進めていきましょう。

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具体的な解消手続き

パートナーとの話し合いが進み、別れの方向性が定まったら、実務的な手続きを進めていきます。円滑に進めるためには、細かな点まで計画的に準備することが大切です。

共有財産を分ける

共有財産の分け方は、購入時の負担割合を基準にするのが一般的です。大型の家電製品や家具は、引き取る側が相手に購入額の半分を支払うなど、金銭的に清算する方法が望ましいでしょう。

思い出の品や贈り物の扱いは、感情的な問題に発展しやすいため、慎重に話し合う必要があります。例えば記念写真やアルバムは、デジタルデータとして共有し、プリント写真は撮影時期で分けるなどの方法があります。ペットと暮らしている場合は、飼育環境や世話の状況を考慮して、引き取り手を決めましょう。

生活用品は「新品・未使用品」と「使用中の物」で分け方を変えると良いでしょう。新品の日用品は購入時のレシートを基に金額を計算し、公平に分けます。使用中の物は、今後の生活スタイルを考慮して必要な側が引き取るようにしましょう。

家賃と公共料金を清算する

家賃の精算は、解約予告から退去までの期間の支払い方法を明確にします。敷金の返還金は、原状回復費用を差し引いた金額を、入居時の負担割合に応じて分配するのが一般的です。

公共料金は、電気・ガス・水道の検針日を確認し、最終使用月の料金を使用日数で按分します。インターネットや携帯電話の契約解除に伴う違約金が発生する場合は、契約者名義人の負担とするか、話し合いで決めましょう。

引越しの段取りを決める

引越しは、一方が先に退去し、もう一方が後日退去する「時差退去」がスムーズです。先に退去する側は、必要最小限の荷物から運び出し、共有物の分配が終わってから残りの荷物を運びます。

引越し業者を利用する場合は、2人分の荷物を別々の日程で運ぶことを事前に伝えましょう。見積もりは複数の業者から取り、費用の分担方法も決めておきます。原状回復工事が必要な場合は、工事の日程も考慮して退去日を設定します。

退去時の立ち会いは、不動産会社を交えて行うことをお勧めします。傷や汚れの確認を一緒に行い、修繕費用の分担について話し合いましょう。

共通の友人に伝える

共通の友人への報告は、基本的にお互いが個別に行うのが望ましいです。SNSでの報告は控えめにし、親しい友人には直接会って説明することをお勧めします。

説明する際は、相手の悪口は避け、「お互いの将来を考えて決めた決断です」など、前向きな表現を心がけましょう。共通の友人に対して、どちらかの味方になるよう求めることは避けるべきです。

定期的に集まっていた友人グループがある場合は、しばらく参加を控えるなど、お互いに配慮することも検討しましょう。時間の経過とともに、自然な形で交友関係を再構築できることもあります。

法的な注意点と手続き

同棲解消に伴う法的手続きは、将来のトラブルを防ぐために特に慎重に進める必要があります。書類の準備から手続きの完了まで、漏れがないよう計画的に進めましょう。

賃貸契約を解約する

賃貸物件の解約は、契約書に記載された予告期間を確認することから始めます。多くの場合、解約予告は退去予定日の2ヶ月前までに行う必要があります。解約申し入れは、必ず書面で行いましょう。

契約者が2人の場合は、両者の署名捺印が必要です。賃貸物件の場合、原状回復工事の範囲や費用について、入居時の契約内容を確認することが重要です。退去時の立ち会い検査では、細かな傷や汚れも写真に収め、修繕費用の分担について合意を得ましょう。敷金返還に関しては、以下の点に注意が必要です。

  • 返還先の口座を明確にする
  • 原状回復費用の明細を確認する
  • 返還金額の分配方法を書面で残す
  • 返還時期の確認を忘れずに行う

共同名義の契約を解約する

共同名義の口座や各種契約は、漏れがないよう一覧表を作成して進めましょう。金融機関の口座解約では、残高の確認と分配方法の合意が必要です。公共料金の引き落としがある場合は、新規契約が完了してから解約するようにします。

クレジットカードの支払いが残っている場合は、

  • 利用停止の手続きを行う
  • 残債務の支払い方法を決める
  • 完済予定日を確認する
  • 支払い完了後の解約手続きを計画する

インターネットや携帯電話の契約変更では、違約金の発生有無を確認し、負担方法を決めておく必要があります。

必要な手続きをリスト化する

解約手続きを確実に進めるため、以下の項目をチェックリストにまとめましょう。

不動産関係 解約予告書の提出
不動産会社との日程調整
退去立ち会い検査の予約
原状回復工事の見積もり確認
敷金返還に関する書類準備
公共料金関連 電気・ガス・水道の使用停止申請
料金の精算方法の確認
最終検針日の予約
新住所への引継ぎ手続き
金融関連 共同口座の解約手続き
クレジットカードの支払い確認
自動引き落とし契約の変更
通信関連 インターネット契約の解約
携帯電話の契約変更
郵便物の転送手続き

これらの手続きは、解約から完了までの期間を考慮して進める必要があります。特に公共料金や通信契約は、新生活に影響が出ないよう、余裕を持ったスケジュールを組みましょう。

各種手続きの際は、電話での問い合わせだけでなく、窓口で直接確認することをお勧めします。担当者から詳しい説明を受けることで、手続き漏れを防ぐことができます。また、受け取った書類は必ずコピーを取り、お互いで保管するようにしましょう。

円満な関係を維持するためのアドバイス

別れを選択した後も、大切な時間を共有したパートナーとして、互いを思いやる気持ちを持ち続けることが大切です。LGBTコミュニティでは、元パートナーと顔を合わせる機会も多いため、良好な関係を保つことが望ましいでしょう。

元パートナーとの距離を保つ

別れ後しばらくは、連絡を控えめにすることをお勧めします。頻繁な連絡は、お互いの気持ちの整理を難しくします。最低でも3ヶ月程度は、必要最低限の連絡以外は避けましょう。引越し後に届いた郵便物の転送など、実務的な連絡は短めのメッセージで済ませるのが良いでしょう。

新しい恋愛を始める時は、元パートナーへの配慮も必要です。元パートナーとは、イベント等で偶然出会う可能性もあるため、事前に新しいパートナーにも状況を説明しておくと良いでしょう。

SNSでの繋がりを見直す

SNSでの対応は、慎重に行う必要があります。いきなりブロックや友達削除をすることは避け、以下のような対応が望ましいです。

  • お互いの投稿が表示されないよう設定を変更する
  • プロフィール写真や背景画像から思い出の写真を外す
  • 共通の友人のSNSでタグ付けを控えめにする
  • 新しい恋愛や交際に関する投稿は控える

インスタグラムやフェイスブックでは、思い出の写真を非公開にするか、アーカイブ機能を使って一時的に非表示にしましょう。

共通の友人関係を大切にする

同性カップルは、友人関係が重なることが多いため、共通の友人への配慮が必要です。友人たちを板挟みにしないよう、以下のポイントに気をつけましょう。

  • 友人に元パートナーの様子を詮索しない
  • 友人会でのパートナーの話題は避ける
  • 集まりの場では、自然な挨拶を交わす
  • 共通の友人に不快な思いをさせない配慮をする

定期的な友人会やイベントへの参加は、しばらく間隔を空けることも検討しましょう。参加する場合は、事前に主催者に確認を取り、元パートナーと居合わせた時の対応を考えておくと安心です。

まとめ

同性カップルの同棲解消は、慎重に進めることで円満な別れを実現できます。別れを決意する前の十分な熟考、パートナーの気持ちを尊重した丁寧な対話、そして実務的な手続きを確実に行うことが大切です。

心と生活の整理には時間がかかります。感情的にならず、一つ一つの課題に向き合うことで、後悔のない決断につながります。財産分与や引越しなどの具体的な手続きは、計画的に進めることが重要です。共同名義の契約解約や賃貸物件の解約手続きも、書面での記録を残しながら確実に進めましょう。

新生活に向けては、自分のペースで環境を整えていくことが大切です。生活リズムの構築や将来の目標設定など、一歩ずつ前に進むことで、新たな生活を始めることができます。お互いを思いやる気持ちを忘れずに、建設的な別れ方を心がけましょう。