LGBTs関連イベントの時、よく掲げられている虹色の旗。
『レインボーフラッグ』と呼ばれているあの旗には、実は他にも種類があることをご存知でしょうか?

『LGBTs』それぞれを示したカラーで存在する『レインボーフラッグ』のうち、バイセクシュアルの旗について、そしてその他のセクシュアリティの旗についてもお話ししていきます。

初めに
IRISでは、すべてのセクシュアリティやジェンダー、人種、国籍、民族、職業、家族構成の人々が自分らしく生きられる社会を実現したいという思いを込めて「LGBTs」と表現しています。

レインボーフラッグとは?

レインボーフラッグとは?
『レインボーフラッグ』というのは、赤・黄色・オレンジ・緑・青・紫の6色から成る、「LGBTs」を象徴する旗です。

発案者はサンフランシスコでアーティスト活動をしていたギルバート・ベーカーさんという、男性の方。唐突に思いつき、2週間ほどで作成されたギルバートさんのフラッグは、1978年6月25日のサンフランシスコ・ゲイ・フリーダム・デイ・パレードの日に初めて使用されました。

アメリカで初めてゲイを公言し、市会議員に当選したハーベイ・ミルクさんから依頼をされ、当初は8色で作っていたそうです。ですが、8色だとピンクの生地を見つけることが困難であったり、印刷に手間がかかったりすることが理由で、後に6色に変更されました。

2012年のインタビューでベーカーさんは『虹は、多様性を受け入れるということを瞬時に理解させてくれる。虹は美しく、全ての色が含まれている。私たちのセクシュアリティは、全ての色だ。私たちは全てのジェンダーであり、人種であり、世代だ』と語っています。

残念ながら、2017年にギルバートさんは原因不明の死を遂げていますが、今もこの6色のレインボーフラッグはLGBTsコミュニティ全体を象徴するために使われ、現在LGBTsフレンドリー企業や組織も使っています。

バイセクシュアルフラッグってどんな感じ?

先にお話したのは、LGBTs全体を象徴する「レインボーフラッグ」ですが、実はジェンダー毎にフラッグが存在しています。

バイセクシュアルのフラッグはピンク・パープル・ブルーと3色から成っており、ピンクは「同性の魅力」ブルーは「異性の魅力」パープルは「男女両方への魅力」という意味が込められたフラッグです。

マイケル・ペイジさんによって作成され、LGBTsコミュニティ全体と社会全体へのバイセクシュアルの認知度を目指し、1998年12月に発表されました。

バイセクシャルフラッグ

ピンクが同性への魅力、ブルーが異性への魅力を意味することから、結果的にオーバーラップカラーはパープルになるとのこと。

確かに、ピンクはいわゆる女性、ブルーはいわゆる男性を意味するものに使われる傾向もありますし、使用されているカラーには納得です。

その他のセクシュアリティフラッグ

ここからは、他のセクシュアリティのフラッグを説明していきます。

「自分のセクシュアリティのフラッグってないのかな?」という方も、「男性にも女性にも魅力を感じているけど、バイセクシュアルというとちょっと違うかも…?」「自分のセクシュアリティはどれなんだろう?」という方にも、自分のセクシュアリティとの出会いをフラッグと共に見つけられるよう、できるだけ多く紹介したいと思います。

レズビアンフラッグ

レズビアンフラッグ
まずは「LGBTs」のうち「L」に該当するレズビアンのフラッグ。

オレンジのグラデーションとピンク(マゼンダ)のグラデーションの間に白を入れた、明るいカラーから成っています。
各カラーの意味は以下の通りです。

  • もっとも濃いオレンジ『性別の不適合』
  • 中間のオレンジ『独立』
  • 明るいオレンジ『コミュニティ』
  • 白『女性らしさとユニークな関係』
  • 明るいピンク『静けさと平和』
  • 中間のピンク『愛とセックス』

最も濃いピンク『女性らしさ』

トランスジェンダーフラッグ

トランスジェンダーフラッグ
「LGBTs」の「T」に該当するトランスジェンダーのフラッグは、ピンク、水色、白のさわやかな印象のカラーから成ります。

こちらは1999年にトランスジェンダーの女性であるモニカ・ヘルムズさんがつくったと言われており、「自分の人生における正しさを見つけようとしている私たちを象徴している」と述べたそうです。
各カラーの意味は以下になります。

  • ピンク『女の子の象徴』
  • 水色『男の子の象徴』
  • 白『移行期。ジェンダーがなく、性的中立でもない人々の象徴』

アセクシュアルフラッグ

アセクシュアルフラッグ
他者に対して性的欲求や恋愛感情を抱かない、「無性愛」とも呼ばれるアセクシュアル。
そのフラッグのカラーは黒・グレー・白・パープルから成ります。
それぞれのカラーの意味は以下です。

  • 黒『アセクシュアリティ全体の色』
  • グレー『アセクシュアルとデミセクシュアルを表す色』
  • 白『白はセクシュアリティ』
  • パープル『コミュニティ』

デミセクシュアルフラッグ

デミセクシュアルフラッグ
基本的には他者に対して恋愛感情も性的欲求も抱かないけれど、強い感情的つながりなどがある場合など、限られた相手にのみ性的欲求を抱く場合もあるセクシュアリティです。

カラーはアセクシュアルと同じですが、黒が三角に入っており、特徴的なデザインのフラッグになっています。

ジェンダークィアフラッグ

ジェンダークィアフラッグ
生まれた時の性別によって「どう行動すべき」「どう表現すべき」などの社会の考え方ではなく、自分の感情や考え方、行動、そして特に自身の性自認に基づいて表現している人を指します。

ラベンダー・白・グリーンのこのフラッグは、2011年にマリリン・ロキシーさんがつくったと言われています。
各カラーの意味は以下です。

  • ラベンダー『アンドロジニー(両性具有)の象徴』
  • 白『アジェンダー(ジェンダーレス)の象徴』
  • グリーン『ノンバイナリー(男女のどちらにも属さない人)の象徴』

ジェンダーフルイドフラッグ

ジェンダーフルイドフラッグ
ジェンダーフルイドはひとつのジェンダーに自分を定義せず、流動的に男性と女性のジェンダーがシフトする人のことを指し、どのくらいの頻度でシフトするかは人によります。

2012年にJJ・プールさんが作った、ピンク・白・パープル・黒・ブルーのこのフラッグのそれぞれの色の意味は以下です。

  • ピンク『女性らしさの象徴』
  • 白『全てのジェンダーを象徴』
  • パープル『男性らしさ女性らしさの象徴』
  • 黒『ジェンダーの欠如を象徴』
  • ブルー『男性らしさを象徴』

アロマンティックフラッグ

アロマンティックフラッグ
アロマンティックは他者に全く、またはあまり恋愛感情を抱かない人を指します。

恋愛を意味する赤色の反対色であるグリーンを象徴としたフラッグですが、グレーと黒はセクシュアリティの多様性を意味すると言われています。

ノンバイナリー(Xジェンダー)フラッグ

ノンバイナリーフラッグ
身体的性別や性表現、性自認など、何かを性別に当てはめることにしっくりこず、性別という概念に自信を当てはめない人のことを指します。

日本以外ではXジェンダーもノンバイナリーに含まれたりしているらしく、両方のフラッグと捉えるのがいいと思います。
それぞれの色の意味は以下です。

  • 黄色『二元的(男性・女性)ジェンダー以外のジェンダーの象徴』
  • 白『多くのジェンダー、または全てのジェンダーを自認する人々の象徴』
  • 紫『男女と女性の組み合わせである性の象徴』
  • 黒『性別のない人々(アジェンダー)の象徴』

ポリセクシュアルフラッグ

ポリセクシュアルフラッグ
多性愛とも言われるポリセクシュアル。全ての性ではないけれど、複数のセクシュアリティを恋愛対象とするセクシュアリティのフラッグです。

こちらは2012年にTumblrでつくられました。

パンセクシュアルフラッグ

パンセクシュアルフラッグ
好きになる人に条件を持たず、全性愛と呼ばれるセクシュアリティのフラッグです。

作成者は不明だと言いますが、2010年にオンラインに出現して以来全性愛のシンボルになっている、こちらのフラッグのそれぞれの色の意味は以下です。

  • ピンク『性的指向が女性に向いている』
  • 黄色『性的指向がノンバイナリー(Xジェンダー)に向いている』
  • 青『性的指向が男性に向いている』

ストレートアライフラッグ

ストレートアライフラッグ
ストレートは異性愛者のことで、セクシュアルマイノリティの当事者たちに共感し、寄り添いたいと考え支援する人々のことを、アライと呼びます。

LGBTs全体を象徴するレインボーカラーと、コミュニティをサポートすることを象徴する白の黒のストライプのフラッグです。

まとめ

いかがだったでしょう。
ご自身に合ったセクシュアリティや、ご自身のセクシュアリティのフラッグとは出会えたでしょうか。
世の中にはたくさんのクリエイターの方が存在しています。まだ存在しないセクシュアリティのフラッグが増えたり、さらに進化していくのか、これからも楽しみですね!