2025年現在、同性カップルがペアローンを利用できる金融機関は増え続けています。

一方で、必要書類が複雑であったり、相続の手続きが分かりづらいなど、考えることがたくさんあることも事実です。

そこで、今まで多くのゲイカップルの住宅購入を仲介してきたIRISが、住宅相談会の開催の特別企画としてリアルな課題をストーリー形式でご紹介します!

   
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登場人物

【DAY 1】「そろそろ、ちゃんと暮らしたいかも」


「また家賃、上がるんだって」

 

ソファでアイスコーヒーを飲んでいた陽翔(はると)が、郵便物を片手にぼそっとつぶやいた。

定期借家で契約した賃貸マンションの再契約の時期が迫っている。

「え、また?いまいくらだっけ」


悠真(ゆうま)が身を乗り出して封筒を覗き込む。そこには再契約時から月1万5千円の値上げ通知。管理費も地味に上がっていた。

「この築年数でさ…シンク狭くて、クローゼットもかなり小さいのに…なんで上がるの?」
「なんでって言われても…って感じだけど、まあ都内だしね」

 

ふたりで苦笑しながらも、言葉の端々にじんわりと不満が滲む。

「さすがに毎月20万近く払って、何も残らないってどうなんだろう」
「……ねえ、家、買うって選択肢ってさ。ない?」

 

その一言に、陽翔は一瞬驚いた表情を見せた。だけどすぐに、ふっと肩の力を抜いて言った。
「ないことはないかもね。そろそろ、ちゃんと暮らすのもアリかも」

 

そのときはまだ、具体的な計画も何もなかった。けれど、確かにその日から、ふたりの間に“未来をつくる”という小さな灯がともった。

【DAY 18】「家、買うって現実的に可能なの?」

休日の午後、陽翔はスマホをいじりながらぽつりと言った。


「この前の話なんだけどさ。俺、契約社員だし…よくよく考えたらローンとかムリじゃない?」


テレビからはBGMのように情報番組の音が流れていたが、ふたりの間には静かな間があった。

「ふたりでペアローン組めば、いけるかもよ」

「俺の年収だけじゃ物件選びに限界があるし、ふたりで組めばもっと現実的になると思う」

「ペアローン…って、俺たちそもそも使えるの?」


陽翔は目を伏せながら聞いた。どこか、自分の立場を引け目に感じているようだった。

悠真は真顔でうなずきながらノートパソコンを開いた。

「ちょっと調べてみよう」

 

検索してすぐにわかったのは、同性カップルの場合、ペアローンに対応している金融機関がかなり限られていること。


しかも、「パートナーシップ証明書」「同居の実績を示す書類」「任意後見契約を結び登記する」「合意契約書の公正証書を用意するケースも」…と、見慣れない文言が並ぶ。

「これ、普通に結婚してるカップルなら不要なんだよね…」
「思ったより難しそうだな…

 

ふたりの間に、初めて“制度の壁”という現実が重たくのしかかった。

 

【DAY 26】「どこの誰に聞いたら正解が分かるの…」

「“共有名義用の住民票と戸籍謄本”?…戸籍って、俺たち他人扱いじゃん」

 

とりあえず取り寄せた住宅ローンの資料は、まるで“夫婦であること”を前提としたものばかりだった。

「ポータルサイトで問い合わせた不動産会社にも、“同性カップルのケースは前例がなくて…”って言われた」

 

悠真の口調にも、ここ数日で見えはじめた疲れがにじむ。
調べても、問い合わせても、「制度の外側」にいるような感覚ばかりが募っていった。

そんなとき陽翔がSNSで見つけたのが、「LGBTsフレンドリー不動産・IRIS」の相談会告知だった。

しかも、開催場所は新宿二丁目のゲイバー。思わずふたりで顔を見合わせた。

 

「え、ゲイバーで住宅相談会やるの…?」
「いや逆に、ちょっと行ってみたくない?」

 

しばらくホームページを眺めながら、イベントの予約の方法や内容を確認する。

 「ふーん、予約制だから周りに人がいない環境で安心して相談できるんだ」

「ゲイバーでお酒を飲みながら相談できるけど、カウンターに立ってるのはIRISのスタッフなのか」

「日中にやってるんだね、ちょうど6月29日の日曜日は予定ないし、話だけでも聞きに行ってみようよ」

 

【DAY 35】「はじめて“わかってくれる”人に会えた」

その週末、少し緊張しながら足を踏み入れたバーカウンターには、カクテルと資料が並んでいた。
バーテンスタイルのスタッフがにこやかに迎えてくれ、話しやすい空気がふわっと広がる。

「いらっしゃいませ」

「あの・・・予約していた陽翔(はると)と悠真(ゆうま)と申します」

「お待ちしていました、ワンドリンクだけオーダーをお願いしておりまして、何になさいますか?」

「真面目な話する前に酔っぱらっちゃいそうですね笑」

「もちろんソフトドリンクもありますよ笑」

 

悠真は賃貸住宅の再契約時期が迫っていること、家賃や将来のことが若干心配であること、これを機に家を買おうと思ったことなど、現状をざっくばらんに伝えてから切り出した。

「正直なところ、ゲイカップルでも住宅ローンって組めるんですか?」

「はい。同性カップルでも、現在はお二人でローンを組むことは可能です。一部の金融機関ではありますが、変動金利と固定金利のいずれでも利用できますし、フラット35も使えます」

「IRISでは提携している金融機関も多数ありますので、直接担当者の方をお呼びして話すこともできますよ」

 

その声に、思わず陽翔が笑った。


「不動産の話で、初めて安心したかも」

 

ふたりはようやく、“聞いてくれる場所”に出会えたのだった。

カウンター越しに、IRISの担当者がパソコンを広げて説明してくれた。


「ペアローンをご希望でしたら、金融機関によって異なる必要書類を準備する必要があります。たとえば任意後見契約の公正証書などがそれにあたりますね」

「提携している行政書士、司法書士の先生もいますので、ご希望に応じて専門家に書類作成をお願いすることもできます」

 

「え…そんなのまで教えてもらえるんですか?」
「自分で全部やらないといけないと思ってたからかなり安心かも」

あとはお二人のライフスタイルに合ったエリアで物件を実際に見に行きながら、資金計画も一緒に立てていきましょう」

 

形式ではなく、ふたりの“関係そのもの”をちゃんと認めてくれる場所。
この日、初めてふたりは「ここでなら未来のことを安心して話せる」と思えた。
カウンターの明かりの下で、不動産の話をしながらふたりの距離は、また少し近づいていた。

 

【DAY 65】「この部屋、未来を描けそう」

「次はこちらの物件ですね、リフォームも入っているのですぐに住み始められますよ」

 

住宅相談会からおよそ1カ月後、今日はIRISの担当者と2回目の物件内見だ。


この1カ月間、二人はああでもないこうでもないと条件を出し合って希望の物件イメージを固めていっていた。

「窓からの光、気持ちいいね。ここ、好きかも」

 

陽翔がリビングの隅で、ぼんやりと射し込む日差しを眺めながら言った。


間取りは2LDK。大きすぎず、でもふたりで過ごすには十分な広さ。清潔感のある白い壁に、一帯を見渡せる眺望。家具の配置まで想像できて、自然と笑みがこぼれる。

「周りも静かだし、駅からも徒歩8分。将来を考えるなら、こういう環境がいいと思ってた」


悠真も、図面では感じられなかった“しっくり感”にうなずいた。

IRISのサポートで、物件探しは驚くほどスムーズに進んだ。


ただ立地や価格を見るだけでなく、周辺環境や将来的な資産価値、パートナーシップ制度の対応状況まで含めて丁寧に提案してくれる。


「この物件なら、ふたりで安心して暮らせる」と思えたのは、そうした配慮があったからだった。

「ここでなら、未来を描けそう」


その言葉が、ふたりにとって決め手になった。
“今だけ”ではなく、“これから”を考えて選べる場所に、ついに出会えたのだった。

【DAY 104】「ペアローン、通ったよ」

「本審査、通ったって。書類もバッチリだったよ」


仕事帰りの駅で、悠真がIRISからの電話を切ったあと陽翔に笑いかけた。
「ほんとに……?なんか、まだ信じられないね」


陽翔は息をのんで、ゆっくりと言葉を返した。

この結果が出るまでの道のりは、決して短くなかった。

ふたりで理想の物件を見つけて購入申込をしたのが、4週間前。

その直後にペアローンの事前審査を申し込み、金融機関に関係性の説明や必要書類を提出。

事前審査に通過したのを受けて、晴れて売買契約を締結した。
そして今日——ついに、本審査の承認通知が届いたのだ。

同性カップルというだけで、審査の書類は決してシンプルではなかった。

けれどIRISの担当者が、あらかじめ対応可能な金融機関を選び、必要書類もすべて揃えるフォローをしてくれた。
「これなら大丈夫ですよ」と笑ってくれたその声が、どれほど心強かったことか。

小さく握った手のぬくもりが、いつもよりあたたかく感じられた。

 

【DAY 120】「ただの“家”じゃない、“ふたりの証”」

「今日、引き渡しなんだね。ちゃんとカギ受け取れるかな」


陽翔が少し緊張した表情で言う。


「あとは残金を払って、登記が終われば、正式に“俺たちの家”だね」

悠真が静かにうなずいた。

この日、ふたりは金融機関の応接室で、住宅ローンの実行と同時に残金決済を済ませた。
司法書士が登記手続きを進める横で、売主と交わす最後の書類、振り込まれる資金、渡される鍵——
どれも、今までと違って、現実の重みを持っていた。

名義にはふたりの名前。
ここに至るまで、何度も確認し、署名し、立場を説明してきた。

それでも今日、手続きが終わった瞬間、ふたりの関係性がきちんと形になったと感じられた。

「ここまで、けっこう長かったね」


陽翔が小さくつぶやく。


「でも、ちゃんと“選んだ”結果だと思う」


悠真は鍵を手のひらにのせて、ふたりで見つめた。

これはただの不動産取引じゃない。
ふたりで積み上げた選択の結晶だ。
いつかこの家に帰るたびに、今日のことをきっと思い出す。
そう思えた日だった。

IRISにご相談ください

家を買うことは、誰かと一緒に「未来を選ぶ」ということ。
そしてそれは、同性カップルにとっても、確かに実現可能な選択肢です。

私たちIRISは、LGBTs当事者の住宅購入を専門にサポートする不動産会社として、
これまで多くのカップルの「自分らしい暮らし」の実現に伴走してきました。

住宅ローンや共有名義、将来の法的リスクへの備えまで、
不安や複雑さの多い手続きも、行政書士や弁護士と連携しながら丁寧に対応します。

「ちゃんと相談できる場所がほしい」

そんな想いを抱えるすべての人に、私たちは“安心して話せる窓口”として在りたいと思っています。

同性カップルに最も選ばれている不動産パートナー、IRIS。
あなたの未来の住まいを、一緒に考える準備はできています。

 

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