どうも、空衣です。トランス男性(FtM)でパンセクシュアルです。

トランスジェンダーとは、「生まれた時に割り当てられた性別」と「性自認(自分の性別をどう認識しているか)」が異なる人を指します。
私は女性として生まれましたが、それは不適合だと感じ、現在は男性として生活しています。

そして恋愛・性愛の方面では、惹かれる相手の性別はとくに決まっていません。
今回はそんな私が、どうやって逆の境遇であるトランス女性(MtF)と交際することになったのかお話しします。

トランス男性の私がどうやってトランス女性と出会ったのか

まず、トランスジェンダーの人と出会う機会は少ないと思います。人口が少ないうえに、わざわざトランスジェンダーだと表明しない場合は、近くにいても気づかないからです。そのため、もしお互いにトランスジェンダー同士だったとしても、認識できないかもしれません。
トランスジェンダーのカップルとして成立するには、どこかでカミングアウトや、情報認知されている状態が必須となります。

友人の紹介でトランス女性と知り合った

カミングアウトするほど親しい友人から、「トランスジェンダーの友達いるよ。その人に連絡取ってみようか?」と提案されて、出会ったこともありました。本格的に治療を始める前の話です。
私はそうして出会った相手を「女性」と認識するより先に、「トランスジェンダーの先輩」として、通う病院やアルバイト・仕事、どこまで手術をする気か、など実用的な質問をしました。今思うと失礼なことも聞いてしまったかと反省していますが、彼女は親身になって質問に答えてくれました。

バイト先でトランス女性と出会った

ほかの可能性としては、日常生活の中でたまたま出会う、というケースです。

性別移行中で「性別どっち?」と聞かれるのが面倒くさかった時期、初めて行ったバイト先で、私は自らFtMであることを告白しました。すると、従業員の一人が「ホルモン注射しているんですか?」と聞いてきました。彼女も、トランスジェンダーだったのです。女性にしか見えなかったので、彼女がまだ治療をしていない状態のトランス女性だとは、本人から聞くまで気づきませんでした。
連絡先を交換して、バイトの現場以外で会うことになりました。このとき恋愛的な交際には至りませんでしたが、セクシュアルマイノリティのコミュニティ以外でトランスジェンダーの方と出会う、貴重な体験でした。

Twitterで知り合った

Twitterのプロフィール欄に性別のことが書いてあり、あらかじめお互いがトランスジェンダーだと知った状態で親しくなった経験もあります。あるとき、相手の生活圏内に行く機会があり、DMで連絡を取って「会いますか」と提案してみました。

トランスジェンダー同士だと知っていると、そうではない場合よりも心理的壁が薄いです。日時さえ都合がつけば、「とりあえず会ってみましょうか」と話が進むことがあります。

私が初めてお付き合いすることになったトランス女性も、Twitter経由で知り合いました。実際に対面した後は、LINEを交換して週に2、3回連絡を取り合っていました。

トランスジェンダーカップルの事情

トランス男性とトランス女性だと、表向きは一般の男女カップルと変わりません。(私が治療を始める前は、女性と出かけていても“女性同士の友人”とみなされて虚しいことがありましたが、外見が男性的になってからは、異性愛者のように過ごせるので、とても楽だと驚きました。)

初めは、身長差や体格を気にすることもありました。私は元々女性として成長しており、一方で彼女は逆だからです。私自身が鍛えることで、隣で並んでいて「ちゃんと男らしく見えていないかもしれない」といった危惧はなくなりました。
また、これまで出会ってきたトランス女性たちは、私とあまり身長が変わらなかったり、私より低かったりして、身長によって何か気になるといこともなくなりました。お互いに運良く身長160センチ台だと、セクシュアリティ的にマジョリティになれるようで、とにかく楽だと実感させられます。

ただし心配事としては、仕事への不安があります。戸籍が外見とは一致していなかったり、性別を気にして職種を絞っていたりすると、「望み通りには稼げない」というのは実感するところです。

トランスジェンダーカップルの良いところ

トランスジェンダーならではの経験や価値観を共有しやすく、気を張らなくていいのは良いところかと思います。

過去の話ができる

過去の話に、作り話を持ち込まなくていいのは楽です。
たとえば、トランス男性である私が「中学生だった頃〜」といえば、スカートを履き、「女子中学生というてい」で生活していました。そういった現在の外見とは違った過去があることを、いちいち中略付きで説明しなくていいのです。

治療の話ができる

トランスジェンダーの治療にまつわることは共有しやすいです。ホルモン注射を打った日はゆっくり過ごしたい、胸オペから一年経過していないので、胸部はあまり触れないでほしいなど。治療とは直接関係ないことかもしれませんが、改名はしたか?などといった話も共有しやすいです。
トランス男性はトランス女性当事者ではありませんし、逆もまたそうなのですが、何も事前情報を共有していない非トランスジェンダーの人とよりは悩みを共有しやすく思います。

また、トランス男性の私にとって、ある程度男性としての成長期を経てきているトランス女性と会話するときは、ある意味で彼女が「男性的な身体や男性コミュニティの先輩」になる場面もあり、学ぶことが多いです。逆に、トランス女性である彼女から「生理ってどんな感じ?」など、女性の境遇について知っていることを答えることもできます。
相手が誰であれ、こういったやり取りが嫌だというトランス当事者もいるのですが、私と彼女の間では隠すことなく質問に応じています。

結婚や子作りに対する外圧がない

トランスジェンダーとして生きてきた中で、性別を適合させるのに精一杯で、それ以外の生活への展望をもったり、それを実行したりする気が薄い、という場合もあります。しかし、お互いの親もトランスジェンダーである子どもに向かって「そろそろ適齢期なのだから結婚は?」「子どもは?」と催促してくることがありません。

ホルモン投与をしていたら、どんどん生殖機能は無くなっていきますし、性別適合手術をして内外性器を摘出したら、二度と子どもは産めない身体になります。それはあらかじめ分かっていることです。(稀なケースではありますが、手術前のトランス女性とトランス男性の間で、トランス男性側が出産するという、一般に想定される男女逆の境遇での出産はあり得ます。)

そういったわけでトランスジェンダーカップルへの結婚や出産・子育てへの外圧は少なく、当事者同士がしたいように決められる、という実情はあるといえます。

知り合いにトランスジェンダーがいるかも

お互いにトランスジェンダーの友人がいて、情報網ができていると、何かあった時に心強いと感じます。例えば、トランス男性が婦人科にかかる際に受け入れてもらえない場合があり、ではどこだと受け入れ可能か、など命や生活に直結する情報もあるので、個々人の間で、ささやかでも当事者コミュニティがあるのは有利です。

関連記事トランスジェンダーの悩み解消に役立つ記事まとめ~FtM&MtF向け~

以上、トランスジェンダーカップルの出会いについてお話ししました。
お読みいただきありがとうございます。

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◎この記事を書いた人・・・空衣
1996年、神奈川県生まれ。居住地にこだわりがなく女子寮にいたこともありますが、現在は男性の境遇で生活しています。カレー好きで、世界一辛いカレーを完食したことも。

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