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空衣

FtMが男性ホルモンを打ち始めて後悔したことは?

FtMが男性ホルモンを打ち始めて後悔したことは?
どうも、空衣です。FtMでパンセクシュアルです。
私事ですが、男性ホルモン投与を開始してから一年半以上経ちました。
元々体内で主流だった女性ホルモンとは異なるホルモンを投与すると、様々な変化が起こります。治療の変化については、他の記事でも述べられているので、今回はもう少し個人的な体験談を共有していこうと思います。

関連記事【経験談】男の体に女性ホルモンを投与して起きる変化と、後悔は無かったのか?

FtMの自分が男性ホルモンを打ち始めて後悔したことは?

最初の半年は死のうかと思った

とにかく体調が悪くなりました。ホルモンバランスの影響を受けやすい体質だったんだと思います。

一説によると、お酒の弱い人は肝臓が弱いのでホルモンの影響も受けやすい、と聞いたことがあります。自分は両親共にとてもお酒が弱く、ホルモン注射を始める前から肝臓が心配でした。
お酒の話が直接的に関係あるかはわかりませんが、とにかく当時はホルモンの波に振り回されていました。

大学を退学する手続きも考えざるを得ない状態で、結局なんとか卒業はできましたが、最後の期間は勉強に全く集中できずひどい状態でした。
一ヶ月半くらいはずっと寝たきりで、布団から起きられないくらい体調は悪化していきました。
ですが食欲と性欲は一方的に増えていったので、生活することが苦痛でした。

お金がかかった

金銭的にも困りました。体調が悪くてまともに働けないのに、食料と衣服はどうしても必要だったからです。
男性ホルモンの影響で体が筋肉質になったので、今まで着ていた服がすべてパツパツになってしまいました。

そのときはまだ胸があったので、女性としてジムへ通っていたのですが、ジムへ行けば“元から男性である人たち”が何食わぬ顔で筋トレをしているのを間近にみて、自分はとても苦しい思いをして男性ホルモン注射をしているのにと悔しい思いがこみ上げてたまりませんでした。

二週間に一度、時間とお金をかけてホルモン注射に通うのも大変です。ちなみに自分の通っていたジェンダークリニックでは、一回2100円(診察代込み)かかりました。

だんだん変化が見えてきた

男性ホルモンに感謝するようになったのは、まず腕の血管が浮き出てきたときでした。
初めて男性化が目に見える形で分かったのです。開始から三ヶ月半くらい経った時期でした。

それから急激に声変わりをし、他の人たちから男性だと認識されるようになりました。
自分としてはある日突然「女性」から「男性」に変わったような急激な体の変化が起きたので戸惑いました。
20年以上女子トイレを使ってきたので、男子トイレへ入る時は緊張しました。
FtMの中には生まれてからずっと男性用スペースしか使ったことがない、というような最初から“パス度”の高い人もいます。しかし自分はそうではなく、かなり変化を伴って男性化してきたタイプです。
(パス度とは、自分が認識している性自認が、外見上認識されているかどうかを表す度数のことを言います。FtMの場合ですが、他の人から男性だと思われていればパス度が高いということに、逆に女性だと思われていればパス度は低い、ということになります。)

【結論】男性ホルモンを始めてよかった

生きやすくなった

とても生きやすくなりました。
というよりは、それまでは生きた心地がしなくて、ただ目を瞑っていただけだったのだと気付かされたというのでしょうか。
ようやく性別に関して気兼ねなく自然体に近づけた感覚です。一年が経過したあたりからは特に、ホルモンバランスも落ち着いてきました。

違いを受け容れやすくなった

さらに、他人の発言が理解できるようにもなりました。他人というと、基本的にほとんどがシスジェンダー(生まれたときに割り当てられた性別と性同一性が一致し、それに従って生きる人)であって、トランスジェンダーではありません。
自分が最初からシスジェンダー目線だけで物事を見ようとするから何かズレているような感覚があったのだ、と最近になって知りました。前提が違ったのだと分かってからの方が、その違いを受け入れた上で話が聞けて、相互理解しやすくなった気がします。

個人的な心配はありましたが

自分は自身を男性だと思って性別移行したわけではないので、完全に男性扱いされるようになったらストレスなのでは、とずっと考えていました。それでも男性として認識された上で、性別を強く意識せず生活できる今の状況が好きです。
というのも、元々男性であった人にしても、全員が全員「自分は男だ」と強く意識しているわけではないと思います。始まりが女性(Female)だった分、長い道のりでしたが、「性別を意識しない(無性に近い)、(身体や境遇は)男性」が自分の落ち着くポジションだったのだと、今のところは了解しています。

今後もずっとホルモン治療を続けるのはやはり大変です。そのためホルモン治療の保険適用や、長期間持続するホルモン剤がもっと身近になればと思っています。

読んでいただき、ありがとうございました。

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◎この記事を書いた人・・・空衣
1996年、神奈川県生まれ。性別も住処も旅してきました

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