LGBTsフレンドリーな不動産仲介などを展開する株式会社IRIS(本社:東京都新宿区、代表取締役CEO:須藤啓光、以下「IRIS」)は、株式会社ARCOBALENO(本社:東京都千代田区、代表取締役:東出忠昌、以下「ARCOBALENO」)から、資金調達を実施したことをお知らせいたします。

 

■ 資金調達の背景

日本のLGBTs当事者数は約1,000万人を超えると推定されており、そのうち約300万人が住宅探しに不安を抱えています。(※)

賃貸住宅では、同性カップルであることを理由に入居を断られたり、住宅ローンや保険の利用において不利益を被るケースも少なくありません。

こうした課題を解決し、LGBTs当事者が安心して暮らせる社会を実現するため、IRISはARCOBALENOからの戦略的投資に基づき、以下の計画を実行してまいります。

 

※電通グループ、「LGBTQ+調査2023」およびSUUMO「LGBTの住まい・暮らし実態調査2018」から推計

 

・LGBTsフレンドリーな不動産管理会社・オーナーとの連携強化

・同性カップルやトランスジェンダー当事者の住宅購入の支援強化

・情報発信、業界横断の協力体制構築

・その他、社会的マイノリティに対する居住支援の促進

 

■ LGBTs当事者の住宅課題

LGBTs当事者の住宅課題は、大きく分けて「制度面」「実務面」「心理的障壁」の3つに分類されます。

 

制度面

・賃貸における同性カップルの関係性証明の困難さ(≒パートナーシップ制度への理解不足)

・住宅購入時、同性カップルが選択可能なペアローンが限られることや、SRSを受けたり治療中のトランスジェンダー当事者は団信に加入できない可能性がある

・住宅購入後、同性パートナーは法定相続人となることが困難のため相続に大きな課題

 

実務面

・同性カップルが一人名義で賃貸物件契約する際、入居者であるパートナーの債権債務関係が不明瞭となる可能性があり、火災保険、家賃保証の適用範囲も明確でないことがある

・賃貸で法律婚夫婦・親族等を主に想定している「2人入居可」物件と、2人以上であればどのような関係でも入居を受け入れる「ルームシェア可」物件に大きな乖離があるが、同性カップルが後者の扱いとなり、選択肢が極端に少なくなることが多い

・住宅購入において、同性カップルがペアローンを組む際に必要な書類が複雑で、費用面でも大きな負担となる場合が多い

 

心理的障壁

・提供側の、マイノリティとのコミュニケーション機会不足による心理的抵抗感、忌避意識

・性自認の確認方法に関する著しい誤解、性犯罪の問題との混同

 

■ 今後の展望

IRISは、今回の資金調達を機に、事業をさらに拡大し、LGBTs当事者を取り巻く住宅課題の解決に全力で取り組んでまいります。そして、LGBTs当事者が「らしく生きる」ことを諦めない社会の実現を目指します。

 

■ 株式会社IRISについて

IRISは、「らしく生きるをあきらめない社会の創出」をビジョンに掲げ、LGBTsフレンドリーな不動産仲介や住宅ローン、保険販売などを展開しています。LGBTs当事者の住宅取得を支援することで、多様な生き方を尊重する社会の実現に貢献します。

 

会社名:株式会社IRIS

所在地:東京都新宿区西新宿6丁目12-4コイトビル501

代表者:代表取締役CEO 須藤啓光

設立:2016年4月1日

事業内容:LGBTsフレンドリーな不動産仲介、メディア事業、企業・団体向けD&I研修事業

URL:https://iris-lgbt.com/company

 

■ 株式会社ARCOBALENOについて

ARCOBALENOは、「人を繋ぎ、ビジネスを繋ぎ、想いを繋ぐ」をビジョンに掲げる、人、企業、アイデアを結びつける会社です。「ARCOBALENO」はイタリア語で「虹」を意味し、同社は人々やビジネス、想いを繋げる架け橋となることを目指しています。

 

会社名:株式会社ARCOBALENO (アルコバレーノ)

所在地:東京都千代田区外神田3-3-3 秋葉原槇町ビル5階

代表者:代表取締役 東出忠昌

設立:2019年4月1日

事業内容:新規事業創出支援・IT企画/構想策定支援を始めとするコンサルティング、人材育成支援、プロフェッショナルマッチング、福島県大熊町復興支援

URL:https://arcobaleno.inc/

 

■ 代表者挨拶

My alt text

代表取締役CEO 須藤啓光

 
「僕たちIRISにとって大きな一歩となるご報告です!
 
この度、株式会社IRISは株式会社ARCOBALENOからの資金調達を実施いたしました!
それもアップラウンドでの調達。これは私たちの歩みが評価された証であり、同時に今後の責任の重さを改めて痛感する瞬間でもあります。
 
2022年、KIBOWからの出資を受けて挑戦の幅が広がったIRIS組織体制が大きく変わり、可能性が広がる中で見えてきたのは、社会インパクトと収益拡大の両立の難しさでした。
 
「ソーシャルカンパニーだからこそ、生き残り続けることが大事。」KIBOWの松井さん、山中さんの言葉が胸に響きました。やりたいことを貫くためには、まずサバイバルに勝ち続けること。それがなければ、どんな理想も絵空事で終わってしまう。
 
IRISが目指すもの 「LGBTQ+を含むすべてのマイノリティが、安心して暮らせる社会の実現」
 
日本には約1,000万人以上のLGBTQ+当事者がいると言われ、そのうち300万人が住まい探しに不安を抱えています。この現実を少しでも変えるために、私たちはより強く、より速く前へ進む必要があります。
 
しかし、社会を変えるには私たちだけの力では不十分です。だからこそ、強い仲間が必要でした。
 
ARCOBALENOの東出さん率いるチームが、まさにその存在です。課題をより多くの人に伝え、必要とする人に確実に届ける。この難題に共に挑む、新たなアライアンスの誕生です!
 
次世代へより良い未来をつなぐため、IRISは全力で駆け抜けていきます!
これからも皆さまとともに、社会を変える挑戦を続けていきます。
今後とも、変わらぬご支援・ご協力のほど、よろしくお願いいたします!」
 
My alt text

代表取締役COO 石野大地

「我々の価値観に共感し、そしてこの社会課題に共に立ち向かっていただけるという確固たるお言葉と、覚悟と行動をもって示していただいたARCOBALENOの皆様からの支援を得て、IRISは活動を続けてまいります。
 
昨今、表面的なDEIの活動に消極的な判断を示す企業が増えてきましたが、私自身、本質的なDEIとは特定の誰かを優遇したり、誰かの権利を侵害することではないと考えています。
本来、実力によって正当に評価されるべきことや、受け取るべき権利を、本人の自己選択できない要素によって不当に制限されたり、敬遠されること、そして、それによりマジョリティサイドにいる人や組織自体も大きな損失を生んでいることが問題の本質だと思います。
 
社会の最大多数の幸福を実現するためには、少数を切り捨てるのではなく、多様性を受け入れることで、より大きな社会課題に立ち向かえる体力と国家の礎を築くことに他なりません。我々はすべての人の幸せのために、住宅業界を変革し続けていきます。」