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11月から開始した東京都パートナーシップ宣誓制度を利用したカップルにインタビュー

LGBTs

東京都は2022年11月1日より、セクシュアルマイノリティのカップルを対象とした東京都パートナーシップ宣誓制度を開始しました。これにより、病院での付き添いや面会が可能となったり、パートナーを生命保険の受取人に指定できたり、一部の公共サービスで家族同等に扱われるようになります。

とはいえ、パートナーシップ制度には法的効力がないため、あくまで「同性婚」実現に向けての通過点ともいえます。東京都パートナーシップ宣誓制度の開始は、LGBTQ+やセクシュアルマイノリティのカップルが家族として認められる社会への第一歩ではあるものの、まだまだ課題もあるようです。

今回、東京都パートナーシップ宣誓制度をいち早く利用した当事者の石橋亜美さんに、制度を利用した理由やその後の変化、課題などについて話を伺いました。

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東京都パートナーシップ宣誓制度を申請した経緯

ーパートナーとの関係性について聞かせてください。

私はノンバイナリー[1]、パートナーはシスジェンダー女性[2]を自認しています。パートナーとは付き合ってから5年半ほど一緒にいて、お互いの家族も公認の仲です。

既にプロポーズはしており、それほど近しい関係性ではあるものの、現在住んでいる自治体(都外)にはパートナーシップ制度はありませんでした。

ー東京都パートナーシップ宣誓制度が開始されたタイミングで、制度を利用したのですか?

そうですね。これまでのパートナーシップ制度はカップルの両者が同じ自治体に住んでいる、もしくは申請から3ヶ月以内に引っ越しをすることが条件となっていました。

ですが、11月から開始した東京都パートナーシップ宣誓制度では、両者が都外に在住していても、どちらかが都内に勤務していれば申請が可能なので、もしかしたら私たちも制度を利用できるかもしれないと思い申請しました。

ー東京都に在住しているカップルのみが対象となる制度だという印象をもつ人も多いと感じているのですが、都外在住のカップルでも申請が可能だという情報はどのように入手しましたか?

最初はおっしゃる通り、まさか自分たちが申請できるとは思いませんでした。ですが、私自身、ジェンダーやセクシュアリティの課題に対して活動している事業者ではあるので、情報を収集する中で知ることができました。

  1. 性自認や表現したい性が男性か女性かという枠組みに当てはめようとしないセクシュアリティ
  2. 出生時の性別と自認する性別が女性である

証明書発行までの流れ

実際に交付された証明書

実際に交付された証明書

ーどのような流れで申請しましたか?

来庁もしくはオンラインで申請が可能です。私たちは全てオンラインで手続きをおこないました。オンラインでは、まず2人ともIDの申請が必要となるので、それぞれがメールアドレスを1つもっている状態で、東京都パートナーシップ宣誓制度届出等管理システム(以下、「届出システム」とする)で手続きを行います。そこで、必要書類などを提出し、要件を満たしていれば証明書を受け取れるという流れです。

ー手続きで大変だと感じた点はありますか?

独身であることを証明しなければならないので、戸籍抄本や独身証明書を準備する必要があります。地元に本籍が残った状態だったので、申請までに少し時間がかかった点が大変でした。

ー書類の準備から発行まで、大体どのくらいかかりましたか?

私たちは受付開始期間の10月から申請し、証明書の発行は一律11月1日でした。一般的には、2週間ほどで発行されるかと思います。

制度を利用する前と後での変化

ー制度を利用する前と後でパートナーとの関係性は変わりましたか?

当人同士に大きな変化はなかったです。というのも、プロポーズなどのイベントに合わせて申請したというよりも、制度が利用できるようになったタイミングで申請したので、あまり特別に捉えてはいないのかもしれません。

ですが、赤の他人ではなく、東京都に制度として「関係性を認めてもらえている」ということが、少なからず安心感に繋がっているとは感じています。

ー周囲の反応はどうでしたか?

周囲の反応は変わった印象があります。おめでとうと祝福してくれる人もいて、恋人としてではなくパートナーとして認めてもらえたように感じることが増えました。

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制度を利用するメリット

ー制度を利用してよかったと感じた点はありますか?

もともと利用している保険会社があるのですが、担当者の方が「パートナーシップを証明してから、相続などの手続きがスムーズに進められるようになった」とおっしゃっていたので、制度を利用するのとしないのでは違うと感じました。

ー長い目で見た時のメリットは多そうですね。

特に、2人の間で何か起きた時のことを考えると、不安を感じることはありました。パートナーシップ制度を利用するまでは、やはり家族もその点を気にしていたようで、社会保障や緊急時の対応など、国が守ってくれない分、自衛する必要があると常々感じていました。

ーオンライン上で申請が完結した点について、どのように感じましたか?

私自身、顔を出してセクシュアリティを公にして活動をしていますが、中には公的機関に行くことをためらう当事者の方もいると思います。そういった人でも安心して申請できる点は、オンラインならではの良さだと感じております。

ーそういったメリットがある点も制度を利用した背景にはあるのですか?

もちろん制度自体にメリットはあると思いますが、もともと「公益社団法人Marriage For All Japan – 結婚の自由をすべての人に」さんのような婚姻の自由を目指す団体を応援したいという気持ちが強く、同性婚実現の第一歩として申請しました。

課題点

ー課題としてみている点はありますか?

使いやすさの面から課題はあると思っています。証明書はオンラインでA4サイズのPDFデータで交付されるのですが、持ち歩くのには少し大きいなと感じました。

私の場合、オンライン上での証明書を縮小して印刷し、緊急時のために財布に入れているのですが、そのくらいコンパクトなサイズで交付してもらえると助かりますね。

ーその他、懸念点などはありますか?

私は自分の会社をもっているので苦労しなかったのですが、会社に所属している人だと会社に在勤証明書を発行してもらう必要があります。

その際に、義務ではないものの理由を聞かれてしまう等カミングアウトが強いられる可能性があるため、書類を揃える段階でハードルが高いと感じてしまう当事者はいると思います。

今後の社会

ー今後、どのような社会を願っていますか?

私自身、性別という概念をなくすことをビジョンに掲げて仕事をしています。やはり、どんな性自認、性的指向であっても、機会や選択肢が平等に与えられる社会になってほしいです。そのためにも、東京都パートナーシップ宣誓制度は1つのステップとして必ず必要だと思います。

どのような人間であっても、誰かとパートナーシップを結んで家族をつくることができるということは、人間として生きていく中で、平等に与えられるものになってほしいと願っています。

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この記事を書いたのは

Honoka Yamasaki

ライター、ダンサー、purple millennium運営。 Instagram:@honoka_yamasaki

IRIS(アイリス)は主にレズビアンやゲイ、トランスジェンダー、バイなどLGBTs(LGBT)当事者を対象として、お部屋探し、物件購入などの不動産仲介を行うLGBTs(LGBT)フレンドリーな不動産会社です。
同性パートナーとの2人暮らしサポートに注力しており、LGBTs当事者のスタッフが対応しているため、安心してお問い合わせいただけます。
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