初めに
IRISでは、すべてのセクシュアリティやジェンダー、人種、国籍、民族、職業、家族構成の人々が自分らしく生きられる社会を実現したいという思いを込めて「LGBTs」と表現しています。

1人暮らしや家族で賃貸物件に暮らしている人は世の中にたくさんいます。では、男同士で賃貸物件を借りたり、男同士のゲイカップルで賃貸物件に同棲することはできるのでしょうか?

今回の記事では賃貸物件に男同士でルームシェアできるのか、ゲイカップルが同棲することができるのか解説します。

LGBTお部屋探し

男同士でも賃貸物件は借りられるの?

結論からお伝えすると、男同士でも賃貸物件をルームシェアとして借りることは可能です。しかし、入居のしやすさでは、親族同士、血縁関係、男女カップル、女性同士のルームシェアよりも審査が通りにくいと言われています。特別な理由がないかぎり、どんな不動産会社でも対応してもらえます。

なぜ男同士での賃貸物件探しは審査が通りにくいと言われているの?

なぜ一般的に男同士の賃貸物件は審査が通りにくいと言われているのでしょうか。

その主な理由は下記の3つですが、根拠のないものばかりです。

騒ぐイメージ

男同士だと騒いでご近所の住人に迷惑をかけるというイメージがあると言われています。友達を呼んで溜まり場となってしまうのを警戒されることもあるようです。

部屋を汚くするイメージ

騒音以外にも、男同士だと部屋を汚く利用されてしまい、近所の住人や管理会社に迷惑がかかるというイメージがあると言われています。

長く入居しないイメージ

男同士の場合、どちらかに恋人ができたら出ていってしまうのではないかと疑われ、長期間入居しないという印象を持たれてしまうことがあると言われています。

 

男同士で賃貸物件をルームシェアするメリット

男同士で賃貸物件をルームシェアするメリットは下記の3点になります。

同性なので気兼ねない

同性同士なので気を遣う場面がほとんどありません。お互いが許容すれば、下着1枚で部屋の中でくつろいだり、多少デリカシーがなくても問題にはならないでしょう。

家事の分担ができる

もし1人が料理が不得意で、もう一方が料理が得意だった場合、1人が料理を担当して2人分作るようにしてもう一方の人が掃除や皿洗いなど別の家事を担当するといった形で家事を分担することができるようになります。

経済的なメリットが大きい

共同生活をすることで光熱費を抑えられますし、料理をする人であれば食費をおさえることもできるようになります。また、入居費用や更新料、家賃も分担できるといったさまざまな経済的メリットがあります。

 

男同士で賃貸物件をルームシェアするデメリット

男同士でルームシェアをするデメリットは下記の3点になります。

入居可能物件が少ない

2人以上の人が賃貸物件を借りようとする場合、血縁関係・親族関係が最も優遇されます。次に結婚予定の男女カップル、一番最後に友人知人という関係があります。血縁関係・親族関係や男女カップルでは「2人入居可」という物件に申し込みができても、同性同士のルームシェアでは申し込みができない場合が多いです。同性同士が一般的に申し込めるのは、最も物件数の少ない「ルームシェア可」という物件に限られてしまいます。

 

プライベートが減る

ルームシェアをするとトイレや風呂、冷蔵庫などさまざまなものを共有するため、使いたい時に我慢しなければならないこともあります。また、静かな場所で1人になりたいと思っても、静かな環境が作れない可能性があります。

 

人を部屋に呼びにくい

ルームシェアをしていると、第三者を勝手に部屋に呼び入れることはもう一方の人に嫌がられたり、トラブルに発展してしまう可能性があります。呼んだとしても隣人に音が聞こえないか気を遣ってしまうという声もあります。

 

男同士で賃貸物件をルームシェアする場合の入居審査のポイント

男同士で賃貸物件をルームシェアする場合の入居審査のポイント
前述したとおり、男同士で賃貸物件をルームシェアする場合、審査が通りにくいといわれています。ではどういった点に注意すれば良いのでしょうか。

収入の安定性

前述した通り、男同士の入居では長く入居してもらえないのではないか、と疑われてしまう場合があります。そのため、もし1人が出ていってしまった場合でも、残された1人でも家賃を支払う能力があるのかという収入の安定性が重視されやすくなります。そのため過去に家賃の滞納歴がないかチェックされたり、在職証明書や連帯保証人を求められる場合が多くあります。

人柄の良さ

貸主や他の入居者に迷惑をかけたりトラブルを起こしたりしない人か、契約時の対応をもとにある程度チェックされる場合があります。男同士のルームシェアではこの人柄のチェックが厳しくされると言われています。

 

男同士(ゲイカップル)で賃貸物件を探したい場合はどうしたらいいの?

ルームシェアを目的とする場合と、同棲を目的とする場合では、賃貸物件に求めるものがまた違ってきますよね。たとえば寝室を1つだけにするのか、それとも別々にするのかだけでも、物件選びに大きな違いがあります。もし自分たちがゲイカップルで同棲をしたいという場合、不動産会社にカミングアウトが伴うため正直に伝えるところから大きなハードルがたちはだかると思います。

 

SUUMOなどのポータルサイトで物件を探してゲイカップルであることを前提に相談してみる

思い切って不動産会社にカミングアウトする前提でポータルサイトを活用する方法です。最寄りだったり、交通の便の良い不動産会社に素早く訪問できるのがメリットとなります。ただしLGBTsに対する理解度は未知数となるため、イヤな思いをさせられたり、お部屋探しが思うように進まないというリスクも否定できません。

知り合いに不動産関係者がいるなら相談してみる

知り合いに不動産関係者がいて、なおかつ自身が同性パートナー(彼氏)と同棲したいことを打ち明けられる方であれば、親身にお部屋探しを手伝ってくれるかもしれません。思い通りの希望条件を話しやすいと思います。

LGBTsフレンドリーな不動産会社に相談してみる

LGBTsフレンドリーな不動産会社であれば、同性同士のお部屋探しを相談するハードルが下がります。ただしLGBTsフレンドリーと言ってもなんの基準もありません。どうしてもフレンドリーさの度合いは企業とその担当者次第という不確かさがあります。

LGBT お部屋探し

街中の不動産会社とLGBTsフレンドリーな不動産会社って何が違うの?

LGBTsのお部屋探しに対する対応に差が生じる可能性が非常に高いです。そもそも同性カップルを軽蔑したり嫌がったりする人が担当されてしまうとなんの話もできなくなってしまいます。正直に2人の関係性を話せなかった場合、友人同士のルームシェアの体でお部屋探しをしなければなりません。

 

同性カップルに対する偏見の壁をクリアできたとしても、前述した通り家族や夫婦、男女カップルといった属性の人々が最も入居しやすいため、わざわざ手間がかかる同性カップルのお部屋探しをいやがる不動産会社も残念ながら存在しています。その点、LGBTsフレンドリーな不動産会社は、あらかじめLGBTsのお部屋探しの難しさを認識している可能性が高いため、親身に対応してくれることが期待されます。

 

また、同性カップルに不慣れな不動産会社では、事前に同性カップルでも大丈夫か確認をしないまま内見に行ってしまい、審査時に同性カップルであることを理由に断られるという無駄足を運ばされてしまった事例もあります。

IRISはLGBTs当事者によるLGBTsフレンドリーな不動産会社

IRISはLGBTs当事者によるLGBTsフレンドリーな不動産会社
株式会社IRISはLGBTs当事者によるLGBTsフレンドリーな不動産会社です。「LGBTsフレンドリー」と自称する会社は多々ありますが、IRISはスタッフのほぼ全てがLGBTs当事者で構成されています。来客の9割がLGBTsのお客様で、たくさんの同性カップルのお部屋探しのお手伝いをさせていただいてきました。

 

そのため、一般的な不動産会社でありがちな「お二人の関係は?」という質問で発生するカミングアウトのストレスがありません。また「ルームシェア可」よりもはるかに物件数の多い「2人入居可」の物件に同性カップルが入居できないか、不動産管理会社やオーナー様に交渉します。また、入居審査や実際の入居に際してアウティングが起きないよう細心の配慮をしております。

男同士(ゲイカップル)で賃貸物件に同棲をするメリット

男同士(ゲイカップル)で賃貸物件に同棲をするメリットをご紹介します。

ライフスタイルの選択肢を増やすことができる

賃貸物件であれば、入居や退去のハードルが低いため自由度が格段に高くなります。場所・間取り・住宅設備、通勤時間などお部屋探しのポイントは膨大にあります。さまざまなことを試行錯誤し、納得がいかなければ引越すことができます。また、お互いに資産がたまるまで賃貸物件で生活し、資産が貯まってから、もしくは年齢がある程度高くなってから住居を購入するという選択をすることもできます。

 

一緒にいる時間を最大限増やせる

同棲することで一緒にいる時間を増やすことができます。同棲することで料理や掃除、洗濯といった細かな時間まで全て共有することができます。一緒に過ごす時間を最大限増やすことができますので、別居状態よりさらに満足度の高い生活を送ることができるかもしれません。

男同士(ゲイカップル)で賃貸物件に同棲をするデメリット

物事には表裏があるように、メリットがあればデメリットもあります。男同士(ゲイカップル)で賃貸物件に同棲をするデメリットをご紹介します。

おためしで終わってしまう可能性

賃貸物件で暮らすのは自由度が高い代わりに、共同生活を終わらせるハードルも低くなります。同棲を始めたものの、思い描いていた生活と違っていた、ストレスを抱えてしまったなどといった場合、賃貸物件では退去のハードルが低いため、同棲生活を終わらせるのは容易です。

見たくない面を見てしまう可能性

一緒にいる時間が増えるということは、それまで知らなかった面まで知ることになります。同棲するまでは知らなかったけれども、掃除の仕方が雑だった、洗濯の仕方が納得できない、服のたたみ方がイヤ、などささいなことですれ違ってしまう可能性も否定できません。また、別居してたまに会える時は嬉しかったけれども、同棲したら1人の時間が持てずにストレスに感じてしまうという人もいるかもしれません。

 

まとめ

今回の記事をまとめると下記のようになります。

  • 男同士で賃貸物件を借りてルームシェアすることは可能。どの不動産業者でも問題なく物件探しができる。ただし男同士のルームシェアは偏見もあり、審査は親族・血縁関係、男女カップルより厳しくなるため収入、人柄が重視される。
  • ゲイカップルが同棲する場合、お部屋探しは注意が必要。知り合いに不動産関係者がいない場合は、LGBTsフレンドリーな不動産会社が安心。IRISなら当事者が接客するため遠慮なく話せてノウハウも豊富。

ルームシェアにしても、ゲイカップルの同棲にしても、単身用の物件に1人入居する体で契約をして2人で住んでしまう人がいますが、これは明確な契約違反となります。最悪の場合、強制退去になってしまうため虚偽の契約をしないよう注意しましょう。

衣食住の言葉通り、住まいは生活の土台となる大切なもの。お部屋探しは、不満や後悔の残らないようにしたいですね。