ポリアモリーというセクシュアリティをご存知でしょうか。関わるすべての人の合意のうえで複数の人と恋愛関係を築くセクシュアリティです。ポリアモリーのセクシュアリティの人を、ポリアモリストと呼ぶこともあります。

日本ではあまり浸透していないセクシュアリティかもしれませんが、今回はポリアモリーの人がどのような生活を送っているのか、またシェアハウスなどに住みたい場合にはどうすれば良いのかについてお伝えします。

LGBTお部屋探し

ポリアモリーとは?

ポリアモリーとは、冒頭でもお伝えしたとおり、すべての人の合意の上で、複数の人と恋愛関係を築くセクシュアリティです。

1990年代にアメリカで「ポリアモリー」という言葉が使われるようになってから、少しずつ浸透してきたセクシュアリティですので、そこまで歴史が長いわけではありません。

ここで気になるのは、複数の人と恋愛関係を築くって、浮気や不倫と一緒ではないのか? という点です。ポリアモリーとは数あるセクシュアリティのなかの1つですが、それはあくまで関わるすべての人から合意が取れて、みんなの合意のもとで進んでいる恋愛関係であれば、ということになります。

1人でも合意ない関係性であった場合には、それは浮気や不倫となってしまいます。

さらに、合意があるからといって1度きりの身体の関係性などではなく、長期的に人間関係を築いていくことが重要視されています。また、複数の人との関係を持続させていくにあたって、誰かひとりが相手のことを所有したり、所有されたりする関係性ではありません。

ポリアモリー倫理を大事に

ポリアモリーの人が複数の人と恋愛関係を築いていくうえで大切だとされている、ワシントン大学のデボラ・アナポールさんが提唱した6つの倫理があります。

まずは、意思決定は合意のうえで行うこと。さらに、正直であること、相手を思いやること、本気で関わること、誠実であること、個性を尊重すること、と続きます。

他者から見ると複数の人との恋愛関係は不誠実に感じられてしまうかもしれませんが、ポリアモリストの人たちのなかで、自分自身の恋愛のあり方について正直で、誠実であることが良い関係を続けていく重要なポイントとなります。

1対1のカップルのような恋愛関係にこだわらず、根底には愛は無限であるという考え方を持っているのがポリアモリーということです。

複数婚をあらわすポリガミーとは別で考える

ポリアモリーに似た言葉に、ポリガミーがあります。これは、複数婚を意味する言葉で、一夫多妻や一妻多夫ということであり、世界にはこのポリガミーが伝統的、あるいは普通だとされている国や地域もあります。

しかし、ポリアモリーは結婚制度については示していないので、ポリガミーとは別だと考える必要があります。
また、ポリガミーは1人の男性が複数の女性と結婚、または1人の女性が複数の男性と結婚というようにジェンダーに一方向性が見られますが、ポリアモリーはジェンダーの平等が重視されます。

あらゆるジェンダーの人が対等な立場として、合意のうえで恋愛関係を築くのがポリアモリーです。

LGBT お部屋探し

ポリアモリーのお部屋探し

では、ここからはポリアモリストがお部屋探しをする際についてお伝えしていきます。複数のパートナーと関係を築くには、それ相応の時間が必要です。その分、関係を築いている他のポリアモリストと一緒に住みたいと考える人も少なくありません。

とはいえ、複数の恋人やパートナーがいるということは、1対1の関係性が当たり前となっている日本ではなかなか理解されないことです。同性カップルとの同居をはじめ、LGBTsの人がお部屋さがしをする際にも一定以上のハードルがあるうえ、複数の恋人と一緒に住みたいとなると、スムーズに決まらない可能性も高いです。

ここで、ポリアモリーが一緒に生活するにあたって以下の選択肢をご紹介します。もちろん、複数のパートナーと話し合って他にも良い解決案が見つかるかもしれません。

資金を出し合って物件を購入する

ひとつは、資金を出し合って物件を購入するという方法です。これにはもちろんポリアモリー同士の合意が必要になります。

また、それぞれがある程度資金を持っていることも大切であり、人間関係の問題以上に、金銭面での問題が降り掛かってくる可能性があります。

また、ポリアモリーは合意のうえで成り立っているといっても、それは永久的な繋がりであるかというと、場合によります。パートナーとの関係性が変化したり、恋人の人数が変わったり、関係が解消されたりとさまざまな道が考えられます。

そうなったときに、購入した家をどうするのか、どのように対処していくのかを最初から話し合っておく必要があります。

シェアハウスを活用する

もうひとつは、シェアハウスを活用するという方法です。これはシェアハウスの形態にもよりますが、パートナーとして関係を築いているポリアモリー同士だけで住むことができるのか、ポリアモリーとしての関係はない人も含めてシェアハウスに住むのかによっても住みやすさや生活は変わってくるでしょう。

ただ、シェアハウスによっては、恋愛禁止のルールがあったり、男性女性の限定があったりする場合もありますので、どんなルールのもとで住めるのかをしっかりと調べる必要があります。

また、ポリアモリーであること、ポリアモリーとして複数の人と一緒に生活したいと考えていることを大家さんなどに伝えておく必要が出てくる可能性もあります。

自分たちのセクシュアリティについてどのように他人に伝えていくのか、みんなで話し合っておく必要がありそうです。

ポリアモリーが住めるLGBTsシェアハウス3選

ポリアモリーが住めるLGBTsシェアハウス3選
ここでは、LGBTsフレンドリーなシェアハウスをご紹介します。ポリアモリーの人が一緒に生活する場合に、LGBTsフレンドリーなシェアハウスを一つの候補に考えてみてください。

アンドシェア東立石

LGBTsフレンドリーなシェアハウス「アンドシェア東立石」は清潔で心地よい空間が自慢です。LGBTs当事者、またはアライ(LGBTsに理解のある方)であれば、どなたでも入居することができます。

京成立石駅から徒歩9分の好立地で、電車に乗れば浅草駅まで10分と、都心へのアクセスも良好です。交通利便性に優れています。

こちら紹介ページもありますので、是非ご覧ください。
アンドシェア東立石

シェアレジデンス阿佐ヶ谷

「自分のままでいられる場所」をモットーに、LGBTsが自身のセクシュアリティを伝えやすく、知ってもらったうえで自然に暮らしていける場所を実現しようとしたのがシェアレジデンス阿佐ヶ谷です。

リビングやキッチンのほかに、それぞれ個室もあり、プライベートな空間も保たれています。東京での生活を実現したい、都会で費用を抑えて生活したいといったポリアモリーにも向いているといえそうです。

大阪府堺市にもLGBTsフレンドリーなシェアハウスが

大阪府堺市に、2022年3月にオープンしたばかりの、LGBTsフレンドリーなシェアハウスです。セクシュアリティを自由に表現することができ、はじめての一人暮らしの人にもやさしい、手厚いサポートがあります。

自室はすべて個室が用意されているので、自分の生活しやすいスタイルを守りながら、他のLGBTsの人とも交流ができる住まいになっています。

まとめ

今回は、ポリアモリーの人が一緒に生活することを考えた場合、どのような選択肢があるかについてお伝えしてきました。

そもそもポリアモリーというセクシュアリティを知らなかった人にとっては、これが知る機会になっていたら嬉しいです。

また、ポリアモリーが一緒に生活をしようとすると、金銭面での問題や周囲の理解、同意がなければ実現が難しい場合もあります。ただ、LGBTsフレンドリーなシェアハウスを利用するなど工夫すれば、理想の生活も実現できるかもしれません。ぜひここで紹介したシェアハウスも参考にして、ポリアモリーの複数のパートナーそれぞれが思い描く生活ができると良いですね。