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みんなどうしてるの?トイレに困る当事者の実態と「LGBTトイレ」の導入例を紹介!

LGBTs

普段何気なく使っているトイレですが、LGBTの一部のセクシュアリティではトイレの使用に大きなハードルがある場合があります。

本記事では、LGBTのトイレ使用について考えられた、LGBTトイレについて解説していきます。
LGBTトイレとは何か、どのようなセクシュアリティがトイレ使用にハードルを感じるのか、実例を知りたいといった方、参考にしてみてください。

初めに
IRISでは、あらゆるマイノリティが暮らしやすくなることを目指すという意味から「LGBTs」と表記していますが、今回は一般的な「LGBT」について解説するため、表記が混在しております。

そもそも「LGBT」とは?(おさらい)

LGBTという言葉は誰しも一度は聞いたことがある人も多いのではないかと思います。

では、このLGBTという言葉はどのような意味があるか知っていますか?

LGBTはレズビアン(女性同性愛者)L、ゲイ(男性同性愛)G、バイセクシュアル(両性愛者)B、トランスジェンダー(性違和)Tを組み合わせた言葉です。

セクシュアルマイノリティの総称としてもしばしば用いられる言葉で、LGBTQ+(Qはクエスチョニング、+はその他のセクシュアリティ)などとも言います。

性別とは男性、女性の二種類だけではありません。それを顕著に表した言葉がLGBTとも言えますね。

トイレの使用に困るLGBT

さて、そんな男女以外の性別ともいえるLGBTの一部の方々には非常に悩ましい問題があります。

それが今回の本題、トイレです。日本のトイレは基本的には、男性用、女性用の二つの選択肢しかありません。

身体的性別と心の性別が一致している場合は困ることは特にありませんが、

トランスジェンダーやXジェンダー、インターセックスといった、身体的性別や心の性別にギャップがある場合には、

自分がどのトイレに入ったら良いのかといった不安やトイレへの行きづらさが発生する。

実際に、LGBT総合研究所が性的マイノリティーの人が公衆トイレを使うときのストレスについて行った調査では、

トランスジェンダーの回答者のうち31.3%が「入る際の周囲の視線」に23.5%が「入る際の周囲からの注意や指摘」にストレスを感じると答えたそうです。

(参考元:https://jp.toto.com/company/press/20190115005472/

では主にトランスジェンダーやXジェンダー、そしてインターセックスの方々がどのような悩みを抱えているのかを見ていきましょう。

トランスジェンダー

トランスジェンダーは身体的性別と心の性別がまったく逆の人のことを言います。

LGBTの「T」にあたる部分ですね。例えば、身体的性別は女性でも、心は男性だったり、また逆もしかり。

そういった方々は身体的性別は確かにこちらであるけれど、その身体的性別に合わせたトイレに入るのは抵抗がある、気が引けるという問題が発生する場合があるのです。

確かにトランスジェンダーの方々からすると身体的性別は同じとはいえ同じトイレを使用する人々は異性です。異性に交じって用を足すというシチュエーションを考えてみればシスジェンダー(性一致)の方々からしても抵抗がある人がほとんどなのではないでしょうか。

Xジェンダー

Xジェンダーとは身体的性別にかかわらず、心の性別が男性、女性のどちらともいえない人のことを言います。一般的にXジェンダーには、中性(男女の中間)、両性(男女どちらでもある)、無性(男女どちらでもない)、不定性(男女の割合に流動性がある)の四つがあるとされています。

つまり、Xジェンダーの方々からすれば男性も女性も、異性であり、同性です。特に四つ目の不定性は、男女の割合に流動性があるため、その日によって異性、同性の区切りが変わってしまうのです。

なので例えば、その日の割合が女性多めだった場合、男子トイレは基本的に、他の人から見える状態で用を足す必要があるので、異性に囲まれている状態になるのです。そんな中でトイレするのは凄く気持ちが悪いというか、恥ずかしいというか何とも複雑な気持ちになるのだそう。

その為、トイレを使用する場合には絶対に個室しか利用でないという人も少なくありません。

インターセックス

インターセックスとは身体的性別が男女の中間だったり、どちらにも当てはまらない人のことを言います。

トランスジェンダーやXジェンダーと混同されがちですが、インターセックスは心の性別は関係なく、体の性別のことを指します。

ですので厳密にはLGBTのひとつと考えるべきではないのかもしれません。

自分の体が男性でも女性でもない。

つまり、身体的性別に判断をゆだねられないので、そんな状況だとやはりトイレもは使いにくくなってしまいます。

LGBTトイレとは?

このようにトイレの問題は非常に深刻な問題があります。ですが、そんな中でLGBTの方々が案して気軽に使えるようなトイレを設置する施設も増えてきました。ALL GENDERやピクトグラムなどが表記されたトイレを見たことがある人もいるのではないでしょうか。

設置という動きは称賛されるべき素晴らしいものです。その一方で問題点を抱えているという声もあります。

そのひとつが、設置が報道されたことによる弊害です。ALL GENDER、つまりどんな性別でも関係なく使えるという意味だったのが、LGBT“トイレとして偏向報道されてしまったことにより逆に使いづらくなってしまったという声が上がりました。

そのためそういったトイレを利用するということは自分がセクシュアリティマイノリティであることを周囲にカミングアウトすることに繋がってしまいかねない、そして使用する人々に周囲が偏見を持ちかねないという点が問題視されたのです。

日本におけるLGBTトイレの導入例

では、日本のどのような施設が問題に取り組んで、またトイレが設置してあるのでしょうか。

その一部をご紹介していきます。(みなさんが知っているような身近な施設もあるかもしれません)

早稲田大学

日本有数の有名大学でもある早稲田大学。

そんな早稲田大学は、2017年に多様な人々が安心してキャンパス生活を送れるようにと、元あった障がい者用トイレを多目的トイレである「だれでもトイレ」へと統一しました。

従来の障がい者の方の利用はもちろん、「All Genders」の表記を用いて性別も問わずだれでも利用することができるようになったのです。

また、早稲田大学にはトイレだけではなく、同じように性別問わず利用できる「だれでも更衣室」も設置してあります。

性別、人種に関わらず多様な人々の出入りのある大きな大学がこういった取り組みを行っていることは、入学する学生たちには非常に心強いことですね。

参考:

https://www.waseda.jp/inst/diversity/news/2017/03/31/2402/

https://www.waseda.jp/inst/diversity/news/2021/05/14/11338/

IBM

IBMはアメリカ合衆国に本社を置く大手ITテクノロジー企業です。

最先端のITテクノロジーで世界を支えるIBMですが、LGBTトイレへの取り組みもいち早く、注目を集めました。

箱崎にある日本IBMの本社オフィスには実に25か所のLGBTトイレを設置し、社員が働きやすい環境に力を入れています。

また日本IBMは社員を対象とした同性パートナー制度や同性カップルへの結婚祝い金など、LGBTの方々に対する手厚い待遇もあります。

しかし日本IBM最高顧問である下野さん曰く、アメリカ本社の施策に比べればまだまだやり残していることがあるとのことです。

セクシュアリティマイノリティが働きやすい環境の職場の第一線にいる企業に、今後も期待が高まるばかりですね。

参考:https://diamond.jp/articles/-/84683

京都精華大学

京都精華大学ではSDGsの目標の一つである、ジェンダー平等実現に向けて学内の環境や体制を改善する取り組みをしています。

その一環として身体障がいや性別に関わらず誰でも利用ができる「みんなのトイレ」を設置しました。

みんなのトイレに使用されているピクトグラムは、スカートやパンツなど、性を象徴とするものが一切排除されており、このデザインは本学デザイン学部の学生が製作したそうです。

京都精華大学はこの他にも性違和などの事情を抱える人を対象とした時間別の身体検査や、学籍簿の氏名、性別の変更許可、教員の弔慰金などの配偶者の対象を同性パートナーまで広げるなどの取り組みを行っています。

2017年からは、学内で発行されるすべての証明書から性別の記載を削除するなど、まさにLGBT問題の最前線にいる大学ではないでしょうか。

参考:https://henews.consortium.or.jp/news/news-8660/

ドン・キホーテ

大手ディスカウント店であるドン・キホーテ。

そのドン・キホーテの中でも渋谷にあるMEGAドン・キホーテ渋谷本店には「ALL GENDER」を掲げた性別にかかわらず利用できるトイレが併設されています。

渋谷区は結婚相当とみなした同性カップル、パートナーシップ証明書を交付する制度が2015年から始まりましたが、それに伴いドン・キホーテにも性別にこだわらないトイレを併設したのでした。

いい取り組みだと称賛される一方で、「ALL GENDER」と書かれているにもかかわらずLGBT“トイレとして報道されてしまったことにより、一時波紋を呼ぶことになってしまいました。

MEGAドン・キホーテ渋谷本店にはジェンダーフリーのトイレとは別に障がい者用の多目的トイレも設置されており、利用者からすれば、非常にありがたいものとなっていることもまた事実です。

LGBTトイレと多目的トイレの違いとは

公共施設のトイレには男性用、女性用のほかに多目的トイレが併設されている場合もあります。

そういったトイレとLGBTでも気軽に使えるLGBTトイレでは何が違うのでしょうか?

多目的トイレ

男性用トイレ、女性用トイレとは別に広々とした空間のある、いわゆる多目的トイレが併設してある施設は非常に多いと思います。

もちろんそういったトイレは性別に関係なく、誰が使っても問題のないトイレです。

だったら、男女用トイレに入りづらい人はそこに入れば万事解決なのでは?

そう考える人も多いでしょう。

しかしながら、現実ではそう簡単にいく話でもないのです。

多くの人の認識として多目的トイレは電車の優先席に近いのではないでしょうか。つまり、多目的トイレというのは、優先的に車椅子の方や障がい者の方が使うものとして認識されているということです。

そのため性別に違和感があったとしても、身体的に健常者である自分が入るのは違うのではないかと考えてしまい、遠慮してしまう可能性があるのです。

LGBTトイレ

それに対して、LGBTトイレとされるトイレは身体的な事情に制限を設けません。

ですので、周りの目を気にしてトイレを選ぶ必要もなく、誰もが安心して使用することができるのです。

しかし、先述した通り、「LGBTトイレ」という名称では入ったときに自分がLGBTであるとカミングアウトしているのも同然ではないかという声もあります。

そのため、近年では早稲田大学のような「だれでもトイレ」、京都精華大学のような「みんなのトイレ」という名称がよく用いられるようになりました。

そういった名称は非常にフレンドリーですし、誰でも利用できるトイレとしてどんな人でもためらうことなく非常に使いやすいですよね。

トイレに使われるピクトグラム

ピクトグラムとは絵文字や絵単語のことで、表したいものを簡単な図形で表現できる視覚記号です。

トイレの記号といえば思いつくのはどんな記号でしょうか。

男性用のズボンを履いた青い男性のマーク、女性用のスカートを履いた赤い女性のマーク、それから多目的トイレに表記してある車椅子のマークが一般的かと思います。

しかし、それらのピクトグラムこそ男性用、女性用、また障がい者といったの固定観念を持ってしまう要因の一つとも言えます。

男性用、女性用だけが並んだトイレでは、「どちらかわからない」「どれにも当てはまらない」といった性自認の方々が疎外感を抱いてしまう恐れがあるのです。

ですので、LGBTトイレ、ないしは誰でもトイレを設置する場合はそういったピクトグラムへの配慮も欠かせません。スカートやズボンといった描写をなくしたり、そもそもピクトグラムを設けなかったりと、そういった小さな配慮だけでも性別といった表現から切り離すことが可能なのです。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。

日常的に利用する、生活には必要不可欠なトイレ。

商業施設などでは当たり前に見ている男性用、女性用、多目的といった三つの選択肢ですが、その選択肢から漏れ出てしまう人は少なからず存在していて、当たり前の日常に大きな悩みを抱えている人たちがいます。

性別は男性、女性の二つだけではありません。性別というのはもっとたくさん、もっと複雑なものなのです。

その認識がもっと広がって、誰しもがそういったことで悩むことのない世界が訪れればと願うばかりです。

まずはこの記事をきっかけとして、当たり前が当たり前ではない状況を考えてくれる人が増えれば、幸いです。

この記事を書いたのは

irori

iroriです。駆け出しライターとしてお仕事に携わらせていただきました。LGBTsの方々に寄り添った文章を綴れるよう精進して参りますので、どうぞよろしくお願いします。

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