どうもこんにちは。元店子で現在LGBTsフレンドリーな不動産会社IRISのライターをやっている、しょうへいです。

ゲイデビューを初めて、二丁目に遊びに行ったりするようになると、店子という仕事に興味を持たれる方も多いのではないでしょうか。実際、僕自身も店子になりたいと強く思った時期があって、今まで3回ほど店子をやったことがあります。

2つは新宿二丁目のゲイバーで、そのうちの1つは二丁目の中にあるクラブになります。

本記事では店子って仕事の楽しいところと辛いところ、そしてどうやって店子になるのか解説していきます。店子に興味がある方、参考にしてみてください。

ゲイバーの店子の楽しいと思える部分

店子をしていて楽しいと思えた部分から紹介していきます。

色々なお客さんのお話を聞いて自分の中の世界を大きく広げることができる

ゲイバーにはとても様々なお客さんが来ます。会社員の方、有名な芸能人の方、海外でモデル活動をしている方、所謂お金持ちの方、会社の社長さんなど本当に様々なお客さんが来ます。皆さんそれぞれ独特の世界観を持ってお話をしてくれるので、自分の知らない世界を覗き見ることができて、自分の中の世界を大きく広げていくことができます。

こんなに様々な方のお話を聞くことができる仕事は他にそうそう無いでしょう。自分という人間を育てるという意味でも店子をしてお客さんの話を聞くことはプラスになると思います。

友達が増える

僕の経験上では、友好関係とても広がります。特に…お客さんとではなくて店子同士で…戦友みたいな感じで仲良くなれます。よく仕事が終わってから一緒にご飯食べに行ったりしました。皆さん基本的にとても優しいです。

勿論、お客さんとも仲良くなれます。基本的にお互いお酒が入るので、気が合いやすい人とはとことん気が合いますし、飲み友みたいな関係が増えていきます。

わざわざ会いに来てくれる人がいる(ファンができる)

僕はあんまり会話が得意な方ではないのですが、会話のタイプがぶっ飛んでいたみたいで、話すことを楽しみにしてくれる人が結構いました。なので仕事終わりに僕と話す為に遊びに来てくれる人がいました。

毎週お店に入っていたわけではないので、お店に入ることを告知するとわざわざ予定作って遊びにきてくれるような人もいました。本当に嬉しかったです。

思わぬ話をもらえることがある

2回ほどですが店子の仕事をしているときに凄い話をされたことがあります。1回目はショットバーでフロアを回っているときにどこかの社長さんに「給料いくらもらってるの?もっと良い給料で雇ってあげるよ!」と言われました。怖かったのでお気持ちだけ頂きますと言って終わらせてしまいましたが。

2回目は、お客さんをお見送りするときにお店の外で「やりたいことがあれば出資してあげるから!」と言われました。これも怖かったし、そういうことは自分で挑戦するのが面白いと思うのでお断りしましたが…。

僕の知り合いにもパトロンがついているゲイの人がいますし、運が良ければそういう話もいただけるかもしれないです。

ゲイバーの店子の辛い部分

次に店子をしていて辛いと思った部分を紹介していきます。僕は辛いと思う部分がとても強かったです。だから今はもう店子のお誘いいただいても基本的にはやりません。

お酒で頭痛がしんどい

実は僕はそれほどお酒が強くありません。カシオレ1杯くらい飲んだらもうベロベロで気持ち悪くなってしまうくらいには弱いです。

お客さんも僕がお酒飲めないことを理解してくれるのであれば良いのですが「もう飲めないーーーー!」と言ってるのに飲ませてくるお客さんが多いこと多いこと…。シャルドネという白ワインを大量に飲まされたことがあるのですが、その時は、飲む度にトイレに行って吐いてを繰り返して、なんとか朝まで頑張りました。

「こんなに何度も吐いて・・・僕、いったい何をやってるんだろう・・・」と思ったのは今でも鮮明に覚えています。お酒が好きでお酒で楽しく過ごすことができるのであれば、楽しいのかもしれないです。

正直面倒臭いお客さんも勿論いる

みんながみんな良い飲み方をするわけではありません。暴君のようなお客さんもいますし、中にはお金も払わずに突然お店から出て行こうとするようなお客さんもいます。潰れて動けなくなる人もたくさんいますし、突然吐いてしまうようなお客さんもいます。

適応力と対応力が無いと務まりません。衛生上絶対に良くないと思いますが、僕は素手でお客さんが嘔吐したものを掃除したことがあります…。

中々帰れない

店子をするとき朝の5時までという契約(?)だったはずなのですが・・・なんだかんだで午前10時くらいまでお店をやっていたこともあったような気がします。正直な話ですが、しんどいです。マジで。

僕はお酒が弱いというのもあるからかもしれないですが、頭痛はするし気持ち悪いし、夜8時くらいから朝の10時までご飯も食べずに座ることもできず、ずっと接客し続けるしかないのです。本当に地獄でした。お客さんには申し訳ないですが…。僕は以前、ガテン系の肉体労働もやっていたことがあるのですが、その5倍くらい店子は心身共にキツかったです。

お店閉める時間なんだからお客さんも淡い期待持って入ってこないでー!
帰ってー!(個人的な心の叫びです(笑))

ゲイバーの店子になるにはどうしたら良いの?

次に僕がどのようにして店子になったのか紹介していきます。

新しくオープンする店子のママに店子したいアピールしてみた

当時はmixiというソーシャルネットワークが流行っていて、そこで知り合った方が新しくゲイバーを始めるということで繋がって、遊びにいきました。店子募集中という日記を書いていたのも見たので、上手くいけば誘ってもらえるかなと思ったのです。

狙いは的中して店子に誘ってもらうことができました。直接、店子がしたいと言ったわけではなくて「二丁目が凄く好きなんだよね」と話をして、向こうから声をかけやすい雰囲気を作りました。

友達にお店を紹介してもらった

二丁目が大好きな友達に「店子やりたいんだけど・・・どこか募集してるお店ないかな?」と相談したら、紹介してもらえました。でもこの方法はあまりおすすめはしません。

友達からの紹介で入ると、友達の顔に泥を塗ることになってしまうので、直ぐに辞めるというのが難しくなってしまいます。さらにそのお店の店子とも自分は関わりが無いですし、お客さんとも基本的には初対面になるので居場所の確保から始めるしかありません。

逆に知っているお店で店子をするのであれば、そのお店の店子とは顔見知りの状態から始めることができますし、お客さんともある程度顔見知りの状態から始めることができます。居心地の良い状態から始めやすく難易度を落としてスタートすることができるのです。

友達に紹介してもらうという方法は、自分の腕に自信があるプロ中のプロの店子だけができる方法だと僕は思います。

よく行くバーのママに誘ってもらう

この方法が一番ベターだと思います。先ほども書いた通り知らないお店で店子をする場合、そのお店の店子ともお客さんとも面識のない状態からスタートするしかありません。でもよく行くお店の店子になれたとしたら、他の店子さんとも面識がある可能性が高くなりますし、サポートを受けられる可能性も高くなります。

仲良い店子さんと一緒に仕事ができるようになれば、自分が体調悪いときなど代わりにお酒を飲んでくれたり、薄めにお酒を作ってくれたりして助けてくれることもあるかもしれません。また仲の良いママに誘われたら、シフトの交渉がしやすいのもメリットと言えるでしょう。

まずは顔を覚えてもらう必要があるので、週1回くらいのペースで遊びに行って、お客さんが少ないときに店子したい感じを匂わせると良いかと思います。僕はお店の中ではなくてTwitterの方で後日誘われたような気がします。正直あんまり仕事のできない店子なのに何度も誘ってもらえて嬉しかったです。

【まとめ】ゲイバーの店子はとても良い経験になる

店子はかなり人を選ぶ仕事だと思います。肉体的にもかなりキツいし、精神的にもかなりキツいですし、お酒への適正やコミュニケーション能力の高さなども満遍なく要求されます。個人的には生半可な気持ちでできるような仕事ではないというのが実体験からの感想です。

かなり辛い仕事ではある反面、楽しいこともあり、特に様々なお客さんのお話を聞いて自分の世界を広げることができるという点ではかなり良い経験になるでしょう。店子の仕事が上手くできるようになれば、人間関係を築く上でかなり上手く立ち回れるようになると思います。

店子になるには運的な要素も大きく影響しますが、店子に興味があってやりたいと思っているのであれば、声をかけられたら是非挑戦してみてください。中には人生が大きく変わる出会いがあるかもしれません。

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◎この記事を書いた人・・・しょうへい
1990年8月生まれのXジェンダーのノンセクゲイ。ハンバーグとオムライスが好き。元Webデザイナー兼ライターを経てパーソナルトレーナー兼ブロガーになり現在はIRISのメディアを担当しています。

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