「LGBTsがお部屋探しをするときに気をつけることってなんだろう?」「不動産屋さんにはカミングアウトしないといけないの?したとして不快な思いをさせられないか心配。」
LGBTsがお部屋探しをしようとすると様々な疑問や不安が頭をよぎるかと思います。
この記事では、2016年から数100組にもなるLGBTsのお客様のお部屋探しをお手伝いしてきたIRISが、LGBTsのお部屋探しのポイントをお伝えします。
【結論】セクシュアリティを含めて何でも相談できる不動産会社を選ぶこと
結論から先にお伝えすると、LGBTsがお部屋探しをするときのポイントは「セクシャリティを含めて、なんでも相談できる不動産屋さんを選ぶ」ことです。
お部屋を探すときにはまず最初に訪問する不動産業者。最初の窓口である不動産業者選びを間違えてしまうと、快適なお部屋探しができる可能性が低くなってしまいます。
ですが初めて相談しに行く不動産屋さんが、LGBTsに関する知識を持っているか不安になりますよね。日常生活の中でLGBTsであることをカミングアウトしていない方も多いと思います。
初めて行く不動産業者の担当者にLGBTsをカミングアウトするのはとてもハードルが高いです。
担当者が正しい知識を持っていなかったり、偏見を持っていたら…と考えると、精神的な負担は大きくなってカミングアウトの壁は高くなってしまいます。
不適切な対応をされて、不快な気持ちにさせられたりしたら、楽しいお部屋探しどころではなくなってしまいます。しかし衣食住という言葉がある通り、住まいは生活の基盤となるとても大切なもの。
LGBTsを隠したままお部屋探しをすることは、理想の生活とかけ離れた結果につながってしまいかねません。
LGBTsのお部屋探しに関する基礎知識
ほぼ全ての物件は、下記のような流れで情報が流れていきます。
不動産業者(仲介業務) → 管理会社 → 大家
右にいくほど、入居認可に関して大きな力を持っています。不動産業者は物件選定から内見、入居審査、そして入居へとあらゆるフェーズで関わります。
管理会社は、お部屋を探す方と大家との橋渡し役にもなるため、非常に重要です。管理会社や大家がLGBTsに偏見があると、入居許可が得られない場合もあります。
例えば、大家に確認してもらえず、管理会社の段階で同性カップルの入居審査を否決してしまう、といったこともあります。また管理会社が認めても、大家が許可しなければ入居することはできません。
LGBTsのお部屋探しが難しいのはどんな場合?
そもそもLGBTsがお部屋探しをするときに困るのはどんなときでしょうか。
ゲイ、レズビアン、バイセクシャルの方は一人暮らしのお部屋探しでは困ることは少ないと思われますが、問題になるのは同棲できるお部屋を探すことです。
カミングアウトをする必要がでてきます。
一方トランスジェンダーの方は一人暮らし・同棲、どちらの場合でも困ってしまうことが考えられます。
見た目と戸籍上の性別が一致しないため、一人暮らし・同棲どちらの場合でも書類記入や身分証などの性別確認でストレスがかかってしまいます。
LGBTsを隠したお部屋探し
LGBTsであることを隠してお部屋探しをしようとすると、どのような方法をとることになるのでしょうか。
主に下記の3つのパターンになるかと思います。
- 単身契約した物件で同棲する
- 親族である体にして同棲する
- 友人同士のルームシェアの体で同棲する
リクルート住まいカンパニーの調査によると、単身契約したお部屋に二人で入居したことがあると回答した人は41.9%にものぼりました。
また兄弟姉妹だとごまかして入居した人は37.9%です。※1
こういった調査結果からも、やはり同性カップルであることを明かせずに同棲をする方が多くいることがわかります。
しかし、こういった選択にはデメリットが存在します。
LGBTsを隠したお部屋探しの問題点
まず、単身契約する方法を選べばハードルが低いと思われるかもしれませんが、決してオススメできません。なぜなら、2人で暮らせるような広めの物件は家賃が高いことが多く、入居審査に通らない可能性があります。
もし審査に通り入居したとしても、単身契約した物件に複数の人が住むのは立派な契約違反です。発覚した場合には違約金を支払わされたり、最悪の場合では退去命令を出されてしまったという方もいます。
管理会社や大家さんに同棲がバレてしまわないか、いつもハラハラしながら隠れるように暮らすのは落ち着かないですよね。
次に友人や親族であると、関係性を偽って入居する場合です。年齢差があったり、ご高齢者の同性カップルではそもそもこの嘘をつくこと自体がむずかしいと思われます。
もしカップルという関係性を隠せたとしても、自由に物件を選ぶことができなくなってしまいます。お部屋探しは本来、年収・間取り・立地条件など様々な条件から自由に行われるべきものです。
例えばカップルであれば、ベッドは一つにして小さな間取りにし、家賃を抑えるといったこともできます。
しかしルームシェアと偽った場合には、2人の寝室を分ける必要があるため、2DK以上の間取りを選択せざるを得なくなることが考えられます。その分家賃は上がりますし、本当は希望していない物件で生活することは、ストレスがたまり満足できるものではないと思います。
また、そもそも「ルームシェア可」の物件は非常に少ないという問題もあります。ルームシェアの体をとろうとしても、ルームシェアの目的を聞かれたり、2人の関係性を尋ねられたりといった不快な気持ちにさせられてしまうこともあります。
いずれかの方法で入居できたとしても、管理会社や大家、ご近所にずっと嘘をつき続けなければならなくなってしまいます。
LGBTsであることを明かしてお部屋探しをする注意点
これまでにLGBTsを隠してお部屋探しをすることの問題点を多くお伝えしてきました。やはり不動産業者にLGBTsであることを明らかにした上でお部屋探しをできるのが理想だと思います。
ただし、LGBTsに関する知識がない不動産業者に対して、カミングアウトをしてお部屋探しをしようとしても、下記のような問題が発生してしまうことがあります。
- LGBTsだとわかるとお部屋探しを断わられてしまう、もしくは腫れ物を扱うような態度になる
- 管理会社や大家に対して望まない形でアウティング(LGBTsであることを告知)してしまう
- 友達同士のルームシェアの体でお部屋探しをされ、物件数が大幅に狭まる
せっかく思い切ってカミングアウトしても、こんな対応をされてしまうのは悲しいし、ものすごいストレスを受けてしまいますよね。
例えば、仲介手数料をいかに効率よく稼げるかを最優先にしている不動産業者にとってみれば、LGBTsは効率の悪い客ということになってしまいます。そこでオススメなのがLGBTsフレンドリーを明らかにしている不動産業者に相談しにいくことです。
事前にLGBTsフレンドリーだとわかっていたら、カミングアウトすることに対する精神的な負担は大幅に軽減されて、本来のライフスタイルに沿った最適な物件探しがしやすくなります。そしてカミングアウト後には、相談者が望まない形での管理会社や大家へのアウティングが起こらないよう気遣ってもらえます。
また、先ほどルームシェアのできる物件数は非常に少ないことをお伝えしました。LGBTsフレンドリーな業者であれば、同性カップルであっても、一般的なカップル・夫婦用の物件に入居できないか、管理会社や大家に対し交渉してもらうことが期待されます。
そのため、入居可能な物件の間口が大幅に広がります。
LGBTsフレンドリーな不動産業者探し
最近ではLGBTフレンドリーを表明する不動産業者がいくつもでてきています。
そういった企業すべてが、本当にLGBTsのお部屋探しに関する知識やノウハウを持っているのか、不安だという人もいるかもいれません。事前にLGBTs当事者がスタッフにいると分かっている不動産屋さんだと、セクシュアリティの話までしやすいです。
IRISはスタッフ全員がLGBTs当事者もしくはアライ(LGBTsを理解、応援する人)によって構成された不動産会社です。
まとめ
これまで不動産屋が果たす役割の重要性、LGBTsであることを隠してお部屋探しをすることのデメリット、LGBTsに無理解な不動産業者にカミングアウトをして起こりうる問題点などをお伝えしてきました。
令和になった現在でも、LGBTsのお部屋探しは特有のむずかしさがあります。
ぜひとも、セクシャリティを含めなんでも相談できる不動産屋さんを見つけ、快適に納得のいくお部屋探しができることを願っています。
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◎この記事を書いた人・・・ヨシヒロ
本職では営業として働きながらライティングを学び、2021年よりライターデビュー。
IRISはLGBTs当事者によるLGBTsフレンドリーな不動産会社です。1人暮らしや同棲でのお部屋探しにお困りの際はぜひIRISにご相談ください。お部屋探しのお手伝いをさせて頂きます。