どうもこんにちは!LGBTs当事者によるLGBTsフレンドリーな不動産会社IRISのしょうへいです。
『パートナーシップ制度も広がりを見せ、2021年10月時点では130もの自治体で実施』されるようになりました。またそれに伴い利用範囲も徐々に広がりを見せつつあります。
中でも多くの自治体で実施されているのが、ファミリー向けの市営住宅や区営住宅の入居申請にパートナーシップ制度が使用できるというものです。
一見すると『パートナーシップ制度が、パートナーとの同棲に有効に利用できるよう見えますが、実は大変大きなジレンマ』が存在しています。
本記事ではパートナーシップ制度と、同棲のジレンマについて深く解説していこうと思います。
パートナーシップ制度は思っている以上に制度を受けるのが難しい
パートナーシップ制度を受けるための条件というものを見たことがあるでしょうか。一見するとそれほど難しいようには見えません。
- 成年に達していること
- 双方が市内に住所有していること、もしくは転入を予定していること
- 配偶者がいないこと
- 宣誓相手以外の者とパートナーシップ関係にないこと
- 宣誓者同士の関係が近親者同士でないこと
難しいのが『双方が市内に住所を有していること、もしくは転入を予定していること』という項目です。
転入を予定していること=既に物件が決まった状態であるということ
パートナーシップ制度に対応している自治体では、自治体毎に必要書類が公開されています。詳しくみていくと…
- 宣誓を行う自治体に住んでいることが分かる書類(住民票の写し)
- 引っ越しの場合には、引っ越しを予定していることが分かる書類
のいずれかの書類が必要になることが分かります。
宣誓を行う自治体に住んでいることが分かる書類(住民票の写し)
A区とB区にそれぞれ住んでいる2人がC区で同棲生活をスタートしたいとなった場合、引っ越しを検討中の段階では2人共C区には住所が無いので、宣言誓を行う自治体に住んでいることが分かる書類の用意はクリアできません。
引っ越しの場合には、引っ越しを予定していることが分かる書類
引っ越しを予定していることが分かる書類というのも基本的には物件が決まってからでないと入手できないので、引っ越し検討中の段階でパートナーシップ制度を利用することはできません。
パートナーシップ制度を利用して引っ越しができるパターンはかなり限られている
パートナーシップ制度を利用すれば同棲向けの物件の幅が広がることは間違いありません。しかし、パートナーシップ制度を引っ越しに活用できる状態というのが、
- 既にしっかりとした手続きを経て、パートナーシップ制度を利用できる自治体内に2人で同棲している
- パートナーシップ制度を利用できる自治体内に2人とも住所を持っている
ということなのです。その為、初めての同棲のお部屋探しにパートナーシップ制度を利用できる可能性はかなり低いです。運良くお互いが同じ自治体に住んでいればパートナーシップ制度を活用してお部屋探しができますね。
最近は自治体管理意外の物件でもパートナーシップを証明できるものを求められることが増えつつある
IRISはLGBTs当事者によるLGBTsフレンドリーな不動産会社なので、日々多くの同棲向けのお部屋探しのお手伝いをさせて頂いております。
その中で最近は管理会社から「お2人の関係性を証明できるものはお持ちですか?」と言われることが増えてきました。
この時、2人の関係性を証明できるものとしてパートナーシップの書類を提出できれば審査はスムーズに進むことも多いかと思います。
しかし『2人がパートナーシップ関係にあることを証明できるものがなければ審査に入る前にお断りされてしまうこともあるのが現状』です。
既にパートナーシップ制度を受けている状態でお部屋探しをする場合には、パートナーシップ制度は強力な武器となり得ますが、条件を満たせない方々にとっては厳しい面も少なからずありそうです。
パートナーシップ制度を受けられない状態で同棲を実現する場合は諦めないことが何よりも大切
パートナーシップ制度の条件をクリアできない場合は、同棲を諦めなければいけないのかというと、そんなことはありません。安心してください。でもメンタルを強く持つことは必要です。
稀に「同性同士でのお部屋探しは難しい」という話を聞きますが、これは紛れもない事実です。実際、同性同士と言うだけで異性同士であれば審査が通る物件も通らないということは実際にあります。
しかしパートナーシップ制度を受けているか受けていないかに関わらず、『オーナーや管理会社側がLGBTsに理解があり、快く審査を通してくれることがあるのもまた事実』です。
1つの物件に絞ってしまうと、断られてしまったときの絶望感は大きいと思いますので、物件を探すときには『複数の物件を候補に挙げ、決して諦めずにお部屋探しを続けていく必要』があるかと思います。
【まとめ】パートナーシップ制度を使っても同棲するのは簡単ではない!
本記事ではパートナーシップ制度とお部屋探しのちょっとしたジレンマについて紹介させていただきました。
『LGBTsのお部屋探しが難しい…といった問題の緩和が期待されるパートナーシップ制度ですが、前提条件に既に同棲状態である必要があったり、大変歯がゆい現状』があります。
ですが『制度を受けるためのハードルを下げてしまうと、信用性の低下や犯罪に利用されてしまう可能性』など問題も増えてしまうので、とても難しい状態にあるのが実情なのではないでしょうか。
IRISではパートナーシップ制度の有無に関わらず、LGBTsのお部屋探しや同棲実現に向けて協力させて頂いています。お部屋探しでお困りの際にはぜひお気軽にIRISにご相談ください。