どうも、空衣です。FtMパンセクシュアルです。
昨今LGBTsに関連するニュースが増えてきたと感じる機会が多くなりました。2019年の紅白歌合戦ではMISIAさんがLGBTのシンボルとされるレインボーフラッグを振ったことが記憶に新しいです。
一方で、その中でも日常生活においては「T(トランスジェンダー)」の存在はとりわけ認知度が低いように感じます。周囲の人も、外見や手続き上の移行期間でなければすぐにはトランスジェンダーだとわからないため、積極的にカミングアウトをする人でない限り、なかなか理解が進まないという側面もあるかと思います。
リアルに生きているトランスジェンダーの物語は、まだまだきちんと認知が広がっておらず、個人的にはフィクションであっても十分に社会的な価値があると考えています。
そこで今回は、最近話題となったトランスジェンダー男性(FtM)の漫画や、注目したい海外の作品をご紹介していきます。結構な分量になりそうですが、寒い休日は一気見するものアリですね。
最新記事【FtM作品】トランスジェンダー男性を描いた漫画・小説・映画をご紹介します
トランスジェンダー男性が主人公の漫画をご紹介
にくをはぐ
遠田おと作。「ジャンプ+」上で2019年暮れに読み切り掲載されて話題になりました。主人公の千秋、父親、友人、といった3人の男性が登場します。
主人公のキャラクターには、トランスジェンダー男性の「あるあるエピソード」を詰め込んだ印象を受けます。いつか下半身に生えてくるんだと信じているところや、「傷は男の勲章」と言い放つ姿、生理への認識などが特に顕著です。しかし比較的中性的な名前のためか、改名にまつわるエピソードはありませんでした。
ボーイズ・ラン・ザ・ライオット
学慶人作。「ヤングマガジン」で連載中です。女子高生の制服を着て生活する男子高校生・凌(りょう)は、自分の好きな服を着ているときだけが癒しを感じる時間でした。留年してクラスメートとなった迅(じん)と同じ系統のファッションが好きだとわかり、二人でアパレルブランドを立ち上げようとする青春漫画です。
放浪息子
志村貴子作。アニメ化もされた作品です。女の子になりたい男の子・二鳥修一と男の子になりたい女の子・高槻よしのを中心とした群像劇となっています。トランスジェンダーや異性装という軽くはないテーマが、やわらかいタッチの絵で淡々と描かれていて印象的です。
海外のトランスジェンダー男性の作品
ボーイズ・ドント・クライ
キンバリー・ピアース監督によるアメリカ映画。トランスジェンダー男性のブランドン役を演じたヒラリー・スワンクがアカデミー主演女優賞を受賞した作品です。本作はセクシュアリティーが原因で殺害された実在の人物を描いた映画なのですが、母親や恋人は事実と異なるとしてのちに訴訟を起こしています。
あくまでフィクションなので、実態と異なる部分もあると思いますが、この映画自体は「トランスジェンダー男性であり、そうであるがゆえに殺害された人物」を描いたものとして評価されているようです。
私自身は鑑賞前に結末を知ってしまったこともあり、気になってはいたけれどなかなか観る気になれませんでした。(結果観たのですが)
それなりに重い話なので、気持ちに余裕があるときに鑑賞することをおすすめします。
A BOY LIKE ME
Jenny Wood作の小説です。Kindle版で英語原作を読めますが、日本語訳は出ていないようです。冒頭「この夏休み中で一番嫌だったことは下半身から出血が始まったことだ!」と主人公のトランスボーイが打ちひしがれる印象的なシーンから物語は始まります。気になる女の子から「だってあなたはボーイじゃないのだから」と言われそうになると、「それこそマヌケな女子みたいに泣きたくなる、けれどそんなことできないし」といった絶妙な心境の機微が描かれています。リアルタイムで二次性徴に悩む中高生には共感するところが多いのではないでしょうか。
以上、トランスジェンダー男性(FtM)をテーマにした5作品を紹介しました。
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◎この記事を書いた人・・・空衣
1996年、神奈川県生まれ。オペ代をかき集めています。偏見の代わりに保険適用が欲しいですね。