Twitter LINE

スペインのLGBTs事情は?現在までの経緯や恒例イベントもまとめて紹介

LGBTs

スペインといえば、サッカーやフラメンコ、アヒージョやパエリアといったスペイン料理などを思い浮かべる人も多いでしょう。首都のマドリードをはじめ、バルセロナ、アンダルシアなど各都市それぞれに文化や歴史があります。では、スペインのLGBTsの歴史や、価値観については何か思い浮かぶことがありますか。

日本と、対諸外国と考えたときに、LGBTsについて制度や法律、また理解が進んでいる国が多い印象もありますが、スペイン1国に絞って考えたとき、どうでしょうか。

今回は、スペインという国に絞ってLGBTsの歴史や現在の事情や価値観、イベントについてお伝えします。

LGBTお部屋探し

スペインにおけるLGBTsの歴史

スペインのLGBTsに関する歴史をたどってみます。まず、1970年に行われた「同性愛者開放運動(後述:MELH)」はスペインにおけるLGBTs運動のひとつの始まりであったといえます。

当時のスペインでは男性同性愛者を中心として、同性愛者に対しての弾圧や迫害がありました。それに対して立ち上がったのが「MELH」です。しかし、こうした状況下で、1974年には政府によってMELHも存在を消されてしまうことになります。転機となったのは、翌年、当時のフランコ政権が崩壊したことでした。

そこで、1975年、同性愛者向けの文化センターとサービス施設を設立しました。その2年後となる1977年にはバルセロナでスペイン国内初のゲイパレードが行われました。

1980年代になると、セクシュアルマイノリティの人々が声を上げて権利を求め始めるようになった一方で、保険機関が同性愛者を「危険グループ」に加えるなど、LGBTsをいわゆる一般的でない存在だとする動きが目立つこともありました。

さらに1990年代に入ると、HIV(エイズ)の問題が深刻化、より表面化したことで、同性愛者を含めてセクシュアルマイノリティ全体を支援する組織が増えてきました。とくに、社会労働者党(PSOE)がこの問題に着手するようになったことも大きな一歩でした。

2000年代に入って大きなニュースといえば、2005年に同性婚を法的に認めたことです。世界でもオランダ、ベルギーについで3番目の早さで、カトリック教国では最初です。さらに2007年には性別、名前の変更についても許可されるようになっています。

スペインのLGBTsに関するイベント

スペインのLGBTsに関するイベント

スペインの歴史について学んだところで、今回は、スペイン国内で行われてるLGBTs関連のイベントについてお伝えしたいと思います。

マドリード・プライド(MADO)

スペイン国内で実施されるLGBTs関連のイベントで、欠かすことができないのが、首都マドリードで開催されているマドリード・プライドです。スペイン最大のプライドイベントであり、ヨーロッパ全体を見ても屈指の規模であるといえます。

毎年6月末に開催されるもので、象徴的なペドロ・セロロ広場での開会宣言からスタートし、1週間にわたって様々なイベントやプログラムが展開されます。そして7月の第一土曜日に、国で認定されているデモ行進を実施して、クライマックスを迎えるというのが一通りの流れです。

世界的なコロナウイルスの大流行によってイベントの開催には多少影響も出ていますが、2022年にはレジャーやスポーツ、イベントが実施されました。毎年、企画や内容を変えながら文化的なワークショップやコンサート、ショーなども行われます。

その中でも名物となっているのがハイヒールレースです。スニーカーは家に置いて、ハイヒールで走るというレースです。さらにビューティーコンテストなども開かれ、国際大会に出場するためのスペイン代表の人もここで選出されることになっています。

この時期には、プエルタ・デル・ソルなどマドリードの中でも名所と言われる観光スポットもプライドを祝う雰囲気に包まれ、カラフルな装飾などが施されます。

夏開催の「Wonder Gay Festival」も

アンダルシア地方のコスタ・デル・ソル、 トレモリーノスという町で毎年夏に行われるのは、「Wonder Gay Festival」です。ゲイのプライドフェスティバルで、国際的にも有名なDJが招かれ、音楽とともに楽しめる1週間になっています。

情熱的なスペインの、夏の海岸ならではの雰囲気が相まって、ここでしか味わえない雰囲気のプライドイベントになっています。ゲイだけに限らず、ともに楽しみたい若者たちで賑わいます。

スペインのLGBTsに関するニュース

スペインでは、毎年恒例で開催されるイベントも複数あることがわかりました。ここでは、その他に期間限定で行われたイベントや出来事などのLGBTsに関するニュースをお伝えします。

LGBTsに関する展示会がプラド美術館で開催

2017年には、マドリードでスペイン屈指の美術館であるプラド美術館にて展覧会「The Other’s Gaze. Spaces of difference」が開催されました。

これは、古代ギリシャやルネサンス期、18世紀の日本や先住民の時代など、どの時代を切り取ってもLGBTsは芸術の一部であり、芸術に取り込まれていたことを示すための展覧会です。

同性の恋人とともに暴君の専制政治を終了させた古代アテネのアリストゲイトンの胸像や、同性同士の性行為で罪に問われたことのあるボッティチェリの絵画、同性である女性との生活を隠さず活動していたローザ・ボヌールなどの作品が展示されました。

モラルや宗教を通してさまざまな解釈がなされてきた同性愛について、どの時代やどの文化においても人々の実体としてあったということが示されました。

参考:芸術におけるLGBT、スペインの美術館で展示会 写真3枚 国際ニュース:AFPBB News

LGBT お部屋探し

スペインのLGBTsに関する取り組み

イベントや展覧会の開催を通して、文化的な側面からLGBTsに密接に関係している国であることがわかりました。しかし、スペインにおいては他にもさまざまな取組が実施されています。

トランスジェンダーの権利保護

スペインでは、トランスジェンダーの権利保護にも取り組んでいます。先述したとおり、2007年には政府で民事登録での性別や名前の変更を可能とする法律を可決しているなど、トランスジェンダーにとっても様々な選択肢が提示されています。

この法律は、性別適合手術の要件なしで戸籍の記載内容を変更することができ、当時他の国の同様の法律を定める道標となるような可決でした。

ちなみに日本において戸籍上の性別を変更しようとすると、様々な手続きだけでなく、性別適合手術が必要であったり、年齢制限があったり、他にも婚姻していない、子どもがいないなど、スペインでの法律と比べるとハードルが高いのが現実です。

スペインでは、より本人の意思や意向に沿って変更できるような法律として存在しています。

参考:
トランスジェンダーの権利保護の取り組み | プライドハウス東京

旅行業界にも影響が

2020年1月にマドリードで開かれていた国際観光展覧会「FITUR(フィトゥール)」では、LGBTsツーリズムのセクションが設けられ、旅行業界においても注目されていることがわかります。

このフィトゥールは、世界165の国と地域がブースを構えて、それぞれの観光アピールを実施するというもので、このときのフィトゥールには25万3000人もの人が来場しました。

この年、すでに12年目の出展というLGBTsブースでは、スペイン国内の市や州が、LGBTsの人たちが楽しめるゲイエリアやバー、レストラン、ホテルなどを紹介しました。こうしたブースの設置でそれぞれの町がLGBTsに対してフレンドリーであることのアピールにもつながっています。
スペインでは、観光収入のおよそ1割をLGBTs観光客が占めていると言われており、LGBTsインバウンドが成功している一例として世界各国からも注目されています。

参考:旅行業界が注目する新セグメント「LGBTsインバウンド」とは:日経クロストレンド

スペインのLGBTsに関する問題

スペインのLGBTsに関する問題

ここまで、さまざまなイベントを通して、スペインが国全体をあげてLGBTsに対して取り組んでおり、LGBTsフレンドリーな国のひとつであることをお伝えしてきました。

しかし一方で、理解が進んでいない面がまったくないというわけではありません。ここでは、LGBTsに関連した問題も含めてお伝えします。

理解が進まないことが表面化した事件も

2021年に起きた、ある男性の殺害事件では、同性愛者への嫌悪に基づく襲撃であった疑いが出ました。この男性は、スペイン北西部のア・コルーニャにあるナイトクラブ付近で暴行を受けています。

このとき、同性愛者に対するヘイトクライム(憎悪犯罪)だった可能性が出たことで、スペイン国内各地では抗議デモが多発しました。

この事件は昨年のことで、決して昔の話ではありません。今現在も、同性愛に限らずLGBTsに対しての理解が進んでいない一部の人がいるという現状があります。

参考:男性殺害に関与した疑いの3人逮捕、同性愛嫌悪か スペイン(1/2) – CNN.co.jp

まとめ

スペインのLGBTs事情について、少しでも知っていただくことができたでしょうか。スペインというと、遠い国のようでもあり、サッカーや多数の世界遺産など日本でも馴染み深いイメージもあります。いつか行ってみたい、海外旅行に行くならスペイン! という方も少なくないでしょう。

とはいえ、LGBTsの事情において、スペインだけを取り上げて紹介することはあまりありませんでした。この記事を通してスペインが法改正、法制定など国としてどのような取り組みを行ってきたのか、毎年恒例となっているマドリードのプライド・パレードなどを知っていただけたら幸いです。

LGBTsの賃貸・購入は課題がたくさん
同性パートナーの賃貸のお部屋探しや住宅購入、トランスジェンダーの方のお部屋探しには様々な課題が存在します。
・2人入居可能と書いていても法律上の夫婦や男女カップルしか入居できない
・ポータルサイトで「LGBTフレンドリー」と書かれている物件でも審査に通らない
・フレンドリーをうたっているのに、いざ行くと居心地の悪い思いをさせられる不動産会社
・自分のジェンダーを説明するのが億劫でお部屋探しをあきらめてしまう
・同性パートナーで住宅ローンを組もうとしても書類が複雑でたくさん費用もかかる

IRISはLGBTs当事者かつ不動産のプロフェッショナルのスタッフが皆さまの住宅探しを最後までサポート!
スムーズな住まい探しができるようサポートします!
LGBT お部屋探し
この記事を書いたのは

藤枝あおい

ほそぼそとライターとして活動中です。休日は1日中家で寝ていたい派。引っ越しの予定はないものの、ぐっすり眠れそうな物件情報と間取りは頻繁にチェックしています!

IRIS(アイリス)は主にレズビアンやゲイ、トランスジェンダー、バイなどLGBTs(LGBT)当事者を対象として、お部屋探し、物件購入などの不動産仲介を行うLGBTs(LGBT)フレンドリーな不動産会社です。
同性パートナーとの2人暮らしサポートに注力しており、LGBTs当事者のスタッフが対応しているため、安心してお問い合わせいただけます。
その他、資金計画、保険、終活などのライフプラン支援も行っています。