どうもこんにちは!LGBTs当事者によるLGBTsフレンドリーな不動産会社IRISのしょうへいです。

同性カップルは賃貸物件を借りづらいという話を聞いたことはないでしょうか。この話は、嘘や噂ではなく、実際に異性カップルに比べて同性カップルが賃貸物件を借りづらいケースは存在しています。

本記事では、LGBTs当事者によるLGBTsフレンドリーな不動産会社の実際の現場から、なぜ同性カップルが賃貸物件を借りづらいのか解説していきます。

初めに
IRISでは、あらゆるマイノリティが暮らしやすくなることを目指すという意味から「LGBTs」と表記していますが、今回は一般的な「LGBT」について解説するため、表記が混在しております。

LGBTお部屋探し

同性カップルが賃貸物件を借りにくいのはなぜ?

同性カップルが賃貸物件を借りにくいと言われる理由を解説します。

1.カミングアウトのハードルが高い

同性カップルが賃貸物件を借りにくい理由としてまずは、カミングアウトのハードルが高いというのが挙げられます。自分達が同性カップルであることを話して受け入れてもらえるかは、話してみるまで分からないですし、最悪の場合、拒否反応を起こされる場合もあります。実際、筆者も、パートナーと引っ越しを考えて、地方の不動産会社に問い合わせをした時に、同性カップルであることを伝えてから、反応がなくなるということが起きました。

明確に拒否されたわけではないですが、この様なこともあるので見ず知らずの人に関係性をオープンにするのは怖いなと思います。かといって、関係性をオープンにせずに2人で家を借りたいと思っても、それはそれで、ルームシェアの扱いになってしまい物件が少なくなってしまうなどの問題が生じる為、難しいところです。

2.不動産会社が同性カップルに理解のない場合がある

カミングアウトの話に似ているのですが、一見受け入れてくれたように思えても、実は偏見や差別があったりする場合もあります。以前、他社で同棲向けの賃貸物件を探していたレズビアンカップルが、担当者にセクハラ紛いな質問を受けて嫌な思いをしたという話を聞きました。

やはりこの様なことがあると、賃貸物件探しが難しくなりますよね。

3.不動産会社が同性カップルに理解があっても、賃貸物件の管理会社やオーナーが理解があるとは限らない

不動産会社が同性カップルに理解があり、同性カップルで同棲するということでお部屋探しを手伝ってくれても、物件の管理会社やオーナーが理解がないと、断られてしまうということもあります。当社IRISでも、以前「ゲイカップルは気持ち悪い」と管理会社から言われたことがありました。

このように、心無い言い方をされて断られるということは、一度きりではありません。とても悲しいことですが、そのような考え方の方がいることもまた事実ではあります。

4.LGBTsフレンドリーと書いてあるのにLGBTsフレンドリーじゃない!?

賃貸物件のポータルサイトにはLGBTフレンドリーの項目があったりします。そこでは、LGBTフレンドリーを謳った賃貸物件や不動産会社が紹介されているのですが、実際に問い合わせをしたら、全然LGBTsフレンドリーではなかったなんてことも珍しくありません。

カミングアウトのハードルが高いの項目で筆者も、同性カップルであることを伝えてから反応が無くなったと書きましたが、その不動産会社は、ポータルサイトの中でLGBTsフレンドリーな不動産会社として紹介されている不動産会社でした。

また、LGBTsフレンドリーな不動産会社として紹介されていても、多くの場合は非当事者による不動産会社であり、蓋を開けてみればLGBTsフレンドリーを謳っているだけで、全くLGBTsに理解がないなんてことも珍しくはありません。

5.LGBTsお断り物件がごく稀に存在する

2020年、instagramで投稿をしているタスクさんという方のお話です。(参考:「LGBTの方は入居お断り」同意書にあった一文。その部屋の契約をやめた当事者が動画で伝えたこと

半年ほど物件探しをしていたタスクさんは、内覧の時に「ここだ」と決めてもらった契約書を読みました。しかし、その物件の契約書には「LGBTの方は原則お断り。」と書かれていたのだと言います。更には、喫煙者、タトゥーの入った方、外国人や精神疾患のある方の入居もお断りだと書かれていたのだそうです。タスクさんが見つけたこの物件のある地域は、外国人の方も多くお住まいの地域。そんな地域でまさか「外国人の方は入居お断り」だなんて、驚きです。

不動産会社の担当者の方に理由を聞くと「このアパートに住む方々のことを考え、そうしています。男同士で手を繋いでアパートの周りを歩いていたりすると、住人の方が怖がってしまうかもしれません。」と返ってきたそうです。この同意書の内容はinstagramに投稿され、多くの反響を呼びました。

中には同じ経験をしたという方からのコメントもあったそうです。そしてタスクさんは、「宗教や肌の色、国籍、性自認、性的指向で他者を判断するのではなく、1人の人として見てほしい」とコメント。自分たちの世代から、偏見や差別をなくしていきたいとのコメントを残しました。

この様にLGBTsを理由にお断りされてしまうことは珍しくなく、当社でも「ゲイカップルは気持ち悪い」と言われて管理会社に電話を切られてしまうことが起きています。ゲイカップルが内覧中に管理会社にゲイカップルであることが伝わると、その場で内覧を打ち切られるということも起きています。少しずつ不動産の現場も変わりつつありますが、未だに差別偏見があるのは事実でしょう。

LGBTお部屋探し

難しい同性カップルの賃貸物件探し、上手くいくコツは

不安になることばかり話してしまいましたが、ここからはどうしたら賃貸物件探しが上手くいくのか、その方法をLGBTsフレンドリーな不動産会社のIRIS視点からお話ししていきます。

LGBTsフレンドリーな不動産会社に問い合わせをする

同性カップルであることを不動産会社に伝えずに賃貸物件探しをすると、友達同士のルームシェアの扱いになってしまう為、紹介できる物件の数が大きく減ってしまいます。二人入居可能物件は、ルームシェア物件よりも母数が大きいので、関係性をオープンにして、二人入居可能物件も紹介してもらった方が、圧倒的にスムーズに物件探しができるようになります。

しかし、関係性をオープンにすることそのものがハードルが高い場合があるので、そういった場合には、LGBTsフレンドリーな不動産会社に最初から頼ってしまった方がストレスなく、物件探しできるかと思います。当社IRISの場合、LGBTs当事者によるLGBTsフレンドリーな不動産会社であり、スタッフもLGBTs当事者で構成されているので、同じLGBTs当事者の視点からお部屋探しができます。

同性カップルのお部屋探しから、トランスジェンダーのお部屋探しなど、お困りの際には『お問い合わせ』ください。

2Kや2DKなどで探す

カミングアウトをどうしても避けたい場合、お友達同士のルームシェアという形になり、1人当たりの家賃も上がってしまう可能性はありますが、2Kや2DKなどの寝室が2つあるお部屋で探すのも1つの手でしょう。

お部屋探しの際に2Kや2DKのお部屋にしてベッドも2つ買い、お友達とのシェアであるということにして借りることにしたという話を聞いたことがあります。もし、2人の関係を知らない友人が遊びにきても、寝室が2つあることで怪しまれずに済みますし、不要なカミングアウトも避けられます。

余裕がある方は、2Kや2DKでのお部屋探しも視野に入れてみてもいいかもしれません。お部屋が広いとレイアウトも楽しめますし、2つの寝室のレイアウトをそれぞれの好みでつくって、「今日はどこで寝る?」と話すような日々の楽しみにもなるかもしれないですね。

パートナーシップ制度の利用条件を満たしているのであれば、利用した方が幅は広がる

賃貸物件探しにおいて、最近は2人の関係性を証明するものとしてパートナーシップ制度の利用が求められることが出てきました。また、パートナーシップ制度を利用することで、都営住宅などのマンションにも入居申請できる場合があります。

取得が難しい場合がありますが、可能であれば、パートナーシップ制度は利用した方が賃貸物件探しでは有利です。逆に取得していないと、関係性が証明できないとして、断られてしまうこともあります。

収入の余裕も証明できるように

収入面に余裕があることを証明するのも、大事なことです。ギリギリの収入でお部屋を借りようとすると保証会社などの審査で落ちてしまうこともあり得ます。

家賃は収入の3分の1がいいとされておりますが、これよりも更に余裕があると断られる確率も下がるでしょう。不動産会社へ行く時は、収入を証明する以下の書類も持参すると良いです。

  • 源泉徴収
  • 給与支払い証明書
  • 確定申告書(自営業などの場合)

全て必要というわけではありませんが、収入に余裕があること、安定していることを証明できる書類は多く用意できると良いでしょう。

諦めない

最後に諦めないことが大切です。中々上手く賃貸物件探しが決まらないと、パートナーと喧嘩になったり、モチベーションが落ちてしまうといったことも起きてしまうでしょう。筆者も同棲するにあたって、物件探しをしていた時は、中々決まらずに幾度となくパートナーと喧嘩になりました。当時は、LGBTsフレンドリーな不動産会社なんてありませんでしたし、LGBTsへの理解も今ほど進んでなかったので、怖くてオープンにできない状態でした。

それでも、ある日突然、2人で住める良いお部屋が決まったのです。お部屋探しは、タイミングと運命的なものが絡むことがあるので、諦めずに探し続けることで、ある日突然理想的な物件に巡り会えたりします。なるべく諦めずに、賃貸物件探しを続けてみてください。

まとめ

LGBTsフレンドリーな不動産会社なども増え、少しずつ不動産の現場も変わってきていますが、未だに同性カップルの賃貸物件探しは難しい状態に陥りやすい状況です。賃貸物件探しは、タイミングなどもあるので、諦めずに探し続けることで、ある日、ふと突然理想的な部屋に巡りあえて決まったりもします。

心折られることも稀にあるかもしれませんが、諦めずにお部屋を探し続けてみてください。以上、本記事を最後まで読んでくださりありがとうございます。