セクシュアリティは数え切れないほど多様な形を持ち、生まれたときから同じセクシュアリティを持ち続ける人もいれば、途中で自分の気持ちに気づいたり、気持ちに変化が訪れることもあります。

それも一人ひとりのセクシュアリティであり、アイデンティティなのですが、知っておきたいのは、セクシュアリティは変化するものであり、流動的でもあるということです。もちろん、必ずしも全員に当てはまるわけではありません。

そのため男女で法律婚をして、結婚生活を送っていたり子どもがいたりする既婚女性のなかにも、レズビアンの人はいます。

今回は既婚でレズビアンの人について、どのタイミングで自認するのか、また結婚生活をどのように送っていくのかを調べてみました。

既婚ビアンてどんな人のこと?

ビアンとはレズビアンのことで、女性が、女性を恋愛対象にする場合のセクシュアリティを言います。これは、多くの人が知っていることでしょう。

しかしこの記事を読んでいる人のなかには、「結婚しているんだからやっぱり男性が好きなんじゃないか」、「途中で恋愛や性愛の対象が変わることなんてありえないのではないか」と考える人もいるのではないでしょうか。

既婚ビアンといわれる女性のなかにも、いくつかのタイプがあります。まず1つは、もともと女性が好きだという自覚があったけれども、「子どもがほしい」「家庭がほしい」といった願望や、周囲の影響などがあって男性と結婚するに至ったというパターンです。もう1つは、現在の夫と恋愛をして結婚に至ったけれども、途中で気持ちに変化が起きて女性を好きだという自覚が生まれてきたという場合です。

いずれも、男性と婚姻関係にあり女性を好きであるということですので、既婚ビアンといった呼び方をすることが多いです。

既婚ビアンのさまざまな生活

では、実際に自分自身がビアンだと気づいた女性は、どのような決断をして、どのように生活しているのでしょうか。

婚姻生活を続けながら、女性とお付き合い

一方では結婚生活を営みながら、他方で女性とお付き合いしている人もいるようです。これは不倫に当てはまるのではないかといった声も聞こえてくる気がしますが、夫婦間で合意が取れていれば良いのでしょう。

自分自身のセクシュアリティを明かし、夫とは別の女性とお付き合いして生活しているという人も一定数いるようです。

子どもがいる場合、子どもと一緒に寝ることはあっても夫と一緒に寝ることはない、といったある程度距離をおいている場合も多いです。完全に部屋は別、生活スタイルも全く違っていても、金銭面や子どもがまだ小さいなどの理由で、離婚には至っていない夫婦がいることも事実です。

夫に正直に話して、離婚を選ぶ

もちろん自分のセクシュアリティに嘘をつけないからと、離婚を切り出す女性もいます。自分に素直になることは大切なことですが、一度婚姻関係を結んでいる以上、夫との離婚は簡単ではない場合も多いようです。

夫が女性のセクシュアリティやその変化に理解が及ばなかったり、すでに恋人がいる場合には不倫とみなされるなどの問題があったりと、離婚に至るまでの経緯はさまざまですが、いずれにしてもお互いの労力が必要であることは間違いないでしょう。

また、同性愛者の女性のなかにも、たとえその人がレズビアンであっても、既婚者とはお付き合いしたくないと考える人もいます。関係がこじれたり、複雑になるといった可能性が高いからでしょう。そんな考えを持つ女性を好きになった既婚ビアンの場合は、とくに離婚したいと考えるようになるのではないでしょうか。

夫婦での生活を続ける

なかには自分自身がレズビアンだと気づいていながら、夫婦生活を続ける決断をする人もいます。結婚してからセクシュアリティが変化した人なら特に、今後またセクシュアリティが変化するかもしれないと考えるからです。

夫に話すか、話さないかはもちろん人それぞれですが、自分自身の気持ちを明かさないまま何も変わらない夫婦生活を送ることもあれば、夫に自分のセクシュアリティを素直に伝えて、話し合ったうえでお互いの夫婦生活を続けると決断する人もいます。

ビアンだけでなく、さまざまなセクシュアリティを持つ人も

既婚ビアンが、結果的にどのような決断をするかは人それぞれです。夫婦生活を続けてお互いが納得するような人間関係を維持していく場合もあれば、離婚にいたる場合もあります。

もちろん、妻である女性からカミングアウトされた旦那さんも驚かないはずはないでしょう。話を聞いてすぐに、ふたりの関係について判断できることではありません。お互いに探りながらより良い関係性を見つけていくしかありません。

また、男性と婚姻関係にある女性のなかには、レズビアン意外にも様々なセクシュアリティを持つ人もいます。男性にも女性にも恋愛感情を持つバイセクシュアルの人もいるようですし、結婚後、セクシュアリティが変化するということもあります。お互いのことをよく知って、尊重しながら決断していく必要がありそうです。