「ポリアモリー」というセクシュアリティをご存知でしょうか。LGBTsに関することや、そのセクシュアリティの多様性は少しずつ知られるようになってきていますが、「ポリアモリー」というセクシュアリティについては、初めて聞いたという人も少なからずいらっしゃるでしょう。

今回は、「ポリアモリー」について、詳しく学んでみましょう。

「ポリアモリー」というセクシュアリティについて知ろう

セクシュアル・マイノリティを表すLGBTsという言葉は多くの人が耳にしたことがあるかもしれません。ただ、「ポリアモリー」というセクシュアリティについては、まだまだ聞いたことがない人も多いはずです。まずは、この「ポリアモリー」について知ってみましょう。

「ポリアモリー」って?

「ポリアモリー」とは、同時に複数の人と交際したり、恋愛関係を築いたりする人、またそうしたライフスタイルのことを言います。「ポリアモリー」として生活する人を「ポリアモリスト」と呼ぶこともあります。1人ひとりの性的指向によって、同性と複数交際したり、異性と複数交際したり、あるいはその両方であったりと、「ポリアモリー」の形は少しずつ違います。

ギリシャ語で、複数を意味する”Poly”と、ラテン語で愛を意味する”Amor”をあわせた造語として、1990年代にアメリカで使われ始めた言葉です。

これだけ聞くと、なかなかイメージしづらい恋愛スタイルかもしれません。複数の人と恋愛をするというと、自由な恋愛とも言えそうな一方で、道徳的な問題も絡んできそうと思う方もいるかもしれません。

しかし、「ポリアモリー」については、その恋愛関係やライフスタイルに関係する全員が合意していることで、初めて成り立つ関係です。関わる全員と合意が取れていることがとても重要で、もし1人でも合意を得られていない状況になると、それは「ポリアモリー」というセクシュアリティではなく、浮気になってしまいます。

セクシュアリティを紐解く4つの要素

LGBTsに関する情報に触れたことのある人なら知っているかもしれませんが、セクシュアリティを知り、語る上で重要4つの要素があります。

ひとつは、その人自身のからだが持つ性を表し、生物学的性ともいわれる「身体的性」。さらに自分自身が、自分の性をどのように認識しているかを表す「性自認」、どのような性の相手に恋愛や性愛の感情を抱くかを表す「性的指向」、自分の身体的性に関わらず、言動や行動、服装などでどのような性を表現したいかを表す「性表現」の4つがあります。

これらの4つの要素を知っておくことが大切な理由は、多数あるセクシュアリティの、その1つひとつが4つの要素すべてを包括しているわけではないからです。
たとえば、「LGBTs」のTにあたるトランスジェンダーは、「身体的性」と「性自認」についてのセクシュアリティであり、LGBにあたるレズビアン、ゲイ、バイセクシュアルなどは「性的指向」についてのセクシュアリティです。

1つひとつのセクシュアリティがどのような要素を含んでいるのかは、それぞれで違ってきます。

「ポリアモリー」は、同性や異性に限らず、複数の人と関係を築き、結ぶ人や、そうしたライフスタイルのことを表すセクシュアリティですので、4つの要素を踏まえると主に「性的指向」に関わっています。

自分は「ポリアモリー」かも? と気になった人は

「ポリアモリー」という言葉を知ってはじめて、自分は「ポリアモリー」に当てはまるのではないか、と感じることもあるのではないでしょうか。1対1の恋愛を不自然に、窮屈に感じていたり、今現在、複数の人と恋愛関係を築いていなかったとしても、自分自身の感情として、そうした希望を持っている人もいるかもしれません。

「ポリアモリー」の第一人者と言われる、デボラ・アナポールさんという人がいます。デボラさん自身が結婚や離婚を重ね、「ポリアモリー」としての生き方を探求してきたそうです。全米ネットのテレビやラジオにも多数出演されており、アメリカでは広く認知されています。

そんなデボラさんが提唱する7つの視点がありますので紹介します。もちろんこれは1つの指標に過ぎませんが、より自分に合った生活を送るきっかけになるかもしれません。

相手を愛情や思いやる気持ちを持って関係を築ける

恋愛関係において、相手に愛情と思いやる気持ちを持って接することは非常に重要です。それは、「ポリアモリー」に限ったことではありませんが、複数の人に同時に、同様のことができる人もいます。

特別な存在としてひとりだけと親密な関係を築くのではなく、複数の人と打ち解けられるでしょうか。

自分に自信がある

「ポリアモリー」には、自分の行動や、自分の信じるものを信じきれる人が多いようです。性的指向や恋愛に決まった形はないのですが、時として向けられる周囲からの視線を気にしすぎるのではなく、「ポリアモリー」として自分らしく、堂々と生きている人が多いということでしょう。

緊張感や緊迫感も楽しめる

恋愛以外の場面においても、多くの人と対人関係を結ぶと、それだけ多くのトラブルや衝突に遭遇することもあるでしょう、それは「ポリアモリー」においても同じことのようです。他人との考え方の違いや、トラブルにも1つひとつ向き合えるでしょうか。

違いを尊重する

これはどんな場面においても重要なことですが、相手と自分との違いを認め、尊重しあうことは大切です。「ポリアモリー」のように複数の人と恋愛関係を結ぶ場合は、なおさらだということでしょう。

柔軟な考えを持ち、柔軟に対応できる

特定の1人ではなく、複数の人と親密な関係を築こうとしたとき、それだけ多くの考えや価値観にふれることになります。違いを尊重することも大事であり、それに加えて自分自身が柔軟な対応をすることも大切だということでしょう。

自主性は重要である

「ポリアモリー」のように、複数の人と恋愛関係を築くというと、それだけ多くの人を頼りながら、支えられながら生きているようにも感じますが、デボラさんは、「ポリアモリー」に自主性があるかどうかが重要であるという指標を作っています。

結婚といった制度にとらわれないで自分の意思で愛を見つけ、築いていかなければならないからです。

人間的な成長を求める

最後に、7つめの指標として、「ポリアモリー」として生活する人のなかには、人間的に成長したいと考える人が多いようです。複数の人と親密になり、その分得られる多くの機会でひとりの人間として成長したいと考えているのでしょう。

複数の人と恋愛関係を築き、生活する「ポリアモリー」

「ポリアモリー」というセクシュアリティについて、知っていただけたでしょうか。「ポリアモリー」とは、同時に複数の人と恋愛関係を結び、生活をする人のことです。最初にもお伝えした通り、重要なのは関わる全ての人達の合意が取れていることです。

セクシュアリティについて語られるようになってきた今も、「ポリアモリー」についてはまだまだ知らない人も多いはずです。この記事を読んで初めて知ったという人も、以前から知っていたという人も、新しい学びがあれば幸いです。

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◎この記事を書いた人・・・藤枝あおい
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