【経験談】FtMが男性ホルモンを投与するとどう変わるのか
どうも、空衣です。FtMでパンセクシュアルです。
実は一年前まで、身分上“女子大生”をやっていました。現在は“男性サラリーマン”という境遇です。

女性とされる身体に男性ホルモンを打っていくとどんな変化があるのか、お話ししていきます。もちろん個人差はありますので、体験したことを書いていこうと思います。
ちなみに自分は、2週間に一度、お尻に自己注射をしています。

男性ホルモンのメリット

一般的にFtMにとって嬉しいと思われる変化を挙げていきます。

  • 声変わりする:徐々に低くなっていきます。電話越しに男性だと認識されるのは嬉しいです。
  • 筋肉質になる:少し筋トレするだけで、目に見えて体つきが変わってくれるので、筋トレが楽しくて仕方ありません。
  • 顔つきが男性的になる:脂肪が落ちて顔まわりがスッキリした印象になるようです。
  • 気持ちが楽観的になる:女性ホルモンが多いと鬱々と沈みやすく、男性ホルモンが多いとあっけらかんと明るい思考回路や性格になる傾向があるそうです。そのため今まで悩んでいた内容を、男性ホルモン摂取後はいちいち気にしなくなりました。しかし幸か不幸か、全然泣けなくなりました。

男性ホルモンのデメリット

一般的にFtMにとっては嬉しくないと思われる変化も起こります。

  • 毛髪が薄くなる:これは男性全般に起こりがちな変化ですから、FtMだけが特別こうなるわけではありません。やはり急に薄くなったのを感じると残念な感じがします。育毛剤を使用しようか悩みました。
  • 性欲が上がる:性欲が急激に上がるとその対処に困ります。性欲そのものはもちろんですが、それをどう対処すべきかわからないFtMは多いのではないでしょうか。外性器の形状が大多数の男性と異なるので、一般男性に解消法を教えられても参考にならず、余計にフラストレーションが溜まることもありました。
  • 体臭が変わる:そのにおいが好きな人には嬉しい変化なのかもしれませんが、においが強くなるのを感じます。元々は無臭だった部屋や、服のにおいも変わったと思います。
  • 身長は伸びず、他の男性との体格差が気になる:他の部分が男性的になっていくにつれて、男性ホルモンだけでは変わらない部分(身長など)に悩まされることがあります。
  • 生涯お金がかかり続ける:病院によってまちまちですが、男性ホルモンを打ち続けるのであればその分お金と時間がかかります。
    “ボーイッシュな女性”として扱われてきた人が男性ホルモンを取り入れると、“低身長で小汚いおじさん”になるからモテないぞ!と揶揄されることもありました。清潔感を保つのは難しくなりますし、骨格は変わらないので身長は男性平均に比べて低い場合が多いです。

【実録】自分は男性ホルモンでこう変わりました

上記でご紹介させていただいた変化は大体起こりました。
男性ホルモン期間半年で、初対面の人に男性だと認識されていくようになりました。しかし、意外な変化もありました。

  • 体毛が薄いまま:別に毛むくじゃらになりたいわけではないのですが、あまりにも体毛が薄いと、裸になったとき周囲からの目が気になります。
  • ある日突然声変わりした:自分は徐々に声変わりしたというよりは、ある朝目覚めたら別人の声のように低音ボイスに変わっていました。その日から、話をすれば男性だと認識されました。
  • 身長と足のサイズが1cm伸びた:男性ホルモンを入れても身長は伸びることはあまりないと言われていますが、自分は成人していても少しだけ成長しました。足のサイズが1cm伸びたおかげで、メンズの靴も選べるようになり良かったです。
  • バイトでの待遇に困る:「戸籍上女性」として登録するしかなかったバイト先では、外見がボーイッシュすぎて女性には見えないのに登録上は女性になっているので、統括する担当者が困っていたことはあります。
    あるときは自分のことを以前から知っていて「女性」として接する人と、初対面で「男性」だと思っている人が隣り合った時に、複雑な空気になったこともありました。

以上、男性ホルモンの変化についてお話ししました。
一度始めると元には戻らないので、ホルモン治療を検討中の人は後悔のないよう、覚悟をもって決めてください。

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◎この記事を書いた人・・・空衣
1996年、神奈川県生まれ。性別も住処も旅してきました。

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